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【VTI】米国株長期保有ならバンガードETF!評判の良い海外ETFを徹底分析 構成銘柄/利回り/配当(分配金)/見通し/買い方/S&P500・NASDAQ指数と比較

バンガード

 

ETFといえばバンガードのETFが一番有名です。

 

今日はバンガードETFシリーズの中でも有名な、バンガード®・トータル・ストック・マーケットETF(通称:VTI)について、どのようなETFなのか、利回・配当がどうなっているのかという点について、わかりやすく説明していきたいと思います。

 

VTIが連動するCRSP USトータル・マーケット・インデックスとは?ダウ平均やS&P500指数とは何が違う?

ETFは連動を目的とするインデックスが設定されます。

VTIの場合はCRSP USトータル・マーケット・インデックスを連動目標として僅か手数料年率0.03%で運用しております。

 

CRSPとはCenter for Research in Security Price社のことで日本では聞きなれないですが、

1960年に包括的なデータベースを所有し、世界に向けて提供する世界最初の企業として設立されました。

 

CRSP USトータル・マーケット・インデックスは米国の株式指数なのですが、

米国といえばダウ平均指数やS&P500指数が非常に有名です。

 

S&P500に連動するETFとしてバンガード社はVOOも提供しています。

 

ダウ平均指数やS&P500指数は米国に上場されている企業の中でも大型・中型の銘柄を構成銘柄に組み入れています。

ダウ平均株価は大型銘柄たったの30銘柄から、S&P500指数は名前の通り大型・中型株500銘柄から指数が構成されています。

 

CRSP USトータル・マーケット・インデックスはというと、分かり易く日本語でも説明しますが、まず以下の原文をご覧ください。

 

Nearly 4,000 constituents across mega, large, small and micro capitalizations, representing nearly 100% of the U.S. investable equity market, comprise the CRSP US Total Market Index. The total return index was first posted on the NASDAQ GIDSSM (Global Index Data ServiceSM) feed on December 31, 2012; the price return index was posted on January 18, 2011.

出所:CRSP US total market index

 

最も重要な点は黄色下線部分なのですが、大型中型株に限定せず小型(small)さらに超小型(micro)株を含めた、4000銘柄で殆ど100%の米国の上場銘柄をカバーしたファンドであるということです。

 

日経平均も225銘柄の大型銘柄のみを構成銘柄にしていますが、東証・東証二部・地方証券取引所などの全ての銘柄を組み入れた指数の米国版といったところですね。

 

もう米国株式市場の全てを反映しているといっても過言ではないのが、CRSP USトータル・マーケット・インデックスだということです。

 

VTIの業種別構成比率と組入上位銘柄

VTIの業種別構成比率は以下の通り、現在の米国の金融とテクノロジーの強さが象徴されるような作りとなっています。

現在の米国企業の主たる企業がシリコンバレーとWall Street(本拠は移転してる金融機関は多いですが)に集まっていることが分かります。

 

VTI ベンチマーク バンガードETFとベンチマークの差
テクノロジー 26.70% 26.70% 0.00%
金融 15.90% 15.90% 0.00%
消費サービス 14.50% 14.40% 0.10%
ヘルスケア 13.90% 14.00% -0.10%
資本財 11.80% 11.80% 0.00%
消費財 8.10% 8.10% 0.00%
公益 3.00% 3.00% 0.00%
石油・ガス 2.40% 2.40% 0.00%
素材 2.00% 2.00% 0.00%
電気通信 1.70% 1.70% 0.00%

 

次に構成銘柄でいうと、以下のように上位5銘柄が巨大ITテクノロジー企業が独占しています。

 

この5銘柄で19.806%となっておりテクノロジーの全体に対する比率26.7%の74%に上ります。

テクノロジーは殆ど、大型銘柄で占められているということが言えますね。

 

順位 保有銘柄
1 Apple Inc.
2 Microsoft Corp.
3 Amazon.com Inc.
4 Alphabet Inc.
5 Facebook Inc.
6 Berkshire Hathaway Inc.
7 Johnson & Johnson
8 Tesla Inc.
9 Visa Inc.
10 Procter & Gamble Co.
純資産総額に占める上位10銘柄の割合 25.2 %

 

今話題のテスラも1.07%を占めています。

 

保有銘柄 ティッカー ファンド構成比 市場価格 シェア
Apple Inc. AAPL 5.82% $56,741,966,120 439,723,854
Microsoft Corp. MSFT 4.95% $48,191,822,344 213,682,536
Amazon.com Inc. AMZN 4.23% $41,224,112,166 11,945,694
Facebook Inc. Class A FB 2.04% $19,864,948,265 67,752,211
Alphabet Inc. Class A GOOGL 1.42% $13,789,819,408 8,462,452
Alphabet Inc. Class C GOOG 1.35% $13,144,610,173 8,043,551
Johnson & Johnson JNJ 1.17% $11,388,640,488 74,236,624
Berkshire Hathaway Inc. Class B BRK.B 1.16% $11,279,341,114 51,730,605
Tesla Inc. TSLA 1.07% $10,423,708,264 20,917,700
Visa Inc. Class A V 1.03% $10,032,213,064 47,323,992

 

 

驚くべきは4000銘柄近くが組み入れられているのに上位10銘柄だけで5分の1程度を占めてしまうということですね。

世界最大の米国市場でこれほどの存在感を発揮するわけですから、米国の巨大企業の凄さが分かりますね。

 

 

VTIの利回りをチャートとデータから紐解く

肝心のVTIの成績なのですが、まずは以下の過去10年チャートをご覧ください。

美しさすら感じる右肩上がりですね。

 

リーマンショックの爆心地でありながら、その後ずっと景気拡大が続き堅調な米国経済に裏打ちされた、

米国株式市場の力強さが当然ながら、そのまま表れています。

 

VTIパフォーマンス

 

データ上から確認してみましょう。

2001年設定以来平均年率7.83%と非常に優秀な成績であり、尚且つ連動目標としているインデックスとほぼ完全一致していることが分かります。

 

VTIperformance

 

リーマンショックを経て年率7.83%というのは素晴らしい成績です。

設定した2001年5月から持ち続けたとすると、19年後の2020年5月には4倍にすることが出来たということです。

2020年はコロナショック後の超低金利政策、金融相場で、さらにリターンを伸ばしています。

 

 

VTIとS&P500、NASDAQのリターンをチャートから比較

では他の指数とも比較してみましょう。

 

まずは代表的な指数であるS&P500指数との比較を見てみましょう。

上位500銘柄で時価総額の9割近くを占めるということもあり、殆ど同じ値動きとなっています。

 

因みにダウ平均もほぼ同じ動きとなっているので、ここでは割愛します。

 

 

VTI SP500

https://investor.vanguard.com/etf/profile/performance/vti

 

 

ではFANG(Facebook,Amazon,Net Flix,Google)といった巨大IT企業から、新興ベンチャー企業までが上場するNASDAQ市場と比較してみます。

以下のようにNASDAQ市場がリーマンショック後FANGを始めとして技術革新で、非常に堅調に推移したこともあり、NASDAQ市場に比べると大きくアンダーパフォームとなっています。

 

VTI NASDAQ

 

ただNASDAQに対してマイナスになっていたとしても、それはITセクターがたまたま堅調であった為であり、常に高いパフォーマンスを出すとも限りません。

 

堅調なパフォーマンスを安定して出し続ける為には、全ての銘柄を組み入れたVTIの方が適切であると言えるでしょう。

 

増配が続くVTIの分配金 持ち続けると高配当に

VTIを保有していれば分配金も拠出されます。

現在2020年9月時点のVTIの価格は172USD近辺で推移しています。

 

2020年に拠出されてる配当金は3月の0.61USD、6月の0.70USDなので下半期もこの水準が続くと、1年間で約2.7USDということになります。

 

つまり現時点で172USDという水準から考えると、1.6%程度の配当利回りということになりますね。

 

Per share distribution Record date Ex-dividend date Payable date

$0.70

06/26/2020

06/25/2020

06/30/2020

$0.61

03/27/2020

03/26/2020

03/31/2020

$0.89

12/26/2019

12/24/2019

12/30/2019

$0.70

09/17/2019

09/16/2019

09/19/2019

$0.55

06/18/2019

06/17/2019

06/20/2019

$0.77

03/26/2019

03/25/2019

03/28/2019

 

配当率低いなと考えられた方もいらっしゃると思いますが、過去からの分配金の推移は以下のようになっています。

 

  • 2001年3月 取引値55ドル。分配金0.14ドル (年間ベース0.56ドル:約1%)
  • 2016年3月 取引値106ドル。分配金0.48ドル(年間ベース1.92ドル:約1.8%)
  • 2017年3月 取引値122ドル。分配金0.542ドル(年間ベース2.16ドル:約1.8%)
  • 2018年3月 取引値136ドル。分配金0.65ドル(年間ベース2.6046ドル:約1.9%)
  • 2019年3月 取引値146ドル。分配金0.726ドル(年間ベース2.9047ドル:約1.98%)

 

基準価格が上昇する毎に、分配金も右肩上がりとなっています。

 

 

VTIの定量データと今後の見通し 魅力的だが購入するのは今なのか?

VTIは先ほどチャートから見てきたようにリーマンショック後堅調に拡大していきましたが、現状のPERやPBR等のデータはどのようになってるでしょうか。

 

VTI ベンチマーク
構成株式銘柄数 3,525 3,497
時価総額の中央値 124.3 B 124.3 B
収益成長率 14.60% 14.60%
株価収益率(PER) 27.5 x 27.4 x
株価純資産倍率(PBR) 3.5 x 3.5 x
自己資本利益率(ROE) 17.70% 17.70%
非米国株式 0.00% N/A
回転率 ( 回転率 2019/12/31 現在) 4.10% N/A

 

 

PERは20倍をこえ、PBRが3.5倍と若干割高な水準になっています。

2020年初頭まで、景気拡大はリーマンショック後の2009年7月から実に9年3カ月目に突入し、景気拡大最長の1991年4月から2001年3月までの10年間に次ぐ第二番目の長さを誇っていました。

現在は、コロナショックと一度株式市場は大暴落を見せました。その後、超低金利政策により市場は大幅な回復を見せています。(全戻ししました)

 

今後もしばらくは、米国の低金利政策は継続されますので、VTIは若干割高とはいえ、安心して持てる一つのETFと言えるでしょう。

「割高」も捉え方次第ですが、米国で成長を牽引してきた企業は常に割高でした。

 

VTIの買い方 ネット証券がおすすめ(楽天証券で説明)

VTIは簡単に購入可能です。

ネット証券で購入できます。

 

私は楽天証券で購入していますが、検索窓に「VTI」と打てば出てきます。

 

VTIの買い方

 

VTIの画面で「買い」を選択して購入に進みましょう。

 

楽天証券でVTIを購入

 

まとめ

今回はVTIについて紹介しましたが、世の中には様々な投資先がありますよね。

ETF以外のオススメの投資先についても資産別に紹介していますので、こちらも参考にしてください。

 

 

最後に

投資

 

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私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

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投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

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