5000万円というのはセミリタイアも頭をよぎるほどの大金だけど、
完全にリタイアするには老後どれだけ費用が掛かるかわからないし、
出来れば倍の1億円まで増やしたいなと思われる微妙な金額だと思います。
→ 金融資産5000万円があったら何ができる?貯金の使い道/生活水準/配当生活/セミリタイアの可能性
→ 準富裕層の基準である5000万円あったら10年間投資するといくらになる?利回りからおすすめの資産運用方法を探ろう!
ただ、増やすために投資を行ったとしても資産が寧ろ減少するのは避けたいから、
なかなか投資に手を付けることができない。
本日はそんな貴方に向けて、5000万円を安全に安定的に年率10%で運用する方法を紹介していきたいと思います。
→ 個人投資家が狙うべき利回りはどれくらいが最適?年利10パーセントを超える資産運用方法はあるのかを考察
参考にするのは米国の一流大学が運用する基金です。
今回は20年間平均年率12.1%を出しているイェール大学に類似したポートフォリオを作り、
年率10%以上の利回りを狙う投資手法について紹介していきたいと思います。
もくじ
イェール大学基金とは? どんなポートフォリオなの?
日本にはあまり大学基金という考えが浸透していません。
一方、米国では卒業生が資金を出し合い、大学が運用を行い大学の研究費や人件費などにあてられています。
実際イェール大学は運営費の30%を基金から拠出しています。
社会の為にも十分な研究費が捻出できる仕組みということもあり、
是非とも日本でも取り入れたほうがよいシステムだと思います。
以下はイェール大学の長期リターンですが、S&P500指数が20年の平均年率7%なのに対して、
イェール大学は5%以上も高い20年平均12.1%のリターンを挙げています。
同じく優秀なパフォーマンスを挙げているハーバードの投資成績をも20年平均で約2%程度オーバーパフォームしているのです。
仮に5000万円を年率12.1%で運用したら、
6年後:9922万円 (約1億円)
10年後:1億5688万円
15年後:2億7736万円
20年後:4億9100万円
と驚異的なスピードで資産が成長していきます。
それでは、非常に優秀な成績を残しているポートフォリオを見てみると、
伝統的な株式や債券はたった 21.5%しかしめていません。
後で説明しますが、最大ポーションのヘッジファンドやベンチャーファンド、
更に不動産、商品というオルタナティブ投資を合わせると78.5%にのぼります。
それではイェール大学のポートフォリオを5000万円という資産を用いて組成していきます。
株式ポーションの組成 米国株2.25% 米国以外株11.75%
イェール大学にとっての国内株である米国株を2.25%と米国株以外を11.75%を組み入れていますが、
単純の為に米国株2.25%(112.5万円)と米国以外の株を11.75%(587.5万円)組み入れていきましょう。
皆さんが個別銘柄についての見識があるのであれば、
それぞれ銘柄を分析して組み入れればよいのですが、
なかなか世界の個別銘柄に精通している方はいらっしゃらないでしょう。
そんな方は銘柄を選ぶのではなく、市場平均に連動するETFを組み合わせて、
株式ポーションを組成することをおすすめします。
日本のアクティブ型の投資信託が市場平均より高いパフォーマンスをだせていないことからも分かる通り、
プロであっても市場平均より高いパフォーマンスをだすのは難しいのです。
市場平均に連動するパフォーマンスを目指すにはバンガードのETFが手数料が低く、
尚且つ乖離率が低く非常に有名です。
バンガードのETFは米国株全体に投資を行うことが出来るVTIと、
米国株以外の市場全体に投資を行うことが出来るVEUがあります。
手軽に 112.5万円分のVTIを587.5万円分のVEUを購入することによって
イェール大学の株式ポーションを組成することが出来ます。
債券投資ポーション7.5%の組成 (米国債)
株式投資と同じく伝統的投資の一種である債券投資について7.5%については、
米国債と米社債を組み合わせることにより利回りは1%程度を期待することが出来ます。
皆さんは高利回りというと先進国なら豪ドルと思われる方おいらっしゃると思うのですが、
近年の米中央銀行の利上げによって米国が最も高い利回りとなっています。
更に利回りだけを求めてトルコ国債や南アフリカ国債に投資したとしても、
肝心の為替が昨今のトルコリラのように急落してしまっては、
日本円建の価値は大きく目減りしてしまうという結果を招いてしまいます。
ただ、現状はコロナショックによる先進各国の利下げによって米国ですら超低金利となっています。
米国の10年債金利でも1%近辺というレベルです。
オルタナティブファンドにポーション合計64.5%
それでは愈々イェール大学のポートフォリオの中で最大ポーションを占める、
PEファンド17.5%とベンチャーキャピタル23.5%とヘッジファンド23.5%のポーション、合計3225万円について説明していきます。
そもそもオルタナティブ投資とは?
オルタナティブ投資が何故注目されているのかというと、
理由は二つあり、まず一つ目は株式・債券との価格の連動性が低いことです。
ポートフォリオを組むにあたっては、資産の相関性が低いものを組み合わせることによって、
ポートフォリオ全体の安全性を高める必要があるのです。
☞資産分散を行い市場平均をオーバーパフォームする投資ポートフォリオを組成する為の考え方とは?エンダウメントの投資手法を参考にしよう!
また最も重要なことなのですが、中長期的に株式のパフォーマンスを上回っています。
イェール大学やハーバード大学が書状平均よりも高い成績を誇っている立役者ということができるでしょう。
ヘッジファンドとは?-結局投資信託が何が違うの?-
ヘッジファンドは上場株式だけに留まらず、債券、為替、商品など様々な手段を用いて、
また購入だけではなく売から入る空売りという手段も用いたりして、どのような市況環境でも収益獲得を目指す絶対収益型のファンド形態です。
実際、市場平均よりも高い成績を下落を抑制しながら安定的に成し遂げています。
また収益を挙げた分から手数料を徴収する成功報酬型の手数料形態をとっているという点と、
腕利きの独立したファンドマネージャーによって運用されているという点が異なります。
☞ヘッジファンドとは何者?わかりやすく簡単に解説。私募(プライベート)ファンド・公募ファンド(投資信託)の違いを理解しよう!!
☞ 投資信託とヘッジファンド(HF)は何が違う?網羅的に徹底解説!1000万円以上を運用する人はHFも検討事項。
ベンチャーキャピタルやPEファンドとは?-ヘッジファンドとは何が違うの?-
PEファンドは投資対象が未公開株式に限定していることに最大の特徴があります。
PEファンドは未公開株の経営を握るポーションを取得、時には丸ごと買収し、
経営に積極的に携わり、企業価値を向上させた後に、購入時価格より大幅に高い価格で売却することにより利益を得る特殊なファンドです。
なかなか、特殊なファンド形態で日本人の個人投資家が投資できるファンドはありません。
ベンチャーキャピタルは同じく未公開株に投資をするファンドですが、
ベンチャーキャピタルが投資をするのは成長未上場企業です。
通常のPEファンドは安定した企業に投資をしますが、ベンチャーキャピタルは上場を目指す企業に投資をすることを目的とします。
個人投資家が投資できる対象として上場ベンチャーキャピタルであるJAFCOがあります。
しかし、JAFCOの経営成績は芳しくなく、株価も低迷しておりあまり投資妙味はありません。
オルタナティブファンドとしてBMキャピタルへ投資を推奨
ポートフォリオの核をなすオルタナティブファンドとしてBMキャピタルを推奨します。
BMキャピタルは老舗のヘッジファンドで、暴落局面での価格下落をおさえ過去一度も年間ベースでマイナスを出していません。
さらに、年率10%以上のリターンを叩き出してくれており、安定運用には欠かせない存在となっています。
筆者のポートフォリオの核をなすBMキャピタルについては以下で詳しく解説していますので参考にしていただければと思います。
不動産投資9.5%と商品投資4.5%のポーション
不動産投資分のポーション475万円分についてですが、
流石に現物の不動産を保有するとしても475万円では購入することが出来ません。
その為、REITを購入するか米国REITファンドが連動を目標とする、
Dow Jones U.S Real Estate Indexに連動するiシェアーズ 米国不動産 ETFへの投資を提案します。
また商品投資ポーション225万円につきましても、どの商品にどれだけ投資したら良いのか、
分からない方が殆どだと思います。
そのため、最も代表的な商品である金に投資をすることをおすすめします。
現在、マネーサプライが上昇しているため、相対的に価値が変わらない金に対しての期待が高まっています。
☞ 金(ゴールド:GOLD)投資は儲かるのか?純金(プラチナ・銀も含む)積立投資などの選択肢もあるけど・・・。
5000万円を10%以上の市場平均を大幅にアウトパフォームしたポートフォリオのまとめ
今までの点から市場平均を大幅にアウトパフォームした成績を長年出し続ける
ポートフォリオについて纏めると以下のようになります。
【株式投資】計:700万円
米国株連動ETFのVTI:112.5万円
米国株以外ETFのVEU:587.5万円
※楽天・SBI証券で購入可能
【ヘッジファンド】計:3225万円万円
BMキャピタル:3225万円
【不動産】計:475万円
iシェアーズ 米国不動産 ETF
※楽天・SBI証券で購入可能
【商品】計:225万円
金 (田中貴金属 or ETFの GLD)
※楽天・SBI証券で購入可能
【債券】計:375万円
米国債・社債
※楽天・SBI証券で購入可能
最も重要な点はオルタナティブ投資を多く組み入れることといえるでしょう。
以上、