投資で資産は増やしたいけど、過度なリスクは取りたくない。
できれば元本は保証してほしいと考えている日本人は多いのではないでしょうか?
実際、以下の通り米国は現預金比率は13.3%であるにも関わらず、日本人は資産の50%以上を現預金に配分しています。
国債は債券の一種なので基本的には元本が保証された投資対象です。
本日は国債について以下のポイントを中心にお伝えしていきたいと思います。
どのような種類があるのか?
どこで国債を購入することができるのか?
どのようなデメリットがあるのか?そもそも儲かるのか?
国債の種類とは?
まずは国債の種類からお伝えしていきたいと思います。
日本国債か外国債か?
まずは日本の国債か、外国の国債なのかで分けることができます。
日本国債は当然、日本の財務省が発行しているので円建です。つまり日本人としては為替リスクを追う必要がありません。
しかし、外国債券は当然発行元の国の財務省が発行しているので現地通貨建となります。
また、当然金利水準も各国の金融政策に応じてそれぞれです。
一般的にインフレが発生している国の方が金利が高く、日本のようにインフレが発生していない国の方が金利が低くなります。
基本的には新興国債券の金利が高く、先進国債券の金利の方が低い状態となります。
年限は何年か?短期債か?長期債か?
例えば日本国債と一言でいっても償還までの期間に応じて異なる金利となります。
一般的に短期国債より長期国債の方が金利水準は高くなります。
長期国債の金利は、短期国債の金利に「期待インフレ率」「期待成長率」「リスクプレミアム」を上乗せして決定されます。
ただ、現在の日本は期待インフレも期待成長率も殆どないので短期金利と長期金利の差は非常に小さくなっています。
国債の年限毎の利回りをプロットしたものをイールドカープと言います。
以下は日本のイールドカーブです。日銀の金融政策の影響で10年債の金利は0.25%程度に抑えられています。
青色:現在のイールドカーブ
緑色:一ヶ月前のイールドカーブ
橙色:六ヶ月前のイールドカーブ
世界的にインフレが発生している煽りを日本も受けてイールドカーブ全体が上方に振れ出しています・
ただ、この傾向は米国では金利水準が1年前と比べて大きく上方に振れています。
黒:現在の米国のイールドカーブ
青:1年前の米国のイールドカーブ
国債の買い方とは?
では次に国債の買い方についてお伝えしていきます。
財務省から個人向け国債を購入
発行元の財務省から購入するというのが最もシンプルな方法です。
財務省は国民に向けて毎月個人向け国債を発行しています。
→ 個人向け国債
10年満期 | 5年満期 | 3年満期 | |
変動or固定 | 変動金利 | 固定金利 | 固定金利 |
金利設定 | 基準金利0.66% | 基準金利-0.05% | 基準金利-0.03% |
金利の下限 | 0.05%(年率) | ||
利子の受け取り | 半年毎に年2回 | ||
購入単価 | 最低1万円から1万円単位 | ||
中途換金 | 発行後1年経過すれば中途換金可能 |
証券会社から購入する
財務省から直接購入しなくても証券会社経由で購入することができます。
以下は楽天証券で購入できる日本国債です。個人向け国債と同じ水準ですね。
楽天証券では欧米の先進国の債券も購入することができます。
以下は楽天証券で購入できる欧米の債券は以下です。米国では利上げしているということもあり7年債で3% 以上の利回りを獲得することができます。
また、先進国債券だけでなく新興国の債券も取り扱っています。
以下は楽天証券で取引できる新興国の債券です。
利回りだけみると非常に魅力的ですよね。しかし、残念ながら利回りのみで判断するのは危険です。この点については後述します。
国債のリスクやデメリットとは?
では安全にみえる国債のリスクやデメリットについてお伝えしていきたいと思います。
満期まで保有しなければ元本保証ではない
債券であれば元本保証と決め込んでいる方も多いと思います。
しかし、これはあくまで満期まで保有した場合です。
満期まで保有しない場合は国債自体の価格が変動するので元本保証とはなりません。
国債の価格は購入した時に比べて金利が上昇していたら価格は下落して、反対に金利が下落していたら価格は上昇します。
混乱すると思うので以下の図を用いて解説します。
例えば利率が3%の時に国債を購入したとします。そのあと金利が4%に上昇したら保有している金利3%の債券の価値は低くなるので価格は下落します。
反対に金利が2%に低下したら保有している金利3%の債券の価値は高くなるので価格は上昇します。
途中で解約する時に金利が上昇していたら、売却によって元本割れするリスクは十分念頭に置いておきましょう。
外国債券には為替リスクがある
先ほどお伝えした通り外国の債券は発行した国の現地通貨建となっています。
つまり、外国債券を保有する場合は常に為替リスクを負うことになります。
一番安定しているドル円の過去10年間のレートの推移をご覧ください。
東日本大震災後に75円近辺まで円高となったあとに現在は135円と80%円安に振れています。
10年債の年率の利回り3%-3%程度では不安ですよね。ドル円ですらこの変動幅です。
新興国通貨のボラティリティはドル円の比ではありません。
上記の通りメキシコペソ建の債券は約10%の利回りを提供しています。あくまでメキシコペソ建です。
メキシコペソ円のレートは以下となります。2006年時点で11.6円から2020年の4円まで3分の1になってしまっています。
期間によっては大きなマイナスになる可能性も十分あります。
まだメキシコペソ円は変動幅が小さい方です。たまに売り出されるトリコリラ建の債券は要注意です。
トルコリラ円は以下の通り2015年から約10分の1に低下しています。ちなみにリーマンショック前は1トルコリラは100円だったので15分の1ほどになっています。
トルコリラ建債券に投資をしていたかたは大きな損を被っていることになります。
見た目の利回りだけでなく為替変動リスクまで加味する必要があります。
そもそも国債投資は儲かるのか?
重要なのは、そもそも国債への投資は儲かるのかという点です。
以下200年以上の資本主義の歴史をほこる米国での「株」「国債」「金」の超長期のリターンの比較です。
株式は年率6.7%のリターンですが、長期国債で年率3.5%、短期国債で年率2.6%という結果になりました。
単年度の平均リターンだと大した差には見えませんが、複利の効果は大きく時間が経過する度に大きな差がでてきています。
上記のグラフをみると大きな差がないように見えますが縦軸が10倍毎に設定されているので絶対値としては非常に大きな差が出ています。
特に現在は世界的に超低金利環境となっています。上記の平均リターンを獲得することは難しくなります。
やはりリターンを狙うのであれば株式投資が適しているといえます。
当ブログでは株式投資でも安全性が高い投資先を紹介していますので参考にしていただければと思います。
まとめ
今回のポイントをまとめると以下となります。
ポイント
- 日本国債と外国債の2つがある
- 年限毎に利率が異なる
- 日本国債は財務省から直接購入可能
- 外国債も日本国債も証券会社から購入可能
- あくまで満期まで保有した時に元本保証
- 中途解約した場合、購入した時より金利が低くなっていれば利益がでるが金利が高くなると損失が発生
- 国債は歴史的に株式より大幅にリターンが低い
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