まとまったお金の資産運用法

【ブログ】2024年以降に退職金はどこに預ける?老後資金を支えるまとまった資金の預け先をランキング形式で紹介!

2021年10月22日

退職金はどこに預ける?まとまった資金が入ったら検討してみよう。株式投資/投資信託/ファンドラップ/ヘッジファンド/定期預金

長い長い時間、会社で働き、遂に定年を迎えサラリーマン生活に終止符を打つ。そのタイミングで手にするのが会社からの退職金ですよね。

加えて年金支給も入り、リタイア生活に入るかと思います。

退職金といえば、まとまった資金です。この資金を老後に切り崩しながら生活に充てていく人もいれば、うまく運用してさらに資金を増やして老後の生活水準を上げたり子孫の教育費など援助に活用する人もいるかと思います。

 

今回はそんなまとまった資金である退職金を預けるのであればどこが良いかということを検討していきたいと思います。

速やかに運用を始めることを考えている方は、まとまった資金の運用法を金額別にまとめていますのでこちらも参考にしてみてください。

 

 

そもそも退職金はいくら貰えるのか?実際の手取り額の目安とは?

まず、そもそも退職金がいくら貰えるのかという想定についてみていきたいと思います。

以下は総務省が発表しているデータをもとに大卒で得られる退職金の金額の平均値を列挙したものです。

 

勤続25年 勤続30年 勤続35年
調査産業計 1508万円 2183万円 2591万円
製造業 1573万円 2207万円 2669万円
平均 1540万円 2195万円 2630万円

 

上記は大企業を前提としていますが定年退職まで働けば2500万円〜3000万円もの退職金を受け取ることができます。

中小企業の場合は「中小企業の賃金・退職金事情」によると大学卒で1118万円という数値になっています。大企業に退職金は手厚いですね。

 

そして、退職金には退職所得控除が設けられているので通常の所得税よりは大幅に低い額の納税ですむというのも大きなメリットです。

例えば大企業の大卒の定年退職一時金が2800万円だとしましょう。納税する所得税は以下の計算式で算出されます。

 

(収入金額(源泉徴収される前の金額) - 退職所得控除額) × 1 / 2 = 退職所得の金額

この退職所得控除額は以下の計算式で導き出されます。

退職所得控除額の算出式

国税庁

 

新卒で22歳から働きはじめて60歳まで勤務する前提で38年間の勤続期間だとすると退職所得控除額は2060万円(=800万円+70万円×(38年-20年))となります。

そのため退職所得の金額は370万円(=(2800万円-2060万円)× 1/2)となります。2800万円うけとっている370万円分の税金しか払わなくてよいのです。

ちなみに退職所得370万円にかかる所得税は以下の算出式に基づき31万2500円(=370万円×20%-427,500円)となります。

 

所得税の計算表

国税庁

 

つまり2800万円の退職金を受け取った場合の手取りは2768万7500円ということになります。ほぼほぼ手取り金額と考えて良さそうですね。

 

<運用しない場合>貯金として切り崩しながら生活するのであれば?

大手銀行に定期預金

大手銀行に預金するという人が大半なのではないでしょうか?

貯金を切り崩して生活をするのであれば、毎月生活費をATMから引き出したり、クレジットカードで預金にある資金を活用するだけです。

特に頭を使う必要もありませんが、年金では足りなくなるほどの雑なお金の使い方は避けましょう。

 

銀行預金であれば、メガバンクなど大手銀行や地方銀行などがお金を守ってくれますので、安心ですよね。

(起こらないであろう、取り付け騒ぎがない限り、また金融機関が破綻しない限り)基本的には1000万円までは保証してくれます。

 

わが国では、金融機関が多額の不良債権を抱え、信用不安をおこし易い金融環境にあることなどを背景に、臨時異例の措置として平成8年から預金等全額保護の特例措置が採られてきましたが、金融システムの安定化等に伴いそれも平成13年度で終了し、平成14年4月からは、当座・普通・別段預金を除く定期預金等については、一定の範囲で預金等を保護する定額保護に移行されました。さらに平成17年4月からは、金融危機対応として例外的な措置が発動されない限り、「決済用預金」に該当する預金以外は、全て定額保護となりました。

引用元:預金等の定額保護

 

保護の範囲は以下です。

預金などの分類 保護の範囲
預金保険の対象預金等 決済用預金 当座預金・利息のつかない普通預金など 全額保護
一般預金等 利息のつく普通預金・定期預金・定期積金・元本補てん契約のある金銭信託(ビッグなどの貸付信託を含みます)・金融債(保護預り専用商品に限ります)など 合算して元本1,000万円までと破綻日までの利息等を保護(注)1,000万円を超える部分は、破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われます。(一部カットされる場合があります。)
預金保険の対象外預金等 外貨預金、譲渡性預金、金融債(募集債及び保護預り契約が終了したもの)など 保護対象外 破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われます。(一部カットされる場合があります。)

 

わかりにくいですが、①決済サービスを提供できる、②預金者が払い戻しをいつでも請求できる、③利息がつかないという三つの要件を満たしている預金を決済用預金と言います。

我々が預金している口座は雀の涙ほどの金利ですが利息がついてしまいますので基本的に1000万円までです。

 

定期預金の利回りは著しく低いので文字の如く預金になる

預金をするのであれば、日本の銀行は、高金利と謳っているネットバンクですら利息が0.3%ほどなので、資産を増やそうと一瞬たりとも思わない人が活用するものだと思います。

2024年1月時点の預金金利ランキング

RANK 銀行 商品 預入期間 受取利息額(税引後) (預入期間:1年,100万円)
6ヶ月 1年 3年
1 SBI新生銀行 スタートアップ円定期預金 -% 0.30% -% 2,390円
2 東京スター銀行 スターワン円定期預金プラス(インターネット限定) 0.05% 0.20% 0.25% 1,594円
3 UI銀行 スーパー定期預金 0.12% 0.20% 0.20% 1,594円
4 オリックス銀行 eダイレクト定期預金 0.10% 0.15% 0.22% 1,196円
5 SBI新生銀行 パワーダイレクト円定期預金 0.05% 0.05% 0.30% 399円
6 みずほ銀行 スーパー定期 0.00% 0.00% 0.00% 15円
7 三井住友銀行 スーパー定期 0.00% 0.00% 0.00% 15円
8 三菱UFJ銀行 スーパー定期 0.00% 0.00% 0.00% 15円
9 ゆうちょ銀行 定期貯金 0.00% 0.00% 0.00% 15円
10 りそな銀行 スーパー定期 0.00% 0.00% 0.00% 15円

 

例えば退職金を1000万円程度と仮定すると、 定期預金の利回りが1位の新生銀行の0.3%の場合は以下のような資産推移となっていきます。

とても増えているように見えますが横軸を見るとその変化の少なさに驚くと思います。

 

定期預金利回りを反映したグラフ

 

20年間預けっぱなしにすると、最終的には10,617,412円となります。利息で617,412円を20年間運用した結果受け取れることになります。

年間約3万円ずつ、資産が増えます。一円も増えないよりはマシですね。

 

コラム:結局老後に必要な金額はいくら?

皆さんが気になるところに結局老後に必要となる資金かと思います。2019年に財務省が老後2000万円問題を出して世間を賑わせましたが、あれは非常に単純な計算式で成り立っています。

支出から年金を差し引いた月間流出額5.5万円を65歳から95歳の30年間継続した場合に約2000万円が必要というものだったのです。

その時の算出に用いられた収支表が総務省が発表している以下です。

 

老後2000万円問題の元となったデータ

上記のデータを金額ベースで落とし込んだものが以下となります。

しかし、以下の通り住居費や教養娯楽費や交際費が明らかに少ないです。特に住居費が1万3000円というのは持ち家前提ですよね。

老後も都内で賃貸し続ける場合は12万円は必要になります。その他のデータも調整したものが以下となります。

データ 修正 差異
食料 64,521 64,521 0
住居 13,658 120,000 106,342
水道光熱 19,309 19,309 0
家具 9,419 9,419 0
被服費 6,593 20,000 13,407
保険医療 15,541 15,541 0
交通通信 27,551 27,551 0
教養娯楽 24,961 50,000 25,039
その他(交際費等) 53,924 80,000 26,076
合計 235,477 406,341 170,864

 

総務省のデータより追加で月額17万円つまり年額200万円が必要になってきます。65歳から95歳の30年間で追加で6000万円が必要になってくるのです。

つまり、都内で老後生活を完遂するためには2000万円に6000万円を加えて保守的にみて8000万円が必要になってくるという計算になってきます。

ただ、みなさん近年のインフレにより実感していると思いますが、60歳で定年してから人生100年時代を考えた時に現在と同じ物価で留まると考えるのは危険です。

インフレを考えると最低でも1億円、できれば1.5億円程度は老後に蓄えておきたいところではあります。

 

 

退職金で資産運用をする場合はそんな選択肢がある?

世の中には幾千もの運用商品がありますので、運用で資産を増やすチャンスには非常に恵まれています。

一昔前は海外株を買うだけでも一苦労でしたが、今はネットでサクサク買えてしまいます。

 

しかし、容易に資産を買えることで、不勉強なまま投資をしてしまいあっという間に資産を溶かしていく人が後を絶ちません。

資産運用は正しくやれば資産を大きく増やせますが、失敗すると悲惨です。しかし正しい知識があれば大きくは失敗しませんので、間違えない運用をしていきましょう。

退職金のようなまとまった資産を運用する場合、以下のような選択肢が考えられます。

 

 

本日はそれぞれの選択肢について以下の観点からランキング形式でお伝えしていきたいと思います。

 

加味する要素

  • 下落耐性
  • 安定したリターン
  • 手軽さ

 

特に重要なのは下落耐性です。若いうちなら資産が暴落しても立て直す機会がありますが、老後なら資産が暴落すると生活に影響でますからね。

とはいえ定期預金のような商品だと資産は全く増えません。元本保証ではないものの、高いリターンが狙える投資先を紹介していきます。

 

第1位:ヘッジファンドという選択肢(利回り10パーセント以上を目指す)

ヘッジファンド

 

下落耐性 ヘッジファンドは市場環境によらず安定して高いリターンを出すことを目指すファンド形態。市場の下落局面も回避したり抑制しながらリターンを着実に積み上げている。
リターン 下落を抑制しながらも市場平均より高いリターンを出し続けている。
手軽さ ファンドに任せたら一流のプロによって運用がなされるので資産運用について考える必要はなくなる

 

一番おすすめしたいのがヘッジファンドという選択肢があります。

ヘッジファンドとは欧米で盛んな投資対象ではありますが、近年は日本でもヘッジファンドサービスを提供しているファンドが複数あります。

ヘッジファンドとは何かをこちらの記事で説明しています。

 

ヘッジファンドとは何者?私募(プライベート)ファンド・公募ファンドの違いを理解しよう!
富裕層向け金融サービス!ヘッジファンドとは何者?わかりやすく簡単に解説!

近年、日本の金融リテラシーの高まりから、様々な投資先が検討されるようになった気がします。 少し前までは投資といえば、日本株、FX、投資信託のみの選択肢の中で資金を投下し、いまいち資産を増やせなかったと ...

続きを見る

 

ヘッジファンドは簡単にいえば、絶対収益追求型で、下落相場においてもレバレッジなどを活用して積極的にリターンを獲得していくというものです。

以下をご覧いただければわかる通り2000-2002年のITバブル崩壊時は世界株が80%下落する中でもリターンをあげています。

破滅的なリーマンショックでも世界株や米国株が60%下落する中でも20%の下落に抑制して順調にリターンを積み上げています。

 

ヘッジファンドは下落を抑制しながら市場平均より高いリターン

 

ヘッジファンドにも色々と種類がありますが、筆者が預けているような先のヘッジファンドは上記で米国株インデックス投資の欠点となる下落耐性に弱い点を補っているものとなります。

 

 

老後資金であれば、守りに強いヘッジファンドを選ぶべきでしょう。その上で複利リターンを獲得していける信頼できるヘッジファンドで運用をお勧めします。

こんな方におすすめ

  • すでにまとまった資金がある
  • 多少リスクをとってでも、指数を超える大きなリターンを目指したい
  • 手数料ビジネスではない、成果報酬型で運用するファンドマネジャーに出資したい

 

ヘッジファンドを選ぶ上では、もちろん運用戦略も重要です。しかし、公募ファンドではなく私募ファンドである点から、ファンドとの信頼関係が非常に重要です。

まずはファンドを信頼するにあたって、ファンドマネジャーの経歴や過去の実績、ファンドメンバーの経歴などを確認することをお勧めします。

 

ヘッジファンドを運用するというのは、大手金融機関などで鍛えられた、洗練されたメンバーであることが絶対です。

欧米で大成しているのはそのようなファンドしか実際にありません。

 

第2位:投資信託(インデックスファンドで利回り3-5%程度を期待)

投資信託

 

下落耐性 平均すると7%のリターンが見込めるが頻繁に50%程度の下落を経験することとなる
リターン 2010年代の一貫した金融緩和による株価上昇の後遺症により今後は厳しい展開が想定される。
手軽さ 投資をしたら世界経済や米国経済に任せるのみ

 

では、そのプロはどこにいるかというと、まず挙げられるのが「投資信託」でしょう。

 

投資信託の選び方・個別商品分析

 

とはいえ、投資信託も千差万別、投資家が自分で信頼できるファンドを選ばなければなりません。

また、日本のアクティブ投信(高いパフォーマンスを狙うファンド)は毎年成績が奮いません。それは金融庁の資料で明らかにされています。

米国と比べても雲泥の差ですね。日本は手数料が高く、そして過去10年平均リターンがマイナスです。

日本の投資信託の低いリターン

 

せっかくの退職金がこれでは減ってしまいます。金融庁は2022年に入っても同じようにアクティブファンドに辛口です。

 

国内の公募投信約6000本のうち、2022年3月末に現存し、02年4月からの20年間で4年以上の運用実績がある国内株のアクティブ型投信444本を金融庁が統計的に分析した。それによると、8割強の商品のリターンが信託報酬の控除後ベースで、パッシブ型と比べてプラスでもマイナスでもなかった。運用成果がコストに相殺されており、販売手数料も考えれば投資家が受け取るリターンはさらに低下することを示す。

不振のアクティブ投信、8割が大手の商品 金融庁が監視

 

2018年から2022年というコロナバブルを経験した5年間でみても年率平均リターンは2%たらずしかありません。

アクティブファンドに投資する妙味はあまりないといえるでしょう。

アクティブ投信の平均リターン

 

米国のインデックスファンドなども活用するのはありですが、インデックスファンドには欠点があります。

 

 

下落耐性に弱く、老後資金を運用したタイミングで2000年ITバブルや2008年のリーマンショックなどが直撃してしまったら、目も当てられない状況に陥ってしまいます。

あくまで平均して7%のリターンなのです。株価は上昇期と停滞期がきっぱりとわかれています。

2010年代は株価が一貫して上昇しましたが、その後遺症で2020年代は厳しい展開が想定されています。

株式市場のリズム

 

一番人気なのはS&P500指数の推移です。2024年現在、インデックスファンドが大ブームになっていますが多くの人の投資先がこの指数になっています。

2010年代の金融緩和相場をうけてS&P500指数は非常に高いリターンを残しましたが副作用として2022年から1970年代以来のインフレが到来しました。

2022年にはS&P500指数は以下の通り大きく下落し、人々の失望を招きました。

 

S&P500

 

 

2023年に入ってからは持ち直していますが、根本的な要因であるインフレは全く解決していません。

余りにも長期にわたって緩和をし続けたことからインフレ率が止まっておらず、景気はダメージを負うことが確実視されています。依然として狂気的なインフレ率となっています。

2024年1月時点で4%近くと目標物価指数の2%の2倍ですからね。そして中東情勢の悪化によるエネルギー価格の上昇で更に高くなる可能性が高まっています。

 

ちなみに現在と同じインフレが発生した1970年代は10年間、暴落を経験しながら横ばいで推移しました。

一度発生したインフレは粘着するので、そうそう解決することはないのです。

1970年代の米国株価指数

1970年代の米国株価指数

 

次の米国の金融緩和をただただ待つことになるのですが、これまでのような異次元な緩和を期待して投資を続けるというのも心許ないです。

1980年より始めた緩和が今まさに音を立てて崩れ落ちています。浮上にどれくらいの年月を要するのか想像もつきません。

 

投資とは常に進化していく市場に順応し、クリエイティビティを発揮し投資実行していくものです。無思考で成功する投資はただ運が良かっただけであり、それは投資とは言いません。

以上のことから筆者はアクティブファンドにも、インデックスファンドにも懐疑的です。

 

以下に筆者がお勧めできる投資信託(ファンド)を置いておきますので、自分の人生設計に当てはめて、投資先を検討してみてください。

関連記事>>【ブログ随時更新】飛躍の2024年!今買いの一番儲かる投資信託銘柄はどれ?「安全」且つ「これから上がる」個人投資家が買うべき高利回りファンドを徹底調査!

 

第3位:個別株投資(10年単位の修行の末、年平均リターン10-30%を目指す)

株式投資

 

下落耐性 資産のほとんどを失う可能性がある。初心者が簡単に勝てるほど甘くない。
リターン 熟練の投資家になると1年で何倍にも資産を増やせるが市場環境に大きく左右される
手軽さ 常に入念な分析と胆力が必要とされる

 

資産運用を考えるのであれば、歴史がその高いリターンを証明している株式投資もありでしょう。

預けるという話をしておいて個人投資の話をしてしまいますが。それだけ安易に株の世界に踏み込むのは危険ということをここで前もってお伝えします。

 

株式投資の優位性

(過去の歴史を見ると株式投資が資産形成には圧倒的に有利であると示されている)

 

株式投資をやらない富裕層は一人もいない」と言えるくらいに、株式投資とは資産形成では大切なアセットクラスです。より資産を増やしていくのであれば株式投資は外せません。

とはいえ、株式投資を個人でやるのはあまりにも危険です。年間にどれだけの人が退場しているのでしょうか(もちろん統計など取れないのですが)。

 

株式市場は魔界です。良い株式銘柄を選定できればプラスサム(プレーヤーの利得の合計がプラスになること)になるところが株式市場の良いところではあるのですが、その選定が至難です。

 

 

株式投資を筆者も長年やっていますが、現在は少額でしか投資はしていません。

株式投資はたまたまうまくいってしまうと、そのままのめりこみ、熱くなってしまい、どんどん冷静さを失い、気づけばとんでもない博打をしてしまっていることも少なくありません。

 

筆者自身も大金を失いましたが、そこでようやく目が覚めました。株式市場とは戦場なのです。株式投資を始めて数年程度の投資家が簡単に勝てるはずがなく、大半は破れて散っていきます。

また、如何に損失をミニマイズし、リターンを積み上げていくことが大事なのかをこの経験から理解しました。

 

個別株投資を10年単位で、本腰を入れて株式投資をやっていくのであればそれは止めませんが、基本的にはプロに任せるなど違った株式投資との関わり方を模索するべきではないでしょうか。

 

番外:ファンドラップサービスを活用?(利回りほぼなしと考えても良い)

ファンドラップとは大手金融機関がリタイアした人を対象に提供しているサービスです。

ファンドラップとは、投資家の人の意向に沿って投資計画を作成し、運用方針を確定するものです。そして、これを証券会社など大手金融機関に委託します。

 

ファンラップについて詳しくはこちらを参考にしてみてください。

 

 

「退職金運用コース」というものもあります。先日りそな銀行が提供しているファンドラップを調べてみましたが、貯金を切り崩して生活していくタイプの人向けの商品もありました。

 

 

特別円定期

 

10年で5,528円が増えます。ほぼ意味ないですね。どちらかというと、憶測ですが投資信託を購入すれば預金金利が上がります、と自社の投信で運用を促してくるのではないでしょうか。

また、株式や債券に分散して運用する商品も各社提供していますが以下の通り信じられないほど低いリターンとなってしまっています。

ファンドラップの運用成績

 

とても投資する気にはなれません。

 

失敗しないために退職金を運用する上で重要なポイント

代表的な退職金運用の重要ポイントを列挙します。

自身の保有資産の正確な把握

これは当然のことではあるのですが、まずは退職金を受け取りリタイア生活を謳歌する前に、ご自身の資産がどれくらいあるのかを正確に把握しましょう。

bank account

 

存在を忘れていた銀行口座や、もしかしたらタンス預金などをしている可能性もあります。

世帯として資産がまずどのくらいあるのかを把握することをおすすめします。

 

月々の生活費の把握(余剰資金の正確な把握)

次に、月々の生活費の把握をしましょう。一般的な生活費は以下のようになりますが、基本的にはリタイア間近の方の生活費は2人世帯で考えて良いのではないでしょうか。

 

項目 単身世帯 平均額(1カ月) 2人世帯 平均額(1カ月) 3人世帯 平均額(1カ月) 4人世帯 平均額(1カ月) 5人世帯 平均額(1カ月)
住居 30,525 24,652 18,557 15,074 14,805
食料 40,235 68,273 75,667 86,316 94,596
水道光熱費 10,405 18,754 21,383 23,247 24,590
家具・家事用品 5,377 11,605 12,872 14,395 16,127
被服及び履物 6,374 8,260 9,903 12,587 13,024
保険医療 5,714 13,648 12,877 12,431 13,562
交通・通信 23,337 46,611 48,649 50,921 53,798
教育 0 854 13,088 27,789 32,136
教養娯楽 17,921 23,999 24,212 29,987 31,787
その他の消費支出 29,077 63,356 59,065 48,897 48,243
社会保険料 41,244 55,850 64,551 70,808 70,527
合計 210,209 335,862 360,824 392,452 413,195

参考資料:家計調査 家計収支編 「(単身)勤労者世帯」2020年

家計調査 家計収支編 「(二人以上の世帯)勤労者世帯」2020年

 

月々336,000円程度が生活費になると考えると、年間は400万円です。とはいえこれは現役世代の生活費なので、老後は60%程度と考えると年間240万円ほどですね(実際はさらに圧縮できると思います)。

年金の支給が平均で月額14万6,162円、年間175万円なので65万円を貯金から切り崩すことになります。

5年分は安全に守るべき資産として取っておきたいので65万円×5年=300-350万円は手元にキャッシュとして置いておきたいところです。

 

そして、先に把握した正確な総資産と-350万円程度が余剰資金になります。この余剰資金で運用に回していくようにしましょう。

 

堅実な投資先を選ぶこと

余剰資金だからといって、ハイリスクハイリターンの投資先を選んでは本末転倒です。

大事な資金に変わりないのですから、安全に、堅実に運用できる先を選びましょう。

ここで、堅実に運用を考える上でファンドラップの広告を見てしまい、大手証券の担当者に丸め込まれてしまい、損失を出してしまう定年退職者が後を絶ちません。

 

堅実運用とは、とにかくマイナスを出さず(手数料込みで)、長期的にプラス運用していくことを指します。

例えば1000万円をマイナスを出さず、そこまで派手なリターンではないですが毎年+5%の運用をしたとします。

 

堅実に運用した場合の利回り

 

複利が効いてきますので、20年間運用すれば2600万円に到達しています。

マイナスを出さない運用のインパクトは世間では意外と知られておらず、年利回り30%、40%といった間違った金融商品ばかりが目につきます。

そのような運用先を筆者は非常に嫌悪しています。投資家のことを何も考えておりません。

筆者が堅実な運用が大切であると認識した上で、様々な調査、分析をした上で選定したファンドを以下の記事に掲載していますので、参考にしてみてください。

 

 

まとめ

退職金を預けるのであればどこに預けるかについて紹介してきました。

まとまった資金はそれだけで武器になりますが、良いリターンを出せない先に預けてしまうと、その武器は活躍できません。

大きな元本とは武器です。有効に活用していきましょう。

 

 

 

最後に

投資

 

>>>個人的おすすめファンドランキング

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

 

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

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