最近、日本でも経済的自由を手にしながら早期退職をするFIREというワードが流行しています。
辛いサラリーマン生活を終えて自由な生き方をしたいという渇望が沸き起こってくることも無理ないことだと思います。
筆者も駐在による蓄財と資産運用によって30代にして幸運にも5000万円の資産を構築することができFIREに向けて順調に資産を伸ばしています。
手前味噌ではありますが、サラリーマンで5000万円を30代で構築するには、長い駐在期間や相場の影響もあり非常に幸運であったと思います。
ただ、親からの遺産などによっても唐突に資産5000万円を達成された方もいらっしゃると思います。
本日は、筆者と同じサラリーマンの方で5000万円を構築された方に向けて執筆していきたいと思います。
5000万円を資産運用する際に、どのように考えればよいのか?
また、資産1億円を目指すにあたって、どのような投資先に投資を行えばよいのか?
という点についてお伝えしていきたいと思います。
もくじ
5000万円の資産では配当金生活をするのは難しい
まず5000万円あれば配当金だけで生活できるのではないかと期待する方もいらっしゃると思います。
確かに日本株の中の大型株には配当金だけで5%以上の利回りを出す会社もあります。
5000万円を仮に5%の配当利回りを出す会社に分散投資したとしても税金が引かれる前で250万円しかありません。
そのあと、20.315%の税金が差し引かれるので最終的に手元に入ってくる分は約200万円ということになります。
サラリーマンとして家計を支えるという観点からいうと、正直不十分な金額ですよね。
また、高配当銘柄というのは事業投資をして利益を伸ばすより株主に配当した方が株主還元になると考えている企業です。
つまり、利益が伸びるフェーズの会社ではありません。
利益が伸び悩み株価としても然程明るい会社も相対的に少ないので元本自体が減少していくリスクも考えておく必要があります。
コラム:明らかな高配当利回り銘柄には気をつけるべし
以下は2021年10月13日時点のYahoo financeで閲覧できる配当利回りランキングです。
順位 | 名称 | 配当利回り |
---|---|---|
1 | 明和産業(株) | 14.63% |
2 | 日本郵船(株) | 9.38% |
3 | (株)商船三井 | 8.22% |
4 | 乾汽船(株) | 5.93% |
5 | (株)コナカ | 5.90% |
6 | 極東貿易(株) | 5.88% |
7 | JT | 5.75% |
8 | 小野建(株) | 5.71% |
9 | (株)淺沼組 | 5.70% |
10 | 富士興産(株) | 5.62% |
11 | ソフトバンク(株) | 5.62% |
12 | 武田薬品工業(株) | 5.57% |
13 | (株)フージャースホールディングス | 5.39% |
14 | (株)ジャノメ | 5.38% |
15 | 日本郵政(株) | 5.37% |
16 | 西松建設(株) | 5.31% |
17 | 菱洋エレクトロ(株) | 5.28% |
18 | (株)ディア・ライフ | 5.20% |
19 | 日本空調サービス(株) | 5.19% |
20 | (株)三井住友フィナンシャルグループ | 5.17% |
1位の明和産業は14.63%と非常に高い利回りになっていますが、安易に考えてはいけません。
明らかに配当利回りが高い企業の特徴として株価が下落している傾向にあります。
配当利回りは1株あたり配当金を株価で割返して算出しますからね。
例えば明和産業の株価を見てみましょう。以下の通り直近4割程度株価が下落しています。
株価が下落するということは、投資家が業績に対して暗い見通しを持っているということを意味します。
当然、配当金というのは得られた利益の中から支払われるので、業績が低くなれば配当金自体が低下します。
配当金が低下すれば当然、配当利回りも低下するので今現在の高すぎる配当利回りは持続不可能なのです。
表面上の配当利回りだけをみて投資するのは危険なのです。
インデックス投資は魅力的だがショック時に精神的余裕を保てない
では、配当金でセミリタイアするのは時期尚早であることがわかります。
まずは最低でも1億円に資産を増やしてから配当金投資については考えるのが賢明です。
5000万円をある程度堅実で倍の1億円に増やすのに魅力的な選択肢としてインデックス投資があります。
→ 1000万円をインデックス投資すると何年でどれくらいの資産になるのか?選ぶべき投資信託と収益シミュレーションを実施。S&P500/NASDAQ/VTI/TOPIX
インデックス投資というのは世界の株価指数や米国の株価指数であるS&P500指数に連動する投資信託やETFに投資することを指します。
確かに長期的にみたら高いリターンを狙うことはできます。しかし、あくまで長期的に考えたらの場合です。
皆さん記憶にある方も多いと思いますが市場は定期的に大きなショックを経験します。
2000年代のITバブル崩壊
2008年からのリーマンショック
2018年の大幅調整
2020年のコロナショック
各ショックでは20%以上、場合によっては50%以上下落することがあります
想像してみてください。自分が必死になって構築した5000万円がみるみるうちに溶けていく様を。
20%下落するだけでも1000万円の資産が消えることになりますし、50%下落すると2500万円が蒸発することになるのです。
実際に5000万円をリスク資産に晒すとわかりますが、震える思いをすると思います。
人間の心理にはプロスペクト理論というものがあります。
プロスペクトとは英語のProspectのことであり、期待や予想、見込みなどのニュアンスを持つ。プロスペクト理論はリスクを伴う状況下での判断分析として、米カーネマン氏らが1979年に公表した論文のタイトル名。
プロスペクト理論により、従来の投資効用理論では説明のつかない投資家の判断行動が現実に即した形で解明された。例えば、投資家は収益よりも損失の方に敏感に反応し、収益が出ている場合は損失回避的な利益確定に走りやすい。一方、損失が出ている場合はそれを取り戻そうとしてより大きなリスクを取るような投資判断を行いやすいとされる。
プロスペクト理論は行動ファイナンスや行動経済学と呼ばれる心理学の要素を応用した新たな経済学の分野を切り開いたとして、同氏は2002年のノーベル経済学賞を受賞している。
参照:野村證券
含み損が大きくなってくると損切りできずに、更にリスクが高い行動をとってしまうことが行動経済学の中では周知の事実となっています。
ですから、ショックが起こると相場の底付近であろうことか更なる下落にかけるダブルインバース投信などを購入してしまう人が増えるのです。
結果、何人も破産に追い込まれる人を見てきました。
資産が大きく減少すると狼狽してしまい、冷静な判断ができなくなってしまうのです。
5000万円あれば可能な特別な選択肢とは?精神的な安定を得ながら投資をしよう!
5000万円を投資するために最も考えなければいけないのは「安定的に且つ着実に」資産を増やしていくことです。
インデックス投資は長期的にみると魅力的なのですが、世界恐慌時には資産が元に戻るのに10年以上かかることもあります。
更に、底近辺で怖くなって狼狽売りしてしまったら、上昇局面を取ることができるただ資産が減少しただけという最悪の結果を招きます
最も重要なことは下落相場でも資産を守ることができるかということです。
理想的な資産運用は基本的に右肩上がりで、市場が暴落する局面でも殆ど無傷で乗り切ってくれる投資先ではないでしょうか?
そのような投資先として筆者も実際に投資しているのがヘッジファンドです。
→ ヘッジファンドとは何者?わかりやすく簡単に解説。私募(プライベート)ファンド・公募ファンド(投資信託)の違いを理解しよう!!
ヘッジファンドといえばリスクの高い投資を行っているというイメージが強いのではないでしょうか?
しかし、世間のイメージと違いヘッジファンドは世界株が下落する局面でもしっかりと損失を抑制しています。
更にリターンも世界の株式市場の年率倍以上のリターンを上げているのです。
まさに、サラリーマン投資家が求めるリターンとリスクではないでしょうか?
筆者もヘッジファンドを核としながら、運用を行い順調に資産を伸ばしています。
以下ではまさに上記のような値動きが見込める投資先をランキング形式でお伝えしていますので参考にしていただければと思います。