投資信託

掲示板で評判が悪い!?アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信BコースやDコースを評価!

2022年11月4日

なぜ人気?アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)の本当の評判と実績をチェック

2020年のパンデミックを受けて米国のグロース企業が大きく株価を上昇したことでグロース企業の人気が高まっていました。

このような状況を受け日本でも様々な投信が米国の成長企業に投資する投資信託を組成していました。しかし、2022年から続く下落相場で、テクノロジー企業をポートフォリオの中心に据えている投信は厳しい時代を迎えています。

当ブログでも以下の通り様々な米国の成長株に投資する投信を取り上げてきました。

 

 

今回とりあげるアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信もそうした投信の一つです。

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)とDコース(毎月決算型・為替ヘッジなし)を取り上げたいと思います。

非常に洒落た名前の投信ですが、実際の成績はどうなのでしょうか?

 

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の概要

まずは概要を見ていきましょう。

高い利益成長もしくは持続的な利益成長の可能性が高いと判断される企業へ投資

アライアンス・バーンスタインはテクノロジーに特化などテーマ投信ではなく、あくまでもS&P500をベンチマークとし利益を追求していく方針をとっています。

投資家としても、テクノロジーに特化、5Gに特化などされたくないので、相場に合わせて柔軟にポートフォリオを組み替えていってほしいですよね。

 

運用のプロセス

 

銘柄を選定するのは、アライアンス・バーンスタインのリサーチ・アナリストとポートフォリオマネジャーです。

アライアンス・バーンスタインは米国NYの資産運用会社ですね。AXAグループはフランスの世界最大級の生命保険会社を傘下に持つグループです。

 

alliancebernstein

アライアンス・バーンスタイン株式会社(英語:AllianceBernstein Japan Ltd.、略称:AB)は、米国ニューヨーク州に本社を置く世界有数の資産運用会社アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーの日本法人。AXA(アクサ)グループに属する[2]。東京都千代田区に本社を置く。

 

組み入れ銘柄

2022年12月30日時点の組入銘柄は以下となっています。

 

No. 銘柄名 業種 比率
1 マイクロソフト 米国 情報技術 8.9%
2 ユナイテッドヘルス 米国 ヘルスケア 5.7%
3 VISA 米国 情報技術 5.5%
4 アルファベット 米国 コミュニュケーションサービス 4.7%
5 バーテックス・ファーマシューティカルズ 米国 ヘルスケア 3.8%
6 モンスター・ビバレッジ 米国 情報技術 3.5%
7 ゾエティス 米国 ヘルスケア 3.4%
8 ホームデポ 米国 一般消費財・サービス 3.4%
9 インテュイティブ・サージカル 米国 ヘルスケア 3.2%
10 コストコ・ホールセール 米国 生活必需品 3.1%

 

マイクロソフト、アルファベット、などいわゆるGAFAの会社が入っています。

VISAやユナイテッドヘルスグループなどが入っていることから、かなりS&P500インデックスファンドに近いポートフォリオな気がします。

 

2023年1月13日基準のS&P500の組み入れ銘柄は以下になります。アップル、マイクロソフト、アマゾン、テスラ、Googleとよく知っている銘柄が並んできますね。

順位 銘柄名 ティッカー 比率
1 アップル AAPL 6.12%
2 マイクロソフト MSFT 5.29%
3 アマゾン・ドット・コム AMZN 2.54%
4 バークシャー・ハサウェイ BRK.B 2.02%
5 アルファベット C GOOG 1.60%
6 アルファベット A GOOGL 1.56%
7 ユナイテッドヘルスグループ UNH 1.47%
8 ジョンソン&ジョンソン JNJ 1.37%
9 エクソンモービル XOM 1.34%
10 JPモルガン・チェース JPM 1.16%

 

アライアンス・バーンスタインと並べてみましょう。アマゾンが外れた結果1銘柄被りが減りました。

No. アライアンス・バーンスタイン S&P500
1 マイクロソフト アップル
2 ユナイテッドヘルス マイクロソフト
3 VISA アマゾン・ドット・コム
4 アルファベット バークシャー・ハサウェイ
5 バーテックス・ファーマシューティカルズ アルファベット C
6 モンスター・ビバレッジ アルファベット A
7 ゾエティス ユナイテッドヘルスグループ
8 ホームデポ ジョンソン&ジョンソン
9 インテュイティブ・サージカル エクソンモービル
10 コストコ・ホールセール JPモルガン・チェース

 

4銘柄がインデックスファンドと被っていました。モンスタービバレッジや、ゾエティスなどは攻めのポートフォリオと捉えられるような気がしますね。

モンスタービバレッジは年初来好調です。

モンスタービバレッジ 株価

 

ゾエティスはかなり厳しいです。

ゾエティス株価

 

その他株価指数は2022年は暴落していますので、インデックスファンドと被っている銘柄も厳しい状況であることに変わりないです。

パフォーマンスは悪いのかもしれません。せめてインデックスをアウトパフォームして欲しいものです。

 

参考までに以下はポートフォリオの過去の変異です。常にマイクロソフトを一位に置いていますね。

12月末 9月末
1 マイクロソフト マイクロソフト
2 ユナイテッドヘルス アルファベット
3 VISA ユナイテッドヘルス
4 アルファベット VISA
5 バーテックス・ファーマシューティカルズ バーテックス・ファーマシューティカルズ
6 モンスター・ビバレッジ アマゾン・ドット・コム
7 ゾエティス ゾエティス
8 ホームデポ モンスター・ビバレッジ
9 インテュイティブ・サージカル ホームデポ
10 コストコ・ホールセール クアルコム

 

Aコース・Bコース・Cコース・Dコースの違いとは?

アライアンスバーンスタインは4つのコースが用意されています。

Aコース 為替ヘッジあり
Bコース 為替ヘッジなし
Cコース 為替ヘッジあり・毎月決算型
Dコース 為替ヘッジなし・毎月決算型

為替ヘッジなしだとドル円が上昇すると株価は上昇し、反対にドル円が下落すると株価は下落します。

また、毎月決算型では分配金を多く拠出するため複利リターンが毀損します。

 

運用実績・リターンはどうか?

2022年は円安が35%程度進みましたので、為替ヘッジありとなしで大きくパフォーマンスが異なります。

ファンドの銘柄選定力を見極めるには為替ヘッジありを見る必要があります。

 

Aコース(為替ヘッジあり)

アライアンス・バーンスタイン

 

やはり2022年より大きく下落しています。直近1年で-18%と、大暴落と言っても良い水準です。1月に株価は反発していますが、雇用統計の結果が予想をはるかに上回ってしまいましたので、一旦は頭打ちでしょう。

(2023年1月31日時点)

1カ月 3カ月 6カ月 1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率) 設定来
トータルリターン 4.58% 2.27% -7.57% -18.17% 5.83% 7.77% 12.43% 243.54%

 

16年で考えると、平均年利回りは8.02%です。インデックスファンドのここ30年の利回りと変わらないですね。

 

Bコース(為替ヘッジなし)

アライアンス・バーンスタインBのパフォーマンス

 

直近1年(2023年1月31日時点)のリターンは-3.94%でした。16年の平均利回りは10.5%ですが、為替の影響が大きすぎるため、本来の実力を見るのであればヘッジありを見た方が良いです。

長期を見据えて投資をするのであれば、ファンドの真の実力を測る必要があります。

1カ月 3カ月 6カ月 1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率) 設定来
トータルリターン 3.48% -8.23% -7.65% -3.94% 13.88% 13.74% 17.95% 392.23%

 

Cコース(為替ヘッジあり・毎月決算型)

以下はCコースの基準価額の推移です。

アライアンスバーンスタイン米国成長株ファンドCコースの基準価額の推移

 

Aコースと比べて高い成績にみえますが、それは運用開始時期が違うからですね。基準価額は分配金をださずに運用をつづけた場合の仮想敵なものです。

分配金をだした瞬間に20.315%の税金が差し引かれるので上記の成績は達成できません。

 

Dコース(為替ヘッジなし・毎月決算型)

Dコースのリターンは以下となります。

アライアンスバーンスタイン米国成長株ファンドDコースの基準価額の推移

同じくBコースと比べて高い成績にみえますが、それは運用開始時期が違うからですね。基準価額は分配金をださずに運用をつづけた場合の仮想敵なものです。

 

インデックスファンドとの比較

赤が円建てのS&P500のリターン、青がアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)です。

ファンド比較

 

円安の影響を考えても、インデックスファンドに負けてしまっています。

為替の影響を考えても、インデックスファンドの方がましに見えますね。

 

掲示板で口コミ・評価をチェック(Bコース/Dコース)

Yahoo!ファイナンスや5chなど掲示板での口コミを見ていきましょう。

 

N村から電話で月曜日に買い増しを勧められました。ここ勧めら購入してから、既に18%のマイナスなんですが・・・。買い増ししましたが大丈夫かなぁ~

円安が進行している中で、ヘッジ有で米国株下落は痛いね。
数年単位で忘れて保持しているか、損きりして別に乗り換えるかですね。

ここは人気無いね。投稿数が少なすぎです。

損はしない銘柄とだけ言っときますか。

 

テーマ投信に比べると、そこまでひどい口コミはありませんね。

ほぼインデックスファンドなので、手数料などを考えるとインデックスファンドに負けてしまいますが、指数に対して大差がついていないので、ましな投資信託の部類とも言えます。

 

ただ、Dコースに関しては以下の不満がありました。

 

Dコースの口コミ

もう1年以上普通分配金貰えてません。
せめて今年ラスト月はビッグなクリプリ欲しい!

 

普通分配金というのは得られた利益から分配金を得るというものです。

普通分配金がもらえていないということは、Dコースでは特別分配金を出しているということになります。

 

特別分配金は預け入れた元本から分配金が出されるので、手数料をはらって投信を購入した上で預金のようにお金を引き出していることと同義になります。

毎月分配型の投信ではこのような状態が頻繁におこり金融庁も警鐘をならしています。また、このような商品が販売されているのは日本だけです。

金融機関の毎月お小遣いがもらえますよという甘いことばには騙されないようにしましょう。

また、5chでは以下の口コミがありました。

 

5ch口コミ

この円安でこれなら円高に振れたらどうなるんだ

BコースやDコースは為替ヘッジなしなのでドル円が上昇したら株価が上昇します。

2022年に入りドル円は115円から150円まで30%上昇しました。(現在は130円程度まで落ち着きましたが、まだまだドル高に振れる可能性が高いです)

これは米国と日本の金利差の拡大によるものです。為替は国力とかいう曖昧なものではなく主に金利差で決定されます。

 

日米の金利差とドル円の関係

 

そして、この日米の金利差は今後縮小することが見込まれています。理由は急激なインフレとFRBの利上げで米国の景気が後退する懸念が高まっているからです。

景気後退となると金利を引き下げる必要がでてくるので米国の金利は下落します。日本は常にゼロ近傍で一定なので日米の金利差は縮小します。

 

すると、少し先になるかもしれませんが、今まで伸びていたドル円は急激な逆回転を始めるのです。これからBコースやDコースは今年の副作用で円高で大きな逆風に見舞われることが想定されます。

 

今後はどうか?2022年以降の見通し

基本的にインデックスファンドのようなポートフォリオであり、リターンも変わらないので、米国株式市場全般の見通しが適用されると思います。

さて、米国ですが、現在はご存知の通りインフレが全く止まっておらず、米FRBの金融引き締めは終わっていません。

 

金融引き締めで株式市場でパフォーマンスを出すのは至難の技であり、ロングポジションのファンドの社員は次々に解雇され、無職になっていきます。株式市場が活況、そして上昇していくには金融緩和がマストです。しかし、金融緩和をするにはインフレをまず解決しなければなりません。

 

そして、このインフレは残念ながら不況が到来しないと終わりません。先物市場の織り込みでは利上げは2023年前半まで続き、2023年末に不況に対応するために利下げに転換するとなっています。

そしてFRBが利下げせざるを得なくなった直後に株価は過去50年で暴落しています。

 

つまり、あと1〜2年以上は厳しい環境が想定されます。更にFRBが金利を引き下げる局面ではドル円も金利差縮小によって下落します。

為替ヘッジなしのBコースやDコースは得に厳しい展開となることが想定されます。

 

重要なのはどのような環境でも安定したリターンを得ることです。

以下で市場環境によらず高いリターンをだす投資先について紹介していますので参考にしていただければと思います。

最後に

投資

 

>>>個人的おすすめファンドランキング

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

 

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

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