21世紀になって20年以上が経過して、今後世界を劇的に変える技術が出てきています。
代表的なのがAIでしょうが、AIに並ぶ技術として注目されているものとしてブロックチェーンがあります。
ブロックチェーンといえば仮想通貨が最初に思い浮かぶかと思います。仮想通貨が現時点では最も有名ですが、活用の範囲は止まるところを知りません。
本日はブロックチェーンとはどのような可能性を秘めている技術なのかということをお伝えした上で、インベスコ世界ブロックチェーン株式ファンドについて分析していきたいと思います。
以前お伝えしたブロックチェーン関連銘柄であるグローバル・フィンテック株式ファンドについては以下をご覧いただければと思います。
→ 評判を博したグローバル・フィンテック株式ファンドの株価の暴落理由を解説!今後の見通しも暗い?
そもそもブロックチェーンとは?
まず、そもそもブロックチェーンについて簡単にみていきたいと思います。
ブロックチェーンとは?
ブロックチェーンとは情報を安全につなげて管理する技術で、暗号化されたデータのブロックを作成し、チェーンのようにつないで管理する仕組みです。
ブロックチェーンによって情報のやりとりにとどまっていたインターネットで、価値や資産の取引が可能となりました。
理由はブロックチェーン上のデータは皆が共有しているのでデータ改竄が試みられたとしても他の参加者が保有しているデータと照合して改竄を防ぐことが可能だからです。
さらに取引履歴も追跡可能なので情報の安全性や信頼性が確保されることになるのです。
ブロックチェーンの歴史
以下はブロックチェーンの歴史です。
2009年にサトシナカモトがビットコインを開発してから、まだわずか13年しか経っていません。
以下の現在までの経過を見れば分かる通り、まだ黎明期です。
ブロックチェーン技術の市場規模は現在の0.7兆円から2030年には約200倍に拡大することが見込まれています。
まさにこれからブロックチェーンの活用が本格化するということですね。
ブロックチェーンの活用範囲
ブロックチェーンといえば仮想通貨やNFTなどのイメージは強いですが、様々な局面での活用が期待されています。
具体的にどのようなテーマに「世カエル」が注目しているのかは次の項目でみていきたいと思います。
インベスコ世界ブロックチェーン株式ファンド(愛称:世カエル)の特徴
インベスコ世界ブロックチェーン株式ファンドの特徴についてみていきたいと思います。
ブロックチェーンセクターのインデックス投信
投資信託に大きく分けて二つあります。
日経平均やS&P500指数に連動するインデックス投信(=パッシブ投信)とインデックスに対してプラスのリターンを目指すアクティブ投信です。
→ アクティブ運用型とパッシブ運用型の投資信託のどちらが優れているのか徹底比較!インデックス投資は本当に最強なのか?
結論から申し上げると「世カエル」は特殊なインデックス投信です。
インデックスといえばS&P500指数や日経平均等の株式市場全体にイメージすると思いますが、「世カエル」が連動を目指すしているのはブロックチェーン関連銘柄を対象としたインデックスです。
「コインシェアーズ・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックス(円換算ベース)」に連動する成果をめざしています。
この指数は日本を含む世界各国のブロックチェーン関連株式を実質的な主要投資対象としています。
事業毎の構成比率
「コインシェアーズ・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックス(円換算ベース)」が組み入れているブロックチェーン関連技術は以下となります。
事業 | 収益モデル | 構成比率 | 代表銘柄 |
ブロックチェーン技術ソリューション | 提供するサービスへの課金 | 19.8% | オラクル |
ブロックチェーン決済システム | 決済手数料など | 3.5% | ブロック |
エネルギー | 暗号資産に関連するエネルギー資産のリース等 | 7.0% | アケル |
トークン:インベストメント | 所有する暗号資産の価値上昇など | 2.8% | マイクロストラテジー |
マイニング・ハードウェア | 暗号資産マイニングの装置部品など | 19.4% | TSMC |
ブロックチェーン金融サービス | 暗号資産を活用した金融サービスの取引手数料など | 38.3% | マネックスグループ |
マイニングオペレーション | 暗号資産マイニングの報酬など | 6.5$ | ハイブ・ブロックチェーン・テクノロジー |
構成上位銘柄
2023年3月末時点での構成上位銘柄は以下となります。日本の銘柄が多く取り入れられていますね。
サムスンや2位のTSMCはフィンテック企業というよりは半導体企業の側面が強いですね。
ポートフォリオは2022年10月末からの構成は以下となります。2022年10月から1位だったコインベースが順位を1位から8位におとしています。
2023年6月末 | 2023年3月末 | 2022年10月末 | |
1 | サムスン電子 | コインベース | コインベース |
2 | TSMC | TSMC | マネックスグループ |
3 | マネックスグループ | マネックスグループ | SBIホールディングス |
4 | マイクロストラテジー | カカオ | マイクロストラテジー |
5 | SBIホールディングス | SBIホールディングス | TSMC |
6 | クリーンスパーク | マイクロストラテジー | スタンダードチャーター |
7 | カカオ | CMEグループ | CMEグループ |
8 | コインベース | インテル | ハイブ・ブロックチェーン |
9 | CMEグループ | サムスン電子 | カカオ |
10 | ライオットプラットフォーム | メタ・プラットフォームズ | リミックスポイント |
国別の構成比率としては以下となります。米国と日本の二強ですね。
国名 | 比率 |
米国 | 40.3% |
日本 | 27.9% |
韓国 | 10.2% |
台湾 | 7.5% |
カナダ | 3.5% |
手数料
手数料は以下となります。
購入手数料:3.3%
信託手数料:年率1.573%
「世カエル」の運用実績
では重要な運用実績についてみていきたいと思います。
ベンチマークのインデックスと連動しているのでインデックス投信としては合格ですね。
2021年の年初までのビットコインの急騰に連動する形で急上昇しましたが、直近は2年近く下落傾向が続いています。
以前分析したグローバルフィンテック株式ファンドや全世界株式と比較したものが以下となります。
青:世カエル
赤:グローバルフィンテック株式ファンド
緑:eMAXIS Slim 全世界株式
上記は全て円建のリターンとなります。ドル円が115円から150円まで上昇したことを背景に全世界株式はなんとか耐えていますが、株式市場自体は地盤沈下しています。
現在は140円ですが日米でインフレ率が逆転した2023年7月現在では、今後日銀の政策変更で日米金利差が縮小して円高になることが想定されます。
ここから為替は逆風として作用する可能性が高いでしょう。
掲示板での口コミや評判からは希望的観測もみてとれる
掲示板での口コミや評判は以下となります。
高値掴みしてしまっている人が相当数いそうですね。
口コミ①
久々来てみたら…2万以下かw
3万で買った俺が居るので
−でも ファイトです!!
何をもって落ち着いてきたのかは謎ですが、希望的観測を述べている口コミもあります。
口コミ②
ようやく普通の状態に落ち着いたような印象です。
ここからジワジワと上がっていく未来が見えます。
ブロックチェーンの用途は暗号通貨だけではなく、個人の資産(貨幣的価値のあるもの以外に自分が発信したデータやデジタル世界内で培ってきた信用度など)を守るものだからです。
現実世界としての、地球というバースの住人ではなく、デジタル世界の個人の権利を守るもの。
国連などが世界中の国で禁止するでもしない限り、成長しかありません。
世カエルの今後の見通しとは?
ブロックチェーンは仮想通貨だけではないとはいえ、現状最もこれらの銘柄に影響があるのは仮想通貨の価格推移です。
以下はドル建てのビットコインの推移ですが、底打ちして反転上昇しているかのように見えます。
直近反転しているのはビットコインの現物ETF承認の期待が高まっているからですね。以下はマネックスの記事です。
米国では、2022年に暗号資産市場でテラショック&FTXショックという大事件が起きたことがきっかけとなり、証券取引委員会(以下、SEC)を中心に暗号資産および暗号資産関連企業に対する取り締まりが強化されている。
そのような逆風が吹く中、2023年6月に米国において世界最大の資産運用会社ブラックロックがビットコインの現物ETFを米SECに申請した。同社が申請したファンド名は「iShares Bitcoin Trust」であり、ETFシェア世界No.1ブランドの商品ラインナップの一つとしてビットコインが加わる可能性が出てきた。
これを受けてビットコインの価格も一時450万円台まで高騰した。
今は期待で上げていますけど、承認されるかは半々といわれています。期待で上げている分、却下されると大きく価格が沈み込んでいきます。
否認されたとしても、2024年4月頃に半減期を迎えるので来年からは上昇していくことが見込まれます。一旦は、8月に現物ETFが承認されるか否認されるかを待った方が賢明でしょう。
ただ、先ほど構成上位銘柄で見た通り仮想通貨ど真ん中の企業に集中投資しているわけではありません。
株式は株式で考えて、ビットコイン関連に投資をしたいのであれば新たに承認されるETFやビットコインを直接投資した方がよいでしょう。
株式で安定したリターンを狙いたい場合は他の選択肢をおすすめします。
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