ETF

おすすめしない金(ゴールド:GOLD)投資、2022年以降は儲かるのか?純金(プラチナ・銀も含む)積立投資などの選択肢もあるけど・・・。

2020年10月30日

金(ゴールド:GOLD)投資は儲かるのか?純金(プラチナ・銀も含む)積立投資などの選択肢もあるけど・・・。

金(ゴールド)、銀(シルバー)、白金(プラチナ)の投資がこのCovid-19相場で注目を浴びていました。

所謂コモディティ投資なのですが、果たして2022年以降にこれらの投資は儲かるのでしょうか?

commodity

 

 

結論、儲けるための投資ではなく、資産保全のための投資先であることはまず認識しましょう。

金鉱株などは、リターンを狙っても良い投資先となります。リスクは高いです。

今回は金(ゴールド)をメインとして、どのような局面で投資すべきなのかを少しお話ししていければと思います。

 

 

金(ゴールド)投資の位置付け

GOLD Chart

 

金(ゴールド)の歴史を紐解くと長くなります。元々は、まだ通貨の価値のボラティリティが高い新興国のお金持ちなどが、資産の保全先として選んでいたのが金などコモディティです。

コモディティ投資には、貴金属(金、プラチナ、銀、パラジウム)、エネルギー(原油、ガソリン・灯油、電力)、農産物(トウモロコシ、大豆、小豆)、天然ゴムなどがあります。

 

投資・投機を行う対象としては以下のような商品があります。

 

  • 原油(WTI原油先物)
  • 天然ガス(Henry Hub)先物(NYMEX)
  • 金(現物 1oz.あたり)
  • Gold先物(COMEX)
  • プラチナ先物(NYMEX)
  • Silver先物(COMEX)
  • Copper先物(COMEX)
  • Corn先物(CBOT)
  • Wheat先物(CBOT)
  • Soybeans先物(CBOT)

 

それぞれのコモディティで、価格上昇の要因は異なりますがインフレ時は基本的に上昇するのがこれらの商品の特徴です。生産に限界があるため好景気で需要が活発化すれば価格は上昇します。

さて、まずは、ゴールドはどのような局面で価格が変動する要因を確認していきましょう。

 

 

ゴールド(金)が価格変動する要因

地政学的リスク(戦争・テロ・感染症・天災)による資産保全で金価格上昇

有事の際、これはリーマンショックやコロナショック、戦争、テロ、災害などが起きた時に基本的には上昇します。軍事衝突は経済の混乱を招きます。

terrorism

 

2008年のリーマンショック、2020年のパンデミックで大きく金価格が上昇しているのがわかりますね(2020年の動きが激しすぎるので、過去の動きが微動に見えますが、当時はブラックマンデーなどで凄いボラティリティを見せました)。

GOLD Chart2001年

 

また、上記は2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件が発生した後の金価格ですが、上昇に転じています。

その後リーマンショック(Financial Crisis)が発生し、落ち着いた頃に金価格は下げました。

 

また、上記のような戦争、テロ、感染症、災害などにより経済の先行き見通しは非常に不安が高まりますので、安全資産であるゴールドは資産の避難所として活用されるのです。以下のグラフはとてもわかりやすいですね。

世界での歴史的出来事と金価格

 

 

金融緩和によるドル安にて金価格は相対的に上昇

金融緩和によるドル安もゴールドの上昇要因となります。金融緩和とは中央銀行が不況→好況に経済を促すべく実施する政策です。

the economy is up

 

実施事項は政策金利を引き下げる、紙幣を刷って市場へ流す(資金供給量を増やす)などして、投資・消費を活発化させます。

例えば紙幣を刷って市場を流すことは、通貨の流通量が増加することを意味しますので、通貨の価値は希薄化します。そして相対的にゴールドの価値は上昇します。

 

その結果、通貨の価値が減少するのを理解している投資家は資産を通貨→商品・株などへ移す動きをします。

その資産移行先の代表例としてゴールドがあるわけですね。

 

2020年のパンデミックにより、米FRBは途方もない金融緩和を実施しました。紙幣を大量に刷り、国民にもばら撒きました。結果的にゴールドの価格はその政策に連動し上昇していることが見て取れますね。

GOLD Chart

 

2022年以降は金融引き締めが行われていますが、金価格はどうなっていくのでしょうか?(後述)

 

債券利回り(株安→株高も)が下落すれば金価格は相対的に上昇

債券利回りが上昇する局面ではゴールドは劣後します。

あくまで安全資産であり、ゴールドは利息を生まないため、同じように資産保全しながら利息を獲得できる債券へ資金は流れていきます。

 

2022年現在は利上げ局面ですので、債券の方がどうしても魅力がありますね。

US10Y Chart

 

 

金の採掘量

当然、「モノ」には限りがあり、世界中の金の採掘量が今後滞るようであればゴールドの希少性は高まり、価値は上がります。

現在は圧倒的に中国が採掘量は1位です。世界の総生産量の約9%を占めています。次いでロシアです。資源国は本当に有利ですよね。

世界の金採掘量

 

Rank Country Tonnes
1 China 332
2 Russian Federation 330.9
3 Australia 315.1
4 Canada 192.9
5 United States 186.8
6 Ghana 129.2
7 Peru 127.3
8 Mexico 124.5
9 Indonesia 117.5
10 South Africa 113.6
11 Uzbekistan 104.9
12 Burkina Faso 102.8
13 Mali 98.7
14 Brazil 90.1
15 Sudan 85.1
16 Dem. Rep. of the Congo 63.3
17 Colombia 61
18 Guinea 60.5
19 Zimbabwe 46.4
20 Bolivia 45.7
21 Tanzania 45.4
22 Côte d'Ivoire 41.9
23 Papua New Guinea 40.9
24 Turkey 39.5
25 Argentina 37
26 Venezuela 35
27 Chile 33.6
28 Suriname 28.3
29 Philippines 28
30 Dominican Republic 25.5
31 Kyrgyz Republic 21.8
32 Ecuador 21.3
33 Senegal 20.7
34 Liberia 20.5
35 Guyana 20.1
36 Mongolia 19.2
37 Niger 18.5
38 Madagascar 15.5
39 Kazakhstan 11.4
40 Laos 11.4
41 Bulgaria 10.1
42 Finland 9.1
43 Mauritania 8.1
44 Sweden 7.5
45 New Zealand 5.3

source:Global mine production

 

これらのランキングや採掘量の変化などをつぶさにチェックする癖はつけておいた方が良いかもしれませんね。外務省のページでもトップ10は掲載されています。

 

順位 国名 産出量(トン)(2021年)
1 中華人民共和国(中国) 370
2 オーストラリア 330
3 ロシア 300
4 アメリカ合衆国(米国) 180
5 カナダ 170
6 ガーナ 130
7 メキシコ、南アフリカ、ウズベキスタン 100
10 インドネシア、ペルー 90

 

中国の景気動向

china

 

中国の景気が良いと、金は上昇します。シンプルな理由としては、お金持ちが増え、資産を金に変え保全するからです。中国は国民が国を信用しておらず、資産をゴールドに変える傾向にあります(諸説ありますがこれが主因だと思います)。蓄財がほとんどです。

 

また、投資財としてゴールドジュエリーに対する若者の嗜好や考え方にも変化が出ており、ゴールド需要が2010年代は上昇し続けたとの話はとても有名です。

 

 

「ゴールド(金)が価格変動する要因」の総括と金投資をおすすめしない理由

上記では以下の5つを説明してきました。

  1. 地政学的リスク(戦争・テロ・感染症・天災)による資産保全で金価格上昇
  2. 金融緩和によるドル安にて金価格は相対的に上昇
  3. 債券利回り(株安→株高も)が下落すれば金価格は相対的に上昇
  4. 金の採掘量
  5. 中国の景気動向

 

基本的な景気サイクルを考えてみましょう。

不況→好況へ経済が進む場合は金融緩和(利下げ、紙幣流通増加)が行われ、デフレ→インフレ、株安→株高、債券利回り下落へ進んでいきます。

この場合はゴールドの価格は上昇するのがセオリーです。

gold up

 

では反対の場合、好況→不況へと経済が移り変わっていく時、つまり2022年の利上げ局面を指すのですが以下の通りとなります。

金融引き締め(利上げ、紙幣流通減少)、インフレ→デフレ、株高→株安、債券利回り上昇。

この場合はゴールドの価格は下落するのがセオリーです。

 

2022年の場合はこれに地政学リスクのウクライナ危機もありますし、中国が未だにパンデミックを引き摺っておりロックダウンを度々実施しています。

pandemic

 

様々な変数がありますが、これらを総合的に噛み砕き、それでもゴールドが魅力的であれば投資をすれば良いと思います。

 

セオリー通りの動きをするのであれば現在は金融引き締めでゴールドは逆風に晒されているはずなので、おすすめできない投資だと筆者は考えています。

 

 

金投資をおすすめしない理由は他にもある、デジタルゴールド・ビットコインの存在

筆者自身もゴールドは2018年から保有しており、現在はバッサリ落としました。理由は上記のセオリーに従った結果ではありますが、一つ懸念材料が増えたと考えています。

もう一度チャートを見てみましょう。

GOLD Chart

 

上記の通り、ゴールドはセオリー通り2020年より価格上昇していきました。

そして2022年より本格的な金融引き締めが始まりました。2021年はまだまだ緩和が続いていたにもかかわらず(テーパリングは11月から)、ゴールドの価格は横ばいで終焉しました。

ーパリング

テーパリングとは資産を増やす額を減らしているだけで緩和は続いています。

ゴールドの価格が動かない要因として、今までになかった存在、ビットコインが影響していると言われています。近年では常にビットコインとゴールドが比較されます。

 

以下は2020年1月から2022年6月末の1年半のチャートです。ゴールド自体も20%上昇しましたが、BTCは直近の大きな下げがありつつもまだ+180%ものリターンとなっています。

ビットコインとゴールドの比較

 

ここ1年のチャートは以下の通りです。BTCはマイナスですが、金融緩和中は大きく上昇し、一時は+100%を超えていました。ゴールドはたったの3%しか上昇していません。

 

BTCとゴールドの比較

 

この結果を見ると、今後セオリーに沿ってゴールドの買い局面、つまり不況→好況へ経済が進む場合は金融緩和(利下げ、紙幣流通増加)が行われ、デフレ→インフレ、株安→株高、債券利回り下落へ進んだ際に、金投資を行うべきなのか?

との疑問符がつきます。少々危険ですが、ゴールドに充てる配分の何割かをビットコインに振ったほうが良いのではないかということです。但し、ボラティリティには覚悟が必要です。

 

いずれにせよ、ビットコインがこの1年でマイナスに沈んでいることからも占えることですが、しばらくはゴールド、ビットコイン共にダメだと思います。

米国経済が思い切り不況に足を突っ込むまではとてもおすすめできません。

 

 

純金積立という投資(プラチナ・銀)

純金積立をおすすめする人も多いですが、これはただの積み立てですね。

金は「安全資産」「代替通貨」などと例えられるように、世界のどこかで戦争やテロ、経済不安などが生じた場合、他の投資商品よりも注目が集まる傾向にあります。特に、純金積立は毎営業日自動的に積立が行われることから、日々の価格に一喜一憂することなく、長期の投資商品として初心者に人気の積立商品です。楽天証券では、金やプラチナ、銀を毎月1,000円から積立てたり、株式のように変化する価格をみながらトレードすることもできます。株でも為替でも先物でもない、貴金属への現物投資をはじめてみませんか?

出所:楽天証券(金・プラチナ取引)

 

基本的には保全資産としての金であることは変わりませんので、純金積立もいまいち魅力を感じませんね。有事の時にだけ資産移転をしたいと思いますので、私的には普段から純金の積み立てはNGです。

資産を増やすという点では、ゴールドはイマイチ魅力に欠けます。年率リターンも有事の際の数などに比例するので、中々見通しがつきません。

 

各資産クラスのリターン

 

純金積立をどうしてもやりたい方は楽天証券でもサクッとできます。

純金積立

 

楽天証券(純金積立)

 

金はゴールドETFでも投資可能

単純にゴールドを買うのであれば、ETFが一番手っ取り早いです。

SPDRゴールド・シェア(1326)、純金投資信託“金の果実”(1540)などがあります。

 

海外ETFであればSPDRゴールド・シェア(GLD)で良いです。年初来+1.77%のプラスです。ウクライナ危機に反応していましたが、あっという間に下がってしまいました。

SPDR Gold Trust

 

ETFなので、現物を家に保管できませんが、どうせ邪魔なのでそのデメリットは放っておきましょう。証券会社に管理してもらった方が安心です。

何度でも言いますが、2022年6月現在は金投資ではありません。

 

金投資でリターンが物足りない方には金鉱株でしょう。金鉱株のETFはヴァンエック・ベクトル(GDX)が有名ですし、需給が高いです。大手金鉱株を投資対象にしたETFです。

 

GLDよりも一時的に高いリターンとなっていることがわかります。今はマイナスに転じています。ボラティリティが非常に高いです。

GDX株価チャート

 

オペレーティング・レバレッジが効いていることが理由になります。金鉱株は金採掘のためのコストが一定水準である場合が多いです。

つまり金の価格が上昇すればするほど原価はそのまま、売値は青天井ということです。頑張って掘れば掘るだけ儲けが膨らむボーナスステージということです。

 

個別株でも金鉱株は買えます。

米大手のニューモント(NEM)、アングロゴールド・アシャンティ(AU)、ハーモニー(HMY)など個別株でハイリターンを狙うのも良いでしょう。ただし、この辺は金価格の上昇に加えて、操業、政治リスクなど様々な要因を孕んでいます。

 

金鉱株の推移

 

オペレーティングコストの高いHMYなどはボラも激しいので、その点は気をつけましょう。年初来で-16.20%となっておりひどい有様です。初心者にはハードルの高い投資ですので、出来るだけ手は出さない方が良いかもしれません。

 

 

金(ゴールド)を買うメリットはとにかく保全資産、配当もない

そもそもですが、金は資産の保全先です。保全先はどこまでいっても保全先であり、儲けようと思ってはいけません。

ゴールドを購入すれば、たしかに有事の際や不況、中国動向、通貨危機のピンチは避けられます。しかし、資産の保全は10億円近い個人資産を持つなどの人が考えるべきことです。

 

まだ数億円程度の資産であれば、ゴールドで保全するよりも堅実な投資で資産形成をする方が良いフェーズだと思います。

 

 

最後に

投資

 

>>>個人的おすすめファンドランキング

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

 

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

-ETF

© 2022 40歳外資系サラリーマンの資産運用録 Powered by AFFINGER5