40歳といえば仕事も慣れ、徐々に自身の経験や知見を次の世代に継承していくことも視野に入ってくる世代ですよね。
しかし、今の日本は長寿国であり70歳まで働く人も増えていくと言われています。
その背景から、どうしても気になってくるのが、老後の生活ですよね。
今回は40歳時点で貯金3000万円を超えた人は、「どのくらいまで資産を伸ばせば安泰」と言えるのかを検証していきたいと思います。
結婚している世帯だけでなく、独身世帯のケースについても紐解いていきたいと思います。
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40歳時点で貯金3000万円超えたらセミリタイアは可能か?取り崩しで何年暮らせる?
ベースの生活費はどのように考える?
2人以上の勤労世帯の生活費についてみていきたいと思います。
生活費については総務省がデータで既に出してくれています。こちらを元にそれぞれのケースを考えていきましょう。
内訳 | 金額 |
食費 | 82,750 |
住居 | 20,625 |
光熱・水道費 | 19,207 |
家具・家事用品 | 14,153 |
被服費 | 9,137 |
保険医療費 | 15,162 |
交通・通信費 | 42,133 |
教育 | 8,753 |
教養娯楽 | 27,705 |
その他消費支出 | 45,687 |
合計 | 285,312 |
285,312円が平均的な生活費になっていますが、当然住んでいる地域によってはこの数字は上下します。東京住まいの場合はこの1.5倍はかかる覚悟でいるべきでしょう。
上記の住居20,625円は持ち家である前提です。東京で賃貸で暮らしている場合は+15万円以上を加えるべきでしょう。
これだけで月の生活費は435,312円になります。年間ベースだと約520万円という数値になります。
アーリーリタイアをして3000万円を取り崩すだけで生活をすると約6年で消えていきます。あっという間ですね。復職を考えると精神的余裕もあったもんじゃありません。
一般的にFIREを達成するために必要な資産を考える時、目安の一つに「4%ルール」という考え方があります。
4%ルールで運用をしてもリターンは96万円(税後)ですので2ヶ月分の生活費しか賄えません。
都心以外で賃貸の場合は上記の生活費に10万円程度を加えるイメージです。月額の生活費は385,312円です。年間ベースだと約460万円となります。
3000万円を取り崩すだけで生活をすると約6.5年で消えていきます。あっという間ですね。4%ルール運用で3ヶ月分の生活費しか賄えません。
持ち家の場合は持ち家の場合で、ローンを組んでいるパターンがほとんどだと思います。残債を返していくことを考えると仕事を簡単にはやめられませんよね。
40歳独身(ひとり)男性の場合
上記は2人以上世帯の場合で考察しました。40歳独身の場合はどうなのでしょうか?
結婚をしないという選択肢を取る人も増えてきました。男性一人の場合ですと、以下のような生活費になってくるかと思います。
内訳 | 金額 |
食費 | 50,000 |
住居 | 20,625 |
光熱・水道費 | 10,000 |
家具・家事用品 | 14,153 |
被服費 | 9,137 |
保険医療費 | 10,000 |
交通・通信費 | 20,000 |
教育 | 0 |
教養娯楽 | 27,705 |
その他消費支出 | 30,000 |
合計 | 191,620 |
2人以上世帯よりも10万円程度生活費が掛からなくなります。東京で賃貸で暮らしている場合は+10万円以上を加えるべきでしょう。
賃貸の場合は月の生活費は月額291,620円になります。年額にすると約350万円です。
都心以外で賃貸の場合は上記の生活費に7万円程度を加えるイメージです。月額になると261,620円となります。年額にすると310万円です。
4%ルール運用で3ヶ月分の生活費しか賄えません。
東京賃貸でアーリーリタイア、貯金3000万円を取り崩していくと約8.5年は暮らせます。40歳から48歳迄は安泰ですね。東京以外ですと約10年近くは暮らせますね。
40歳独身女性の場合
女性一人の場合ですと、以下のような生活費になってくるかと思います。(筆者が妻の生活費を鑑みての計算です)
内訳 | 金額 |
食費 | 30,000 |
住居 | 20,625 |
光熱・水道費 | 10,000 |
家具・家事用品 | 14,153 |
被服費 | 40,000 |
保険医療費 | 10,000 |
交通・通信費 | 20,000 |
教育 | 0 |
教養娯楽 | 27,705 |
その他消費支出 | 30,000 |
合計 | 202,483 |
東京賃貸(+10万円)でアーリーリタイア、貯金3000万円を取り崩していくと約8年は暮らせます。東京以外賃貸(+7万円)ですと約9年です。4%ルール運用で3ヶ月分の生活費しか賄えません。
ここまで半ば機械的に生活費から逆算してリタイア可能なのかと計算してきましたが、実はあまり意味がないです。
本来は資産なんていくらあっても足りないものです。その理由を次の項目で説明します。
機械的な計算では人生は生き抜くことはできず常に危機感が必要
ここまで生活費や貯金取り崩し、4%ルール運用など色々と計算してきておいてアレなのですが「いくらあれば安泰」というものは本来ありません。常に足りないのです。人生とは変数の連続です。
例えば結婚をした場合、パートナーも働くのであれば労働力は2倍になります。子供を作ることになり教育費がかかる、子育ての体力も必要になってくる、孫のことまで金銭面で気を遣わなければならないなど考えることはたくさんあります。
とはいえ、結婚とは一つの企業のM&Aのようなものです。
独身では関わることがなかったコミュニティへのアクセス、パートナーとの資産の共有による投資元本の増加も見込めます。また精神的にもパートナーファミリーとの人生の支え合い、守り合いなど安定感が増します。
人間とは社会的な生き物であり、多くの人と接して暮らしています。そして結婚して家族を持つとは接する人、すなわち人生の「変数」が増えることになります。変数が増える人生とはコストが必ず高くなるものです。
ここで指す変数とは、病気発症、事故に遭遇など親族の不幸から、子供の教育費用、人間関係に端を発した住居環境の変化など様々です。
とにかく家族が増えると考えることがたくさんありますしコストもかかるものです。
独身の場合と結婚した場合とではその変数の差がありますので、非常にシンプルな人生で、リタイアも容易にできると「思いがち」です。実際は独身でもコストは大きいです。人間は生きていくのにお金がかかるものです。
結婚をしないと決め込んだ人生であっても変数は増えませんが、家族はいないということは安全ではないということです。何か問題が起きた時に、助けてくれる人が少ないということです。
そもそもですが、「安全」とは高級品です。日本は長年の努力の結果、安全と言われる国ですが、それでも「資産(お金だけに限らず、地位や名誉なども)」を持っている人間は常にリスクと隣り合わせです。
そして、そのリスクをどのように多くの人は回避しているかですが、家族で回避し、問題が起きたら家族一丸となって助け合います。一丸となって資産を守り家族を守っていくのです。
家族は変数が増えてコストがかかると書きましたが、要するにこれは自衛のためにもなっています。保険を払っているようなものです。
独身の場合はその保険がありません。資産がなければ問題ないのですが、貯金が3000万円もあると、やがて何かの問題にぶち当たりそうです。社会には実は目に見えませんが、敵ばかりです。その外敵から実は守ってくれているのが我々の家族であり、親族一同なのです。見えないバリアみたいなものがあるのです。
よくよく考えてみると、社会で問題に巻き込まれている人は家族と疎遠だったり、仲が悪かったりしませんか?(これはもはや生まれ落ちた家庭次第という運の問題なのですが)
筆者は結婚至上主義というわけではないのですが、やはり独身であることは保険がない状態ですので比較的リスクが高いと思います。自身を防衛するためにも多くの財産が必要になってくると思います。安全とは高級品なので、お金がかかるのです。
独身貴族なんて言葉がありますが、あれはたまたま、まだ問題に出くわしていないだけです。時間の問題だと思います。社会は安全なように見えて全然安全ではありません。
貯金3000万円でアーリーリタイアをしてしまうと単純に労働で獲得できるお金が減ってしまいます。また運用していたとしても、少し失敗すればすぐになくなってしまう金額です。
とにかく労働は体が健康である限りは継続し、資産運用の合わせ技で、可能な限り資産を大きくしていくことが人生を生き抜くための最適戦略かと思います。お金を増やして分散して保管しておく。これが独身でも人生を生き抜いていく上で必要な戦略です。
ここではその最適戦略のうちの資産運用について解説していきます。
5年〜20年で3000万円貯めるには?
今までは3000万円あれば、何年暮らせるのかという視点でお伝えしてきました。
しかし、そもそも3000万円を形成するにはどうすれば良いのかという点についても簡単にみていきたいと思います。
20年で3000万円を貯める難易度は低い
20年で3000万円を形成する難易度は決して高くありません。元本がなくても十分達成することが可能です。
年間100万円を投資に回しながら3%と5%と7%で20年運用した際の資産は以下となります。
3%運用 | 5%運用 | 7%運用 | |
元本 | 0 | 0 | 0 |
1年目 | 100 | 100 | 100 |
2年目 | 206 | 210 | 214 |
3年目 | 315 | 326 | 336 |
4年目 | 428 | 447 | 466 |
5年目 | 543 | 574 | 606 |
6年目 | 663 | 708 | 756 |
7年目 | 786 | 848 | 915 |
8年目 | 912 | 996 | 1,087 |
9年目 | 1,043 | 1,150 | 1,270 |
10年目 | 1,177 | 1,313 | 1,465 |
11年目 | 1,315 | 1,484 | 1,675 |
12年目 | 1,458 | 1,663 | 1,899 |
13年目 | 1,604 | 1,851 | 2,139 |
14年目 | 1,755 | 2,048 | 2,396 |
15年目 | 1,911 | 2,256 | 2,671 |
16年目 | 2,071 | 2,474 | 2,965 |
17年目 | 2,237 | 2,702 | 3,279 |
18年目 | 2,407 | 2,942 | 3,616 |
19年目 | 2,582 | 3,195 | 3,976 |
20年目 | 2,762 | 3,459 | 4,361 |
3%から5%で運用すれば3000万円に到達できるのです。
5年で3000万円を貯めるには元本が必要
5年で3000万円を形成するには最低でも元本は1000万円は必要となります。
その上で毎年200万円ずつ追加投資して5%、7%、10%で運用した場合の資産は以下となります。
5%運用 | 7%運用 | 10%運用 | |
元本 | 1,000 | 1,000 | 1,000 |
1年目 | 1,260 | 1,284 | 1,320 |
2年目 | 1,533 | 1,588 | 1,672 |
3年目 | 1,820 | 1,913 | 2,059 |
4年目 | 2,121 | 2,261 | 2,485 |
5年目 | 2,437 | 2,633 | 2,954 |
5年で3000万円を形成するには10%の運用利回りが必要となってきいます。
→ 投資で平均年利10パーセントを狙うのは難易度が高い?個人投資家が狙うべき運用利回りを考察する!
貯金3000万円超えたら構築したい資産運用ポートフォリオ
基本的にはローリスクミドルリターン程度の運用が最適だと思います。時間を味方につけるのが結局は失敗しない運用に近づきます。
筆者が考える資産運用ポートフォリオは以下です。
- ヘッジファンド:2000万円
- インデックスファンド:500万円
- ゴールド:400万円
- 現金:100万円
ヘッジファンド
日本では馴染みがあまりないかもしれませんが、貯金3000万円クラスであればヘッジファンド投資がよい選択肢になるかと思います。
ヘッジファンドについて具体的には別の記事でも紹介していますがここでも少し触れていきます。
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ヘッジファンドとは「絶対収益型」のファンドです。投資信託とどう違うのかというと、「リターンの高さ」と「ファンドマネジャーの報酬体系」が異なります。
投資信託より高いリターン、そして高い報酬体系ということです。
まずはリターンですが、以下の通り米国S&P500をアウトパフォームしてきた歴史があります。何よりも下落時の影響が限定的であることが以下のグラフからはよくわかると思います。
なぜこのようなことが可能なのかというと、市場環境に応じて柔軟にポートフォリオの入れ替えができるからです。
投資信託は柔軟にポートフォリオの入れ替えができないのか?というとできません。一つ一つの取引で顧客への説明責任が生じます。
そして、そもそもほとんどの投資信託が大手金融機関の傘下にあります。
ファンドマネジャーもサラリーマン給与を貰っているだけなので、「上司に怒られない(出世に響かない)」ポートフォリオを組成することを優先することになります。
そのようなポートフォリオで戦っているため、日本の投資信託に関しては良いリターンが出ているものは少ないですよね。インデックスファンドに負けてしまう有様です。
分類 | 平均5年累積リターン |
パッシブ型全ファンド | 22.60% |
アクティブ型全ファンド | 9.70% |
パッシブ型日本株ファンド | 40.00% |
アクティブ型日本株ファンド | 30.90% |
パッシブ型先進国株ファンド | 37.00% |
アクティブ型先進国株ファンド | 12.00% |
パッシブ型新興国株ファンド | 15.20% |
アクティブ型新興国株ファンド | 12.80% |
パッシブ型グローバル株ファンド | 32.60% |
アクティブ型グローバル株ファンド | 8.20% |
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対してヘッジファンドは顧客への説明責任はあるものの、投資家は基本的にはファンドマネジャーの才覚に投資を委任しています。
また、ファンドマネジャーの報酬の大半が「成果報酬」であるため、相場への取り組み方も投資信託のファンドマネジャーとは比べ物になりません。
片や上司の顔を見ながら相場を張り、ヘッジファンドのマネジャーは相場のみを見て死に物狂いで投資をしています。
結果は言わずもがなですね。
ちなみにヘッジファンドは優秀な成績を収めていますが、ヘッジファンド選びを間違ってしまっては運用もうまくいきません。
筆者の場合は国内の老舗と言えるヘッジファンドであるBMキャピタルに10年近く運用を任せています。
BMキャピタルの投資手法はバリュー株投資、そして投資先企業へ助言・アドバイスを行い株価向上を狙うアクティビスト戦略の合わせ技です。
このバリュー投資戦略×アクティビスト戦略は世界有数の投資家であるウォーレン・バフェット氏の師匠であるベンジャミン・グレアム氏が開発した伝統的な投資手法です。
BMキャピタルのリターンは安定して平均年率10%、損失を出した年はなく、複利で資産を増やしていくにはうってつけの投資となります。
「損失を出さないこと」によるインパクトは計り知れません。損失を出してしまうと「損失を取り返す」時間がまたかかってしまいます。
しかし、小さくてもプラスのみを重ねていくとどうなるか?利益に利益が乗っていき富は加速するのです。これが複利効果です。
BMキャピタルの運用はまさにこの複利効果を最大化させることに特化しています。
例えば、世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏もバークシャー・ハサウェイ運用開始から最初の35年はマイナス運用の年がありません。
まさに複利効果で大きくなった資産運用会社です(最終的には50年でマイナスの年は2回)。
バフェット氏の9割の資産が65歳以降に築いたものであり、複利インパクトの大きさがうかがい知れますよね。
BMキャピタルも運用歴は10年程度で、マイナス運用たった年は未だなく、バークシャーハサウェイを彷彿とさせます。
同ファンドの概要は以下ですが、担当者と面談してファンド組織の雰囲気も感じ取ってみると良いかと思います。当然、質問はできるだけたくさんするようにしましょう。
インデックスファンド
米国のインデックスファンドも投資対象の分散で視野に入れたいところです。米国のS&P500は平均年利回りが7%程度となっており、多くの投資家に人気の投資先となっています。
これまでたくさんの暴落を超えて、右肩上がりを継続してきました。
しかし、-20%を超える暴落が何度も起きており、3000万円を投資していたら常に600万円以上のマイナスを経験することになります。
当然、気にせず長期投資の方針でいけばいつかは上昇すると期待しても良いのですが、このS&P500がいつまでも右肩上がりであることは保証されてはいないのです。
20%下落して、そのまま戻らずに終わった、ということも十分あり得ます。
そもそも過去40年は異次元な低金利政策が実行されていました。過去のようなリターンをそのまま期待するのもどうかしていると思います。
自分でうまく運用もできず、プロにも任せないのであれば、もうインデックスをただただ信じるしかないのですが、やはりまとまった資産はより安全な投資先を選びたいものです。
大きな資産は運用効率が上がりますが、損失が出る時のインパクトも大きくなりますからね。
例えば、世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーターですが、なぜそこまで多くの投資家から出資を受けているかというと、相場によって柔軟にポートフォリオを動かし、マイナスリターンを可能な限り圧縮しているからです。
以下の青線がブリッジウォーターのリターンです。マイナスが少なく、真っ直ぐにリターンを増加させています。インデックスは大暴落を繰り返していますね。心が保ちません。
ついでに言えば、まとまった資金を2022年から2023年にインデックス(S&P500)に入れるのは間違った戦略だと思います。
2022年は2020年から続いた金融緩和の終焉の時期です。利上げは株式に逆風であり、利下げが始まるまで株で勝つのは至難の業です。
2023年は2022年から続いた高金利の影響で景気後退が発生する年になります。
既にインデックスは2021年後半から20%近く減少していますが、今後発生する景気後退を加味すると底はまだみえません。
そして景気後退時に再びバラマキを行うとインフレの第二波がおしよせます。
2023年5月現在インフレ率も下がってきているとはいえ、まだまだ高水準でこのままインフレ再燃のリスクも残っています。
現在と同じインフレが発生した1970年代は3回にわたってインフレが押し寄せました。2021年末から発生したインフレはまだ第1波です。
今後、何度もインフレが押し寄せると1970年代のようにインデックスはリターンがない状態となる可能性も十分あります。
以下は1970年代のS&P500指数の推移です。
インフレが発生しているのに名目リターンがゼロということは実質的には資産が半分になるということも意味しています。インフレというのは資産価値の下落におことを意味していますからね。
金融引き締めが終わらない限り株式は底打ちしませんし現状からインデックスを買おうものならITバブル崩壊後のように10年スパンで市場は上昇せず、待たされる羽目になる可能性があります。
ちなみにインデックスは10年以上、資産が回復しない局面を何度も迎えています。
実際1999年末の水準をS&P500指数が回復したのは2013年になってからのことでした。
纏めると、現時点でまとまったお金をインデックスファンドに入れるのは難しい局面となっているのです。積立投資くらいしか今はやることがありません。
積立投資をして放っておくのが一番ですが、市場環境の劇的な変化があった時に対応できないので、これもかなりの賭けです。
米国の覇権は終わり、中国が覇権国となる可能性があるとヘッジファンドの帝王、レイダリオ氏も言っているくらいです。米国株一辺倒はあまりにも怖いです。
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ゴールド(金)
ゴールドへの投資は資産保全です。ゴールドの価格が変動する要因は以下です。
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- 中国の景気動向
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よりアグレッシブな投資を考えるのであれば、ヘッジファンドに追加資金として入れるのもありなのかもしれません。
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不況→好況へ経済が進む場合は金融緩和(利下げ、紙幣流通増加)が行われ、デフレ→インフレ、株安→株高、債券利回り下落
ですので、インデックスファンド購入の時期と一緒ですね。
しかし配当もなく、一時的に上昇することはあれど、共に円高が進んでしまいますので日本人投資家としての妙味は薄いかと思われます。
まとめ
40歳時点で独身の場合、どのくらいの資産が必要なのかについてというより、どのような心構えで人生構築していくべきかを書いてきました。
人生は変数の連続であり、資産はこれだけあれば十分なんてことはほぼないに等しいです。10億円を超えてくると変わってくるのかもしれませんが、筆者はまだ10億超えのステージにいないのでわかりません。(知り合いの富裕層はそれでも資産を増やし続けています)
人生の変数にぶち当たるたびに、ゴールはここではなかったんだということに気付かされることになるかもしれませんね。お金は増やし続ければいいのだと筆者は思います。
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