資産運用に関心のある方はまずは株式投資、もしくは投資信託を購入することを検討する方が多いのではないでしょうか?
そして投資信託を購入するにあたり、まず出会う商品として、セゾン投信の「セゾン資産形成の達人ファンド」があります。それくらい有名な商品です。
ファンドも宣伝費をかなりかけていると思いますしね。
セゾン資産形成の達人ファンドは「ファンド・オブ・ファンズ」という形式を取っています。
「ファンド・オブ・ファンズ」とは、「投資信託に投資する」投資信託です。
一般個人投資家が購入できないような、世界中にある優良投信を選んで購入し、実際に運用してくことが強みです。
今回の記事では、このセゾン資産形成の達人ファンドの仕組みと、資産運用先としておすすめできる商品なのかを分析・評価していきたいと思います。
もくじ
セゾン資産形成の達人ファンドとは?概要を把握しよう
冒頭でも述べましたが、セゾン資産形成の達人ファンドは「ファンド・オブ・ファンズ」です。
「ファンド・オブ・ファンズ」とはその名の通り投資信託に投資する投資信託です。
このセゾン資産形成達人ファンドが購入する投資信託は、基本的に一般投資家では購入できない「機関投資家向け」の商品となります。
個人投資家も組み入れてしまえ、というスタイルを取っているのがセゾン資産形成達人ファンドの特徴ですね。
投資信託という商品は「分散投資」が基本ですが、セゾン資産形成の達人ファンドは「分散投資している投資信託」を分散投資(購入)しています。
分散に分散を重ねているので、それだけリスクが低くなっていることがわかりますね。
以下はその分散具合がわかる図表です。
(出典:セゾン投信)
地域別で見ると、北米44%、欧州26.9%、新興国14.5%、日本12.5%とかなり安定志向の運用となっていますね。
現在の世界の株式時価総額の国別構成比率とほぼ同じ比率で構成されています。
世界全体の株式市場の成長をダイレクトで取り込むことが出来る構成となっております。
すでに投資資本が大きい個人投資家の方であれば検討してみても良いかもしれません。
投資先産業も産業も細かく分散していますね。
セゾン資産形成の達人ファンドの評価
セゾン資産形成の達人ファンドはどのような評価になっているのでしょうか?
実績として、直近はトムソン・ロイターリッパー・ファンド・アワード・ジャパン大賞で、3年連続で最優秀ファンド賞を受賞しています。
また、R&Iファンド大賞を最優秀ファンド賞を4年連続で受賞しております。
2018年のR&Iファンド大賞の
- 投資信託10年部門
- 外国株式最優秀ファンド賞
- 「投資信託部門」の外国株式優秀ファンド賞
と数々の受賞を果たしています。
基本的には、信頼のおけるファンドということが出来ます。
セゾン資産形成の達人ファンドは如何にして投資信託を選んでいるのか?
まずはセゾン資産形成の達人ファンドの理念からみていきましょう。
投資判断は常に理念を軸にして実行しています。
主として、投資信託証券を中心に投資を行い、信託財産の長期的な成長を図ることを 目的として運用を行います。
引用:目論見書
「長期的な成長を測ることを目的として運用を行います」とありますね。
短期的な利益を狙うことなく、セゾン資産形成の達人ファンドは割安な投資信託を常に調査しています。
セゾン資産形成の達人ファンドが目標としているのは、
「市場アベレージ」ですが、購入する投資信託は「アクティブファンド」なのです。
このアクティブファンドはファンダメンタル分析を重視しており、
株価指数などベンチマーク以上の運用成績を目指すことになります。
アクティブファンド・インデックスファンドについては他の記事で解説していますので、
参考にしてみてください。
投資信託は儲からないのはなぜ?本当におすすめの運用先とは。公募ファンドの仕組み/日米の公募投信のコスト比較 / 信託報酬(手数料)とリターンの関係
上記の投資方針に加えて、セゾン資産形成の達人ファンドでは「世界経済全体の成長」を取り込み、世界の株式時価総額に連動することを目指し、ポートフォリオを組成しています。
上記でも触れましたが、世界の株式時価総額国別ウェイトをみてみましょう。
もう一度セゾン資産形成の達人ファンドの地域別比率を上記時価総額と比べてみましょう。
連動する比率になっていますね。
欧州の割合が大きくなっていますが、これは欧州の景気が安定してきていること、欧州中央銀行の量的緩和の出口戦略が株式市場に好感されていることが要因として挙げられます。
セゾン資産形成の達人ファンドのリスク耐性は?
例えば、世界金融危機などが起きた場合に、資産形成達人ファンドはどのような手法でリスクを切り抜けるのでしょうか?
株式相場下落局面では「債券」投資信託も投資対象とする方針となっていますね。
セゾン資産形成の達人ファンドの投資も前提として株式投資に絞っていますので、リスク時は債券投資をすることを明言する必要があるのです。
セゾン達人ファンドの手数料
セゾン達人ファンドの取引手数料は以下の通りとなっています。
購入時手数料 | 0% |
信託手数料 | 1.35%±0.2%/年(税込/概算) |
信託財産保留額 | 0.1% |
(引用:セゾン投信)
購入時手数料が0%なのは嬉しいですよね。
信託手数料は競合のひふみ投信が0.5%ですので高い水準にあります。
信託手数料に変動幅があるのは、セゾン資産形成の達人が購入する投資信託の手数料がそれぞれ異なることが要因です。
チャートからみるセゾン資産形成の達人ファンドの運用成績・利回り
では、本題の運用成績についてみていきましょう。
セゾン資産形成の達人ファンド単体の運用成績(利回り)
2007年〜2019年の12年間で運用成績としては資産を2倍にしています。
2020年のコロナショック後も、世界の株高にしっかり乗って、純資産額を増やしていますね。
次にトータルリターンです。
トータルリターンとは、基準価額の値動きと分配金の両方が考慮されます。
手数料を利益から差し引いて算出され、投資金額に対する儲けを正確に知ることができる指標です。
セゾン資産形成の達人ファンドは、以下のような数字となっています。
- 1年:4.57%
- 3年:6.33%
- 5年:5.38%
- 10年:13.10%
さすが、多くの投資家が購入する投信なだけあって、分散投資を謳いここ5年は5%程度の利回りを達成していますね。
安全に資産を増やせる商品と言えるのではないでしょうか。
TOPIXやS&P500指数に対してもアウトパフォーム
セゾン資産形成の達人ファンドは市場平均に対してプラスのリターンを組み入れているアクティブ型の投資信託ということもあり、日本株の代表指数TOPIXや米国の代表指数S&P500指数に対して高いリターンを出せているかということが重要になります。
以下は2018年までの、過去5年間のセゾン資産形成の達人ファンドと両指数のリターンを比較したチャートです。
資産形成の達人ファンドはTOPIXは当然のこととして、リーマンショック後最も高い株式リターンを叩き出してきています。
また、米国のS&P500指数を上回るリターンを出すことに成功しています。
(引用:Bloomberg)
セゾン資産形成の達人ファンドはバンガード社をはじめとしたプロ向けのファンドをバランスよく組み入れた、市場平均を上回る成績を残すことができている優秀なアクティブ型の投資信託であるということが出来るでしょう。
基本的には、S&P500の株価指数に連動したインデックスファンドも安定的で、積み立て投資などには非常に向きます。
しかしセゾン資産形成の達人ファンドの方が成績が良いと判断するのであれば、セゾンを選ぶ方が合理的です。
セゾンは守りながら増やせるメリットもあり、少額投資家はセゾン資産形成の達人ファンドの選択は大いにありだと思います。
さらにまとまった資金があり、高いリターンを狙うのであれば、ヘッジファンドが選択肢になってくるかと思います。
セゾン資産形成の達人ファンドの今後の見通し
私たちが今生きている世界は資本主義であり、資本主義が続く限りにおいて企業は再投資を繰り返しながら、
利益を伸ばし世界の株式市場の時価総額は拡大し続けます。
実際200年以上資本主義の原理で動いている米国の資産は以下のように、
Stocks(株式)が他の資産BOND(社債)、BILLS(国債)、GOLD(金)に対し圧倒的なリターンを叩き出しています。
左軸が10倍毎に上昇していることからも株式が資本主義の中で最も期待できる資産であることは、歴史が証明しているのです。
世界の株式市場に対して分散投資を行い実際に市場平均よりも高いリターンを出しているセゾン資産形成の達人ファンド。
今後も世界経済の成長に伴う時価総額の成長を取り込みリーマンショックのように一時的に凹む局面はあるかもしれませんが、長期的にみれば安定して成長していくことが見込まれます。
セゾン資産形成の達人ファンドのまとめ
ここまでセゾン資産形成の達人ファンドを紹介してきましたが、まだまだ資産が少額で、長期的に資産を育てたいという方には良い投資先かと思います。
投資をする場合はまずは資料請求して目論見書を熟読の上、意思決定を行うと良いと思います。
1000万円以上のまとまった資金がある人は、ヘッジファンドなどを活用してさらなるリターンを獲得しましょう。
以上