「資産運用」、「投資」、なんだか同じような言葉があるけど違うのか?と思う人も多いでしょう。
基本的に、明確な定義はありませんが、私の理解では資産運用は将来の老後に備えて、ゆーっくり資産を安定的に増やしていこうというもの。
投資は、短期も含め、守りの資産運用に比べ、「攻め」の要素が強いです。
投資は「攻め」の要素が強いので、当然失敗する、大損するリスクも高めです。
短期で株をレバレッジをかけて購入し、一瞬で資金が底をついたなんて話、よく聞きませんか?
資産運用は、守りつつ着実に増やすという種類のものなので、一瞬で資金が溶けるなんてことはおきません。
しかし、この「守り」である資産運用に失敗する人が後を絶たないようです。理由は簡単です。感情的になっているからです。
詳しく説明していきます。
資産運用とは何か
資産運用とは守りだ、資産を安定的にゆっくり育てるものだと冒頭で説明してしまいました。
しかし、これを理解していない人がとても多いです。
「資産運用」を始めるのに、なぜかバイオ系のボラティリティの高い銘柄を買う人がいます。
資産運用をするのに、なぜか小型のベンチャー株を買う人がいます。
資産運用なのになぜか、アクティブ投資信託を買う人がいます。
守り育てる、というのは、ボラティリティに立ち向かうことではありません。
ボラティリティの低いところで、少しずつ資産を大きくしていくことです。
インデックスファンド(株価指数に連動する)のような投信を積み立て購入していくような投資が良い選択肢でしょう。
もしくは、まとまった資金があるのであれば、安定的なリターンが見込めるヘッジファンドなども選択肢になってきます。
なぜ資産運用を失敗するのか 失敗例を考えよう
さて、安定的に資産を増やす、ボラティリティにチャレンジしない。
ここまで理解している人でも、資産運用を失敗したりします。
例えば、インデックスファンドを購入して、一年経過したところで、株価指数、例えばS&P500などがその年はマイナスだったとします。
つまり、インデックスファンドを購入している人のリターンもマイナスです。
インデックスファンド、つまりこれは株価指数をベンチマークとするファンドです。
株価指数は株式市場の成長を表します。例えば、S&P500指数に連動するインデックスファンドであれば米国の株式市場の成長にBetすることになります。
米国の株式市場が成長するということは、米国の企業は今後も利益を生み出していく、ということです。
ただし、例えば今年のようなコロナショック、過去にはチャイナショック、リーマンショック、ブラックマンデーなどがありました。
このような年は基本的に株価指数はマイナスに陥るのは当然です。しかし、その後、本当に強い企業がたくさんあるのであれば、株価指数は回復し、成長を続けます。
資産運用に失敗する人、というのは「長期目線」で運用ができません。
目の前のスマートフォンの画面にマイナスが見えていると、ストレスがたまり、イライラし、いっそ売り払ってしまい、スッキリしようとします。
人間は損が出ている状態に耐えられません。「また指数が下がり、マイナスが増えてしまうのではないか?せっかく頑張って貯金したお金がなくなる・・・」。
プロスペクト理論が有名ですが、人間は失うことをひどく怖がります。
そして、例えば頑張って貯金したお金が、インデックスファンドで少し損が出てしまうと、それを取り返そうとし、リスクの高い投資の旅に出てしまうこともあります。
資産運用で失敗する人というのは、基本的に感情のコントロールができていない、これだけです。
資産運用の失敗で借金をしてしまう人も。こんな人は資産運用自体、しないほうが良い
資産運用をしているつもりが、少し損が出てしまい、思わずファンドを売却。
損した分、投資で取り返そうとレバレッジなどをかけ、人生の賭けに出てしまう人もいます。
熱くなってしまうのが相場です。やはりお金の力は強い。
正気を保ちましょう。長期視点を手に入れましょう。
どうしても感情をコントロールできない、コントロールする努力ができないのであれば、資産運用はしない方が良いです。
違う、お金の稼ぎ方を考えましょう。そのまま相場を見るのはとても危険です。
資産運用で失敗しないために
まずは、リターンは「長期で築くもの」と理解しましょう。
毎年平均5%以上のリターンがあると言われているS&P500のインデックスファンドも、過去のチャートを見ればマイナスになる年があることがわかります。
200年のうち、57年がマイナスですね。4年に一度はマイナスの年があるのです。
しかし、長期的にはプラスなのです。
このへんは、とにかく資産運用を始めるんだ、商品を買うんだという勢いのある人に、ファンド購入後でも良いので勉強して、理解していって欲しいですね。
ただし、インデックスファンドは、「絶対に上がる」わけではないことに気をつけましょう。
あくまで米国株式が上昇しており、今後も上昇すると多くの人がいうのは、過去を見た結果です。
過去のチャートが根拠になっていることが大きいです。
未来のことは誰にもわかりません。
しかし、私自身もインデックスファンドは資産運用に取り入れています。米国市場が今後もマクロ的に考えて伸びるとも考えています。
あくまでも、想定の範囲での決定ということを忘れないようにしましょう。
「絶対に上がる」というものは、投資の世界には存在しません。
インデックスファンドより上の成績を目指したいのであればヘッジファンドという選択肢も
インデックスファンドは年平均3-6%程度を目指すような運用です。
しかしヘッジファンドは、毎年、下落相場に対しても果敢にリターンを狙っていく運用手法です。
欧米では富裕層がヘッジファンドを購入し、資産を伸ばすのが普通です。
日本ではまだまだヘッジファンドは多くありませんが、優秀なファンドマネジャーが在籍するファンドもあります。
資産運用を考えている方は、ヘッジファンドを選定する時に、短期トレード、FX、仮想通貨、などを取り扱っている場合は注意が必要です。
非常にリスクが高く、投資というより投機の側面が強い場合が多いからです。
ヘッジファンドの選び方は以下の記事に譲りますが、ファンドマネジャー、ファンドメンバーの経歴がしっかりしている、長期でリターンを出している、そのリターンは現実的な数字なのか。
この3つの基準だけは外さないようにしてください。
私募ファンド(ヘッジファンド)購入の際に把握しておくべきリスクとは?元本割れ/流動性(ロックアップ期間)/ポンジスキーム/投資詐欺/レバレッジ
まとめ
今回はなぜ資産運用に失敗するのかについて、またどのような理解で運用を実施していくべきかについてお話ししました。
一つ覚えていて欲しいのは、「良い運用商品は、長期的に必ずプラスに収束する」ということです。短期目線で考える癖を、まずは矯正して直しましょう。