GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(愛称:nextWIN)を取り上げます。
前回GSシリーズのネットウィンについても分析しましたが、今回はどうでしょうか。
→ 【netWIN】どこまで上がる?評判のネットウィンを2022年以降の見通しを含めて徹底評価!
ゴールドマン・サックス証券、といえば泣く子も黙る米国のトップ金融機関ですね。
日本オフィスも六本木の森ビルに入っており、東大生を始めとした金融志望のエリート学生が就職活動で必ず受ける企業ですね。
そんなゴールドマンサックス証券が提供する投資信託は実際に良いリターンが出せているのかを解析していきます。
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GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(愛称:nextWIN)の概要
それではゴールドマンサックスが提供する投資信託、ネクストウィンについて大枠を捉えましょう。
テクノロジー企業に特化した投資先
目論見書によると、以下の通りとなっています。
日本を含む世界の株式を実質的な主要投資対象とし、主としてテク ノロジーの活用または発展により恩恵を受け、将来のリーダーにな ると期待される企業の株式に投資します。投資対象には中小型株式 および新興国株式も含まれます。
ネットウィンに関しては米国のテクノロジー企業がメインでしたが、ネクストウィンは日本含む世界のテクノロジー企業が対象となっています。
組み入れ銘柄は後続で見ていきます。
ここでいうテクノロジー企業とは、将来のリーダーになると期待される企業と定義されています。
例えば今でいうテスラや、10年前くらいのグーグルやアマゾン、アップルなどが当たるでしょう。
しかし、そんな株を見つけるのは至難ですが、ゴールドマンサックスのアセットマネジメントチームであればその目利きがあるということだと思います。
ネクストウィンの組み入れ上位銘柄
2024年1月31日時点の組み入れ銘柄は以下となります。
銘柄名 | 国 | 業種(セクター) | 比率 |
マーベル・テクノロジー | 米国 | 情報技術 | 3.20% |
モトローラ・ソリューションズ | 米国 | 情報技術 | 3.00% |
ワークデイ | 米国 | 情報技術 | 2.90% |
KLAコーポレーション | 米国 | 情報技術 | 2.90% |
データドッグ | 米国 | 情報技術 | 2.90% |
ハブスポット | 米国 | 情報技術 | 2.80% |
パロアルト・ネットワークス | 米国 | 情報技術 | 2.50% |
ダイナトレース | 米国 | 情報技術 | 2.50% |
ケイデンス・デザイン・システムズ | 米国 | 情報技術 | 2.40% |
メルカドリブレ | ブラジル | 一般消費財・サービス | 2.40% |
世界のテクノロジー企業というだけあって米国だけでなくブラジルや台湾やオランダなどの企業も組み入れています。
全てテクノロジー企業であり、2022年より米国はFRBが金融引き締めを行っているので株価暴落が直撃しているかと思われます。
1位のマーベル・テクノロジーは半導体やクラウドコンピューティングなどの分野で事業を展開しているアメリカの企業です。
データセンターなどにおいて使用されるSSD向けの半導体に強みを持っています。株価は堅調ですね。
2022年は暴落していましたが、AIブームに乗り、回復中です。
2位のモトローラ・ソリューションズ(Motorola Solutions)は、通信および公共安全分野で活動するグローバルなテクノロジーカンパニーです。
同社は、専用無線通信システム、データネットワーキング、モバイルコンピューティング、セキュリティソリューションなどを提供しています。
株価は上記の通り非常に堅調に推移しています。
以下は昨年末からの構成上位銘柄の推移です。半分程度銘柄が入れ替わっていますね。グロース株は株価の値動きも激しいので順位変動も激しいのです。
No. | 2024年1月末 | 2023年10月末 | 2023年7月末 | 2023年4月末 | 2022年12月末 | 2022年9月末 |
1 | マーベル・テクノロジー | モトローラ・ソリューションズ | マーベル・テクノロジー | モトローラ・ソリューションズ | キンディー・インターナショナル | パロアルトネットワークス |
2 | モトローラ・ソリューションズ | KLAコーポレーション | ワークデイ | ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス | KLAコーポレーション | ケイデンス・デザイン・システムズ |
3 | ワークデイ | ネットイーズ | KLAコーポレーション | ハブスポット | モトローラ・ソリューションズ | オン・セミコンダクター |
4 | KLAコーポレーション | マーベル・テクノロジー | データドッグ | マーベルテクノロジー | ケイデンス・デザイン・システムズ | モトローラ・ソリューションズ |
5 | データドッグ | データドッグ | モトローラ・ソリューションズ | KLAコーポレーション | ハブスポット | KLAコーポレーション |
6 | ハブスポット | ワークデイ | ハブスポット | メルカドリブレ | ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス | SBAコミュニケーションズ |
7 | パロアルト・ネットワークス | アリスタネットワークス | ネットイーズ | ワークデイ | メルカドリブレ | ビアビ・ソリューションズ |
8 | ダイナトレース | メルカドリブレ | アディエン | ネットイーズ | ダイナトレース | ハブスポット |
9 | ケイデンス・デザイン・システムズ | ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス | ダイナトレース | アディエン | ヴィーナステック・グループ | マーベル・テクノロジー |
10 | メルカドリブレ | ゼットスケーラー | パロアルト・ネットワークス | ケイデンス・デザイン・システムズ | インフィニオンテクノロジーズ | アトラシアン |
ネクストウィンの運用実績!Aコース(限定為替ヘッジ)とBコース(為替ヘッジなし)の比較でみえてくることとは?
それではここからが本題です。運用実績を見ていきましょう。ネクストウィンにはAコース(限定為替ヘッジ)、Bコース(為替ヘッジなし)の2つがあります。
Bコースの為替ヘッジなしは2022年以降はかなり円安が進んでしまっているので、下落幅は縮小されています。
円安で為替による利益が+35%あるにも関わらず、2022年は-37%程度となりました。
基準価額は一応まだ15937円です。2020年の異次元バブルを経て、残ったリターンは50%程度となっており2021年以降から投資をしてしまった人は確実にマイナスです。
というか、後述するAコースのリターンを見ていただければわかりますが、このリターンは全て円安によるものです。
Aコース限定ヘッジのリターンは以下の通りです。こちらが本来のファンドの実力を表します。
当然ですが、ここ2022年は-47%となっており、設定来も一時マイナスとなりました。2020年の2月から運用ですので、バブル相場を経てこの結果です。
明らかにストックピッキングに失敗しているように思います。基準価額は12000円ですから設定来+20%ほどです。円安がないと、3年間で年率5%程度でやはりインデックスに負けてしまいます。一度大幅下落してしまうと、取り返すのに何年もかかるのですよね。ファンド選びには下落耐性の強さが重要なのです。
米国を代表する株価指数であるS&P500と比較すると以下の通りです。
青:ネクストウィン(H無し)
赤:S&P500 (円建)
円安の影響を考慮しない、H無しのネクストウィンと、円建てのS&P500の比較でも、やはり負けています。ベンチマークとなる株価指数を下回ってしまっています。
基本的にアクティブファンドを選ぶ上で、10年スパンの実績を見てファンドの実力を測るべきだと筆者は考えています。
ネクストウィンに関しては3年ほどしかありませんがあまり今後も見込めないような気がします。重要な今後の見通しについては最後にお伝えします。
また、やはり下落耐性の強いファンドを選ぶべきです。ヘッジファンドなどは、どんな局面でもリターンを狙っていく絶対収益型ですので、このような暴落を回避できるファンドが多々存在します。
【2024年・日本優良ヘッジファンド一覧!】おすすめ運用先ランキング
ネクストウィンの掲示板での口コミや評判
以下は掲示板での口コミや評判です。
買ってしまったことに対する後悔の声が聞こえます。
Yahoo finance①
証券会社のせいにしているような人は最初から投資なんかしちゃダメですよ。情けない(笑)
Yahoo finance②
私も岡三に一番高い時期につかまされた。
Yahoo finance③
ここの投稿、最近、悪いことばかりです。
大和証券に相談したら、上がり下がりが激しいから、下がりも大きいけど、また大きく上がる時が来ると思います。あまり損してないところで売りましょう、といわれました。
いつ大きな上がりが来るのだか。こんな所にたくさん投資したから、他のものが買えないです。
Yahoo finance④
只今大損中。
Yahoo finance⑤
高い仲介料払って、何で嫌な思いをし続けなければいけないのか?教えて欲しい死神岡三証券コンフィデンスマンよ!
Yahoo finance⑥
ダイワに騙された‼️
2024年以降の今後年の見通しは明るい?
今まで世界的にテクノロジー株が軟調に推移してきたのは金利が上昇してきたからです。
金利が上昇すると多額の借り入れを行なっているテクノロジー企業にとっては収益的にマイナスですし、バリュエーション指標であるPERも低下して株価をお押し下げていきます。
以下は米国の10年債金利の推移です。2022年から急激に上昇していますね。
これは米国でインフレが発生し米国の中央銀行であるFRBが果敢に利上げを断行しているからです。
金利を引き上げることで景気をさましてインフレ率を下げようとしました。しかし、2024年4月現在インフレは粘着して依然として3.5%の水準です。
核となるサービスインフレは依然として2022年の水準で粘着しています。
さらに、下落していたエネルギー価格の反発や家賃インフレの再燃がみられ今後再びインフレ率が加速する懸念が高まっています。
つまり、今より高い金利となる可能性が高くなっているのです。このような状況下でテクノロジー銘柄に投資をおこなっている投信に投資を行うのは合理的な選択とはいえません。
如何なる環境でも安定したリターンを狙えるファンドを選択するのが懸命となります。
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