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CMが評判のヘッジファンドダイレクト(元:いつかはゆかし)を徹底評価!

CMが評判のヘッジファンドダイレクト(元:いつかはゆかし)を徹底評価!

ヘッジファンドへの投資と聞いてタクシーの中でも頻繁に流れているヘッジファンドダイレクトを思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

以下のようにバブリーな女性が出ているCMです。見たことある方おおいのではないでしょうか?

因みににこの港区女子風の女性は高田有紗さんという方らしいです。

 

https://twitter.com/JohntaroTW/status/1403260752438259716?s=20&t=v2XU296jM3SoA9Cs9gsRDA

 

本日はこのヘッジファンドダイレクトという会社がどのような会社なのか?

投資する妙味があるのか?

という観点を中心としてお伝えしていきたいと思います。

 

ヘッジファンドダイレクトの会社概要

企業名 ヘッジファンドダイレクト株式会社
Hedgefund Direct Co., Ltd
所在地 〒100-0004
東京都千代田区大手町1-5-1
大手町ファーストスクエア ウエストタワー 18F
代表取締役社長 高岡壮一郎(詳細後述)
その他役員 社外取締役:横山直樹
東京大学卒。日興証券にて常務取締役を歴任監査役
アクサ生命保険株式会社にてファンドマネージャー等を歴任
事業内容 ヘッジファンド投資助言事業
自分年金サポート事業
株主 100%をあゆみトラスト・ホールディングス社が保有

 

事業内容の投資助言業という記述に注目してください。

ヘッジファンドダイレクトはヘッジファンドとして運用している運用会社ではありません。ヘッジファンドに仲介を行う仲介会社なのです。

そのため、取り扱っているファンドの内容が重要になってきます。

社長の高岡壮一郎氏の経歴は簡単に以下となっています。

 

高岡壮一郎氏の経歴

  • 東京大学卒業
  • 大手総合商社三井物産株式会社に入社海外投資審査、情報産業部門による新規事業立ち上げやM&Aに従事
  • 2005年あゆみトラストグループ(旧アブラハムグルーム)を創業
  • ヘッジファンドダイレクトや、ゆかしウェルスメディア株式会社等の代表取締役に就任
  • ブロックチェーン技術を応用した社会貢献型エコシステムSocial Good Foundationの代表取締役に就任

著書
「富裕層のNo.1投資戦略」(総合法令出版)
「富裕層はなぜ。YUCASEE(ゆかし)に入るのか?」(幻冬社)

 

ここで赤字にしたアブラハムグループでぴんときた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

旧アブラハムグループは金融庁から行政処分を受けた会社です。少し詳しく見ていきましょう。

 

アブラハムグループが金融庁から受けた行政処分とは?

アブラハムグルームは以前以下のような指摘を受けています。

金融庁は11日、投資助言会社大手のアブラハム・プライベートバンク(東京・港)に対し、同日から2014年4月10日まで6カ月間の業務停止命令を出したと発表した。金融商品取引業の全業務を停止させる。併せて同社が関与したすべてのファンドについての取り扱い状況の報告など7項目に渡る業務改善命令を出した。顧客保護のため、投資顧問契約の解約業務は続けさせる。

アブラハムは「いつかはゆかし」という老後資金を毎月積み立てる会員制サービスを展開。金融庁は金融商品販売事業者の登録をせずに海外ファンドを事実上販売したり、事実と異なる広告を出すなどの行為を金融商品取引法違反と認めた。アブラハムを巡っては証券取引等監視委員会が3日、同社を行政処分するよう金融庁に勧告していた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

引用:日経新聞

 

つまり本来必要な金融証券取引業を登録することなく海外のファンドを販売していたということですね。

証券会社が金融証券取引業を登録せずに投資信託を販売しているようなものです。

さらに著しく事実に相違する表示がなされている点も景表法の観点から指摘されています。

 

この指摘に対して「アブラハム・プライベートバンクへの行政処分に対する改善内容一覧」で改善内容を公表しています。

 

1つ目の指摘に対する改善

指摘:無登録で海外ファンドの募集をおこなっていた

【改善内容】

  • 外部から2名の新役員および非常監査役を加えて耐性を強化
  • 新規募集の停止し既存顧客のサポートに徹する

 

アブラハムでは新規募集ができなくなったので取引仲介手数料による収益拡大が見込めなくなりました。

傷ついた名前を一新して新たにヘッジファンドダイレクトとして金融商品取引業に登録した上で船出したわけですね。

 

 

1つ目の指摘に対する改善

指摘:著しく事実に相違する表示又は五人させるような表示のある広告をする行為

【改善内容】

  • 広告等審査責任者として10年以上の経験を有するコンプライアンス担当を招聘
  • 広告等に関する規定を見直し審査耐性等を充実させた「広告等の表示及び景品類の提供に関する規程」を整備

 

高岡氏は結構きわきわを攻める経営者というところですね。

 

ヘッジファンドダイレクトが取り扱っているヘッジファンドとは?

それではHPででているヘッジファンドを紹介していきたいと思います。

グローバルマクロストラテジーのヘッジファンド

まず目玉として挙げているのがグローバルマクロ戦略を取り入れているヘッジファンドAです。

 

ヘッジファンドA 全世界株
年平均リターン 17.7% 5.8%
標準偏差(リスク) 28.1% 16.0%
シャープレシオ 0.63 0.36

 

素晴らしい年平均リターンですが、リスクが大きく大きな下落を伴う瞬間も多く見かけます。

グローバルマクロ戦略とは以下のような戦略です。

グローバル・マクロ戦略(Global Macro Strategy)とは、世界中の国または地域の経済、金融市場、政治情勢などをマクロの(大局的な)視点から分析して、グローバル(世界的)な株式、債券、通貨、商品(コモディティ)、先物市場など広範な金融市場で売買する投資戦略です。経済指標を用いてマクロ経済の動向を予測し、あらゆる市場・商品を対象にロング・ショート(買いと売り)を織り交ぜて投資する方法で、ジョージ・ソロスなど著名ヘッジファンドの運用手法として知られています。
世界中のあらゆる資産を投資対象とするため、アナリストなど多くの人員が必要なので、新興ヘッジファンドの参入は難しく、大手のみに許された戦略ともいわれます。

参照:SMBC日興証券

つまり読みが外れたら大きく資産を損なう可能性があるということですね。

 

ファンド・オブ・ファンズ型のヘッジファンド

以前紹介したセゾン資産形成の達人ファンドのように複数のファンドに分散投資するファンドをファンドオブファンズといいます。

ヘッジファンドダイレクトでは複数のヘッジファンドに投資するファンドオブファンズ型のヘッジファンドも取り扱っています。

 

ヘッジファンドC 全世界株
年平均リターン 5.7% 3.5%
標準偏差(リスク) 3.3% 15.4%
シャープレシオ 1.76 0.23

 

この間の全世界株が酷すぎるだけで、正直ヘッジファンドに投資して5.7%のリターンというのは物足りない気がします。

ただ、ヘッジファンド本来の下落せずに右肩あがりの資産を構築している点は評価できるでしょう。

 

ヘッジファンドダイレクトの手数料形態

ヘッジファンドダイレクトの手数料は購入時、運用時、解約時の3つに分かれます。

投資開始時 初年度の投資助言料 投資額の3.3%(税込)
行政書士費用・海外送金手数料 2万円程度
運用時 2年目以降の投資助言料 投資額の0.99%(税込)
投資ファンドの信託報酬 平均2%程度
成功報酬手数料 運用成果に対して20-40%
解約時 投資開始から1年未満 解約直前評価額の3.3%(税込)
投資開始から2年未満 解約直前評価額の2.2%(税込)
投資開始から1年未満 解約直前評価額の1.1%(税込)

 

1年以内に解約した場合は、合計で8.5%程度の手数料が発生することになりますね。

長期投資をすることが前提の手数料体系となっています。

 

魅力的なヘッジファンドに投資できるとは限らない

HPには取り扱っているファンドの中で最も訴求力の高い成績のよかったファンドが記載されていることが想定されます。

重要なのは素晴らしいファンドに自らが投資することが可能かという点です。

 

気になるのはヘッジファンドダイレクトのHPに記載されている文言です。

 

上記ファンドは当社の投資助言対象ファンドの一例です。10万本のデータベースから独自アルゴリズムに基づき、お客様に最適なファンドを提案しています。

参照:ヘッジファンドダイレクトHP

 

つまり、アルゴリズムに基づき勝手に適していると思われるファンドを紹介されるということです。

そもそも、ブリッジウォーターのような本当にすごい海外のヘッジファンドは個人は購入することはできません。

→ 世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーターアソシエイツを解説。帝王レイ・ダリオの投資哲学とは?

 

ブリッジウォーターは運用資産額は約20兆円の世界最大のヘッジファンドで、以下のとおり安定したリターンが魅力となり機関投資家から愛好されています。

ブリッジウォーターアソシエイツのリターンとS&P500指数を比較

 

ブリッジウォーターの最低出資金額は75億ドル(約1000億円)で、とても個人が投資できる金額ではありません。

このように海外の著名ファンドにアクセスすることはできないのです。

ヘッジファンドダイレクトに相談したとしても資金の関係で良いファンドが紹介される保証はないということは頭にとどめておきましょう。

 

以下では個人でも投資できるブリッジウォーターと同様のリターンを期待できるファンドについて纏めていますので参考にしてみてください!

 

 

最新版

おすすめのヘッジファンドランキング

※堅実に資産を成長させるファンド

 

 

まとめ

今回のポイントをまとめると以下となります。

 

ポイント

  • ヘッジファンドダイレクトは前身は金融庁から指摘を受けたアブラハムグループ
  • ヘッジファンドダイレクト自体がヘッジファンドなのではなく、ヘッジファンドを仲介している仲介業者
  • ヘッジファンドダイレクトがHPに載せているファンドを必ずしも紹介してもらえるわけではない

 

最後に

投資

 

>>>個人的おすすめファンドランキング

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

 

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

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