最近まで知らなかったのですが、米国株が上昇していく中で「TECL」「TECS」というレバレッジの効く商品が流行しているようですね。
投資信託を調べるのは私の趣味ですが、今回も気になったので、分析してみたいと思います。
TECL・TECSとはどのような商品か?
TECLと呼ばれていますがこれは米国のティッカーシンボル、銘柄コードです。
本当の商品名は「デイリー テクノロジー株ブル3倍ETF&デイリー テクノロジー株ベア3倍ETF」です。
米国のレバレッジETFです。
凄まじく儲かりそうな名前ですね。楽天日本株ブル型4.3倍を思い出します。
TECLとTECSがありまして、TECLはデイリー テクノロジー株ブル3倍ETFです。
上昇相場を目指すということですね。TECSはベアなので下落相場です。
The Direxion Daily Technology Bull (TECL) and Bear (TECS) 3X Shares seek daily investment results, before fees and expenses, of 300%, or 300% of the inverse (or opposite), of the performance of the Technology Select Sector Index. There is no guarantee the funds will meet their stated investment objectives.
出所:https://www.direxion.com/product/daily-technology-bull-bear-3x-etfs
日本語訳は以下の通りです。
Direxion Daily Technology Bull (TECL) and Bear (TECS) 3X Sharesは、日々の投資成果を、手数料と経費の支払い前に、テクノロジー・セレクト・セクター・インデックスのパフォーマンスの300%、またはその逆(または逆)の300%を求めています。
これらのファンドが記載された投資目的を満たすことを保証するものではありません。
テクノロジーセクターに集中投資して300%のリターンを狙うということですね。
次で見たいと思いますが、米アップルなどが存在するセクターを指していますね。’
純資産総額は1,868.52百万米ドル (2020/09/30)となっています。
約2,000億円と、なかなかの規模感ですね。
概要書:https://search.sbisec.co.jp/v3/ex/etf_TECL_200228.pdf
投資目的:
DDirexionデイリーテクノロジー株ブル3 倍ETF & Direxionデイリー テクノロジー株ベア3倍 ETFは、手数料および費用の控除前の段階で、ファンドの日次基準価額の値動きがテクノロジー・セレクト・セクター・ インデックスの3倍のパフォーマンス、また は3倍のパフォーマンスの反対となる投資成 果を目指します。
ファンドがその投資目的を達成することを 保証するものではありません。 これらのレバレッジETFはベンチマークとな る株価指数に対して、単日ベースでプラス 300%またはマイナス300%の投資成果を実 現することを目指して運用されます。いず れのファンドもベンチマークとなる株価指 数に対して、複数日ベースでプラス300%ま たはマイナス300%の投資成果を実現するこ とを目指して運用されているわけではあり ません。
対象とする指数:
テクノロジー・セレクト・セクター・インデックス(IXTTR)は、S&P Dow Jones Indicesが提供するインデックスで、次の産 業を含むテクノロジー・セクターに属する米国内の企業で構成されています:コンピ ュータ・周辺機器、ソフトウェア、各種電 気通信サービス、通信機器、半導体・半導 体製造装置、インターネット・ソフトウェ ア・サービス、情報技術サービス、電子装置・機器・部品、無線通信サービス、ならびに事務用電子機器。当該指数に直接投資 することはできません。
S&P Dow Jones Indicesが提供する指数、「テクノロジー・セレクト・セクター・インデックス(IXTTR)」を対象にしているとのこと。
TECLのポートフォリオ・構成銘柄
それぞれの銘柄を見ていきましょう。
TECLを購入したら、それぞれの銘柄の動きを毎日緊張しながら見なければいけません(リスク許容度によりますが・・・笑)
まずはセクターウェイトです。やはりソフトウェアが最も大きな比率。
INDEX SECTOR WEIGHTINGS % | |
---|---|
Software | 34.09 |
Hardware, Storage & Peripherals | 22.16 |
IT Services | 20.84 |
Semiconductors & Equipment | 17.45 |
Communications Equipment | 3.54 |
Electronic Equipment & Components | 1.92 |
続いて具体的な銘柄です。
以下はトップ10です。マイクロソフト、アップルで40%を超えます。
INDEX TOP TEN HOLDINGS %
Microsoft | 21.92 |
Apple | 21.11 |
Visa Incorporation | 4.63 |
Mastercard | 3.71 |
Intel | 3.6 |
Nvidia | 3.32 |
Adobe | 2.98 |
Paypal | 2.91 |
Cisco | 2.81 |
Salesforce.com | 2.4 |
TOTAL | 69.39 |
追随して比較的安定株のVISA、Mastercardが続きます。
今後半導体分野で覇権をとると言われているNvidia、決済サービスのペイパル、最近SP500入りしたセールスフォースなど。
人気銘柄が並びます。
この構成銘柄は・・・株式市場のセンチメントでパフォーマンスは大きく左右しそうです。
例えば2020年3月のコロナショックで大暴落した後に早急に回復した株式市場の中で、このTECLは凄まじいリターンを出したのではないかと思います。
出したんじゃないかではなく、爆発的に出してますね。
2020年10月9日時点で騰落率は以下の通りとなっており絶句です。
騰落率(%):
1ヶ月 | 12.38 |
3ヶ月 | 23.11 |
6ヶ月 | 133.18 |
9ヶ月 | 22.44 |
1年 | 101.88 |
2年 | 109.19 |
3年 | 237.91 |
5年 | 860.1 |
年初来 | 29.31 |
設定来 | 10,458.74 |
※分配金再投資後の基準価額の騰落率。
6ヶ月で133%となっています。
ETFでこれは尋常ではないですが、昨今のTeslaの年初来600%などと比較すると、個別銘柄の破壊力も底が知れないなと感じる次第です。
レバレッジ型ETFで気をつけること
指数の動きが横ばいでも損のケースがあります。
初めの段階で下落し、その後に同じ率で上昇した場合、初めの下落により基準価格の下落が拡大することを受けて、その後の上昇で元の基準価額まで戻らないこともあります。
以下はそれぞれの指数の動きに対してのTECLの動きです。
IXTTRが1日目、2日目ともに10%上昇した場合:
指数の上昇率は(1.1×1.1)-1×100=+21%
TECL3倍の場合は(1.3×1.3)-1×100=+69%
2日でダブルバガーしてしまいそう・・・という水準ですね。
IXTTRが1日目、2日目ともに10%下落した場合:
指数の下落率は(0.9×0.9)-1×100=-19%
TECL3倍の場合は(0.7×0.7)-1×100=-51%
IXTTRが1日目10%下落、2日目に10%上昇した場合:
指数の下落率は(0.9×1.1)-1×100=-1%
TECL3倍の場合は(0.7×1.3)-1×100=-9%
市場が横横でもここまで損失が膨らんでしまうことを理解しておきましょう。
購入方法 手数料 (楽天証券でも購入可能)
TECL TECSはネット証券で購入可能です。
経費率は1.08%となっています。
(経費率:投資信託やETFを運用するために必要な費用が、純資産総額に対してどのぐらいの割合かを表したもの)
まとめ
レバレッジ型ETFは短期売買を主体にしてください。
そこには長期積み立て、複利などの概念はなく、短期的に株式市場が上昇するか、下落するのかにBETして高いリターンを高いリスクをとって獲得しにいくものです。
基本的には、相当な上級者でないと買うべき商品ではないことは理解しておきましょう。