不変の人気を誇るREIT(リート)投信。
当ブログでもいくつかリート関連の投信を分析していますが、今回は「J-REIT・リサーチ・オープン」を取り上げたいと思います。
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J-REIT・リサーチ・オープンとは?
概要は以下です。
日本の取引所に上場している不動産投資信託証券(J-REIT)を主要投資対象とし、安定したインカムゲインの確保と投資信託財産の中長期的な成長を目指す。J-REITへの投資は、徹底した銘柄調査と市場分析に基づいて行う。不動産研究に特化した株式会社三井住友トラスト基礎研究所から投資助言を受ける。ファミリーファンド方式で運用。毎月17日決算。
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- 単位型・ 追加型:追加型
- 投資対象 地域:内外
- 投資対象資産 (収益の源泉):不動産投信
- 投資対象資産:その他資産 (投資信託証券 (株式 一般))
- 決算頻度:年12回(毎月)
- 投資対象地域:日本
- 投資形態:ファミリー ファンド
昔ながらのリート投信に投資をする投信ということでファンズ・オブ・ファンズです。
三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社が個人投資家の代わりにリート投信を選んであげますよというファンドです。
用途別組入状況と組み入れ銘柄
2023年10月末の用途別構成比率は以下となります。
用途別組入状況 | 比率 | |
1 | 総合型 | 61.40% |
2 | オフィス特化型 | 17.26% |
3 | 物流特化型 | 10.84% |
4 | 住居特化型 | 6.78% |
5 | 商業施設特化型 | 1.73% |
6 | ヘルスケア施設特化型 | 1.34% |
7 | ホテル特化型 | 0.65% |
総合型の比率が常に、そして非常に高いですね。オフィス特化型はその名の通りオフィスビル、商業施設などを指します。
物流特化型は物流施設、住居は住居、ヘルスケアは病院などですね。ここにはありませんが複合型という種類もあります。
それは例えばオフィスビル+商業施設、物流・ロジスティックス+商業施設、オフィスビル+住居など複数の施設が集まっている不動産を意味します。
組み入れ銘柄は、リート投信のポートフォリオなので非常に分散されていることになりますが以下の通りです。
銘柄 | 比率 | 予想配当利回り | |
1 | 平和不動産リート投資法人 | 5.62% | 4.50% |
2 | 積水ハウス・リート投資法人 | 5.49% | 4.76% |
3 | ヒューリックリート投資法人 | 5.44% | 4.51% |
4 | ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人 | 5.28% | 3.97% |
5 | 日本プライムリアルティ投資法人 | 5.04% | 4.29% |
6 | 大和ハウスリート投資法人 | 3.98% | 4.22% |
7 | アクティビア・プロパティーズ投資法人 | 3.92% | 4.55% |
8 | 森ヒルズリート投資法人 | 3.87% | 4.33% |
9 | NTT都市開発リート投資法人 | 3,82% | 5.05% |
10 | アドバンス・レジデンス投資法人 | 3.35% | 3.57% |
2022年11月からの推移は以下となります。基本的には変わりませんね。
2023年10月 | 2023年6月 | 2023年3月 | 2022年10月 | |
1 | 平和不動産リート投資法人 | ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人 | 平和不動産リート投資法人 | 平和不動産リート投資法人 |
2 | 積水ハウス・リート投資法人 | 積水ハウス・リート投資法人 | ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人 | 積水ハウス・リート投資法人 |
3 | ヒューリックリート投資法人 | ヒューリックリート投資法人 | ヒューリックリート投資法人 | ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人 |
4 | ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人 | 平和不動産リート投資法人 | 積水ハウス・リート投資法人 | ヒューリックリート投資法人 |
5 | 日本プライムリアルティ投資法人 | 日本プライムリアルティ投資法人 | 日本プライムリアルティ投資法人 | 日本プライムリアルティ投資法人 |
6 | 大和ハウスリート投資法人 | NTT都市開発リート投資法人 | NTT都市開発リート投資法人 | 大和ハウスリート投資法人 |
7 | アクティビア・プロパティーズ投資法人 | 大和ハウスリート投資法人 | 森ヒルズリート投資法人 | NTT都市開発リート投資法人 |
8 | 森ヒルズリート投資法人 | 森ヒルズリート投資法人 | 大和ハウスリート投資法人 | 森ヒルズリート投資法人 |
9 | NTT都市開発リート投資法人 | ケネディクス・オフィス投資法人 | アクティビア・プロパティーズ投資法人 | 日本ビルファンド投資法人 |
10 | アドバンス・レジデンス投資法人 | アクティビア・プロパティーズ投資法人 | ラサールロジポート投資法人 | アドバンス・レジデンス投資法人 |
1位に返り咲いた平和不動産リート投資法人は保有物件数127物件、取得価格合計2260億円とこちらも大規模です。2200億円を稼働率97.8%で回しており安定運用ですね。
平和不動産をスポンサーとする複合型J-REIT。2009年10月に平和不動産が単独スポンサーとなり、2010年10月にジャパン・シングルレジデンス投資法人と合併した。主要な投資対象はオフィスと住居。JCRから「AA-」の格付けを取得している。
6月まで1位だったケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人は4位に順位を落としています。
ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人は保有物件数182件、取得価格合計3,042億円となっており大規模ですね。1物件あたり20億円規模なので資金力を乱打していますね。
THE 資本主義という感じです。稼働率は98%と運用も抜群ですね。
ファンド売買手数料、信託手数料
当然アクティブファンドなので手数料は高めです。
購入時手数料は3.3%(税抜3.0%)、運用管理費用 (信託報酬)は年1.1%(税抜1.0%)です。
信託財産留保額は0.3%です。テーマファンドなどのアクティブファンドより少しだけ手数料は安めですね。
J-REIT・リサーチ・オープンの運用実績とは?
J-REIT・リサーチ・オープンの運用実績は以下となります。
2005年より運用を開始して、基準価額は5,000円となっています。
リートは分配金を支払いますので基準価額が減少していくのは理解できますが、基本的には利益分を吐き出せば問題ないはずです。しかし元本まで棄損していますね。
決算期には、配当可能利益の90%超を分配するなどの要件を満たすことで、法人税がほとんどかからない恩典が認められています。このため、投資家は同等の事業を営む株式会社へ投資する場合と比べ、Jリート投資からより多くの分配金を受け取ることができます。
リートのインデックスである東証リート指数連動型ETFとの比較は以下です。
- J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)
- (NEXT FUNDS)東証REIT指数連動型上場投信
インデックスに負けてしまっていますね。分配金を出す投信ですが、筆者はそもそもあまり興味が出ません。
理由は複利運用ができないからで、逐一分配金を支払ってしまうリートは税制面のメリットはあるものの、複利運用に比べると魅力はかなり薄いです。
分配再投資型を選んだとしても(稀な投資家だと思いますが)、J-REIT・リサーチ・オープンのリターンは18年で+200%程度です。
これは年率平均6%程度であり、米国インデックスにも負けてしまっているので、やはり投資妙味があるとは思えません。
高い分配利回りは持続可能?今後の減配の可能性とは?
2023年6月時点での分配金は65円となっています。年間ベースだと780円になります。
現在の基準価額5000円から考えると分配利回りは15.6%となっています。
一方、過去10年の利回りが年率6%であることから考えても、現在の分配利回りが持続可能ではないことは自明です。
同じくJリートに投資しているダイワJリートオープン(分配利回り30%)ほど酷くはありませんが、特別分配金をだしています。
2019年以降減配はしていませんが、基準価額の減少を考えると近いうちに減配となる可能性は高いと見ています。
年間計 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
2023年 | 715円 | 65 (01/17) |
65 (02/17) |
65 (03/17) |
65 (04/17) |
65 (05/17) |
65 (06/19) |
65 (07/18) |
65 (08/17) |
65 (09/19) |
65 (10/17) |
65 (11/17) |
-- -- |
2022年 | 780円 | 65 (01/17) |
65 (02/17) |
65 (03/17) |
65 (04/18) |
65 (05/17) |
65 (06/17) |
65 (07/19) |
65 (08/17) |
65 (09/20) |
65 (10/17) |
65 (11/17) |
65 (12/19) |
2021年 | 780円 | 65 (01/18) |
65 (02/17) |
65 (03/17) |
65 (04/19) |
65 (05/17) |
65 (06/17) |
65 (07/19) |
65 (08/17) |
65 (09/17) |
65 (10/18) |
65 (11/17) |
65 (12/17) |
2020年 | 780円 | 65 (01/17) |
65 (02/17) |
65 (03/17) |
65 (04/17) |
65 (05/18) |
65 (06/17) |
65 (07/17) |
65 (08/17) |
65 (09/17) |
65 (10/19) |
65 (11/17) |
65 (12/17) |
2019年 | 780円 | 65 (01/17) |
65 (02/18) |
65 (03/18) |
65 (04/17) |
65 (05/17) |
65 (06/17) |
65 (07/17) |
65 (08/19) |
65 (09/17) |
65 (10/17) |
65 (11/18) |
65 (12/17) |
長期的に投資する場合は毎月分配型の投信には手を出さない方が賢明でしょう。
掲示板での口コミ評判
掲示板では、理解が低い方々の投稿が目立ちます。
住宅、オフィス、商業、物流などの賃料下落警戒感が強まっているので投資家が高値づかみしたくないため買えびかえているので、REIT指数が上がらない❗️
こんにちは。いつ頃購入されたのでしょうか??私は、基準価格がちょっとマイナスくらいですが分配金でなんとかなってます。
価値が下がる=買い増ししやすくなる。これ短絡的?しょ初心者しわです。新光USREIT'かいましかよかがえです
値下がりの速さに辟易する!
ただ、この方はうまいこと皮肉っています。
タコ足食べるタコですね!
特別分配金使ってしまい😧
10本足が6本に成りました。
三井住友さんお願いします
頑張って下さい😠
Jリート・リサーチオープンの今後の見通し
Jリートの先行きを考える上で最も重要なのが日本の金利動向です。
そして、日本の金利を見る上で重要なのが日本のインフレ率の動向です。
日本のインフレ率は2022年は米国に比べて穏やかでしたが2023年以降円安もあり米国を追い抜かしています。
インフレが進展すると金利を上げる必要に迫られます。実際、日本の10年債金利は上昇してきています。
ただ、米国の10年債金利が4%を超えていることを考えると、依然として1%にも届いておらず非常に低い水準に止まっています。
さすがに国民生活も苦しくなってきているのでインフレを抑える目的と通貨防衛のために金融政策の修正が迫られています。
日銀が重い腰をあげて金融引き締めに転じるとJリートは壊滅的な打撃を受けます。今後、Jリートに投資するには相当な覚悟を持つ必要があるでしょう。
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