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評判のモルガン・スタンレー グローバル・プレミアム株式オープンを評価!組み入れ銘柄と為替ヘッジありとなしそれぞれの基準価額から過去実績を確認

2023年6月20日

モルガン・スタンレー グローバル・プレミアム株式オープンを評価!組み入れ銘柄と為替ヘッジありとなしそれぞれの基準価額から過去実績を確認

これまでも様々な投資信託を分析してきましたが、今回はモルガン・スタンレー グローバル・プレミアム株式オープンを取り上げたいと思います。

ゴールドマンサックスが販売する投信も過去に分析しましたが、今回は同じく一流(今や全米一の銀行)であるモルガン・スタンレーの投信とのことで、どのような商品なのかを詳しくみていきましょう。

 

 

モルガン・スタンレー グローバル・プレミアム株式オープンとは?

概要(為替ヘッジありでリスク回避も可能)

まずは概要を確認していきましょう。

  • 単位型・ 追加型:追加型
  • 投資対象地域:内外
  • 投資対象資産 (収益の源泉):株式
  • 投資対象資産:その他資産 投資信託証券 (株式 一般)
  • 決算頻度:年1回
  • 投資対象地域:グローバル (日本含む)
  • 投資形態:ファミリー ファンド
  • 為替ヘッジ:あり(フルヘッジ)/なし

国内外問わずグローバルに投資していくファンドで、為替が気になる人はフルヘッジも可能です。現在のような極端な円安局面ではフルヘッジが良いでしょう。

 

投資対象は?

世界各国の株式のうち、プレミアム企業の株式に投資を行い、 中長期的な値上がり益の獲得を目指します。

プレミアム企業の株式に投資するとのことで、プレミアム企業とはどのような企業なのでしょうか。

プレミアム企業とは

 

  • 借入金に頼らず 高い収益力をもつ企業
  • 高い収益力を 持続できる企業

上記を満たすプレミアム企業ということですね。定量面と定性面双方クリアしている企業ということで、ファンドの調査チームとファンドマネジャーの腕次第ですね。

 

組み入れ銘柄は?

グローバル投資なので、組み入れこくと組み入れ通貨は気になるところです。

以下は2023年5月31日時点のデータです。

■組入上位10ヵ国・地域

国・地域 比率
アメリカ 71.50%
イギリス 9.10%
フランス 7.30%
ドイツ 6.10%
オランダ 2.70%
イタリア 0.60%

 

組み入れ上位はやはり米国です。日本が入っていませんね。

 

■組入上位10通貨

通貨 比率
米ドル 72.10%
ユーロ 17.20%
英ポンド 10.00%
日本円 0.70%
スウェーデンクローナ 0.00%
スイスフラン 0.00%

 

通貨はドルが7割ですので、やはり米国の動向は注視する必要があります。

 

■組入上位10銘柄

銘柄 国・地域 業種 比率
1 マイクロソフト アメリカ 情報技術 8.70%
2 フィリップ・モリス・インターナショナル アメリカ 生活必需品 6.30%
3 レキットベンキーザー・グループ イギリス 生活必需品 6.10%
4 SAP ドイツ 情報技術 6.10%
5 アクセンチュア アメリカ 情報技術 5.90%
6 ビザ アメリカ 金融 5.50%
7 ダナハー アメリカ ヘルスケア 4.60%
8 サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック アメリカ ヘルスケア 4.50%
9 インターコンチネンタル・エクスチェンジ アメリカ 金融 3.80%
10 アボットラボラトリーズ アメリカ ヘルスケア 3.40%

 

銘柄はマイクロソフト、フィリプモリス、レキットベンキーとイギリスの銘柄も入っていますね。

マイクロソフトは2023年は上昇しているので期待したいところです。

マイクロソフト株価

 

手数料は?

  • 購入手数料:3.30%(税抜3.00%)
  • 信託報酬:1.980%(税抜1.80%)

初年度は約5%の手数料がかかりますので、初年度は5%以上の運用利回りが欲しいところですよね。

 

基準価額チャートから過去実績を確認

まずは為替ヘッジなしを見ていきましょう。

■基準価額および純資産総額の推移

やはり2020年のバブル相場から絶好調ですね。2022年は米国市場が暴落しましたが、異次元な円安でマイナスを回避できています。

為替の影響を省いた本来の銘柄ピッキングの実力も見ていきましょう。

■基準価額および純資産総額の推移  為替ヘッジあり

こちらはやはり2022年以降下降線です。基準価額は18,955円となっており、11年半の運用で年率は5.72%のリターンとなっています。

以下は為替ヘッジなしのインデックス(eMAXIS Slim米国株式(S&P500)円建て)との比較ですが、こちらにもそもそも負けていますね。わざわざこのファンドを買うのであればインデックスを買えばいいという結果になっています。

S&P500との比較

 

掲示板の口コミ評判は?

では少し見ていきましょう。

口コミ

今後近いうちに暴落があるのであれば、今のうちに一旦売っておいたほうがいいのかな。。。

口コミ

特別分配タコ足配当でした

口コミ

ココ反応ないね。

口コミ

信託報酬高すぎなんや、ぼけ!

口コミ

最近また運用悪いなぁ。もう本当にやめようかな。もっと手数料低くてリターンいいファンドなんて沢山ある

口コミ

軟調だなぁ。安定してあげていく感じがない。あと手数料がその割に高すぎる。

 

リターンの割に手数料が高いという口コミが多かったです。インデックスに負けているのでその通りですね。

 

今後の見通し

基本的には、組み入れ銘柄のほとんどが米国株ですので米国の見通しを考える必要があります。

米国の現在の状況はというと、インフレはまだまだ収まっておらず、米FRBはまだまだ利上げを続行しています。

アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は金融政策を決める会合を開き、去年3月に利上げを開始して以降、初めて利上げの見送りを決めました。一方、政策金利の見通しについては年内に2回の利上げが想定される内容となりました。

米FRB 利上げ見送り決定も 年内にあと2回の利上げ想定

 

インフレ率が年率で4%となっており、これは物価目標2%の2倍の水準であり、かなり消費者は苦しんでいる状況となっており、FRBとしては確実にインフレを退治する必要があります。

米国株が上昇する局面というのは決まっていて、基本的には金利が低い水準であることが必須です。しかし、今の政策金利は5%となっており、非常に高い水準であり株が本格的に上がることはありません。

 

例えば、年初から米国株は2022年の下落を回復しているところですが、これはAIブームによる大型テック株が上昇していることが要因となっています。

米国株は完全に回復したと思っている人も少なくありませんがそれは非常に危険な思想です。なぜならば小型株は置き去りにされており、非常に市場が不安定だからです。

ナスダックのA/DLINE

 

株式の上昇と反比例する形でA/D Lineが下落しています。

ADライン(Advance Decline Line)とは、株式市場の勢いを見るための指標です。 株価指数の構成銘柄のうち、上昇した銘柄数と下落した銘柄数を足し合わせて作られた線で、ADラインが上に向けば上昇している銘柄が多く、下に向くほど少なくなります。

上昇相場とそのウラに潜む危うさー波乱含みの米国市場がカギ

 

また、FRBは過去40年にわたり低金利政策を行ってきました。インデックスファンドが上昇してきたのはこの低金利政策が背景にあるのです。

低金利時代のグラフ

 

しかし、ここまで低金利で株価を膨らませてきたので、そのツケがインフレという形で現れています。今後、長期に亘りインフレとの戦いが続き、株式市場には良い環境にはならない可能性があり、インデックスは厳しくなる可能性があります。

インデックス以下の成績であるアクティブファンドはさらに悲惨になる可能性が高く、モルガン・スタンレー グローバル・プレミアム株式オープンも例外ではありません。

金利や市況に左右されずにファンドマネジャーの才覚でリターンを出すヘッジファンドなどが、この先10年は良い選択肢になると筆者は考えています。

 

関連記事)

最後に

投資

 

>>>個人的おすすめファンドランキング

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

 

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

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