「宝くじに当選」
これは、人生を一撃で変えるほどのインパクトがあります。
宝くじによっては一等で6億円当選するものもあります。人生を変えるのに十分な金額ですね。
→ 金融資産6億円あれば利息で生活できる?宝くじに当たったら配当金生活できる?超富裕層基準である資産10億円生活を目指す安全な運用手法とは。
当選と言っても金額によりますが、中には数億円を当ててしまう人も存在するでしょう。
凄まじい運です。しかし急に大金が入ってきてしまい、どうすれば良いのかわからなくなってしまう人がほとんどでしょう。
今回は、宝くじが当たった人は、その大金をどうすべきか、人生をどう過ごしていくべきかについて私見を述べていきます。
宝くじは投資と賭博のどっち?期待値から宝くじの投資効率を考える!
そもそも宝くじってどれくらいの確率で当たるのでしょうか?
なんとなく買っている人がとても多いと思います。しかし、冷静に確率を見なければいけません。
期待値として、1枚購入するごとにどれくらいの金銭インパクトがあるのかまで、投資に携わっている人であれば見ておく必要があります。
2022年のサマージャンボ宝くじを見てみましょう。最高当選金額は5億円というインパクトのある数値が大々的に出されています。
人生が180度変わりそうです。以下が具体的な当選金額と本数です。
等級等 | 当せん金 | 本数 |
1等 | 500,000,000円 | 24本 |
1等の前後賞 | 100,000,000円 | 48本 |
1等の組違い賞 | 100,000円 | 2,376本 |
2等 | 50,000円 | 2,400本 |
3等 | 10,000円 | 240,000本 |
4等 | 3,000円 | 2,400,000本 |
5等 | 300円 | 24,000,000本 |
1等と前後賞以外は人生ゲームチェンジできる金額ではありませんね。勝者総取り方式となっています。
ここまでの情報でわかっているのは以下です。
- 総販売数:1000万枚×24ユニット=240,000,000万枚
- 当選本数:26,644,848本
- 購入金額:1枚300円
1等の当選確率は0.00001%です。100万回引いたら1回は当たる確率です。
100万回引くと、購入金額はMAXで300,000,000円(300円×100万回)、つまり3億円購入すれば3億円が当たるということです。
お金持ちYoutuberがこのチャレンジ、やってみれば良いのではないでしょうか?
視聴率でマネーを生めばペイしそうですね(笑)
ただし、0.00001%はあくまで期待値。総販売数は110,000,000万枚。運が悪ければ外れる可能性も全然あるので賭けです。
以下はそれぞれの当選確率を算出の上、出した期待値です。
一回(三百円)の購入につき、126.99円のリターンがある訳ですが、これはつまり負け戦ということです。
買えば買うほど(300円-126.99円)損が出る計算になります。
等級等 | 当せん金 | 本数 | 当選確率 | 期待リターン |
1等 | 500,000,000 | 24 | 0.00001% | 45円 |
1等の前後賞 | 100,000,000 | 48 | 0.00002% | 20円 |
1等の組違い賞 | 100,000 | 2,376 | 0.00099% | 0.99円 |
2等 | 50,000 | 2,400 | 0.00002% | 1円 |
3等 | 10,000 | 240,000 | 0.00100% | 10円 |
4等 | 3,000 | 2,400,000 | 0.20000% | 20円 |
5等 | 300 | 24,000,000 | 1.00000% | 30円 |
合計 | - | 240,000,000 | - | 126.99円 |
つまり、これはギャンブルとしても成立していない、どれだけ自分の持ち金がなくなるまでに当選を引くかの天に運を任せたまさに「宝」探しなのです。
しかし、超幸運で早々に当選を引き当ててしまう人もいるので、侮れないなとも思います。
少し話は逸れますが、宝くじに限らず、世の中にはパチンコ、カジノなど様々なギャンブルがあります。
パチンコは300回転すれば大当たりが出て、どれくらいのリターンが見込めるなど計算がしやすい類です。パチンコ1玉4円で購入して、交換は3円など、巧みに複雑化されています。
また、パチンコ台の釘の位置が少しひねってあったりと、胴元が勝てるように様々な工夫がされており、期待値が下がるように仕向けられています。
これらの複雑な計算を正確に読み解いていけば、パチンコでも勝ち続けることはできます。パチプロとはこのような期待値を綿密に計算しているのです。
カジノはわかりやすく世界中にカジノが増えており、一大産業となっています。これは期待値の低いゲームを客にプレイさせてお金を儲けているからに他なりません。
ギャンブルは人の熱を昇天させ、大金を吐き出させる魔の魅力があります。そして、胴元がどうやっても儲かる仕組みを世界中に展開しています。
唯一期待値がプラスになりやすいのがブラックジャックとポーカーあたりですが、この辺はまた別の機会に記事にしたいと思います。
あくまで宝くじは夢を買う娯楽
先ほどの当選表をご覧いただければわかる通り、1等または1等の前後賞でしか人生のゲームチェンジはできません。
しかし、逆にいうと1等または1等前後賞さえ当ててしまえば人生を逆転することが可能となります。
期待値的に宝くじで勝つことは不可能ですが、人生を変える可能性はごくごく僅かながら存在しています。
その妄想を膨らませながら、家族とともに宝くじを開封する瞬間こそに価値があるものだと思います。
筆者の両親も宝くじを毎回買っては、開封して新聞で当選番号を確認するときは家族に一体感が生まれていました。
ギャンブルとして考えると最悪ですが、家族の絆を深めるという活用法としてはアリなのかもしれません。
宝くじが当たった時の賞金はいくらなのか?税金はかかるのか?
宝くじにも色々と種類がありますが、上記のサマージャンボ宝くじは最高5億円、最低300円でした。
他にも宝くじには種類があります。以下は昨年のハロウィンに実施された宝くじです。
等級等 | 当せん金 | 本数 |
1等 | 300,000,000円 | 11本 |
1等の前後賞 | 100,000,000円 | 22本 |
1等の組違い賞 | 100,000円 | 1,089本 |
2等 | 5,000,000円 | 22本 |
3等 | 1,000,000円 | 1,100本 |
4等 | 10,000円 | 220,000本 |
5等 | 3,000円 | 1,100,000本 |
6等 | 300円 | 11,000,000本 |
他にも「実りの秋くじ」(第2484回東京都)などは1等が2000万円、最低の5等が200円となっています。
最高当選金額で2000万円では人生を変えるには物足りないですよね。
等級等 | 当せん金 | 本数 |
---|---|---|
1等 | 20,000,000円 | 1本 |
1等の前後賞 | 5,000,000円 | 2本 |
1等の組違い賞 | 100,000円 | 21本 |
2等 | 1,000,000円 | 22本 |
3等 | 10,000円 | 4,400本 |
4等 | 2,000円 | 22,000本 |
5等 | 200円 | 220,000本 |
実りの秋賞 | 30,000円 | 660本 |
突然の高額入金。職場にはバレる?高額当選者の生活
宝くじに当たったら、銀行で手続きを済ませます。50万円以上であれば銀行本店(みずほ)ですね。受け渡し方法の説明がそこでなされます。
さて、職場にバレるかどうかですが、まず銀行経由で職場にバレることはまずありません。
日本の金融機関はそんなガバガバな情報漏洩を絶対にしません。
むしろ、自身の生活が急に派手になったり、職場の同僚につい自慢したくなってしまい話してしまったなど、そちらの経由がほとんどでしょう。
大金を持つ、というのは、出来るだけおおっぴらにしない方が得です。
急に寄ってくる人間の質も変わり、トラブルに巻き込まれやすくなってしまいます。
2019年には以下のような事件も起きています。
14日(2019年12月)午前1時54分、東京都青梅市に住む無職の小川和夫さん(67)から「寝ていて音がしたので起きてみたら男が逃げていった」と110番通報が入った。10分後の2時8分に警察官が駆けつけると、小川さんが鈍器のようなもので頭を殴られて倒れているのが発見された。小川さんは間もなく死亡が確認された。
「有馬記念で2億5千万円」「キャバクラを6、7軒経営」と自慢
小川さんは、周囲に大金を見せびらかせることで有名だった。3年前、中学の同窓会に参加した際、1億円入っているというジュラルミンケース持ってきた。中には帯のついた札束がギッシリ。「そんなの持っていて大丈夫?」と同級生が聞くと、「SPが付いているから平気だ」と答えたほどだ。
上記でもギャンブルは人の熱を昇華させる、と触れましたが、お金については人の嫉妬心を煽ってしまったり、少しの衝動でトラブルが起きる可能性を秘めています。
宝くじに当選したら、出来るだけ公にしないことをおすすめします。
宝くじに当選して大金があるなら資産運用をしよう
宝くじに当たり3億円入り、その勢いで会社を辞め贅沢三昧をしてしまう人が多そうですが、
実際のところどのような過ごし方を当選者はしているのでしょうか?
「宝くじが当たったら何に使う?」という質問に対して、以下のように回答している人が多いようですね。
- 貯蓄、ローンの返済
- 不動産(タワーマンションや豪邸)
- 豪遊(世界一周旅行や高級車など)
- 投資(マンション経営、株主優待)
- 事業を始める(会社を作る)
- 家族に分ける、寄付
豪遊をしたいところですが、豪遊をするにはまずは自分の生活を盤石にしてからでも遅くありません。
5億円も、本気を出せば10年ほどで溶けてしまいます。
そして、大金を雑に使ってきた反動から、もし5億円がなくなってしまったら、質素な生活もできなくなり苦しい人生が待っています。
特に宝くじにあたった瞬間に仕事を辞める方が多いでしょうから、収入がない状態なので以前にも増して苦しい状況となります。
5億円あるのであれば安定的に資産を増やす方針で人生を設計していったら良いと思います。
宝くじの当選金で必要な運用利回りとは?
では資産運用を行う際にどれくらいのリターンを目指せばよいのでしょうか?
一等の5億と一等前後賞の1億円の場合で考えてみましょう。
1等5億円で必要な利回りは3%から5%
1等5億円あれば派手なリターンは全く必要ありません。
例えば、保守的な3%の利回りを得たとしても税前で1500万円、税後で1200万円の収入を得ることはできます。
税後で1200万円あれば東京であれば裕福には暮らせませんが資産を減らすことなく働かずにある程度の生活ができます。
資本収入の一般的なリターンである5%の利回りを得ると税前で2500万円、税後で2000万円の収入となります。
手取りで2000万円あれば東京であっても裕福な生活を行うことができます。
1等前後賞1億円で狙う利回りは7%-10%
一等前後賞1億円であれば、残念ながら仕事はまだやめない方がよいです。
現実的には3億円という資産を構築して仕事を辞めることをおすすめします。
地方都市であれば2億円、東京であれば3億円あれば豊かな老後生活を送ることができます。
1億円を2倍の2億円にするためには5%であれば14年、7%であれば10年、10%であれば7年で到達することができます。
→ 55歳で資産1億円を形成してリタイアするのは妥当か?早期退職で後悔しないための考え方を解説する。
→ 1億円あったら何年暮らせる!?何億円あれば一生暮らせるのかという点を含めてわかりやすく解説する
宝くじが当たった場合の資産運用の選択肢5選
では肝心の本題に移りたいと思います。
宝くじだけでなく、遺産相続など急に大金が入ったケースで考えていただければと思います。
アクティブ投資信託 (★☆☆☆☆)
投資信託は最も身近な投資先ではないでしょうか?窓口や電車のつり革などでもしきりに宣伝されていますからね。
金利低下で利鞘収入が落ち込む銀行や、株式の売買手数料も低下している証券会社の収益の柱として投資信託は積極的に売り出されています。
プロが運用しているので高いリターンをだしていると思われがちですが、実際には総じて株価指数以下のリターンとなってしまっています。
分類 | 平均5年累積リターン |
パッシブ型全ファンド | 22.60% |
アクティブ型全ファンド | 9.70% |
パッシブ型日本株ファンド | 40.00% |
アクティブ型日本株ファンド | 30.90% |
パッシブ型先進国株ファンド | 37.00% |
アクティブ型先進国株ファンド | 12.00% |
パッシブ型新興国株ファンド | 15.20% |
アクティブ型新興国株ファンド | 12.80% |
パッシブ型グローバル株ファンド | 32.60% |
アクティブ型グローバル株ファンド | 8.20% |
→ アクティブ運用型とパッシブ運用型の投資信託のどちらが優れているのか徹底比較!インデックス投資は本当に最強なのか?
また投資信託は投資する対象を選ぶ必要があります。
- 投資対象は株?債券?REIT?金?投資対象地域は
- 日本?先進国?新興国?世界全体?
- 運用手法は?細かい運用対象は?
つまり投資初心者向きの投資ではないのです。
選ぶ対象資産が悪ければ、どの投資信託を購入しても基準価額は下落してしまいますからね。
当サイトでも様々なアクティブ投資信託については取り上げていますので参考にしていただければと思います。
ファンドラップ (★★☆☆☆)
ファンドラップも証券会社や銀行が肝いりで売り出している金融商品です。
証券会社や銀行が顧客にヒアリング調査を行い、顧客に適したポートフォリオを自社が販売している投資信託を使って組成して運用します。
コンサルフィーであるファンドラップフィーと投資信託の信託手数料の二重で手数料が取れるので金融機関にとって魅力的な商品なのです。
投資家としては何を購入するかを判断する必要がないので、初心者向けの金融商品であるということができます。
リターンは様々ですがインデックス以下のリターンになってしまっているのが残念な点です。
また、分散してポートフォリオを組んでいたとしても2022年のように株も債券もREITも商品も価格が下落するような局面では機能しません。
ファンドラップ については以下でまとめていますので参考にしていただければと思います。
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インデックス投信 (★★★☆☆)
先ほどお伝えしたアクティブ投信というのはインデックスに対してプラスのリターンを目指す投資信託です。先ほどお伝えした通り、アクティブ投信よりも高いリターンを残しています。
アクティブ投信やファンドラップより魅力的なのは間違いないのですが、注意点があります。
それは大きな下落を頻繁に経験し、場合によっては10年間でリターンが変わらないという可能性もあるということです。
あくまで超長期の平均リターンが7%程度であるということは頭に入れておきましょう。
特に2022年からは2010年代(実際には1980年から続く)の金融緩和のツケを払うことになり、1970年代や2000年代のように10年間リターンがないという可能性も十分あります。
今後はGAFAMなどテクノロジー企業の成長がすでに頭打ちし、マイナスに転じているので、米国株が短期は当然のこと、長期でもこれまでのようなリターンを提供してくれるかは疑問です。
シリコンバレーバンクなどシリコンバレーのテクノロジー企業に特化して金融業を営んでいた銀行も次々に破綻しており、さらに米国のテクノロジー業界の未来には暗雲が立ち込めています。
テクノロジースタートアップバブルで膨張した欲望が破裂していく様を見ているようですね。
米国で16番目に大きな銀行であるシリコンバレーバンク(シリコンバレー銀行、SVB)の経営破綻は、一見するとありふれた金融騒動のようにも見える。ベンチャーキャピタルからの潤沢な資金をもつ顧客が数十億ドルの現金をSVBに預け入れるという幸運に思える状況において、SVBの経営幹部は誤った選択をしたのだ。
ヘッジファンド (★★★★★)
筆者としては筆者も安定資産構築のために投資しているヘッジファンドを推薦します。ヘッジファンドは欧米の富裕層や年金基金・保険会社に人気のある金融商品です。
株価の暴落局面でも安定してリターンをあげています。つまり暴落耐性が最大の強みになっているのです。
以下の通り株価指数より高いリターンをだしながら暴落を抑制または回避しています。
世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーターは以下の通り一定速度で運用を行って投資家から信頼を受けています。
株式相場は数年に一回、大暴落を経験しますからね。
まさに大金を運用するという観点で非常に魅力的な選択肢になるかと思います。
年率のリターンは10%程度が狙えるので3億円ほどをヘッジファンドに投資をして、後の2億円で高級住宅を購入するなどが現実的ですね。
ブリッジウォーターなどの海外のファンドは最低出資額が1000億円以上と個人には門戸を開いていません。
ただ、日本には個人投資家にも投資が可能なファンドも存在しています。
筆者の場合は、国内でも老舗と言えるバリュー株主体のヘッジファンド、BMキャピタルに投資をしています。
同社の特徴は下落耐性が強く、10年以上の運用でマイナスを出した年がなく、コツコツとリターンを積み重ねている点です。派手なリターンこそありませんが、30年間マイナスを出さなかったメダリオンファンド、そしてそのリターンは上記で述べたブリッジウォーターを彷彿とさせます。
ヘッジファンドは戦略上、資産規模が大きくなってくると出資を停止することもありますので、興味のある方は早めにファンド担当者と話をして、情報取集することをおすすめします。
詳しくはコチラ
BMキャピタル含め、以下で様々な投資先をお伝えしていますのでご覧ください。
まとめ
今回のポイントをまとめると以下となります。
- 宝くじは期待値は出資額の半分以下でギャンブルとしては割りが悪い
- しかし一等と前後賞は人生を変えることができる金額となっている
- 高額当選者は破産している方も多く資産運用を行うことが推奨される
- ヘッジファンドを中心とした安定運用で安定的にリタイアを目指そう