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高い実績が口コミで評判の東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンを評価する!組み入れ銘柄の特徴や運用実績を含めて徹底解剖。

2021年8月27日

高い実績が評判の東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンを評価する!組み入れ銘柄の特徴や運用実績を含めて徹底解剖。

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンはR&Iファンド対象に3年連続受賞している投資信託です。

名前の通り、経営者が多くの株式を保有している銘柄を厳選して投資することで高いリターンを実現しています。

 

本日は東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンがどのようなファンドか特徴をお伝えした上で、

運用実績を紐解き投資妙味があるのかという点について紐解いていきたいと思います。

>>投資信託の選び方・個別商品分析

 

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンの特徴とは?経営者がオーナーである会社に投資を実行

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンは経営者の合計持ち株比率が5%以上の企業に投資をする方針をとっています。

なかなか、珍しい銘柄選定基準ですよね。経営者の持ち株比率が大きいと以下のようなメリットがあります。

 

メリット1 経営者自身が株主なので利益を追求するインセンティブが大きくなります。利益が上昇して株価が上昇すれば役員自身の資産が増えますからね。
メリット2 企業の所有者は株主なので、重要な事項を経営者が独断で決定できないこともあります。ただ、株主が経営者であれば迅速な意思決定を行うことができます。

 

実際、以下の通り役員の合計持ち株比率が5%以上である企業の利益は以下の通り東証上場銘柄の平均を上回っています。リーマンショックの時の落ち込みも少なくなっています。

 

オーナー企業の優れた利益水準

 

 

コラム:東京海上の投資信託が撤退という噂の真相は?

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンについて調べていると東京海上が投資信託から撤退というワードにぶち当たります。

 

東京海上が投資信託から撤退という噂の真相とは?

 

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンが償還されるのかなと気になったのですが、調べてみると違いました。

東京海上が運用する東京海上・ジャパン・マイスター株式オープンが繰り上げ償還となるというプレスリリースでした。

 

東京海上・ジャパン・マイスター株式オープンが繰り上げ償還

参照:東京海上のHP

 

 

ジャパンオーナーズの組み入れ上位銘柄

過去から2022年12月末までの構成上位銘柄の推移は以下となります。

 

2022年12月末 2022年9月末 2021年7月末
1 シスメックス コーセー SBSホールディングス
2 エフピコ ロート製薬 パーク24
3 光通信 シスメックス 大塚商会
4 SBSホールディングス SBSホールディングス 朝日インテック
5 パンパシフィック 光通信 リゾートトラスト
6 シップヘルスケア ラウンドワン フジインターナショナル
7 ロート製薬 大塚商会 オープンハウス
8 大塚商会 日本電産 エフピコ
9 SMC パン・パシフィック・インターナショナル イズミ
10 カシオ計算機 ブシロード エン・ジャパン

 

上記の推移を見ているとわかる通り、銘柄を頻繁に入れ替えているのがわかりますね。

ずっとはいっているのはSBSホールディングくらいではないでしょうか。

 

直近の2022年12月末時点での構成上位銘柄の概要は以下となります。

構成銘柄 概要
1 シスメックス 血球計数分野で世界市場シェア50%以上を有する企業
2 エフピコ 惣菜トレーやコンビニ弁当の容器など、食品容器の専業メーカーとして成長
3 光通信 国内王手の総合販売代理店企業で法人と個人向けにサービスを展開
4 SBSホールディングス サードパーティロジスティクス大手
5 パンパシフィック ドンキホーテやアピタ、ピアゴを中心に国内外でディスカウントストア事業、総合スーパー事業を展開
6 シップヘルスケア 病院建設のコンサルティング大手
7 ロート製薬 目薬や胃腸薬などの一般用衣料品やスキンケア製品、健康食品を主力製品とする製薬会社
8 大塚商会 中堅・抽象企業向けに顧客の情報化、業務効率化を支援するソリューションプラバイダー
9 SMC 空気圧制御機器で国内60%。世界30%を超えるシェアを有する企業
10 カシオ計算機 電卓、電子辞書、電子楽器、時計などを扱う電機メーカー

 

構成第一位のシスメックスの株主構成は以下となっています。

シスメックスの大株主

 

現在の代表取締役は家次恒氏なので家次和子氏は親族であることがわかります。ちなみに家次恒氏は創業者ではなく三和銀行から転職して現在の地位まで上り詰めています。

ただ、彼がシスメックスを現在の地位に育て上げた功労者でもあります。彼の一族が大株主ということはオーナーが業績をあげるインセンティブが高い企業であるということができますね。

実際、以下の通りシスメックスの売上高と経常利益と営業利益と純利益は右肩あがりに増加しています。

 

シスメックスの業績推移

 

ただ、株価は2021年後半から大きく下落して現在は小康状態となっています。

全世界的なグロース銘柄に対する逆風相場の影響を受けています。

 

シスメックスの株価推移

 

 

アクティブ型投信として一般的な手数料水準

ジャパンオーナーズはアクティブ投信として一般的な水準となっています。

購入手数料:3.3% (税込)
信託手数料:年率1.584%(税込)

購入手数料が若干高いですが、一般的な水準の範囲といえます。

 

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンの運用実績

肝心な東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンの運用実績をみていきたいと思います。

以下はジャパンオーナーズが運用開始となった2013年4月以降のチャートとなります。

 

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンのチャート

 

実際の基準価格(橙色)と税引前分配金再投資後の基準価格(青色)との間に乖離があります。

実際には両者の間に収斂します。(分配金を出した瞬間に20.315%の税金が発生してしまうからです。)

Morning Starのデータとしてみると以下の通りとなります。直近1年は散々な結果ですね。

 

1年 3年
(年率)
5年
(年率)
トータルリターン -11.97% 2.4% 8.76%
標準偏差 12.66 17.84 17.31

 

5年のリターン13.80%とリスク17.78%から考えられる今後1年間のリターンは確率毎に以下となります。過去5年のリターンでみると非常に優秀な成績ですね。

参照:投資におけるリスクとは!?ハイリスクハイリターン投資よりローリスクミドルリターン投資を狙おう!

 

【68.3%の確率】

▲8.55%(=リターン8.76%-リスク17.31% )

+26.07%(=リターン8.76%+リスク17.31%)

 

【95.4%の確率】

▲25.86%(=リターン8.76%-リスク17.31% ×2 )

+43.38%(=リターン8.76%+リスク17.31%×2 )

 

【99.7%の確率】

▲43.17%(=リターン8.76%-リスク17.31%×3 )

+60.69%(=リターン8.76%+リスク17.31%×3 )

 

 

最大損失は50%近くを見込み必要があります。かなりボラティリティが高いですね。

 

TOPIXと比較!長期では素晴らしいパフォーマンスだが直近はアンダーパフォーム

日本株のパフォーマンスの平均はTOPIXで表されます。ジャパンオーナーズは運用開始以来TOPIXを上回る高いリターンを出しています。

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式比較とTOPIXと日経平均の株価推移

 

ただ直近、2022年に入ってから軟調な推移となっておりTOPIXをアンダーパフォームしています。

 

2021年以降のジャパンオーナーズとTOPIXの比較

 

この現象はひふみ投信ジェイリバイブ でも発生しています。ある程度人気がでてきて運用資産が大きくなってくると、本来の運用ができなくなりリターンが低下する傾向があります。

ジャパンオーナーズも例外ではなく、人気が出た結果としてパフォーマンスが悪化してしまっているのです。

 

今までのリターンがよかったからといって、今後も同じ成績が出すとは限らないのです。むしろ厳しいとみた方がよいでしょう。

 

今後の見通しは厳しい

重要なのは今後の見通しは厳しい状況が想定されます。

理由としては以下の2つが考えられます。

  • 世界的な景気後退が迫っている
  • 日銀総裁の交代で日本の金融政策が引き締め方向にシフトする可能性がある

まず1つ目の要素ですが、2021年末から発生しているインフレをおさえるために欧米の中央銀行が引き締め的なスタンスをとったことで2023年以降に景気後退となるリスクが高まっています。

米国の景況感を占う非製造業景況指数も久しぶりに50を割り込んでいます。リーマンショック前と同じ減少がおこなっているのです。

世界景気の後退は日本経済も直撃します。当然、企業収益の減少の可能性があることは頭にいれておきましょう。

 

次に日本特有の話題として2023年4月に控える日銀総裁に対する懸念があります。

現在の黒田総裁は政府や財務省からの圧をはねのけて一貫して金融緩和を行なって相場をささえてくれていました。

特にTOPIX銘柄に対する恩恵は尋常ではないですね。

 

この日銀総裁が岸田総理が選んだ引き締め的なスタンスをとる方が選ばれた場合、日本株に深刻な影響をもたらすことになります。

ここから通常のTOPIXに選ばれているような銘柄に投資している投資信託は避けた方がよいでしょう。

以下では相場環境によらず安定したリターンを上げているファンドについても取り上げていますのでご覧いただければと思います。

 

【2023年・国内和製優良ヘッジファンド】おすすめ投資先ランキング〜リスクを抑え安全・着実に資産を増やせる運用先(投資信託などアクティブファンド含む)を紹介。

 

まとめ

東京海上ジャパンオーナーズ株式オープンはオーナーが経営する企業に投資をすることで高いリターンをだしてきました。

しかし、近年は値動きも不安定になってきており値動きの幅も大きくなり、想定される最大損失も大きくなってきています。

今まで良い成績をのこしたことで運用資産が大きくなり、今までの運用パフォーマンスが出しにくくなってきていることが想定されます。

 

過去の結果をみて、投資をするかどうかを判断する前に一度立ち止まって考えてみることを推奨します。

 

>>投資信託の選び方・個別商品分析

最後に

投資

 

>>>個人的おすすめファンドランキング

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

 

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

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