労働収入だけではなかなか資産が増えないということは皆さんも実感はあるかと思います。
そのため、投資を行い労働収入で得られた資産を増やしていくことが必要になってきています。
実際、トマピケティの資本論の中でも労働によって得られる賃金の成長率よりも、投資によって得られるリターンの方が大きいことが示されています。
今回は資産運用(投資)を行わないことによって結果的に日本が招いている深刻な事態についてお伝えし、
『投資をしないほうが怖い』ということをお伝えしていきたいと思います。
また安全に投資を行うにあたって注意しなければいけないことについてもお伝えしていきたいと思います。
日本と米国の投資比率の違いがもたらす資産総額の歴然たる差
まずは以下のように日米英の各国の家計金融資産の構成比率をご覧ください。
日本人の投資嫌いがデータからも実証されています。
米国の投資比率は45.4%、現預金は13.7%なのに対して、
日本人の投資比率は18.8%、現預金は51.9%という結果になっています。
しかし、資産の半分ほどを投資に回している米国は金融先進国として流石と言わざるを得ません。
では投資比率の影響が結果的に資産総額にどのような違いをもたらしたかというのが、
以下の図になります。
米国が1998年比で資産を2.7倍に増やしており、最も資産構築に貢献したのは資産運用となっています。
資産運用だけで資産を2倍に増大させているのです。
一方、この間日本はたったの1.4倍にしかなっておらず、運用で1.2倍にしかなっていないことが明らかになっています。
資産運用をおこなっていないことによって、
この20年間で米国は日本人の倍の富を蓄えているのです。
もう少しわかりやす例でみていきましょう。例えば20台の時に米国と日本で400万円の貯金があったとします。
すると、20年間で米国人は3400万円まで資産を増加させる一方、日本人は924万円までしか資産を伸ばせないという資産が金融庁からだされています。
投資をしないと、どんどん日本人全体が世界から取り残され貧しくなっていくのです。
株式投資は怖いという幻想を払拭する!長期的な観点で考えよう
とはいっても株式投資は怖いというのが一般的な考えではないでしょうか。
確かに10年前のリーマンショックをついこの前経験した我々の世代からしても株式投資で大きく資産を失った人が回りに大勢いて、
怖いという気持ちをもっていることと思います。
しかし、リーマンショックで資産が半減したとしても、そのまま持ち続けていたら、
10年後の現在では既に元本を回復してプラスになっている方も多いのではないでしょうか。
確かに株は近視眼的には下落する可能性が非常に高いのですが、
長期的にみれば歴史的に、特に米国の株式市場は170年もの間右肩上がりで成長しています。
途中世界恐慌を始めとして何度も沈みこむ局面はありますが、
確実に株式市場は成長していっているのです。
近視眼的に考えずに長い観点でみると株式市場は確実に素晴らしいリターンを提供してくれます。
投資で資産を安全に増やしていきたい方に向けて投資先として危険なアクティブ型の投資信託と、
株式市場よりも高い利益が見込めるオルタナティブ投資について紹介していきたいと思います。
コラム :日経平均は何故30年も沈み込んでいるのか??
日本人が投資に後ろ向きとなっている理由に沈み込んでいる日経平均が要因として挙げられます。
日経平均はバブル期に38000円という天井を記録したあと、昨今3万円を回復したとはいえ30年間も最高値から遠ざかっています。
今の30代なんかは生まれた時が天井で、一度も更新をしていない日経平均をみて株式投資なんて馬鹿らしいと思われている方も多いのではないでしょうか。
上記の日経平均はあくまで各企業が配当を拠出した後の価格推移になります。
拠出された配当金を再投資していけば既にバブルの時を大きく上回る資産を築くことができているはずです。
また、企業の利益は着実に増加の一途をたどっておりPERやPBRベースでみると世界の株式市場に対して割安な水準となっています。
☞ バリュー株投資とは?割安指標であるPERとPBRの見方や考え方を注意点を交えながらわかりやすく説明する!
バブル当時は昨今の仮想通貨のように熱気だけで株を買い上げていき日経平均は38000円を記録しました。
しかし、企業収益つまり実力が伴っているものではなくPERは100倍近くという超割高な水準になっていき破裂したに過ぎないのです。
30年間を経て証券会社のアナリストもしっかりとした目をもつようになり、適性な株価バリュエーションが行えるようになってきました。
今後日系企業のグローバリゼーションの進展で企業収益の増価に伴って株価も再び上昇基調に戻っていくことが考えられます。
アクティブ型の投資信託は元本割れの可能性が高い
アクティブ型の投資信託は自分で資産運用を行うのが怖い方が最初に検討される投資先です。
ただ、アクティブ型の投資信託は全くおすすめすることが出来ません。
アクティブ型投資信託は日経平均やS&P500指数に連動することを目標とするパッシブ型の投資信託と異なり、
指数に対してプラスのリターンを狙うことを目的として運用する投資信託です。
手数料も指数に連動する為のパッシブ型投資信託と異なり調査費とプロの運用という名目のもと、
高い手数料を徴収しており投資信託の販売会社と運用会社の収益減となっているのです。
また、アクティブ型投資信託は手数料を加味すると平均的な成績がマイナスになることが金融庁の調査で分かっています。
☞ アクティブ運用型とパッシブ運用型の投資信託のどちらが優れているのか徹底比較!インデックス投資は本当に最強なのか?
アクティブ型の投資信託は指数に対してプラスのリターンを出すよりも、
多くの資産を顧客からかき集めることだけを目的にしているのです。
アクティブ型の投資信託に投資を行うくらいであればバンガード社が組成している指数に連動するETFを購入して運用した方が余程ましでしょう。
☞ 【VT】評判のVanguard(バンガードトータル ワールド ストック)ETF(上場投資信託)を徹底分析!VTI・VWOとの相性/配当利回り/手数料/メリットデメリット/手数料
☞ 【VOOとは】バンガード・S&P500 ETFをバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)やSPDR S&P500 ETFと比較考察。
☞ 【VTI】米国株長期保有ならバンガードETF!評判の良い海外ETFを徹底分析 構成銘柄/利回り/配当(分配金)/見通し/買い方/S&P500・NASDAQ指数と比較
☞ 新興国投資!VWO(バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF)は買うべきか?パフォーマンスを徹底評価 国別比率/構成銘柄(投資先)/配当有無/経費率
本当におすすめなのはオルタナティブ投資
株式投資は昔から伝統的に資産運用の投資先として最も有効な選択肢であり続けましたが、
近年急速に注目が集まっている投資先にオルタナティブ投資があります。
オルタナティブ投資の特徴として、伝統的な株式投資とは異なる値動きをするという点と、
高いリターンを実現できるという点の二点があります。
☞ オルタナティブ投資登場前夜!ポートフォリオ理論の進展とシステミックリスクの発見。
☞ オルタナティブ資産の種類とおすすめ投資先とは?オルタナティブ投資を実践すべき理由とともにわかりやすく解説する!
オルタナティブ投資を60%~75%組み入れて市場平均7%より高い年平均10%~12%の利回りを20年平均で実現しているのがハーバード大学やイェール大学のような米国の有名大学基金です。
ハーバード大学のポートフォリオをご覧下さい。
ヘッジファンドを中心として多くの割合をオルタナティブ投資として組み入れています。
オルタナティブ投資を組み入れることにより、株式市場が下落局面でも収益を獲得することが出来、
結果的に資産が下落する可能性を低く、尚且つ高い利回りを実現することが出来るのです。
☞ 資産分散を行い市場平均をオーバーパフォームする投資ポートフォリオを組成する為の考え方とは?エンダウメントの投資手法を参考にしよう!
投資の必要性と安全な運用方法についてのまとめ
投資を怖がるあまり投資をしないことによって欧米人に対してどんどん資産に水をあけられている現状が明らかになっています。
世界の中で日本がどんどん貧しくなっていけばいつか輸入物価が高くなっていき生活も苦しくなってきます。
適切な資産運用を行うことによって資産を増やして、自身の資産を増やしていく必要があります。
株式市場は長期的にみれば右肩あがりなので恐れる必要はありませんが、
更に株式投資よりも高いリターンを尚且つ安全に運用したいのであればオルタナティブ投資を組み入れることが有効な選択肢となります。
以下に筆者が投資しているファンドを含めておすすめの投資先をランキング形式でお伝えしているので参考にしていただければと思います。