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【眼力】暴落の理由とは? 昨年リターンが高いと評判の小型株投資信託「企業価値成長小型株ファンド」を徹底評価!

2021年1月24日

【眼力(ガンリキ)】リターンが高いと評判の投資信託「企業価値成長小型株ファンド」を徹底評価!

日本には様々な投資信託があります。当サイトでは「ひふみ投信」や「ジェイリバイブ」をはじめとした有力な投資信託を中心に紹介していっています。

→ 【ブログ随時更新】飛躍の2024年!今買いの一番儲かる投資信託銘柄はどれ?「安全」且つ「これから上がる」個人投資家が買うべき高利回りファンドを徹底調査!

 

本日は通称「眼力」という名前でしたしまれている企業価値成長小型株ファンドについてお伝えしていきたいと思います。

 

眼力は2021年の中盤までは高いリターンを出していましたが、2021年後半から2022年11月までに40%近い暴落を経験しています。

今は反発で多少回復していますが今後どうなるかが重要ですよね。

眼力基準価額

 

当記事では眼力の特徴についてお伝えした上で、眼力の暴落の理由についてお伝えしていきます。

その上で、このような市場の動きの影響を抑える方法についてもお伝えしていきたいと思いますので参考にしていただければと思います。

関連>>>【2024年】おすすめ投資先ランキング〜リスクを抑え安全・着実に資産を増やせる運用先を紹介〜

 

 

 

企業価値成長小型株ファンドの特徴とは?

ではまず企業価値成長小型株ファンドの特徴について見ていきたいと思います。

日本の小型株に投資を行う

眼力は日本の小型株を投資対象としています。日本には3500銘柄が上場しているので数多くの小型株銘柄が存在しています。

日本の上場企業数

 

後ほど、具体的な組入銘柄についてみていきますが、多くが時価総額5000億円未満の銘柄で占められています。

小型株は小型株効果を期待することができます。

 

小型株効果(Small Size Effect)とは、小型株は、大型株に比べて、平均的に高いリターンが観測される現象のことである。規模効果とも呼ばれる。小型株効果の発生は、小型株ほど倒産リスクが高いことや、その小型株を調査・分析しているアナリストの数が少なく銘柄情報を得にくいこと、流動性が相対的に低いことなどへのプレミアムであるという説明がなされている。

参照:みずほ証券

 

実際に米国のデータにはなりますが、小型株は大型株を一貫して凌駕した成績となっています。

大型株と小型株の成績

 

小型株は銘柄数が多いので適正な価格から乖離した株価で取引されていることが頻発します。このギャップを狙って投資をすることで高いリターンを狙うことができるのです。

 

選ぶ銘柄は高ROE銘柄を中心にしている

眼力が選ぶ銘柄は高ROEとなっています。高ROE銘柄は世界最大の投資家であるバフェットも好む銘柄で純利益を劇的に伸ばすことができます。

例えば、ROEが30%で継続する銘柄が純資産100億円保有している場合、将来のEPSは以下のように成長していきます。

 

純資産 純利益
今年度末 130 30
1年後 169 39
2年後 220 51
3年後 286 66
4年後 371 86
5年後 483 111
6年後 627 145
7年後 816 188
8年後 1060 245
9年後 1379 318
10年後 1792 414

 

10年後には純利益は14倍にまで急騰しています。株価は1株あたり純利益のEPSにPERをかけて算出されます。

PERが一定と過程するのであれば株価は14倍になるということになります。

 

30銘柄-60銘柄に厳選して投資

眼力の大きな特徴として投資する銘柄を厳選しているところがあります。

有名な「ひふみ投信」では250銘柄に投資していますが、眼力の投資銘柄数は30-60銘柄に厳選しています。

 

眼力のスクリー二ング

 

銘柄数が多いと指数と同様の動きに近づきます。しかし、銘柄数がすくないとアクティブリターンを狙うことが可能となるのです。

反面、大きく資産価格が下落する可能性もあるわけですが。

 

構成上位10銘柄とは?

眼力の2023年12月末時点での構成上位銘柄は以下となります。

2023年12月末時点での構成上位銘柄

2023年12月末時点での構成上位銘柄

 

2022年11月からの構成銘柄の変遷は以下となります。長期投資をしているのがわかりますね。あまり銘柄の顔ぶれに変化がありません。

2023年12月 2023年6月 2022年11月
1 パルグループホールディングス パルグループホールディングス 日置電機
2 テラプローブ メドレー パルグループホールディングス
3 MARUWA 日置電機 ジャパンマテリアル
4 TOWA トレジャー・ファクトリー アドベンチャー
5 サイゼリヤ 円谷フィールズ トレジャー・ファクトリー
6 M&A総研ホールディングス アドベンチャー メドレー
7 ギフティ サンリオ スマレジ
8 ジャパンマテリアル サイゼリヤ サンリオ
9 トリケミカル研究所 ジャパンマテリアル そーせいグループ
10 楽天銀行 MARUWA イリソ電子工業

 

これらの銘柄に共通していることはROEが比較的高く業績が右肩上がりであるということに加え、PERは100倍を超える高い銘柄もあるということです。

たとえ株価が高くても業績が堅調であれば投資するというグロース株投資ファンドということになっています。そして、このグロース株偏重のポートフォリオが成績に暗い影を落としています。

 

眼力の手数料水準は比較的高い

眼力の手数料水準は比較的高いものとなっています。購入手数料は年率3.3%となっています。「ひふみ投信」の購入手数料がゼロであることを考えると非常に高いですね。

さらに信託手数料は1.595%というレベルになっています。アクティブ型投信の中では真ん中くらいので水準ですね。

 

【ブログ随時更新】飛躍の2024年!今買いの一番儲かる投資信託銘柄はどれ?「安全」且つ「これから上がる」個人投資家が買うべき高利回りファンドを徹底調査!

 

 

眼力の運用実績(=リターン)とは?

では肝心の眼力の運用実績について見ていきたいと思います。

眼力の高いリターン

以下は眼力が運用開始された2016年2月からのチャートとなります。

コロナショック以降基準価格は右肩上がりで波に乗っている投資信託でした。2021年の中盤までは。

眼力の基準価額の推移

 

しかし、その後暴落してわずか半年で株価は35%近くの大暴落を被っています。

 

世界的に金利が上昇して小型のグロース株全体が下落する環境に一転

眼力が大きく下落している理由は小型のグロース株に集中投資しているためです。

2020年のコロナショック以降、米国を中心として世界的に大規模な金融緩和を行ったことによりグロース株は大きく上昇しました。

グロース株は金利が下落すると将来の利益の価値が高くなるので金利下落による追い風が大きいという特徴があります。(詳細は省きます)

 

しかし、2021年後半から米国を中心にインフレが発生して、将来中央銀行が金融政策を引き締めるとの観測を受けて金利が上昇を始めました。

また、実際2021年の年末から米国のFRBは2022年に拙速に利上げを行うというアナウンスを出しました。

結果的に米国の成長株が多いナスダック総合指数や、日本の成長株が多く含まれる東証グロース市場250指数(旧マザーズ総合指数))が大きく下落しました。

以下はマザーズ総合指数の値動きです。

 

東証グロース市場250指数

東証グロース市場250指数

 

コロナ後急騰したあとに2021年中盤から40%以上下落しています。円安にも関わらずです。

これをみると、眼力がすごいというよりは単に東証グロース市場250指数と連動した動きとなっていたことが分かります。

小型株グロースといったように特定の特徴を持った銘柄に集中投資している投資信託は要注意です。

このように大きく上昇する局面がある反面、その特徴を持った銘柄に厳しい環境が訪れると大きく下落してしまう傾向があるのです。

2024年現在も高金利が持続し、事態は悪化しています。今後は高いインフレと金利の影響で景気後退を伴って株価が下落していく可能性が高くなっています。

金利が低下したことが長期的な株価上昇の原因

 

高い分配金は複利効果にはマイナス

また、眼力は非常に多くの分配金を拠出していました。

2018年2月 1,950円
2018年8月 1,550円
2019年2月 850円
2019年8月 700円
2020年2月 1,150円
2020年8月 2,350円
2021年2月 0円
2021年8月 0円
2022年2月 0円
2022年8月 0円
2023年2月 0円
2023年8月 0円

 

分配金をもらうことができれば嬉しいですが、長期的には複利効果を得ることができず機会損失となります。

先ほどのリターンの以下の部分に注目してください。

 

分配金再投資基準価額は税引前分配金を再投資したものとして計算を行い表示しています

 

一旦、分配金を拠出すると20.315%の税金が発生します。また、新たに再投資する時に3.3%の購入手数料を支払う必要があります。

つまり、再投資する時には分配金の4分の1が失われた状態での再投資になるのです。

 

分配金を拠出しなければ先ほどの分配金再投資基準価額の成績となりますが、分配金を出してしまうと同様の成績は実現できないのです。

安易に分配金を大量に出す投資信託は実は長期的には合理的ではない結果を招くことになるのです。

 

・・・しかしそんなことを気にする必要がなくなってしまいました。現在はその分配金すら出せない状況です。

 

眼力の今後の注意点

眼力は今コロナショック後のグロース株相場に乗っていますが、銘柄の欄でもお伝えしたとおりバリュエーションは」非常に高くなっています。いくら成長する銘柄とはいえPERが100倍を超えるというのは異常なレベルです。

いつまでもグロース株相場が続くわけではなく、バリュー株相場とグロース株相場が交互にやってきます。

 

グロース株とバリュー株の毎年どちらが優位かという推移

 

そして超長期的な観点ではバリュー株投資の方が高いリターンを出しているのです。以下はグロース株バリュー株のリターンの差です。

長期的に一貫してバリュー株投資の方が高い成績を残しているのです。

 

日本株のバリュー株とグロース株のリターンの比較

 

ここ数年はグロース株が堅調な環境が続いていますが、これから金利が上昇していく局面を考えると再びバリュー株の時代が到来することが想定されます。

さらに新たに日銀の総裁に就任した植田総裁により2023年7月に金融政策の修正が行われ金利の上昇圧力がたかまりグロース株にとって逆風が吹き荒れています。

今、眼力に投資するのは、あまり得策とはいえません。

→ グロース株投資とバリュー株投資の違いとは?どっちが魅力的なのかをデータを用いて比較して考察する。

 

市場平均に影響を受けない投資先で安定的に資産を構築しよう

今回みてきたように小型グロース株のように特定の特徴をもっており、なおかつ値動きが激しい銘柄群の場合はリターンに大きなブレがあることがわかります。

急騰する時は急騰しますが、一度風向きが変わると急落してしまうのです。

 

市場平均に影響をうけず着実に資産を増やしていく資産をオルタナティブ投資といいます。

その代表例がヘッジファンドです。ヘッジファンドは市場が下落する局面でも安定してリターンをあげて着実に資産を伸ばしている投資対象です。

ヘッジファンドと日経平均とS&P500指数の比較

 

そのため、大学の基金や保険会社などの機関投資家もヘッジファンドを積極的に活用して資産運用をおこなっています。

以下では日本で投資できるヘッジファンドについてランキング形式でお伝えしていますので、ぜひご覧いただければと思います。

 

【2024年】日本国内のヘッジファンド14社をおすすめ順にランキング形式で一覧にして紹介!

 

眼力の掲示板での評判

最後に眼力の掲示板での口コミを見て終わりにしましょう。Yahoo!ファイナンス掲示板

ここはこれから盛り返しますかね❓

18000くらいで売り抜けた俺は勝ち組。
ここはもうオワコンよ。

 

企業の成長より分配が大事な岸田先生のの眼力のおかげで、今のうちに安くで買っちゃえる成長小型株ファンド。の予定。
だいぶ傷んでるけど、少額で積立予定。

下がっても下がっても信じて待てる人ってすごいなとしみじみ思います。

 

ひふみでも損したし、ここでも結局儲けなし。やっぱり投信向いてない。

停止中はまだかまだかと思ったが
あの時買っていたからと思うとぞっとします…
今は買いなのか、もうオワコンなのか
悩む

 

このフォンドの組み入れ銘柄、空売りしたらめっちゃ儲かるわ。

 

今日もえげつない下げをみせてるわ
一体どうなってしまうのか

 

やはり厳しい意見が多いですね。金融引き締め期間はしばらくこの状況は変わらないでしょう。

株式市場とは簡単に期待を裏切ってくる場所です。

 

まとめ

眼力は以下の特徴を持っている投資信託です。

  • 日本の小型株を投資対象としている
  • 高ROEの銘柄に投資をしている
  • 投資銘柄は30-60銘柄に厳選している

 

リターンはコロナショック後の相場に上手く波乗りしているので素晴らしいリターンを出していますが、今後も同様の成績を残すとは限りません。

あえて眼力(ガンリキ)を選ぶ必要はなく、世の中にはより有望なファンドがたくさんあると思います。

 

最後に

投資

 

>>>個人的おすすめファンドランキング

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

 

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

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