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【なぜ安い?買い時?】オリックスの株価を業績と株式市場から考察

【なぜ安い?買い時?】オリックスの株価を業績と株式市場から考察

筆者はオリックスと聞くと、メジャーリーグで活躍したイチロー選手が国内で在籍していたプロ野球球団「オリックス・ブルーウェーブ」だと想像してしまいますが、大人になってみるとスポンサー企業だったのだなと気づきますね。

ちなみに今もスポンサーです。「オリックス・バファローズ」に球団名は変わりました。

オリックス・バファローズ

 

株式投資を行なっている人達の間でも、オリックス株は非常に人気で、筆者も今回興味を持ったので分析してみたいと思います。やはり魅力は配当だと思いますが、投資妙味は果たしてあるのでしょうか?

 

オリックスとはどのような会社か

オリックスとは「リース」が原点となった企業であり、実は金融企業です。リースとは、企業などが選択した機械設備などをリース会社が購入し、その企業に対してその物件を比較的長期にわたり賃貸することです。

「金融」と「モノ」の専門性を高めながら「隣へ、そのまた隣へ」

 

モノを介在させてお金を化していると言っても過言ではありません。大きいモノでは航空機や船舶を企業に貸し付けていますし、当然一般的な生命保険や投資、融資なども実行しています。この辺をしっかりやっていれば、業績は伸びますよね。儲かる領域とは決まっているのです。

金融は本当にお金を稼ぐには最も有利な領域と言えます。楽天グループも今は楽天銀行、楽天カード、楽天証券などが大きな収益源となっています。

 

オリックスグループは規模も大きく、純利益で3000億円を叩き出しており、総資産は14兆円にものぼります。

国内企業において有数の規模に成長

 

 

オリックスの株価はなぜ安い? 配当利回りは?100株で配当金は?

オリックス株は常に安いと言われてきましたが、PERが9倍程度だからと言えるでしょう。

オリックス 株価

(2023年4月28日時点)

株価はリーマンショック前が最高値であり、まだ回復していません。この点もまだ安いと言われる所以でしょう。

 

オリックス株の配当/配当性向の推移は以下となっています。年間で85.6円となっています。100株あたり8560円ですので、今の株価が2,294.50円で100株は229,450円です。

配当利回りは3.7%ですね。

配当状況

配当性向は33%となっており高めですね。日本郵船など海運株は25%でした。

実際の配当金は、配当性向33%もしくは通期配当額85.6円のいずれか高い方となっています。

大人気の商船三井や日本郵船などの海運株の配当はなぜ高い?株価急上昇の理由は?株価の今後の見通しを含めて徹底分析!

堅実な事業を行なっているので、ここから暴落する未来はあまり見えないですが、今後金融緩和が維持されるのであれば、2021年からの株価上昇を解消していく動き(-15〜20%程度の下落)は出てくるかもしれません。その点は注意です。

 

オリックスの株主優待は廃止され配当のみに

オリックスの株主優待は2024年3月をもって廃止されます。配当、自社株買いが株主還元になります。

2024年3月をもって株主優待制度を廃止することとなりました 今後は配当等による利益還元に集約させていただきます

株主優待廃止のお知らせ

 

ちなみに自社株買いの推移は以下となっており、株主としては嬉しい還元ですよね。株価の下支要因となります。

取得期間 取得株式数 取得総額*
2022年5月18日~2022年12月15日 22,255,900株 500億円
2021年5月17日~2021年12月16日 24,129,000株 500億円
2020年11月9日~2021年1月8日 28,230,500株 442億円
2019年11月1日~2020年5月8日 34,061,300株 558億円
2016年10月27日~2017年4月21日 29,993,100株 500億円

*億円未満は四捨五入で表示しています。

 

オリックスの株価について掲示板やSNSなどでの口コミ評判は?

まずは掲示板を見ていきます。

掲示板

ここまでくると流石に
いい加減にせい!
と、言いたい

掲示板

何がっつり下げてんだべ
底打ったムーブじゃねーんけ

掲示板

オリックスが大株主のユビテック来てますよ!

オリックスの子会社(186社)のうちユビテックだけを上場させている。
試験的にやっているのか?不思議な会社

来年、新紙幣に切り替えたときATM、スロットなど
紙幣読み取りセンサーをやっているユビテックはいいかもね。
10年20年に一度だけど。
銀行のATM切り替えは、銀行負担らしい。オリ君無傷かな?

掲示板

オリックスが大株主のユビテックが激安w
前場売られてます。

 

かなり活発に取引されている方が多いようです。見通しなどを述べる人は少なく、人気株特有の人気だから買っているというホルダーが多いように思いました。

ここからは筆者の考えるオリックスの見通しをお伝えできればと思います。

 

オリックスに投資すべき?今買えば株価は下がらない?今後10年の見通しを予想

オリックスの事業領域

2023年3Q決算結果より、同社の決算のセグメント利益の推移を見ていきましょう。

10のセグメントで構成され、分散された事業ポートフォリオを構築

 

やはり輸送機器、環境エネルギーなどが収益に大きく寄与しています。資源価格が高騰していますので、増益となっています。事業投資は一過性ですね。

✓ Ormatの株式を一部Exitしたことに加え、海外で電力スポット価格 上昇の恩恵を受け、大幅増益

✓ 国内の太陽光発電事業も好調

✓ 為替変動により円換算では資産増加

 

2022年まではかなり追い風が吹いていることから収益が増加していましたが、すでに昨年より業績は下降傾向です。

今後も株価が上昇するかというと厳しいかと思います。上記の決算を発表後に、そもそも株価が10%ほど下がりました。機関投資家が今後の見通しは厳しいと判断し、売り抜けたものと考えられます。

 

米国発不況で見通しは厳しい、個別株での長期運用はリスク

すでに今後は厳しいという兆候が見られていますが、今後はさらに厳しいものと筆者は考えています。

オリックスは2021年、2022年と資源価格の上昇、為替、また海外政策金利の上昇などで恩恵を受けてきた金融会社です。金融会社にはこれ以上ないコンディションである上に、太陽光や海外電力事業も営んでいることから、凄まじい利益を上げてきました。

まさにバブルにいたと言っても過言ではないほど恵まれた環境でしたが、終わりは来るもので、今後は米国発の不況から消費控えや政策金利の下落で、揺り戻しが起きるものと考えられます。

 

日本で人気株となっている総合商社株や銀行株、海運株の考察も見て欲しいのですが、完全に景気後退の先行指標が点滅しており、いつ株価が暗転するかわかりません。

以下は景気の先行指標である海上運賃ですが、途轍もない下がり方をしております。

コンテナ船の運賃市況の推移

加えて米国では高金利になったことで、クレディスイスの破綻懸念(結局買収)、シリコンバレーバンクの破綻、ファーストリパブリックバンクの預金流出による破綻懸念など明らかに経済が壊れ始めています。

巨額の預金流出が明らかになったアメリカの地方銀行、「ファースト・リパブリック・バンク」の株価が急落し、市場では金融不安への警戒が強まっています。欧米のメディアは金融当局の関与やほかの銀行による追加支援策も協議されていると報じています。

アメリカ西部カリフォルニア州に拠点を置く地方銀行、ファースト・リパブリック・バンクは3月、銀行破綻が相次いだ際に連鎖的に預金が流出し、金融大手のJPモルガン・チェースなど11の大手金融機関から支援策としてあわせて300億ドル、日本円でおよそ4兆円の預金を受け取っていました。

米地銀 ファースト・リパブリック・バンク株価急落 警戒強まる

 

これに加え、金融市場の景気暗転の兆候である逆イールドも発生しており、これ以上ない材料が揃っています。テレビなどではあまり報道されませんが、投資家としては常識と言えるほどの不況到来の兆候がきており、金融会社であるオリックスは最もダメージを被弾する業界にいます。

オリックスは明らかに今は買い時ではありません。

当然、次回の不況をも乗り越えて、超長期で保有を継続すると覚悟を決めているので大丈夫だと考える人もいますが、今の時代は何が起きるかわからず、長期投資とは博打に近いかと思われます。

筆者であれば、個別株にそこまで執念を見せることなく、しっかりとしたプロに運用を任せる方を選びます。スポーツや受験などは人に代わりに行なってもらうことはできませんが、運用の世界は相応の手数料を払えばプロに運用してもらえるので、これを使わない手はありません。

 

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最後に

投資

 

>>>個人的おすすめファンドランキング

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

 

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

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