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三井住友銀行は買い時?株価はなぜ安い?配当金の推移や今後の見通しを予想する!

2023年4月29日

三井住友銀行は買い時?株価はなぜ安い?配当金の推移や今後の見通しを予想する!

三井住友フィナンシャルグループは三井住友銀行を中核企業とした日本の三大金融グループの一角をなします。

以下は世界の金融グループの規模を順位付けしたものです。

三菱UFJフィナンシャルグループが9位、三井住友フィナンシャルグループが11位、みずほフィナンシャルグループが18位となっています。

世界の金融グループの規模の順位

 

以下は日本の三大フィナンシャルグループの価格の推移です。3つとも株価が低迷していることが読み取れます。

青:三井住友フィナンシャルグループ
赤:三菱UFJフィナンシャルグループ
緑:みずほファイナンシャルグループ

三大フィナンシャルグループの株価推移

https://finance.yahoo.co.jp/quote/8316.T/chart?frm=mnthly&trm=10y&compare=8306.T%2C8411.T

 

本日は三井住友フィナンシャルグループを題材として以下の点をお伝えしていきたいと思います。

今日の題材

  • 三井住友フィナンシャルグループの事業構成とは?
  • 業績推移と配当金の推移
  • 株価が低迷している理由
  • 今後の株価の見通し

 

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三井住友フィナンシャルグループの事業構成とは?

三井住友フィナンシャルグループは名前からわかる通りグループ企業です。三井住友銀行を代表として以下のような主要なグループ企業を抱えています。

あくまで以下は代表的な関連企業であり合計すると50近くの関連企業を抱えています。

  • 三井住友銀行
  • SMBC信託銀行
  • SMBC日興証券
  • 三井住友ファイナンス&リース
  • 三井住友カード
  • SMBCコンシューマーファイナンス
  • 日本総合研究所
  • 三井住友DSアセットマネジメント

 

三井住友フィナンシャルグループのグループ会社

参照:三井住友FG

 

金融だけでなく、コンサルや資産運用などにも多角的に事業を展開しています。

主に事業分野をわけると「リテール」「ホールセール」「グローバル」「市場」となっており、各事業の業務利益は以下の通りとなっています。

 

事業分野毎の業務利益の比率

 

リテールというのは主に個人に対しての貸付ビジネスです。住宅ローンなどがわかりやすいですね。ファンドラップや投資信託の販売もここです。

 

 

ホールセール部門は法人に対する貸付ビジネスに加えて、投資銀行業務、各種アドバイザリー業務などの広範な金融機能の提供により収益を得ています。

グローバルというのは海外拠点で金融サービスを提供して得られた利益です。

 

市場部門とはいわゆるトレーディングによって獲得している利益です。株、債券、為替、商品などをトレードすることで利益を得ています。

上記のリテールで我々が購入した投信はこの市場部門とアセットマネジメント部門(関係会社)が連携して運用しています。

 

三井住友ファイナンシャルグループの業績推移

重要な業績についてみていきましょう。銀行において売上はさして意味がないので経常利益と純利益の推移をみていきましょう。

以下の図は過去10年の経常利益と純利益の推移です。純利益の2023年3月期は予想となっています。

三井住友FGの業績推移

決算期 経常利益 当期利益 EPS
2007/03 798,610 441,351 322.3
2008/03 831,160 461,536 337
2009/03 45,311 -373,456 -273
2010/03 558,769 271,559 198.3
2011/03 825,428 475,895 347.5
2012/03 935,571 518,536 378.6
2013/03 1,073,745 794,059 579.8
2014/03 1,432,332 835,357 610
2015/03 1,321,156 753,610 550.3
2016/03 985,284 646,687 472.2
2017/03 1,005,855 706,519 515.9
2018/03 1,164,113 734,368 536.3
2019/03 1,135,300 726,681 530.6
2020/03 932,064 703,883 514
2021/03 711,018 512,812 374.5
2022/03 1,040,621 706,631 516
2023/03予 770,000 562.3

 

ご覧いただければわかる通り当期利益はずっと横ばいになっています。株価が低迷しているのもうなづけますね。

 

SMBCの株価推移

 

以下の点については追って説明していきたいと思います。

なぜ利益が低迷しているのか?

なぜ直近株価が上昇しているのか?

 

三井住友ファイナンシャルグループの配当金の実績と配当利回りの推移

三井住友フィナンシャルグループは利益は横ばいですが2013年から累進配当を実施しています。過去10年間一度も配当金を減額していません。

三井住友ファイナンシャルグループの配当実績

 

ただ、利益の水準が伸びているわけではないので、配当性向は高くなっていっています。現在では利益の半分近くを配当金として払い出しています。

追加で投資ができないので企業として果たしてプラスなのかは疑問ですね。

配当利回りは以下の通りとなっています。直近は株価の上昇により4%台前半となっていますが株価が大きく下落した2020年前半は7%台まで高まりました。

赤:配当利回り
青:株価

三井住友FGの配当利回りの推移

 

上記見ていただければわかりますが、株価と単純に逆相関していますね。

配当利回りが高いタイミングで買えれば良いのですが、そのようなタイミングはコロナショックのような突発的な下落で勇気を振り絞り、資金を投下するしかないのが現実です。そして、投下した後にまだまだ下落余地はあるので、実は難易度が高いのですよね。

個別株投資とは本当に難しく、投信の積み立てがおすすめされる理由がわかります。ただ積立のリターンも、一括投資に比べると大幅に劣後してしまいます。

やはり、市場に左右されない投資で資産を増やしていくのが王道でしょう。

 

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三井住友ファイナンシャルグループの株価が安い理由とは?なぜ業績が横ばいなのか?

三井住友フィナンシャルグループの株価が低迷している理由は業績が横ばいだからに他なりません。

ではなぜ三井住友フィナンシャルグループの業績が低迷しているのか理由を見ていきましょう。

 

理由①:日銀による大規模金融緩和下における貸出金利の低下

銀行のビジネスの根幹は預金者から低い金利で借りて、預金金利より高い金利で貸し付けて得る利鞘収益です。

つまり安く借りて高く貸すというシンプルなビジネスモデルが銀行収益の基本なのです。

 

2000年代から預金金利はほぼゼロ近傍で推移しており原価は変わっていません。

しかし、重要な貸し出し金利が日銀の大規模緩和の影響もあり低下の一途を辿っていました。

メガバンクは直近底打ちの様相を呈していますが、地銀はいまだに低下に歯止めがかかっていません。

日本銀行の貸出金利の推移

 

これは日銀が大規模緩和している影響もありますが、本質的な理由は日本経済の地盤沈下が続いていることにあります。

高度経済成長期のような需要が旺盛な時は、自然と資金需要がたかまり高い金利であっても借りる人が後を絶ちませんでした。

しかし、現在は需要が縮小しているので金利が低くてもなかなか借り手が見つからない状態が続いているのです。

 

コラム:日本の経済が弱くなり続けている原因とは?

金融緩和を実施しているのは結果論でしかありません。国内需要を浮揚させるために金融緩和を行い日本経済を支えているのです。

日本経済沈没の理由については挙げればキリがないですが代表的なものを挙げると以下となります。

  • 少子高齢化の進展による生産人口の減少
  • 財務省による30年間にわたる緊縮財政の継続
  • 解雇規制による人材の流動性の低さに伴う給与が上昇しずらい土壌の醸成

 

1つ目はあえて言及するまでもないですね。ただ、これも2つめの原因が影響しています。

財務省は税率をあげることに躍起になっており、国の借金が大問題だと大合唱を行い税金を高め続けています。

結果として日本人の可処分所得が増えず、消費は低く抑えられ更に子供を持つ余裕もなくなってきているのです。

 

国と家計は全く別物です。国の借金は本質的には問題ではありません。政府は通貨発行権を有しているからです。

財政政策は本来インフレ率を基準として実施するべきなのに、バブル崩壊後のデフレ経済で緊縮経済を継続して日本経済を破壊していきました。

これでは日本経済が浮揚するわけがありません。

 

また、企業の解雇規制も大きな問題ですね。米国ではいつでも解雇できるかわりに好況の時には給与を引き上げて社員に還元しています。

しかし、日本では強すぎる解雇規制のせいで不況期に解雇できないので、好況期でも慎重になって給与を引き上げることができません。

結果として額面給与自体の伸びも欧米に比べると非常に緩慢な水準にとどまってしまっているのです。

 

理由②:海外の金利も低下傾向にあった

メガバンクは海外も大きな収益基盤となっています。

海外でも2021年まではデフレ的な環境が続き金利が低下しつづけていました。以下は米国の10年債金利の推移です。

 

米国の10年債金利の推移

 

日本だけでなく欧米の金融機関も厳しい状況におかれています。ただ以下は米国最強の銀行とよばれるJPモルガン銀行の株価推移をご覧いただければわかる通り堅調に推移しています。

JPモルガンの株価推移

 

金利は低下しても経済が堅調なので貸し出し残高が増加しているのに加え、金利ビジネス以外の収益を拡大させて米国の金融機関は収益をのばし株価も引き上げていっています。

日本のメガバンクも金利収益以外のパイを更に拡大していく必要がありそうですね。

 

理由③:ネットバンクが台頭してきている

インターネットが身近な存在しなって15年以上が経過しています。

店舗型の従来の銀行の人気は低下してネットで完結できるネット銀行やネット証券の需要が高まっているのも既存の銀行にとっては大きな経営リスクです。

楽天銀行は2022年9月時点で1300万口座に到達しています。

 

楽天銀行の口座数推移

 

大企業は依然としてメインバンクを使ったビジネスを中心に実行していますが、個人の店舗型銀行離れは今後も続いていくことが想定されます。

 

三井住友フィナンシャルグループの今後の株価の予想

重要なのは今後の株価の予想です。

直近上昇しているのは世界的に金利が上昇しているのが要因

もう一度株価推移を見ていきましょう。直近4000円から5500円まで急激に上昇しています。

SMBCの株価推移

この要因は2021年後半から世界的に発生しているインフレが主因となっています。

このインフレはパンデミック以降の世界的なバラマキにウクライナ危機がかさなって発生しました。

 

インフレを抑え込むために米中銀や欧州中銀は果敢に利上げを行い対抗措置をとってきました。

政策金利の上昇にともない長期金利も上昇し世界的に金利が上昇したのが2022年だったのです。

 

日銀は金融緩和を継続しましたがインフレ率はバブル期以降の高さにまで上昇してきており政策修正の期待が高まり長期金利に上昇圧力が高まっています。

実際2022年12月に黒田前日銀総裁は政策金利は据え置きにしていますが10年債金利の誘導目標を0.25%引き上げました。

金利が上昇すると利鞘ビジネスの収益が拡大するという期待が高まり銀行の株価が世界的に上昇していったのです。

 

今後は世界的な不況の到来で再び金利は低下して中長期的には暗い見通し

ただ2023年も4ヶ月が経過して状況は変わりつつあります。米国で金利を世界的に引き上げたことで景況感が悪化してきており今年後半から来年前半に景気後退が訪れることが見込まれています。

景気後退となると再び景気を持ち上げるために世界的に金融緩和に転じます。

 

米国が景気後退に陥るとグローバル化した現在では世界的な景気後退が発生します。

米国でモノが売れなくなると世界に不況が波及するようになっているのです。すると、日本の景気も悪くなり再び金利が沈み込んでいくということが想定されているのです。

 

今後長期的にみても金利は地を這いつくばる確度が高いと考えており長期的に厳しい展開は変わらないと予想しています。

市況によらず安定したリターンが狙える投資先に投資をするのが賢明といえるでしょう。

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最後に

投資

 

>>>個人的おすすめファンドランキング

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

 

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

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