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【ゼウス投信】大損すると評判の投資信託『新光US-REITオープン』を徹底評価!高い分配利回りで特別分配金を払い続ける危険性について紐解く。

ゼウス投信のリターン

新光US-REITオープン(通称:ゼウス投信)は米国リートに投資を行いながら高い配当金利回りを出していることで有名な投資信託です。

 

リートは投資家から集めた資金を不動産に投資をして、得られた収益をほぼほぼ全て投資家に分配することで法人税を免れる仕組みとなっています。

そのため、株式よりも高い4%~5%の配当(分配金)利回りを狙うことが出来ます。

☞ 私募ファンドとREITの違いは何か?仕組み/スキーム/私募不動産ファンド/ヘッジファンド/プライベートエクイティ

 

ゼウス投信は現在2021年2月時点で基準価格が2000で月の分配金が25円なので年間300円とすると配当金利回りは驚異の15%という水準になります。

私が分析してきたリートの利回りはおろか、それ以上の8%程度の配当金利回りをだすMLPよりも高い利率となります。

 

今回は高配当が売りのゼウス投信なのですが実は資産を大きく失う可能性のある投資信託となっています。

本日はゼウス投信の問題点について紐解いていきたいと思います。

 

【ゼウス投信】新光US-REITオープンの特徴とは?

まずゼウス投信とはどのような投資信託であるかという点についてお伝えしていきたいと思います。

ファンド・オブ・ファンズ形式で運用

ゼウス投信はファンド・オブ・ファンズ形式で運用が為されています。

 

ゼウス投信の仕組み

 

要は米国のリートに分散投資を行うことにより安定的なリターンを出そうとするファンドということです。

最新の2021年1月度の運用報告書によると構成銘柄全体の加重平均配当利回りは3.23%となっています。

 

あれ、ゼウス投信の配当利回りは15%のはずなのに辻褄が合わないぞと疑問に思った方は非常に鋭いです。

この点については後程お伝えしたいと思います。

 

ベンチマークはあるのか?

ゼウス投信は市場平均に対してプラスのリターンを確保することを目指すアクティブ型の投資信託です、

☞ アクティブ運用型とパッシブ運用型の投資信託のどちらが優れているのか徹底比較!インデックス投資は本当に最強なのか?

 

基本的にはアクティブ型の投資信託は比較対象としてベンチマークとなるTOPIXやS&P500のようなインデックスを設定しています。

ゼウス投信はベンチマークをFTSE NAREIT All Equity Reitとしています。

 

The FTSE Nareit All Equity REITs Index is a free-float adjusted, market capitalization-weighted index of U.S. equity REITs. Constituents of the index include all tax-qualified REITs with more than 50 percent of total assets in qualifying real estate assets other than mortgages secured by real property.

<引用:NAREIT>

 

つまり全体の米国リート市場の時価総額の50%以上を網羅した時価総額加重平均指数ということですね。

 

ゼウス投信の業種別比率

ゼウス投信の業種別の構成比率は以下のようになっています。

景気敏感な商業・産業・ホテルレジャーと景気に左右されにくい住居・インフラ・貸倉庫などが、

バランスよく分散投資されているのが分かります。

 

ゼウス投信の業種別構成比率

 

ゼウス投信の購入手数料と信託手数料

ゼウス投信はアクティブ型投資信託ですので手数料はバカになりません。

まず購入する時に発生する手数料は税込みで3.24%になります。

 

また年間発生する信託手数料は年率1.6524%となります。

ファンド・オブ・ファンズ形式のアクティブ型の信託報酬の平均というレベルですが高く設定されていますね。

 

アクティブ型投信の信託報酬

 

手数料で儲けようとする日本の投資信託の特徴を顕著に引き継いでいうことが出来ます。

決して安い手数料ではないでしょう。

 

新光US-REITオープン(愛称:ゼウス投信)の運用成績

それでは肝心のゼウス投信の成績について見ていきましょう。

ゼウス投信単体の運用成績

ゼウス投信の成績は最新の2021年1月の月報によると、以下のようになります。

赤:基準価格は最初の10,000円から現在は2000円と5分の1程度に下落していますが、

青:分配金再投資基準価格は15年をかけて2倍になっています。

ゼウス投信のリターン

 

設定以来以下のように税引前配当金再投資後の成績は+118.2%となっています。

年率になおすと平均4.8%(年率)となっています。

 

過去1ヶ月 7.7%
過去3ヶ月 6.5%
過去6ヶ月 2.8%
過去1年 ▲14%
過去3年 9.5%
過去5年 11.1%
設定来(2004年9月29日〜) 118.2%

 

米国の株式指数であるS&P500指数の20年間の平均年率が7.5%程度であることを考えると正直物足りない成績ですね。

更に上記の成績はあくまで「税引前」配当金再投資後の成績であり実現不可能なリターンです。

 

分配金再投資をした場合の運用成績の罠

先程の設定来の運用利回りは税引前分配再投資をした場合の成績です。

通常投資信託から分配金を拠出された場合、20.315%の税金が自動的に徴収されます。

例えば10万円ゼウス投信から配当されたとしても手元には7万9,685円しか入金されません。

 

先程の運用成績は10万円をそのまま再投資した場合、つまり配当をせずにそのまま運用した場合の運用成績となります。

しかし。実際は7万9,685円しか再投資することが出来ないので実際の運用成績は先ほどのリターンを大きく下回る結果となります。

 

特に実際投資している米国リートの分配金が4%程度であるにも関わらず、

年率15%程度の配当金を元本から払い出していることから、高配当利回りを出す代償として真に投資家の為になる運用を行っていないことは明白なのです。

高配当利回りで投資家を募り手数料を出来うる限り徴収しようという目論見が透けて見えます。

☞ 投資信託は儲からないのはなぜ?本当におすすめの運用先とは。公募ファンドの仕組み/日米の公募投信のコスト比較 / 信託報酬(手数料)とリターンの関係

 

参考指数:FTSE NAREIT ALL Equity REIT (配当込み)との比較

米国株指数に対して低いリターンなのは、そもそも米国リート指数が米国株指数に対して、

以下のように2004年からの期間でアンダーパフォームしているので致し方ありません。

特に2020年のコロナショック後の株価指標のV字回復は目を見張るものがありました。

 

青:S&P500指数
赤:米国REIT

米国株と米国REITのリターンの比較

 

 

では参考指数となっているFTSE NAREIT ALL Equity REIT (配当込み)とゼウス投信の比較を見てみましょう。

 

ゼウス投信と対象指数との比較

 

ゼウス投信は税引前配当金再投資した場合の成績ですので、実際投資した場合よりも高いリターンとなっています。

しかし、上記のようにどの期間においてもゼウス投信が低い成績となっております。

 

高すぎる分配利回りは投資家にとって大きな不利益!特別分配金に気をつけよう!

ゼウス投信で最も気をつけなれければいけないのは過剰な分配金です。

3%-4%のリターンしか得ていないのに、15%の分配金利回りを支払っていることに様々なデメリットを被っています。

☞ 危ない?悪くない?不労所得生活を実現できると噂の「毎月分配型」投資信託は最強なのだろうか。メリット・デメリットを列挙しわかりやすく解説

 

デメリット①:複利効果の毀損

複利効果の毀損については先述した通りです。

分配金を支払った瞬間に20.315%の税金が発生するので全額を再投資することができません。

つまり複利効果が税金分だけ毀損することになるのです。

 

では具体的な例を以下2つの投信を用いて比較していきましょう。

A:基準価格が10,000円でリターンが5%で分配金を出さない
B:基準価格が10,000円でリターンが5%で全額分配金として分配する

A B
基準価格 税後分配金
現在 10,000 10000 398.425
1年後 10,500 10000 398.425
2年後 11,025 10000 398.425
3年後 11,576 10000 398.425
4年後 12,155 10000 398.425
5年後 12,763 10000 398.425
6年後 13,401 10000 398.425
7年後 14,071 10000 398.425
8年後 14,775 10000 398.425
9年後 15,513 10000 398.425
10年後 16,289 10000 398.425
利益合計 6,289 4,383

 

毎年のリターンは一緒であるにも関わらず、最終的なリターンはAの方が圧倒的に大きくなっています。

目先の分配利回りにとらわれず、価格の値上がり益まで加味して投資判断を下しましょう。

 

デメリット②:特別分配金で無駄な手数料を支払っている

また、更に注意しなければいけないのが特別分配金です。

3%-4%のリターンなのに15%の分配金を支払っているということは元本から分配金を支払っていることを意味しています。

 

実際、基準価格が右肩下がりに減少していることからも元本を取り崩していることがわかります。

このように元本から取る崩される分配金を特別分配金といいます。

 

特別分配金とは?

 

特別分配金は元本からの払い出しなので非課税ではありますが、冷静に考えて欲しいことがあります。

購入手数料と毎年の信託手数料を支払っている元本から、分配金が拠出しているわけです。

それなら預金から引き出していた方がましですよね。

投資信託の運用会社や販売会社に手数料を支払いながら預金を取り崩していることになっているのです。

表面上の高い分配利回りに騙されてはいけません。その分配金の原資がどこかという点についてもしっかりと確認しましょう。

 

新光US-REITオープン(愛称:ゼウス投信)のまとめ

ゼウス投信は米国のリートに投資を行っているが、投資している米国リートから得られる配当金の3倍の分配金を拠出しています。

そのため、元本が大幅に取り崩されていっております。

 

本当に投資家の為になる運用を行うのであれば分配金を出すべきではありません。

高い分配金で顧客を引き付けてできうる限り投資信託を販売して、手数料を徴収して儲けていこうという意図が透けて見えます。

 

ただ配当利回りが高いというだけで投資商品を判断せずに投資対象を判断していきましょう。

以下管理人がおすすめできる投資先についてまとめていますので、

参考にしてみて下さい!

最後に

投資

 

>>>個人的おすすめファンドランキング

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

 

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

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