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【隠れ優待企業】双日の株価はなぜ安い?今後はやばい?将来性はあるのか?

【隠れ優待企業】双日の株価はなぜ安い?今後はやばい?将来性はあるのか?

2023年に入り、ウォーレンバフェット氏が総合商社株を購入したことから5大商社に資金が大きく入っています。しかし、双日も規模さえ小さくとも同じ総合商社という業態であり、まだまだ割安なのではないか?とよく話を聞きます。

そこで今回は、本当に割安なのか?そして、今後の総合商社株・双日の見通しについて解説していきたいと思います。ちなみに双日は株主優待を実施していなようです。

過去に総合商社株である丸紅を取り上げたことがありますので、参考にしてみてください。

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双日とはどのような会社?

双日は総合商社です。総合商社の中でもどのような位置付けなのかというと、2023年6月23日時点で時価総額順で並べると以下の通りとなります。

証券コード 会社名 時価総額
8058 三菱商事 9.95兆
8001 伊藤忠商事 8.94兆
8031 三井物産 8.50兆
8002 丸紅 4.29兆
8053 住友商事 3.75兆
8015 豊田通商 2.47兆
2768 双日 7562.30億

 

三菱商事が10兆円に届きそうで怖いですね。双日は7番目の時価総額となっています。豊田通商と3倍以上の差がついてしまったのですね。

筆者が新卒入社の頃は双日は6番目というイメージが強かったです。

 

双日の企業概要

さて、双日の事業内容について見ていきましょう。まずは概要です。

会社名 双日株式会社
英文名 Sojitz Corporation
設立 (2003年 ニチメン・日商岩井ホールディングス株式会社設立、2004年 双日株式会社発足)
※2003年にニチメンと日商岩井は上記ホールディングス(持株会社)の設立により経営統合し、2004年に同ホールディングス傘下のニチメンと日商岩井が合併することで、双日として発足しました。
資本金 160,339 百万円
代表者 代表取締役社長 CEO 藤本 昌義(ふじもと まさよし)
拠点数 国内 : 5(本社、支社、支店)
海外 : 87 (現地法人、駐在員事務所等)
連結対象会社数 国内 : 131社
海外 : 291社
従業員数 単体 :2,523名
連結 :20,669名
主な事業内容 当社グループは、自動車、航空産業・交通プロジェクト、インフラ・ヘルスケア、金属・資源・リサイクル、化学、生活産業・アグリビジネス、リテール・コンシューマーサービスの7つの本部体制で、国内外での多様な製品の製造・販売や輸出入、サービスの提供、各種事業投資などをグローバルに多角的に行っています。

 

海外拠点数が87、連結対象会社が国内外で422社、連結従業員数が20,669名と一大グループですね。

事業内容は 自動車、航空産業・交通プロジェクト、インフラ・ヘルスケア、金属・資源・リサイクル、化学、生活産業・アグリビジネス、リテール・コンシューマーサービスの7つの本部体制で行っているとのことで、THE 総合商社という感じですね。

元々は鈴木商店、岩井文助商店、日本綿花からスタートした3社が、紆余曲折あって合併し双日になりました。

企業理念・沿革

 

双日の株価動向、割安なのか?

他総合商社は上がっているが双日の株価は上がっていないとのことですが、本当でしょうか?

8058 三菱商事
8001 伊藤忠商事
8031 三井物産
8002 丸紅
2768 双日

総合商社株価比較

 

上記は2023年の年初来リターンですが、確かに双日は出遅れているように見えます。

PERはどのようになっているかという以下のようになっています。こちらも確かに双日が一番割安なので、巷の声はある程度正しいように思います。

会社名 時価総額 PER
8058 三菱商事 9.95兆 11.2 倍
8001 伊藤忠商事 8.94兆 10.6 倍
8031 三井物産 8.50兆 9.9 倍
8002 丸紅 4.29兆 10.2 倍
8053 住友商事 3.75兆 8.4 倍
8015 豊田通商 2.47兆 8.7 倍
2768 双日 7562.30億 8.2 倍

 

配当利回り

配当利回りは以下の通りとなっています。

会社名 時価総額 PER 配当利回り
8058 三菱商事 9.95兆 11.2 倍 2.70%
8001 伊藤忠商事 8.94兆 10.6 倍 2.70%
8031 三井物産 8.50兆 9.9 倍 2.60%
8002 丸紅 4.29兆 10.2 倍 3.00%
8053 住友商事 3.75兆 8.4 倍 3.80%
8015 豊田通商 2.47兆 8.7 倍 2.80%
2768 双日 7562.30億 8.2 倍 2.80%

配当利回りはPERが低めの割には三菱商事と同じ水準ですね。配当性向は30%となっており一般的です。

配当状況(2023年6月20日現在)

当社は、株主の皆さまに対して安定的且つ継続的に配当を行うとともに、内部留保の拡充と有効活用によって企業競争力と株主価値を向上させることを基本方針とし、経営の最重要課題と位置付けています。2021年4月にスタートした3か年計画「中期経営計画2023」では、この基本方針の下、連結配当性向30%程度を基本としています。また、各年度末時点でPBRが 1倍未満の場合は、時価ベースのDOE(※1) 4%を下限配当とし、PBRが1倍以上の場合は、簿価ベースのDOE(※2) 4%を下限配当として設定しております。

配当・株主還元

 

日本郵船や商船三井なども同じ水準ですが、やはり船舶のバブルは凄すぎたのか、配当利回りが20%近くまで跳ねていました。

今回は総合商社がバブルに見えますが、3倍程度の株価上昇であり、その間日本郵船は10倍になりましたので、市況株という意味で次回も狙いたいのは郵船株ですね。

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双日の決算動向から今後の見通しを占う

では決算の中身を見ていきたいと思います。

通期業績推移

双日の通期業績推移

 

売上高は減っていく一方で、経常利益が思い切り伸びているまさに本業ではなく投資で稼いでいる業態です。双日の売上がこんなに落ちているとは思いませんでした。

決算期 売上高 前期比 営業利益 前期比 経常利益 前期比 当期利益 前期比 EPS BPS
2007年3月 5,218,153 5.00% 77,932 2.30% 89,535 13.70% 58,766 34.50% 254.6円 2,303.8円
2008年3月 5,771,028 10.60% 92,363 18.50% 101,480 13.30% 62,693 6.70% 271.6円 2,255.1円
2009年3月 5,166,182 -10.50% 52,006 -43.70% 33,636 -66.90% 19,001 -69.70% 82.3円 1,382.9円
2010年3月 3,844,418 -25.60% 16,128 -69.00% 13,702 -59.30% 8,794 -53.70% 38.1円 1,526.0円
2011年3月 4,014,639 4.40% 37,519 132.60% 45,316 230.70% 15,981 81.70% 69.2円 1,430.8円
2012年3月 4,321,734 7.60% 57,472 53.20% 58,457 29.00% -1,040 -106.50% -円 1,429.5円
2013年3月 3,934,456 -9.00% 25,493 -55.60% 28,052 -52.00% 13,448 1393.10% 58.3円 1,657.5円
2014年3月 4,046,577 2.90% 23,694 -7.10% 44,033 57.00% 27,250 102.60% 118.1円 1,992.3円
2015年3月 4,105,295 1.50% 33,550 41.60% 52,584 19.40% 33,075 21.40% 143.3円 2,387.1円
2016年3月 4,006,649 -2.40% 29,242 -12.80% 44,269 -15.80% 36,526 10.40% 158.3円 2,254.4円
2017年3月 3,745,549 -6.50% 51,618 76.50% 57,955 30.90% 40,760 11.60% 176.6円 2,385.1円
2018年3月 4,209,077 12.40% 59,838 15.90% 80,343 38.60% 56,842 39.50% 246.3円 2,540.8円
2019年3月 1,856,190 -55.90% -% 94,882 18.10% 70,419 23.90% 305.1円 2,678.7円
2020年3月 1,754,825 -5.50% -% 75,528 -20.40% 60,821 -13.60% 263.5円 2,509.0円
2021年3月 1,602,485 -8.70% -% 37,420 -50.50% 27,001 -55.60% 117.0円 2,682.3円
2022年3月 2,100,752 31.10% -% 117,295 213.50% 82,332 204.90% 356.7円 3,154.1円
2023年3月 2,479,840 18.00% -% 155,036 32.20% 111,247 35.10% 482.0円 3,629.3円
2024/03予 I -% -% -% 95,000 -14.60% 411.6円 -円

 

三菱商事の売上は上昇していますから、双日が投資対象として魅力に欠けるというのは理解できます。

三菱商事の通期業績推移

三菱商事の通期業績推移

 

EPSも直近は2022年3月期、2023年3月期まで成長していましたが、さすがに2023年3月期はマイナスになる予定です。つまりはピークを迎えているということですね。

決算期 EPS 前期比
2007年3月 254.6
2008年3月 271.6 6.7%
2009年3月 82.3 -69.7%
2010年3月 38.1 -53.7%
2011年3月 69.2 81.6%
2012年3月 -
2013年3月 58.3 -
2014年3月 118.1 102.6%
2015年3月 143.3 21.3%
2016年3月 158.3 10.5%
2017年3月 176.6 11.6%
2018年3月 246.3 39.5%
2019年3月 305.1 23.9%
2020年3月 263.5 -13.6%
2021年3月 117.0 -55.6%
2022年3月 356.7 204.9%
2023年3月 482.0 35.1%
2024/03予 I 411.6 -14.6%

 

 

総合商社株はそもそもなぜ上昇している?

総合商社セクターの株が上昇しているのは、日本郵船や商船三井と通づるところもありますが、インフレ発生による資源価格の高騰がメインになっています。

双日の2023年3月期の実績を見ても、1112億円の利益にうち半分以上が金属・資源・リサイクルとなっています。これは総合商社全般に言えるのですが、過去の先人達が権益へ投資していた分が花開き、現役世代に分配しているという構造となっています。

セグメント別当期純利益(当社株主帰属)

資源高に米国FRBの利上げによる為替益のダブルの追い風により、ここ30年で総合商社は最大の花を咲かせていると言っても過言ではありません。

しかし、米国のインフレ率は下落に転じており、ここからは利下げ局面に入っていきますので、時が戻っていくことになります。

相場は行きすぎるという格言がありますが、今がまさにその局面で、うまく総合商社株を保有できた方はそろそろ利確を考える時期だと思います。船舶株は、筆者が予想した通りもう下落を始めていますよね。

日本郵船 株価

船舶株は不況を織り込む先行指標ですので、本番がこれからやってくるということです。

最後に

投資

 

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