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【ブログ更新】ニッセイ外国株式インデックスファンドをチャートから評価。楽天・全米株式インデックス・ファンド(VTI)& 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(VT)と比較するとどれがおすすめなのか?

2020年10月5日

ニッセイ外国株式インデックスファンド

 

安定的に運用する先の一つの選択肢として、インデックスファンドがあります。

インデックスファンドとは、株価指数をベンチマークとし、指数に連動するパフォーマンスを目指していく運用手法です。

指数が成長すれば、その成長分がリターンに反映されるということで、株式市場の成長に賭ける投資手法ということですね。

 

今回は有名なインデックスファンドの一つである「ニッセイ外国株式インデックスファンド」を分析してみました。

 

ニッセイ外国株式インデックスファンドとは?

ニッセイ外国株式インデックスファンド

日本を除く世界主要先進国の株式に投資することにより、MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果をめざす。独自の計量モデル等を活用し、ポートフォリオを構築する。購入時および換金時の手数料は無料、信託財産留保額なし。原則として、対円での為替ヘッジは行わない。ファミリーファンド方式で運用。11月決算。

 

交付目論見書:https://www.nam.co.jp/report/pdf/mo121332-1.pdf

 

[ニッセイ外国株式インデックスファンド]

  • 設定日:1995/4/4
  • 純資産:8.9476兆円
  • 決算日:11月(年1回)

 

[商品分類]

  • 単位型・ 追加型:追加型
  • 投資対象 地域:海外
  • 投資対象資産 (収益の源泉):株式
  • 補足分類:インデックス型

 

[属性区分]

  • 決算頻度:年1回
  • 投資対象 地域:グローバル
  • 投資形態:ファミリー ファンド
  • 対象インデックス:その他(MSCIコクサイ・インデックス)

 

ファンドの目的

「ニッセイ外国株式インデックスマザーファンド」を通じて、実質的に日本を除く主要先進 国の株式に投資することにより、MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース) の動きに連動する投資成果を目標に運用を行います。

日本を除く主要先進国の株式に投資することにより MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する 投資成果をめざします。

 

ニッセイ外国株式インデックスファンドは、MSCIコクサイ・インデックスに連動するインデックスファンドですね。

MSCIコクサイ・インデックスは日本を除く先進国の株価動向を示すインデックスです。(とにかく日本を除いていくその揺るぎない決意は賞賛者です)

 

「MSCIコクサイ・インデックス」は、日本を除く先進国の株価動向を示す代表的なインデックスです。日本を除く先進国22ヵ国に上場する大・中型株を構成銘柄の対象としており、時価総額でみて市場の約85%をカバーしています。浮動株※ベースの時価総額加重平均で算出されており、組入銘柄の見直しは2月、5月、8月、11月末の四半期に一度実施されます。

出所:MSCIコクサイ・インデックス

 

あまり重要ではありませんが、ファンドの仕組みとしては以下の通りとなっています。

個人投資家はベビーファンドを通じて投資をすることになります。

 

ファンドの仕組み

 

投資制限としては、同一銘柄の株式の実質投資割合は純資産額の10%以下にするなどがあります。

これは欧米のアクティブファンドも同様の方針を置いていることが多いです。(最近話題の米国で凄まじいパフォーマンスをあげているArk Fundsもテスラ株の割合を10%で保っていますね)

 

株 式 株式への実質投資割合には、制限を設けません。
同一銘柄の株式 同一銘柄の株式への実質投資割合は、取得時において信託財産の純資産総額の10%以下とします。
投資信託証券 投資信託証券(マザーファンドは除きます)への実質投資割合は、信託財産の純資産総額の5%以下とします。
外貨建資産 外貨建資産への実質投資割合には、制限を設けません。

 

分配は成績次第となっています。

 

◉収益分配方針

● 分配対象額は、経費控除後の配当等収益および売買益(評価益を含みます)等の全額とします。

● 分配金額は、委託会社が基準価額水準、市況動向等を勘案して決定します。

● 分配対象額が少額の場合には、分配を行わないこともあります。

 

 

ニッセイ外国株式インデックスファンドの連動対象、MSCIコクサイ・インデックスとは?

MSCIコクサイ・インデックスは日本を除く先進国22か国に上場する大・中型株を構成銘柄の対象としており、時価総額で市場の85%をカバーしている指数となります。

その銘柄数は実に1,000銘柄を超えます。

 

CUMULATIVE INDEX PERFORMANCE — GROSS RETURNS (USD)

https://www.msci.com/documents/10199/75637607-5053-4a11-bc59-30a604cab1fa

 

構成銘柄 日本を除く先進国22ヵ国に上場する大・中型株のうち、約1,300銘柄を採用。市場カバレッジ85%を目標に浮動株調整後時価総額の上位銘柄から採用。
算出方法 時価総額加重型(時価総額は浮動株調整後)
公表元 MSCI Inc.(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社)

 

「MSCI」と言われても、覚えにくいし意味不明ですが、これは「モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル」の略なんですね。

一流投資銀行、モルガン・スタンレーの関連先です。

 

22か国の株式銘柄を対象としていますが、各国の比率はどれくらいになっているのでしょうか?

 

country weights

https://www.msci.com/documents/10199/75637607-5053-4a11-bc59-30a604cab1fa

 

2020年8月時点で、米国(72.18%)、英国(4.45%)、フランス(3.55%)、カナダ(3.38%)、ドイツ(3.34%)、その他(13.09%)となっています。

実は、2016年末時点では、米国(65.27%)、英国(7.30%)、フランス(4.04%)、カナダ(3.98%)、ドイツ(3.73%)、その他(15.67%)となっていました。

 

米国の比率がなんと、70%を超えてしまいました。全世界ではなく、ほぼ米国インデックスになってしまっています。

異常のことのように見えますが、当然のことで、現在はコロナショックが起こり、FRBの超低金利政策による金融相場です。

金融相場は不況でもとにかく株式市場が成長していきます。格差が広がるのもこの時期です。

 

個人投資家としては、この米国偏重のインデックス動向から、米国株式市場の動向は気にする必要があるでしょう。

米国に大半をBetする戦略は至極真っ当であり、合理的な運用手段です。

 

米国を代表する指数であるS&P500は、過去30年で10.35%の平均リターンを出しています。

「過去を信じ抜いて」米国にBetするインデックス投資は、最も安全とは言われています。

 

S&P500過去のリターン

 

しかし、SNSなどでもよく見かけますが、とにかくインデックス投資で、米国S&P500にさえ投資していれば老後は安心、お金持ちになれるという考えの人が多いです。

これは大間違いです。過去は過去、未来はどんな未来になるのか全く予想がつきません。

 

インデックス投資は私個人としては諸刃の剣だと考えており、無思考に積み立てだけをせっせとやる投資はお勧めしません。

自分で金融知識をつけて、しっかりと未来を見通した投資ができる先に資産を預けることが大切です。

 

MSCIコクサイ・インデックスのポートフォリオ上位銘柄は以下の通りです。

 

TOP 10 CONSTITUENTS
Country Float Adj Mkt
Cap
( USD Billions)
Index
Wt. (%)
Sector
APPLE US 2,258.45 5.24% Info tech
MICROSOFT CORP US 1,629.62 3.78% Info tech
AMAZON.COM US 1,460.24 3.39% Cons Discr
FACEBOOK A US 705.36 1.64% Comm Srvcs
ALPHABET C US 501.50 1.16% Comm Srvcs
ALPHABET A US 488.69 1.13% Comm Srvcs
JOHNSON & JOHNSON US 404.19 0.94% Health Care
TESLA US 367.54 0.85% Cons Discr
VISA A US 361.66 0.84% Info tech
NESTLE CH 358.79 0.83% Cons Staples
TOTAL 8,536.04 19.80%

 

しっかりGAFAMを押さえていますね。GAFAMのみで16.34%となっており、パフォーマンスはこの5社次第に見えてなりません。

  • Google
  • Apple
  • FaceBook
  • Amazon
  • Microsoft

 

また、8位にTslaが入ってるのは意外でした。テスラはS&P500に入っていませんが、MSCIコクサイでは採用されているのですね。

コロナショックからのパフォーマンス回復にも幾分か、貢献しているようにおもいます。

 

CUMULATIVE INDEX PERFORMANCE — GROSS RETURNS (USD)

 

 

基準価額チャート・パフォーマンス(利回り)

上記ですでにチャートをみましたが、ここではもう少し細かくパフォーマンスをみていきましょう。

以下はMSCI KOKUSAI indexのパフォーマンスです。

 

INDEX PERFORMANCE — GROSS RETURNS (%) (AUG 31, 2020)

INDEX PERFORMANCE — GROSS RETURNS (%) (AUG 31, 2020)

 

MSCI KOKUSAIのパフォーマンスは直近1年は17.99%、3年で10.94%、5年で11.49%、設定来9.04%となっています。

非常に良い成績ですね。米国インデックス神話は通用しているのが現状です。

 

それでは本丸のニッセイ外国株式インデックスファンドのパフォーマンスを見ていきます。

 

1年 3年(年率) 5年(年率)
トータルリターン 16.66% 8.99% 7.65%
カテゴリー 12.30% 4.95% 4.43%
+/- カテゴリー 4.36% 4.04% 3.22%
順位 31位 24位 23位
%ランク 18% 16% 19%
ファンド数 175本 156本 126本
標準偏差 23.29 18.47 17.83
カテゴリー 26.37 20.58 20
+/- カテゴリー -3.08 -2.11 -2.17
順位 81位 57位 34位
%ランク 47% 37% 27%
ファンド数 175本 156本 126本
シャープレシオ 0.72 0.49 0.43
カテゴリー 0.55 0.29 0.25
+/- カテゴリー 0.17 0.2 0.18
順位 38位 19位 21位
%ランク 22% 13% 17%
ファンド数 175本 156本 126本

 

トータルリターンを見ると1年で16.66%、3年で8.99%、5年で7.65%となっています。

全てを株式に投資していることから、標準偏差が直近1年は23.29となっており、これは新興国株式に投資をする人気ETFであるVWOの18を超える水準です。

つまり、パフォーマンスは高くも、ボラティリティが高いことを示しています。

 

標準偏差が高いということは、まだ5年程度のデータしかありませんが、長期的な10年、20年スパンで見ると、どこかで大きく成績が落ちることは十分にあり得ます。

ベンチマークであるMSCI KOKUSAiと比較すると、直近1年はインデックスを超えアウトパフォームしており、3年、5年はインデックスを下回ってしまっています。連動率に少し難があるように感じます。

 

楽天・全米株式インデックス・ファンド& 楽天・全世界株式インデックス・ファンドとも比較

ETFに詳しい、もしくは投資をしている人はここまで読んで、「ニッセイ外国株式インデックスファンドはバンガードシリーズの全世界投資をするVTと似ている?」と思いませんでしたでしょうか。

 

【VT】評判のVanguard(バンガードトータル ワールド ストック)ETF(上場投資信託)を徹底分析!VTI・VWOとの相性/配当利回り/手数料/メリットデメリット/手数料

 

 

以下はVTの国別比率です。北米が60.50%、MSCI KOKUSAIは70%程度でしたね。VTは日本が7%入っていますのでそこが大きな違いです。

 

参照:https://www.vanguardjapan.co.jp/retail/investment-products/funds/detailview/etf/3141/equity/portfolio/us

 

地域 VT ベンチマーク バンガードETFとベンチマークの差
北米 60.50% 60.40% 0.10%
欧州 16.70% 16.90% -0.20%
太平洋地域 11.80% 11.90% -0.10%
新興市場 10.50% 10.50% 0.00%
その他 0.40% 0.20% 0.20%
中東 0.10% 0.10% 0.00%

 

VTとニッセイ外国株式インデックスファンド、どちらを選ぶべきなのでしょうか?

過去のリターンを比較してみましょう。一応全米株式に投資をするVTIも比較します。

 

【VTI】米国株長期保有ならバンガードETF!評判の良い海外ETFを徹底分析 構成銘柄/利回り/配当(分配金)/見通し/買い方/S&P500・NASDAQ指数と比較

 

日本からですと、VT、VTIは楽天証券を通じて楽天VTI、楽天VTを購入した方がお得ですので、それを元に表を作りました。

 

ファンド名 ニッセイ 外国株式インデックスファンド 楽天・全世界株式インデックス・ファンド 楽天・全米株式インデックス・ファンド
運用会社名 ニッセイ 楽天 楽天
カテゴリー 国際株式・グローバル・除く日本(F) 国際株式・グローバル・含む日本(F) 国際株式・北米(F)
基準価額 17,392円 11,254円 12,886円
純資産 195,945 百万円 50,572 百万円 137,048 百万円
ヘッジ
インデックスファンド インデックス インデックス インデックス
最低申込金額 10,000円 10,000円 10,000円
販売手数料 0% 0% 0%
信託報酬等(税込) 0.10% 0.21% 0.16%
償還日 無期限 無期限 無期限
運用年数 6年 3年 3年
経費率 0.17% 0.22% 0.19%
売買回転率 -- -- --
デュレーション(債券の場合) -- -- --
格付(債券の場合) -- -- --
トータルリターン1年 16.66% 15.14% 19.74%
トータルリターン3年(年率) 8.99% -- --
トータルリターン5年(年率) 7.65% -- --
トータルリターン10年(年率) -- -- --
シャープレシオ1年 0.72 0.66 0.84
シャープレシオ3年 0.49 -- --
シャープレシオ5年 0.43 -- --
シャープレシオ10年 -- -- --
標準偏差1年 23.29 22.81 23.48
標準偏差3年 18.47 -- --
標準偏差5年 17.83 -- --
標準偏差10年 -- -- --

 

直近1年のトータルリターンをみていると、米国フルベットである楽天VTIが最も良いリターンですね。

ニッセイは日本を除いた全世界ポートフォリオで、楽天VTのリターンを超えています。

 

以下は楽天VTIの元のVTIのリターン成績。

 

VTI成績

 

以下は楽天VTの元のVTのリターンです。

 

VTの成績

 

VTIの3年の成績は13.92%、5年は13.83%。

VTは3年で8.74%、5年で10.22%。

ニッセイ外国株式インデックスファンドは、3年で8.99%

 

日本をインデックスから外した全世界の方がパフォーマンスが良いのは日本人としては複雑ですが、楽天VTより少しだけ良いパフォーマンスを今の所出しているのが現状ですね。

私ならこの3つのインデックスファンドの中から一つ選べと言われたら、楽天VTIを選ぶでしょう。米国の成長はとどまることを知らず、積み立て投資先としては良いと思うからです。

まとまった資金は他の選択肢を考えます、ヘッジファンドなど。

 

【2020年・国内和製優良ヘッジファンド】おすすめ投資先ランキング〜リスクを抑え安全・着実に資産を増やせる運用先を紹介〜

 

 

購入方法 解約方法 手数料 税金

ニッセイ外国株式インデックスファンドの購入方法は簡単です。

ネット証券である楽天証券、SBI証券あたりで買いましょう。一番簡単です。

解約も売却するだけです。

 

購入・解約(換金)手数料はなしですが、信託報酬と監査費用がかかります。

 

信託報酬は2020年8月21日時点で年率0.1023%(税抜き0.093%)です。

同じく全世界株式のVTは手数料が0.8%なので、少々高いでしょうか。

 

また、監査費用としてファンドの純資産総額に年率0.0011%(税抜き0.001%)をかけた額が投資家個人に負担が割り当てられます。

購入手数料が無料であることを大きく謳って投資家を募集していますが、蓋を開けてみると他にももっと安い投信はあるという感じですね。

 

税金は分配時に通常のキャピタルゲイン税である20.315%がかかります。

解約時はこちらも当然キャピタルゲイン税、儲けが出ていなければ20.315%の戻しがあります。

 

 

まとめ

ニッセイ外国株式ファンドを今回は分析しましたが、いたって普通のインデックスファンドでした。

積み立て投資先としては良いのかもしれませんが、私なら米国にフルベットしたいなと思いました。(積み立て限定です)

 

まとまった資金の運用は以下の記事群で色々と紹介していますので、時間がある人は参考までにみてくださればと思います。

 

まとまったお金の資産運用法

 

 

最後に

投資

 

>>>個人的おすすめファンドランキング

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

 

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

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