ティー・ロウ・プライス世界厳選成長株式ファンドについて今回は取り上げたいと思います。
ティー・ロウ・プライスは世界的な運用会社ですが、数々のファンドを組成しています。筆者も米国株ファンドを過去に取り上げました。
→ 評判のティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンドと米国割安優良株式ファンドを比較しながら評価!今後の見通しは?
世界厳選成長株式ファンドはどのようなファンドなのかをじっくり見ていきたいと思います。
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ティー・ロウ・プライス世界厳選成長株式ファンド(A/B/C/Dコース)はどんな投資信託?
投資対象はグローバル(含む日本)、投資信託や株式となっています。
全世界の有望な投資信託、株を選別して投資をしていくという形ですので、グローバルマクロの視点と個別銘柄のファンダメンタルズ分析に高いレベルが求められると思います。
幅広い範囲の投資対象でリターンを出すのは非常に難しいですが、それだけ充実した運用チームを持っているということですよね。
マザーファンドを見ると、各国に専門チームがいます。米国、英国、香港、シンガポールと世界有数の金融街に敏腕ポートフォリオマネジャーは揃っているということですね。
- ティー・ロウ・プライス・アソシエイツ、インク(所在地 : 米国)
- ティー・ロウ・プライス・インターナショナル・リミテッド(所在地 : 英国)
- ティー・ロウ・プライス・香港・リミテッド
- ティー・ロウ・プライス・シンガポール・プライベート・リミテッド
- ティー・ロウ・プライス・オーストラリア・リミテッド
- ティー・ロウ・プライス・(カナダ)、インク
新興国株も視野に入っているので、ある程度のリスクもとっていくということですね。
ティー・ロウ・プライス 世界厳選成長株式マザーファンド(以下「マザーファンド」 といいます。)への投資を通じて、世界各国の株式(エマージング・マーケット*も 含みます。)の中で、成長性が高いと判断される企業の株式を中心に投資を 行います。
ティーロウプライス全世界株式はA、B、C、Dの4つのコースが存在します。概要は以下です。
ファンド名 | 決算頻度 | 為替ヘッジ |
Aコース | 年2回 | あり(フルヘッジ/金利コスト負担あり) |
Bコース | なし(為替変動リスクあり) | |
Cコース | 年4回 | あり(フルヘッジ/金利コスト負担あり) |
Dコース | なし(為替変動リスクあり) |
AコースとBコースは年間最大で分配金を拠出するのが2回です。ただ、後でお伝えしますが今まで分配金をだしていません。
CコースとDコースは決算が4回なので、最大年4回分配金を拠出する可能性があります。
また、為替ヘッジについてAコースとCコースは「あり」なので為替ヘッジの影響は受けません。ただ、為替ヘッジコストを支払うことになります。
例えば米ドルの為替ヘッジなら現在、米国の金利は1年で4%程度なので、非常に高いヘッジコストを支払うことになります。
一方、BコースとDコースは為替ヘッジがないので、ドル円やユーロ円が上昇すると基準価額が上昇します。
反対にドル円やユーロ円が下落すると基準価額が下落します。
ティーロウプライス世界厳選成長株式ファンドの組み入れ上位銘柄
セクター配分は以下の通りになっています。情報技術セクター、ヘルスケアセクターが上位にあり、不況期(低金利時)に強い銘柄がメインとなっていることがわかります。
ヘルスケアが一応2位に入っていますが、高金利の今はかなり厳しい時代を迎えているのではないでしょうか。
2024/1月末 | 構成比 | 2023/10月末 | 構成比 | 2023/6月末 | 構成比 | 2023/3月末 | 構成比 | 2022/10月末 | 構成比 |
情報技術 | 29.85% | 情報技術 | 26.29% | 情報技術 | 27.49% | 情報技術 | 24.61% | 情報技術 | 21.92% |
ヘルスケア | 16.50% | ⾦融 | 15.50% | ⾦融 | 16.20% | ⾦融 | 17.76% | ⾦融 | 15.99% |
金融 | 14.54% | ヘルスケア | 15.03% | ヘルスケア | 12.01% | ヘルスケア | 15.62% | ヘルスケア | 16.79% |
⼀般消費財・サービス | 13.46% | ⼀般消費財・サービス | 13.00% | コミュニケーション・サービス | 10.37% | コミュニケーション・サービス | 10.61% | コミュニケーション・サービス | 8.83% |
資本財・サービス | 6.87% | エネルギー | 7.62% | ⼀般消費財・サービス | 13.58% | ⼀般消費財・サービス | 10.47% | ⼀般消費財・サービス | 12.44% |
エネルギー | 6.20% | 資本財・サービス | 7.48% | 資本財・サービス | 8.01% | 資本財・サービス | 7.78% | 資本財・サービス | 8.74% |
コミュニケーションサービス | 5.55% | コミュニケーション・サービス | 7.08% | エネルギー | 4.66% | エネルギー | 4.21% | エネルギー | 4.75% |
生活必需品 | 2.72% | ⽣活必需品 | 4.03% | 素材 | 2.55% | 素材 | 3.39% | 素材 | 4.48% |
交易事業 | 1.29% | 素材 | 1.48% | ⽣活必需品 | 3.16% | ⽣活必需品 | 3.02% | ⽣活必需品 | 1.23% |
素材 | 1.24% | 公益事業 | 0.87% | 不動産 | 0.84% | 不動産 | 0.94% | 不動産 | 1.24% |
不動産 | 0.00% | 不動産 | 0.70% | 公益事業 | 0.00% | 公益事業 | 0.00% | 公益事業 | 0.00% |
現金 | 1.79% | 現⾦他 | 0.92% | 現⾦他 | 1.13% | 現⾦他 | 1.59% | 現⾦他 | 3.58% |
合計 | 100.00% | 合計 | 100.00% | 合計 | 100.00% | 合計 | 100.00% | 合計 | 100.00% |
次に2024年1月末時点のポートフォリオです。
銘柄名 | セクター | 通貨 | 国 | 構成⽐ |
アマゾン | 一般消費財 | 米ドル | 米国 | 5.62% |
マイクロソフト | 情報技術 | ⽶ドル | ⽶国 | 5.25% |
エヌビディア | 情報技術 | 米ドル | 米国 | 4.40% |
イーライリリー・アンド・カンパニー | ヘルスケア | ⽶ドル | ⽶国 | 4.09% |
アップル | 情報技術 | ⽶ドル | ⽶国 | 3.19% |
チャールズシュワブ | 金融 | ⽶ドル | ⽶国 | 3.07% |
ロンドン証券取引所グループ | ⾦融 | 英ポンド | 英国 | 2.97% |
第一三共 | ヘルスケア | ⽇本円 | 日本 | 2.37% |
TSMC | 情報技術 | ⽶ドル | ⽶国 | 2.26% |
ダナハー | ヘルスケア | ⽶ドル | ⽶国 | 2.12% |
アップル、マイクロソフトと低金利時代に輝く銘柄が並びます。本当に厳選したのかと不安になる顔ぶれです。2022年10月末からの遷移は以下となっています。
2024年1月末 | 2023年10月末 | 2023年6月末 | 2023年3末 | 2022年10末 |
アマゾン | マイクロソフト | アマゾン | アップル | チャールズ・シュワブ |
マイクロソフト | アマゾン | アップル | マイクロソフト | 第⼀三共 |
エヌビディア | アップル | マイクロソフト | 第一三共 | ユナイテッドヘルス・グループ |
イーライリリー・アンド・カンパニー | イーライリリー・アンド・カンパニー | イーライリリー・アンド・カンパニー | ロンドン証券取引所グループ | アップル |
アップル | エヌビディア | ロンドン証券取引所グループ | ユナイテッドヘルス・グループ | エアバス |
チャールズシュワブ | ロンドン証券取引所グループ | メタ(旧FB) | イーライリリー・アンド・カンパニー | TモバイルUS |
ロンドン証券取引所グループ | ユナイテッドヘルス・グループ | 第一三共 | TモバイルUS | アマゾン・ドット・コム |
第一三共 | 第一三共 | アドバンストマイクロデバイシズ | マスターカード | マスターカード |
TSMC | アルファベット | エヌビディア | アマデウスITグループ | ロンドン証券取引所グループ |
ダナハー | エクソンモービル | ユナイテッドヘルス・グループ | チャブ | マイクロソフト |
1位だったチャールズ・シュワブが10位以下の圏外に飛んでしまっています。代わりに年初からリバウンドしたアップルとマイクロソフトが上位に来たという構図です。
マイクロソフト、エヌヴィディアに関してはAIブームの風に思い切り乗っていますね。しかし、中小型株はついて行っておらず、不穏な空気が流れ続けています。
ファンド売買手数料、信託手数料
手数料は以下となっています。購入して初年は手数料で5%ですね。
- 購入時手数料:3.3%(税抜3.0%)
- 信託財産留保額:なし
- 運用管理費用 (信託報酬):年1.683%(税抜1.53%)
ティー・ロウ・プライス世界厳選成長株式ファンドの運用実績(利回り)/基準価額チャート
ティー・ロウ・プライス世界厳選成長株式ファンドの運用利回りを見ていきましょう。
Aコース(資産成⻑型・為替ヘッジあり)
まずはAコースです。
まずはAコースの資産成長型の為替ヘッジありを見ていきます。6月末時点で基準価額は13,943円です。
1-3月期 | 4-6月期 | 7-9月期 | 10-12月期 | 1-12月期 | |
2023年 | 4.99% | 6.65% | -4.85% | 9.95% | 17.14% |
2022年 | -8.31% | -21.37% | -6.14% | 4.62% | -29.20% |
2021年 | 2.88% | 6.91% | -0.25% | 0.27% | 10.00% |
2020年 | -14.69% | 26.61% | 13.77% | 16.98% | 43.74% |
2020年、2021年が30年に一度の大規模なバブルだったにも関わらず、2022年の暴落でリターンを大きく吐き出しています。
Bコース(資産成⻑型・為替ヘッジなし)
次は「為替ヘッジなし」バージョンのBコースです。
続いてBコース(資産成⻑型・為替ヘッジなし)です。基準価額は18,860円です。2020年からの異次元金融緩和と円安がとにかく効いています。
円安で35%程度の上昇が含まれているのでファンドの本来の実力と過信するのはやめましょう。
1-3月期 | 4-6月期 | 7-9月期 | 10-12月期 | 1-12月期 | |
---|---|---|---|---|---|
2023年 | 7.87% | 16.47% | -0.90% | 7.14% | 33.40% |
2022年 | -2.94% | -12.56% | -1.17% | -1.10% | -17.05% |
2021年 | 9.01% | 7.03% | 0.28% | 2.79% | 20.27% |
2020年 | -16.60% | 26.59% | 13.17% | 16.27% | 38.91% |
インデックスファンドと同等のリターンとなっています。
青:ティー・ロウ・プライス世界厳選成長株式Bコース
赤:eMAXIS Slim 全世界株式
調子のよかったときは指数をアウトパフォームしていましたが、その後大きく沈み込んでいます。
Cコース(分配重視型・為替ヘッジあり)、Dコース(分配重視型・為替ヘッジなし)はAコース、Bコースの分配金重視の複利を毀損したバージョンとなります。
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ティーロウプライス世界厳選成長株式ファンドの掲示板での口コミ
Aコース(Yahoo Finance)
初心者です。
初心者は、buy&holdと思いつつ、とりあえず、もっています。
今年4月に野村証券にすすめられて買いました。初心者です。
どこが売り時なんでしょうね
2,3年は様子を見た方が良いのでしょうか
野村証券に勧められてかいました。
あと2.3年様子みます、、
あんまり良いファンドとは言えなさそうですね。これなら手数料の安いインデックスファンドの方が良かった。
なかなか上昇気流に乗りませんね
野村が買付手数料ゼロにしたので、
積立投資開始。
難しい事は言わず 励まし 慰め 合いましょう 人生下り坂最高 正平❗
やはり 日本株は伸びんな コロナで悩んだけど 続けて良かったよ 10年は続けるよ いらんこと考えるな
直球勝負だ 藤浪頑張れ 阪神ファンより
Bコース(Yahoo Finance)
積み立て途中でやめましたが、積み立てた分はプールしてあります。ここに限らずマイナスが酷いので。安いときに買って、高くなったら売るのが鉄則ですが、どうも安くなってくると不安で売りたくなります。性格が投資に向きませんね。
来年度かな、?
よくならないね。
私もNISAは、ここです!数年前から野村證券が買いつけ手数料無料だからやってます。止めるなら20000円位で、インデックスS&P500に変えるかもと
スイッチングしようにも、他にこれといってよいものがない…
NISAにお勧めの何かありますか? とゆうか、皆さんNISAやってますか?投稿ないか!人気出てね。
NISAで買い付けている人が多いようですね。
まとめと今後の見通し
Aコース、Bコース、それぞれのリターンを見ると、やはり最も比重が大きい米国株に連動しているリターンとなっています。
2020〜2021年は米国株は10年分の上昇をするかの勢いでした。異次元金融緩和でしたので、株は大幅上昇しました。しかし、2022年以降は失速しています。
そしてティー・ロウ・プライス世界厳選成長株式ファンドも同時に失速しました。
まだまだ若いファンドなので、しばらくは様子を見たいところです。あと5年ほど経過してから、真の実力を見極め投資したい先です。
まだまだ米国は金融引き締めが続いているので、2年ほどはティー・ロウ・プライス世界厳選成長株式ファンドの買い場は来ないと思われます。
現在2024年4月時点は過熱感があり、今後の景気後退などを見据えると正直厳しい展開が見込まれます。
相場環境に依拠せずに安定したリターンが見込めるファンドに投資をしていきましょう。