近年、隆盛を誇っているファンドラップ。
資産運用を全てプロに任せることができるということで運用残高が増え続けています。
当サイトでも野村證券と大和証券を取り扱ってきました。
ファンドラップ 関連
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今までは証券会社のファンドラップについて取り上げてきましたが、今回は銀行が提供しているファンドラップ について取り上げたいと思います。
今回取り上げるのは三井住友銀行が提供しているSMBCファンドラップ です。
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三井住友銀行が提供するSMBCファンドラップの特徴とは?
SMBCファンドラップの特徴についてみていきたいと思います。
概要 (最低投資金額や解約条項等)
概要は以下となります。
当初契約金額 | 300万円以上1万円単位 |
運用対象 | 14本投信およびMRF |
契約期間 | 1年毎のジフォウ延長 |
報酬 | 固定報酬型と成功報酬型(追って詳細) |
追加入金 | 100万円以上1万円単位 |
一部解約 | 10万円以上10万円単位 |
契約の解除 | 運用開始日以降いつでも可能 |
300万円ということで投資信託よりは大きな最低出資金となりますね
6つの運用コース
SMBCファンドラップでは以下の6つのコースを提供しています。つまり、オーダーメイドというよりパターンオーダーということですね。
- より安定型
- 安定型
- やや安定型
- バランス型
- やや積極型
- 積極型
以下の8つの資産を組み合わせています。
運用資産分類 | |||
日本株式 | バリュー株式 | グロース株式 | 中小型株式 |
外国株式 | 米国株式 | 欧州株式 | エマージング株式 |
日本債券 | 日本債券 | ||
外国債券 | 米国債券 | 欧州債券 | エマージング債券 |
REIT | J-REIT | G-REIT | |
コモディティ | コモディティ | ||
ヘッジファンド | ヘッジファンド | ||
MRF | MRF |
投資においてリスクというのは価格の値動きの荒さのことを指します。
価格の変動がすくなければ安心して保有することができますからね。
リスク許容度の高いプランほど株式の比率が高くなっています。
手数料体系 (固定報酬型と成功報酬併用型と信託報酬)
手数料はファンドラップフィーと信託手数料の二階建となっています。
まずはファンドラップフィーからです。ファンドラップフィーは固定報酬型と成功報酬併用型の2パターンがあります。
固定報酬型 | 上限年率1.54% (消費税込み) |
成功報酬併用型 | 固定報酬部分は上限年率1.21%(消費税込み) |
利益に対して一律11%(税込) |
例えば1000万円を預けて1年後に1200万円になったとします。
その時の成功報酬併用型の手数料は以下となります。
固定報酬部分:12.1万円
成功報酬手数料部分:(1200万円-1000万円)×11% =22万円
合計:34.1万円
ということになります。しっかりリターンをだしてくれているのであれば、文句はないですよね。
上記はファンドラップフィーですが、これとは別途投資している投信の信託手数料が発生します。
Morning starによるとSMBCファンドラップの信託報酬の平均は0.852%としています。
このファンドラップフィーと信託手数料の合計がSMBCファンドラップの手数料となります。より魅了的な選択肢
以下は両者を加味した手数料を他のファンドラップと比較したものです。
手数料(ファンドラップフィー+信託手数料) | |
ダイワファンドラッププレミアム | 1.4300% |
Mizuho Fund Wrap | 0.7700% |
野村SMA | 1.0450% |
野村ファンドラップ | 1.1605% |
ダイワファンドラップ | 1.5400% |
SMBCファンドラップ | 1.4850% |
日興ファンドラップ | 1.3200% |
水戸ファンドラップ | 2.2000% |
みずほファンドラップ | 1.6500% |
三井住友信託ファンドラップ | 1.6500% |
いちよしファンドラップ ドリーム・コレクション | 2.0240% |
ダイワSMA | 2.2000% |
MUFGファンドラップ | 1.5400% |
東海東京ファンドラップ | 1.6500% |
ファンドラップの中で平均的な手数料といえます。
手数料控除後の運用実績
ではいよいよ本題ともいえる運用実績について見ていきましょう。
ファンドラップはオーダーメイドなので始める時期や選ぶプランによって当然成績は異なります。
以下は金融庁によって発表されているファンドラップのリターンの比較です。
年間手数料 | 過去3年 2020年〜2022年 年率リターン |
過去5年 2018年〜2022年 年率リターン |
|
ダイワファンドラップ | 1.26 | 3.6 | 3.1 |
ダイワファンドラップ プレミアム | 0.85 | 2.2 | 2.1 |
水戸ファンドラップ | 0.36 | 4.5 | 3.2 |
ON COMPASS | 1.01 | 5.8 | 4.2 |
東海東京ファンドラップ | 0.46 | 5.1 | 4.1 |
三井住友信託ファンドラップ (SMA) | 1.16 | 3.3 | 2.8 |
SMBCファンドラップ | 0.73 | 2.9 | 2.3 |
日興ファンドラップ | 3.2 | 2.1 | |
ON COMPASS+ | 1.66 | 3.0 | |
みずほファンドラップ | 0.26 | 2.1 | 2.1 |
GRAN GOAL | 0.15 | 2.6 | |
野村SMA | 0.77 | 1.9 | 2.0 |
野村ファンドラップ | 0.66 | 1.9 | 1.8 |
楽ラップ | 0.28 | 1.8 | 2.4 |
Mizuho Fund Wrap | 0.61 | 1.0 | 1.4 |
りそなファンドラップ | 0.63 | ▲ 1.2 | 0.1 |
MUFGファンドラップ | 0.39 | ▲ 2.1 | ▲ 1.0 |
全体平均 | 0.86 | 2.4 | 2.1 |
全体平均と同様のリターンとなっています。それにしても2020年から2021年のバブル期を経てこのリターンは非常に低いですね。
因みに1年遡って、金融庁が2021年末までのデータをもとに平均的な成績を集計してくれたものが以下となります。
年間手数料 | 過去3年 2019年〜2021年 年率リターン |
過去5年 2017年〜2021年 年率リターン |
|
ダイワファンドラッププレミアム | 1.43 | 8.09 | 5.99 |
Mizuho Fund Wrap | 0.77 | 8.00 | 4.99 |
野村SMA | 1.05 | 7.60 | 3.99 |
野村ファンドラップ | 1.16 | 7.84 | 4.26 |
ダイワファンドラップ | 1.54 | 8.23 | 4.74 |
SMBCファンドラップ | 1.49 | 6.73 | 4.11 |
日興ファンドラップ | 1.32 | 7.70 | 4.11 |
水戸ファンドラップ | 2.20 | 6.56 | 3.08 |
みずほファンドラップ | 1.65 | 5.76 | 3.18 |
三井住友信託ファンドラップ | 1.65 | 7.15 | 3.35 |
ダイワSMA | 2.20 | 3.60 | 2.23 |
MUFGファンドラップ | 1.54 | 1.18 | 0.90 |
東海東京ファンドラップ | 1.65 | 1.87 | 0.64 |
2019年から2021年の非常に株式市場が強かった環境で年率6.7%つまり2019年時点の1000万円が2021年に1214万円となります。
また、2017年から2021年の5年の年率リターンは4.11%となります。つまり2017年時点の1000万円が2021年に1220万円となります。
つまり2017年から2018年は殆どリターンがなかったということになります。
2019年から2021年は非常に株式市場が堅調に推移しました。
以下は全世界株式に一括で投資できるVTのチャートです。以下の通り2017年から2021年で80%のリターンとなっています。
つまり、市場がよかっただけで必ずしもSMBCファンドラップ の成績がよかったというわけではありません。
しかし、2022年に株式市場が以下の通り大きく下落したことで2022年を含んだリターンが大きく下落したといいことですね。
2023年には株式は少々リバウンドしましたが債券が大幅下落しており、保守的な運用をお願いしている投資家はさらに損失が拡大してしまった可能性が高いですね。
もはや、世には安全資産はなく、資産運用も簡単ではなくなってしまいましたね。ファンドラップの運用はプロが行なっているはずですが、それでも成績が悪いのです。
SMBCファンドラップの評判や口コミ
ネットでの口コミや評判は以下となります。不満の方が多く散見されました。
Twitter口コミ
SMBCファンドラップの運用報告書キタ。ざっと100万くらい評価額減っててわろた。元に戻るまで耐えるしかない。
Twitter口コミ
これはひどい! SMBCファンドラップに価値なし|投資信託の分配金に騙されるな
Twitter口コミ
SMBCファンドラップ全然ダメだな。 寧ろSMBCに普通預金した方がマシなレベル。
更に魅力的な選択肢とは?
ファンドラップは金融機関にとっては素晴らしい金融商品です。
自身が運用する投資信託の信託手数料だけでなく、コンサル料としてのファンドラップフィーを二重で徴収することができるからです。
低金利下で収益が低迷している銀行にとっては、ファンドラップは手数料ビジネスとして大きな柱となっているのです。
正直な話、ファンドラップに投資するくらいならeMAXIS バランス (4資産均等型)に投資した方が手数料も少なく高いリターンを狙うことができます。
ただ、あくまで平均リターンは5%程度です。
プロに任せながら更に高いリターンを狙うのであればヘッジファンドという選択肢が非常に魅力的です。
ヘッジファンドは下落相場でも安定したリターンをだすことで世界の富裕層や機関投資家から選好されています。
実際以下のSMBCファンドラップの運用コースでもリスクが低いコースほど多くヘッジファンド(薄青色)を組み入れています。
しかし、SMBCがファンドラップに組み入れているヘッジファンド型投信のリターンは以下のとおり体たらくなものになっています。
本来のヘッジファンドは以下の通り上昇蘇澳ばでも下落相場でも高いリターンをあげる投資対象なのです。
実際、以下のヘッジファンド指数が示す通りヘッジファンドは全世界株式やS&P500指数に対して一貫してプラスのリターンをあげています。
以下では筆者が投資しているヘッジファンドを含め、年率10%以上で安定したリターンが狙えるファンドについて取り上げていますので参考にしていただければと思います。