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売れ筋のフィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)を徹底評価!見通しはいかに?

売れ筋のフィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)を徹底評価!見通しはいかに?

別の記事で、高利回りのリートファンドとして新光US-REITオープン、通称ゼウス投信について分析しました。

 

【ゼウス投信】大損すると評判の投資信託『新光US-REITオープン』を徹底評価!高い分配利回りで特別分配金を払い続ける危険性について紐解く。

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今回はゼウス投信よりも現在売れている米国リート投信である、フィデリティ・USリート・ファンドBについて紐解いていきたいと思います。

「フィデリティ」といえば米国の名門投資信託販売・運用会社ですね。

 

フィデリティ・US・リート・ファンドBはどのような投資信託?

フィデリティ・US・リート・ファンドBはどのようなリートファンドなのでしょうか?

ファンドB」ということはファンドAと何が違うのかという点を含めて紐解いていきたいと思います。

 

アクティブ型?パッシブ型?

投資信託には市場平均に連動することを目標とするパッシブ型の投資信託と、市場平均に対してプラスのリターンを目指すようなアクティブ型の投資信託があります。

 

アクティブ運用型とパッシブ運用型の投資信託のどちらが優れているのか徹底比較!インデックス投資は本当に最強なのか?

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フィデリティ・USリート・ファンドBはベンチマークとするインデックスに対して、プラスのリターン獲得を目指すアクティブ型の投資信託です。

 

 

ベンチマークはFTSE NAREIT Equity REITs インデックス

アクティブ型の投資信託は、どの指数に対してプラスのリターンを目指すという、ベンチマークを基本的に設定します。

例えば日本株のアクティブ型の投資信託はベンチマークとしてTOPIXや日経平均を設定します。

 

フィデリティ・USリート・ファンドBは米国リートのアクティブ型の投資信託なので、FTSE NAREIT Equity REITs  インデックスをベンチマークとして設定しています。

 

ゼウス投信も同指数をベンチマークとしては設定していませんでしたが、参考指数として設定しており米国リートの代表的な指数であるといえます。

 

以下は全米不動産投資信託協会(NAREIT)による同指数の説明です。

 

The FTSE Nareit All Equity REITs Index is a free-float adjusted, market capitalization-weighted index of U.S. equity REITs. Constituents of the index include all tax-qualified REITs with more than 50 percent of total assets in qualifying real estate assets other than mortgages secured by real property.

<引用:NAREIT>

 

日本語訳は以下の通りです。

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FTSE ナリート全株式リート指数は、米国株式リートの浮動株比率調整済み時価総額加重指数である。この指数の構成銘柄には、不動産を担保とする抵当権を除く適格不動産資産の総資産の50%以上を有する、税制上適格とされるすべてのREITが含まれます。

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全米の50%以上のリートを時価総額加重平均したものです。

 

フィデリティ・US・リート・ファンドBは何故Bなのか?

今まで何故ファンドBなのか気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

フィデリティ・US・リート・ファンドBは為替ヘッジ無しで、フィデリティ・US・リート・ファンドAは為替ヘッジ有という違いかあります。

 

当然米国のリートなので負う為替リスクは米ドル/円となります。

日本円だけ保有している方が今後の財政破綻リスクなどを加味すると怖いので、寧ろ良い意味で通貨分散がはかれているとみることが出来るでしょう。

 

 

フィデリティ・US・リート・ファンドBの運用成績

それでは肝心のフィデリティ・US・リート・ファンドBの運用成績について見ていきましょう。

 

フィデリティ・US・リート・ファンドBの成績 vs ベンチマーク

まず先ほど説明したFTSE NAREIT Equity REITs  インデックスとの比較です。

 

過去6カ月間は指数に対してオーバーパフォームしておりますが、1年以上の期間でみるとベンチマークを下回る成績になっています。

ゼウス投信よりはましな成績になっていますね。

 

フィデリティUSリートファンドのチャート

 

 

また分配金の水準なのですが、現在の基準価格が3,600円に対して、月間35円。

つまり年間420円、年率に直すと11.6%となります。

 

米国のリートから得られる分配金が平均して4%程度であることを考えると、フィデリティ・US・リート・ファンドBは分配金を出しすぎであるといえます。

 

フィデリティ・US・リート・ファンドBの成績

 

過剰な分配金は経済合理性はない

また先ほどの最新月報で表示されているリターンは税引前分配金を、再投資した場合の成績となります。

 

しかし、実際は分配金をだした時点で20.315%の税金が発生します。

 

3万円の分配金が発生した時点で、税金をとられ手取は23,905円となるので、実際再投資を行った場合は上記よりも低い数値になります。

 

元本を取り崩して分配金を出している場合、投資家にとってもマイナスとなります。

 

例えば100万円を預け入れたとして、運用成績が0%だったとします。

 

すると元本は100万円 ⇒⇒ 100万円と不変なのですが、ここから10万円の分配金を出した場合、税金を約2万円納めなければいけません。

 

すると結果的に100万円して98万円の資産に減少してしまうのです。

 

 

フィデリティ・US・リート・ファンドBのまとめ

フィデリティ・US・リート・ファンドBはフィデリティが運用する、アクティブ型の米国リートファンドです。

 

成績はベンチマークのFTSE NAREIT Equity REITs インデックスに直近は上回っているも1年以上のスパンでみるとアンダーパフォームしています。

 

また実態は税引前配当金を再投資することは出来ない為、成績は発表している成績よりも低くなります。

 

実績以上の分配金を出していることで、元本を取り崩して分配金を出してしまっており、投資家のとって再投資益を得られないばかりか、納めなくても良い税金を納めさせる結果となっております。

 

見かけ上の配当利回りを良く見せることにこだわった結果、投資家にとっては不利益な結果を招いています。

 

 

 

最後に

投資

 

>>>個人的おすすめファンドランキング

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

 

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

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