40歳といえば丁度最初の子供が小学校に入り、二人目の子供が幼稚園に入ろうかという年齢かと思います。
今回の記事は今まで共働きで必死に働き、駐在などの追い風もあって3000万円は蓄えることはできたという裕福な世帯の方に向けてです。
同世代の中では大きな資産を構築できていますが今後子供の養育費は嵩み必要経費が高まることを考えると老後の蓄えとしては大丈夫なんだろうか?
と不安に思われている方も多いと思います。
今後年金も受給金額の引き上げ、総支給額の引き下げを覚悟しなければいけない状況下出来うる限りお金を蓄えたいと思うのは当然の理だと思います。
今回は40歳で貯金1000万円を保有されている方に向けて60歳時点で1億円近くの老後資産を構築する為の方法について紹介していきたいと思います。
もくじ
一気に大きく増やす可能性のある投機に手を出すことはおすすめしない
2017年に大流行した仮想通貨のように爆発的な利益が生まれる可能性のある仮想通貨のような投資先は一見すると魅力に感じられます。
誰もが一度は夢をみようと考えたことはあるでしょう。
しかし価格が高騰するということは裏返すと暴落する可能性が高いことを意味します。
また高騰する投資というのは予想することが出来ず、たいていは日本の株式バブルのように人々の期待先行で上昇していくケースが多いのです。
つまり、理論的に考えて価格が上昇するというよりは何がなんだか分からないけど上昇していくので不透明性が非常に高いのです。
皆さんが必死に貯めた虎の子の3000万円の投資先として、
今後の不透明性が高い博打的な金融商品を選ぶことは決しておすすめ出来ません。
そもそも投資というのはどのようなものなのかを、著名投資家の言葉を借りて説明したいと思います。
「物言う株主」として有名な村上ファンドの村上世彰氏は投資を以下のように定義しています。
「将来的にリターンを生むであろうという期待を元に、資金をある対象に入れること」
つまり理論的に考えて上昇するであろうという投資先について、資金を投じることを投資だとしているわけです。
実際2000年代初頭のITバブルの際に村上氏はなぜIT銘柄がここまで高騰しているのか分からないとして手をだしませんでした。
5%〜10%程度の複利を味方につけて着実に投資を行う
古来から『ローマは1日にしてならず』や『急がば回れ』という言葉がある通り、
結局は地道に積み上げていった方が多くの資産を積み上げることが出来ます
複利で運用を行えば指数関数的に資産が増えるというのは耳にタコが出来るほど聞いていると思います。
では実際40歳時点で3000万円に投資を行ったとして60歳時点で1億円にする為には年率6.2%程度の運用で問題ありません。
以前、狙うべきリターンとして適当とした年利10%の水準に比べて低く十分達成可能な水準です。
また、平均的な資本収益率が5%程度であると分析しているトマ・ピケティの話題経済書『21世紀の資本論』にも記載されています。
☞ 個人投資家が狙うべき利回りはどれくらいが最適?年利10パーセントを超える資産運用方法はあるのかを考察
しかし今後日銀が狙っている2%程度のインフレが発生することを想定しておく必要があります。
☞ 日本銀行が金融政策で2%のインフレ率(物価上昇率)を目標(ターゲット)としている理由とは?わかりやすく解説!
インフレを加味した後の利回りで6.2%の利回りを達成する為には8.2%以上の利回りが必要になってきます。
今回は8%-10%の利回りが見込める投資先はどこなのかという点を分析していきたいと思います。
日本株やJ-REITの高配当銘柄ポートフォリオを構築する
まずは身近な日本市場でインカムゲインを狙う方法について考えていきましょう。
現在日本株の平均配当利回りは2%に届くかどうかという水準となっていますが東証一部の高配当銘柄の順位は以下のようになっております。
銘柄 | 配当利回り |
エイベックス | 8.15% |
インタワクス | 7.89% |
芝浦機 | 7.06% |
JT | 6.75% |
菱洋エレク | 6.65% |
ユニプレス | 6.01% |
SB | 5.96% |
コナカ | 5.74% |
野村 | 5.65% |
日本郵政 | 5.49% |
配当利回り上位の銘柄でポートフォリオを組めば7%-8%の配当利回りは達成しえます。
しかし、配当利回りが上位の銘柄は株価下落によって配当利回りが高くなっている銘柄が多く存在しています。
株価が下落しているということは業績の悪化が見込まれている可能性があります。
この場合、現在の配当金の水準が維持不可能となる可能性があることは十分に留意する必要はあります。
ではREITはどうでしょうか。
REITはReal Estate Investment Trustつまり不動産投資信託のことです。
☞ 高配当利回りで評判のJ-REIT(リート)とは?2021年からの見通しを含めてわかりやすく解説する!
☞ 私募ファンドとREITの違いは何か?仕組み/スキーム/私募不動産ファンド/ヘッジファンド/プライベートエクイティ
不動産投資によって稼いだ金額の90%を配当に回すことによって、
法人税を免除されるというシステムを取っている為、配当金(分配金)利回りは高く、平均分配利回りは4%となっています。
しかし以下のように分配金上位銘柄を見てみると、最高7%の銘柄もありますが、
上位銘柄を組み合わせて目標に届きません。
あくまで不動産投資なので限界があるといった感じですね。
銘柄コード | 銘柄 | 分配利回り |
3492 | タカラレーベン不動産投資法人 | 5.79% |
3451 | トーセイ・リート投資法人 | 5.74% |
3470 | マリモ地方創生リート投資法人 | 5.69% |
3468 | スターアジア不動産投資法人 | 5.46% |
3476 | 投資法人みらい | 5.41% |
2971 | エスコンジャパンリート投資法人 | 5.38% |
3488 | ザイマックス・リート投資法人 | 5.28% |
3290 | Oneリート投資法人 | 5.09% |
3453 | ケネディクス商業リート投資法人 | 4.97% |
3296 | 日本リート投資法人 | 4.89% |
個別株式にしてもREITにしてもインカムゲインだけでは8.2%を達成することは難しいといえるでしょう。
米国の株式市場全体に投資できるETF「VTI」は魅力的だがリスクもある
バフェットも投資の素人が個別株を買うくらいであれば、
米国の株式市場に連動するETFを購入するのが非常に賢明な選択肢であると述べています。
米国株に連動するインデックスとして最も代表的なETFがVTIです。
☞ 【VTI】米国株長期保有ならバンガードETF!評判の良い海外ETFを徹底分析 構成銘柄/利回り/配当(分配金)/見通し/買い方/S&P500・NASDAQ指数と比較
確かにバフェット氏が指摘する通り米国の株式市場は長期的に右肩上がりに上昇しています。

参照:multipl
長期的な平均リターンは7%-8%となっているので非常に魅力的に見えます。
しかし、以下は1928年以降のS&P500指数のリターンです。
単年度でみると40%近く暴落したり20%程度下落する年が頻繁に訪れます。
10年単位でみても年率リターンがマイナスとなる場合も存在しているのです。
投資するタイミング次第では苦しい時間を長く耐え忍ぶ必要があることは頭に留めておきましょう。
安全に10%を狙っていく選択肢とは?
では安全に3000万円を老後までに1億円に成長させる投資先は何なのでしょうか?
ここで注目したいのがオルタナティブ投資です。
オルタナティブ投資は株式市場とは異なる動きをしてポートフォリオの安定性を高める投資先として機関投資家から注目されています。
☞ オルタナティブ資産の種類とおすすめ投資先とは?オルタナティブ投資を実践すべき理由とともにわかりやすく解説する!
長期間にわたって平均して年率10%以上のリターンを出している米国の一流大学はオルタナティブ投資を高い割合で組み入れています。
ポートフォリオの安定性を高めるだけでなく、高いリターンももたらしてくれるのです。
☞ 資産分散を行い市場平均をオーバーパフォームする投資ポートフォリオを組成する為の考え方とは?エンダウメントの投資手法を参考にしよう!
その中でも最も注目を集めているのがヘッジファンドです。以下はハーバード大学のポートフォリオです。
ポートフォリオの4割近くをヘッジファンドとして組み入れています。
ヘッジファンドは絶対収益型のファンドと呼ばれています。
どのような相場環境であっても収益獲得を目指しており、以下の通りS&P500指数よりも高いリターンを低いリスクで実現しています。
ヘッジファンドを組み入れることで安定して10%程度のリターンを積み上げていくことができるのです。
以下のランキングではまさに上記の図のような値動きをするファンドをランキング形式で纏めています。
筆者が投資しているファンドもふくまれていますので参考にしていただければと思います。