投資信託

2024年以降はどこまで下がる?直近の評判が悪いフィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)の今後の見通しは?分配金引き下げ?

2022年11月2日

2022年から評判が悪いフィデリティ・USリート・ファンドの見通しは?分配金引き下げ?

不動産は「不労所得」の代名詞とも言えるくらい、人気の資産運用法です。しかし、実際に取り組んでみるとその大変さに驚きすぐに撤退してしまう人が少なくありません。

筆者も不動産は2件ほど真剣に投資をしていますが、あれは事業です。筆者は本業が忙しいので、それ以上の拡大は断念しました。

同じような経験をした人も多いかと思います。

 

しかし、不動産の実物に投資をする時間がなくても不動産に投資をする方法がありました。それがREITですね。

REITに関して詳しくは以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。

→ おすすめしない?高配当利回りで評判のJ-REIT(リート)とは?2024年からの見通しを含めてわかりやすく解説する!

 

今回はそんなREIT商品の中でも人気の「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」について分析していきます。

 

フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)はどんなファンド?

投資対象

目論見書によると、投資対象は不動産に投資しているREITではなく、米国のREITに投資をすることになっています。

主として米国の取引所に上場(これに準じるものを含みます。)されている不動産投 資信託(リート)に投資を行ないます。

 

つまりは米国の不動産に投資していると同じ効果が得られるということです。

米国といえば不動産価格の上下動が日本に比べて高く、また一般消費者も活発に不動産(持ち家)を購入する文化です。

 

つまり、ボラティリティが景気変動によって日本より大きく、やりようによっては大きく利益を上げられる可能性があります。

リーマンショックなどを経ながらも、最終的には上昇に向かっており、流石は資本主義国家ですよね。

(資本主義に特化しすぎたために国内格差は酷いことになっていますが)

米国REITの価格推移

 

ただ、直近2022年から大きく下落しています。この点については後述します。

 

上位の組み入れ銘柄

2023年9月30日時点のフィデリティUSリートファンドの組み入れ銘柄は以下となっています。

 

銘柄 形態 比率
1 プロロジス 物流 10.0%
2 エクイニクス データセンター 8.9%
3 ベンタス ヘルスケア 5.6%
4 ウェルタワー ヘルスケア 5.4%
5 デジタル・リアルティ・トラスト データセンター 5.3%
6 UDR 住宅 4.4%
7 ミッド・アメリカ・アパートメント・コミュティーズ 住宅 4.2%
8 キューブマート 倉庫 3.6%
9 NNNリート 小売 3.1%
10 サンコミュニティーズ 住宅 3.0%

 

2022年10月からの構成上位の推移は以下となります。

2023年9月 2023年5月 2022年10月
1 プロロジス プロロジス PROLOGIS INC
2 エクイニクス エクイニクス AMERICAN TOWER CORP
3 ベンタス デジタル・リアルティ・トラスト CROWN CASTLE
4 ウェルタワー ウェルタワー DIGITAL REALITY TRUST INC
5 デジタル・リアルティ・トラスト ベンタス REALTY INCOME CORP
6 UDR クラウンキャッスルインターナショナル VICI PROPERTIES
7 ミッド・アメリカ・アパートメント・
コミュティーズ
キューブマート HEAL THPEAK PROPERTIES INC
8 キューブマート UDR SUN COMMUNITIES INC
9 NNNリート ミッド・アメリカ・アパートメント・コ
ミュティーズ
REXFORD INDUSTRIAL REALTY INC
10 サンコミュニティーズ エクストラ・スペース・
ストレージ
INVITATION HOMES INC

 

ポートフォリオ1位のプロロジスはサンフランシスコの物流施設への投資にノウハウを持った会社です。

同社は、世界的な物流不動産企業であり、物流施設の所有・運営に特化しています。

同社は、倉庫、配送センター、物流パークなど、多様なタイプの物流施設を提供し、グローバルな物流ネットワークを展開しています。

プロロジスは、顧客のニーズに合わせたカスタマイズされた物流ソリューションを提供し、最先端のテクノロジーを活用して効率的な物流プロセスを支援します。

株価は直近1年は-13.44%となっています。

プロロジス 株価

 

エクイニクスは、グローバルなデータセンターおよびインターコネクションソリューションを提供するリーディングカンパニーです。

同社は世界中に広がるデータセンターを運営し、企業や組織に高速かつセキュアなデータの収容、共有、接続環境を提供しています。

 

エクイニクスのネットワークエコシステムは、クラウドプロバイダー、ネットワークサービスプロバイダー、エンタープライズ企業など、さまざまな関係者を一つのプラットフォームで結びつけ、デジタルビジネスの成長とイノベーションを促進しています。

エクイニクスは健闘していますね。

 

エクイニクスの株価

エクイニクスの株価

 

3位のデジタルリアリティトラストはプロロジスと同じく下落しています。

デジタル・リアルティ・トラスト 株価

デジタル・リアルティ・トラスト 株価

 

米国の不動産を扱った企業の株価が下落しているのは明確な理由があります。米国は止まらないインフレを退治するために、歴史上類をみないレベルの金融引き締めを行なっています。

金利が上昇すると当然ローンを借りる需要が低くなるので不動産投資熱が冷えて不動産価格は低下していきます。

この金融引き締めの影響をダイレクトにうけているのです。

 

「為替ヘッジはなし」の意味するところとは?

フィデリティUSリートファンドB(為替ヘッジなし)は名前の通り、為替ヘッジはついていません。

つまり、ドル円が上昇すればリターンは向上し、ドル円が下落すればリターンは低下するということを意味しています。

2023年11月にドル円は151円に到達していますが、殆ど日米の金利差に連動する形になっています。

日米金利差とドル円は連動

 

しかし、右端をご覧いただければわかる通り米国の不景気懸念が台頭して日米の金利差は下落しています。

今後、景気後退が本格化するとさらに日米金利差は縮小してドル円は下落することが見込まれています。ここから「為替ヘッジなし」の投信に投資するのはリスクが高いですね。

 

手数料

手数料体系は以下となっています。

  • 購入手数料:3.85%(税抜3.50%)
  • 信託報酬:1.54%(税抜1.40%)

初年度は5%以上の手数料がかかりますので、配当利回り4.2%はここで消えてしまうことになります。

 

フィデリティ・USリート・ファンドの運用実績は?

それでは運用実績を見ていきましょう。配当利回りが高くても、運用実績が低くては元本割れでトータルはマイナスになってしまいます。配当株、配当投信の罠ともいえます。

以下が運用実績です。ベンチマーク(FTSE NAREIT Equity REITs)を下回っています。

 

フィデリティUSリートファンドの運用実績の推移

 

設定来は分配金再投資だとしても380%となっており、年率で直すと7.7%程度です。

インデックス以下の成績に見えますが、低金利時代と異次元な円安の2020-2022年を含めてもこの成績なので、かなり厳しいです。

再投資するのであれば素直にインデックスを買うか、ヘッジファンドなどの選択肢を模索した方が良いということになります。

 

 

 

掲示板の口コミと評判

それでは掲示板での口コミや評判をお伝えしていきます。

 

 

コロナ禍はオフィス需要がなくなる、人類は一生外出できないといった恐怖もあったことから、資金流出なども・・・?と思いましたが2018年の時点で解約相次いでいたみたいですね。

 

現在の高い分配利回りを維持することは可能?

フィデリティ・USリート・ファンドBに投資をしている方の多くは高い分配利回りにつられているのではないでしょうか?

実際、現在の基準価額は3000円程度で月間分配金が35円(年間ベースだと420円)で分配利回りは14%という高い水準になっています。

しかし、基準価額は設定された時の10,000円から下がり続けており元本から支払われている特別分配金であることがわかります。

つまり、この高い分配利回りを維持することは不可能です。そもそも米国REITの分配利回りは4%程度しかないのですからフィデリティUSリートファンドBの分配金は過剰なのです。

 

米国リートの配当利回り推移

 

米国リート配当利回りは昔は10%を超えていました。徐々に下降線を辿っています。資本主義の限界も感じさせるところがあります。

2020年は超低金利バブルでしたが、やはり4-5%程度の配当利回りが限界であることがわかります。あとは今後の米国リートの見通しが重要になってきます。

 

今後の見通しも暗い?

不動産は金利が全てと言っても過言では有りません。現在は米国のインフレが落ち着きつつあるとはいえ、未だにFRBの目標のはるか上を推移しています。

米国のインフレ率の推移

 

FRBの目標としているインフレ率は2%ですが、現在2023年11月時点のインフレ率は3%となっています。

インフレが落ち着き、利上げから利下げに転じることがない限り、フィデリティ・USリートを購入するのは非常に危険ということです。

そして不動産市場は次の金融危機の震源地とも目されています。

実際商業用不動産の価格は大きく下落に転じています。ただ、まだ地獄の入り口といったところでしょうか?

商業用不動産の価格は大きく下落

 

 

金利が上昇したことに加え、働き方改革でリモートワークへと移行がすすみ商業用不動産の需要が低下して価格が急落しました。

結果として、商業用不動産に投資しているファンドが顧客からの解約対応ができなくなり解約制限を課しています。

最近、資金運用に行き詰まる投資ファンドが増えている。コロナ禍を経た「働き方の変化」で、オフィスビルの空室率が上昇していることが関係している。加えて金利が一時上昇したこともあり、商業用不動産の価値下落によって顧客への資金返還が難しくなるファンドが出ているのだ。金融専門家の中には、次の危機の震源地として「商業用不動産などに投資するファンド」への警戒を強めている向きがある。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)

参照:ダイヤモンド

 

解約以来がとまらず解約対応のために不動産を売却し、株を売却し現金を捻出するという事象が雪崩をうって発生すると金融危機が発生します。

その確率が今、一番高いと見込まれているのが米国の不動産市場なのです。そのような震源地となりうる資産に集中投資するのは合理的な選択肢とはいえなしでしょう。住宅ローン組成額も増加しておりインフレと米国民との戦いが続いており、どこかで弾けてしまいそうで嫌な予感がします。

住宅ローン組成額は3930億ドルと、前期に付けた9年ぶりの低水準である約3240億ドルから増えた。

自動車ローン残高は長期的に増加傾向にあり、200億ドル増の1兆5800億ドルに達した。自動車価格の急騰を反映し、組成額は約11%増えて1790億ドルだった。

米カード債務残高、第2四半期に過去最高 家計債務全体は横ばい

 

いかなる環境でも安定したリターンをだせる資産に投資をするべきです。

 

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最後に

投資

 

>>>個人的おすすめファンドランキング

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

 

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

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