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(日本低位株ファンド)野村アセットマネジメントが運用で評判の投資信託を評価!東証一部上場銘柄特化、割安株を狙うバリューファンドの成績は?

2021年9月3日

(日本低位株ファンド)野村アセットマネジメントが運用で評判の投資信託を評価!東証一部上場銘柄特化、割安株を狙うバリューファンドの成績は?

以前、日興アセットマネジメントが運用する低位株について分析してきました。

→ (低位株オープン)日興アセットマネジメントの運用で評判の投資信託を評価!低位株に特化したバリューファンドの成績は?

今回は野村アセットマネジメントが運用する低位株ファンド「日本低位株ファンド」を取り上げてみたいと思います。

 

日本低位株ファンドの特徴とは?東証一部上場企業に特化した国内小型バリューファンド

「日本低位株ファンド」は野村アセットマネジメント株式会社が運用しています。

主要投資対象は、東証一部上場の日本の株式です。株価の低い銘柄を選定し、流動性及び企業経営の基礎的指標や財務リスクなどのチェックを行い組入銘柄を選定。

マザーズ上場銘柄と比較するとやや大型株といえる銘柄の中でまだ株価が上昇していないと思われる銘柄に投資をするということですね。

 

日本低位株ファンドの所属カテゴリーは「国内小型バリュー」となっており、小型株を割安で購入し株価上昇を狙っていくファンドであることがわかりますね。

ポートフォリオ構築プロセスは、株価の低い銘柄群を選定、流動性・ファンダメンタルズチェック、銘柄見直しを繰り返しポートフォリオを構築していきます。

 

■ポートフォリオ構築プロセス■

 

純資産総額は2021年7月31日時点で52億円程度となっています。

 

日本低位株ファンドの組み入れ上位銘柄

日本低位株ファンドのポートフォリオをみていきましょう。以下は7月末のデータです。

まずは業種別から。

 

日本低位株ファンド

 

サービス業が大きくなっています。次いで情報・通信業。

 

具体的な銘柄は以下の通りです。

 

銘柄 業種 市場 純資産比
リンクアンドモチベーション サービス業 東証1部 0.7%
IDOM 卸売業 東証1部 0.6%
日産自動車 輸送用機器 東証1部 0.6%
東邦チタニウム 非鉄金属 東証1部 0.6%
大紀アルミニウム工業所 非鉄金属 東証1部 0.6%
キャリアインデックス サービス業 東証1部 0.6%
フジクラ 非鉄金属 東証1部 0.6%
シュッピン 小売業 東証1部 0.6%
住友理工 ゴム製品 東証1部 0.6%
インプレスホールディングス 情報・通信業 東証1部 0.6%
合計 5.8%

 

上位にリンクアンドモチベーション、IDOM、日産自動車が並びます。東証一部上場企業なのでマイナー銘柄ではありませんが、たしかに割安水準の株が並んでおり、バリュー株ファンドを実感します。

 

構成銘柄トップのリンクアンドモチベーションの株主は以下の通りとなっています。

株主名 持ち株
比率(%) 株式数
フェニックス 39.91 45,120,300
自社(自己株口) 7.2 8,145,700
自社従業員持株会 6.16 6,967,600
勝呂彰 6.08 6,874,600
坂下英樹 3.25 3,680,000
榊原清孝 3.25 3,680,000
小笹芳央 2.83 3,203,200
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 1.12 1,270,500
日本カストディ銀行(信託口) 1.02 1,151,700
自社役員持株会 0.86 975,700
本田寛 0.7 790,000

 

社長が3.25%、会長が2.83%。フェニックスが大株主になっています。このフェニックス、調べてみましたが小笹会長が代表取締役を務める資産管理会社でした。つまりバリバリのオーナー企業ですね。

 

業績は以下です。

通期業績推移

 

売上高 営業利益 経常利益
3年平均成長率 -1.50% -58.50% -73.90%
5年平均成長率 2.00% -22.60% -40.30%
10年平均成長率 17.40% -10.50% -22.50%

 

COVID-19発生以降、厳しい状況ですね。まだまだ回復し切れていません。

 

アクティブ型投信として一般的な手数料水準

日本低位株ファンドはアクティブ投信として一般的な水準となっています。

購入手数料:2.2% (税込)
信託手数料:年率1.012%(税込)

購入手数料が若干高いですが、一般的な水準の範囲といえます。

 

大和住銀日本小型株ファンドの運用実績

肝心の日本低位株ファンドの運用実績をみていきたいと思います。

以下は日本低位株ファンドが運用開始となった2010年以降のチャートとなります。

 

基準価額・純資産の推移

 

実際の基準価格と税引前分配金再投資後の基準価格との間に乖離があります。

実際には両者の間に収斂します。(分配金を出した瞬間に20.315%の税金が発生してしまうからです。)

Morning Starのデータとしてみると以下の通りとなります。

 

1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率)
トータルリターン 39.43% 1.86% 10.10% 10.14%
標準偏差 18.54 21.95 18.28 19.42

 

直近の金融緩和で1年のリターンが大きくなっていますが、その割に3年リターンは低いです。(当然、5年、10年も1年リターンの大きさの恩恵を多大に受けています)

 

1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2021年 17.17% -3.06% -- -- --
2020年 -24.45% 13.25% 10.63% 3.41% -2.12%
2019年 7.93% -2.62% 2.28% 11.40% 19.77%
2018年 -3.53% -1.89% 1.75% -21.10% -24.02%
2017年 4.67% 5.63% 8.47% 11.14% 33.29%

 

損を出さないことに特化したファンドを選びたいところですが、2018年(チャイナショックでしょうが)2020年でマイナス。厳しいですね。

マイナスを出しているのですでに投資先選択範囲になく、TOPIXとも比べようと思いましたがそれはやめておきます。

 

まとめ

日本低位株ファンドは、近年はマイナスを出してしまう年も頻発しており不安定、想定される最大損失も大きくなってきています。

過去の結果をみて、投資をするかどうかを判断する前に一度立ち止まって考えてみることを推奨します。

 

最後に

投資

 

>>>個人的おすすめファンドランキング

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

 

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

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