1000万円という資産を築いた人は、それなりに自信が持てるようになっているのではないでしょうか。
1000万円があったら資産構築に関して最初の一歩を築いたと言える水準でしょう。
この1000万円は資産運用をしていくと、恐ろしい飛躍を遂げる水準でもあります。
今回は、投資の王道である株式投資で、資産をどれくらい飛躍できるのか?
一言に株式投資といっても、どのような選択肢があるのかといった点を含めてお伝えしていきたいと思います。
株式投資は資本主義の歴史において投資の王道であることが実証されている
冒頭で株式投資は投資の王道であることを触れましたが、その理由は過去の実績にあります。
以下は1800-2002年のそれぞれの資産のリターンを表したものです。
上記の通り、株式投資(Stocks)、債券(Bonds)、手形(Bills)、金(Gold)、現金(Cash)のリターンを見ると、株式投資がぶっちぎりで右肩上がりです。
長年の歴史を見ても、最大のリターンを獲得できるのは株式投資であるということがよくわかります。
株式投資を行えるのは、富裕層を中心とした世帯となります。
近年の貧富の差が大きくなっているのは、この株式リターンが大きく影響しています。
リーマンショック後も米国は積極的な金融緩和を行い、米国株は右肩上がりに成長しました。
現在もコロナショック後の超低金利政策、財政出動などを行い金融相場となっています。
株式投資をやっている人といない人とで、大きく資産の差がついてしまっています。
このような状況はさらなる格差を生む源泉となってしまいますので、歪みは矯正すべきですが、なかなか時間がかかりそうです。
このような時は一投資家としては、しっかりと株式市場の波に乗り資産を成長させていくことが肝になるでしょう。
株式投資の短期投資・中期投資・長期投資
株式投資を行うにも、大きく短期投資・中期投資・長期投資と分かれています。
配当などインカムゲインを目指すのであれば、必然的に長期投資を選ぶことになります。
株式売買益(キャピタルゲイン)を狙う投資は短期〜中長期全てに当てはまります。
短期投資
- デイトレード 1日限度
- スイングトレード 1日以上7日未満
- ポジショントレード 1週間以上〜数カ月程度
俗に言う、「デイトレード」です。
1日の中で複数売買をし、キャピタルゲインを積み重ねていきます。
基本的にどの銘柄を購入するかは関係なく、株価チャートを主な分析対象としてタイミングよく株を売買していきます。
この手法は基本的に朝から働いているサラリーマンには不可能でしょう。
短期投資のメリットは、短い時間で売買を繰り返すため、大きな損失を被ることは少ないということです(回数が増えれば損失は拡大しますし相応の手数料もかかります)。
デメリットは大きく稼ぐことも非常に難しいということです。
ただし、売買益を積み重ね、一回一回の取引の元本を増やしていけば、飛躍的に資産を増やせることもありますが、これは相当な上級者レベルが実践している内容です。
中期投資
- 中期トレード 3カ月〜6カ月
- 中長期トレード 6カ月〜1年
中期投資は短期と長期の中間です。数カ月程度の投資期間で中程度の株価の波をとらえていく手法です。
こちらもデイトレードと同様、株価の分析がメインになってきます。企業業績が主体の取引ではありません。
決算がよくなることを見込んで決算前に株を購入して数ヶ月間保有していくなど、よく聞く話ですが、これは決算ギャンブルと言って危険な行為です。
さらに長い6ヶ月〜1年程度の投資であれば、企業業績をしっかりと分析する必要が出てきます。
中期投資はサラリーマンの方でも十分にできる投資といえるでしょう。
長期投資
長期投資は1年以上保有し大きなリターンを目指していく投資です。
または、高配当株などを保有し、配当を長期に渡って獲得していく戦略ともいえます。
高配当株は配当利回りの高い株式を購入して、あとは基本的に放っておくだけです。
キャピタルゲインを狙っていく長期投資は「グロース株投資」「バリュー株」投資など種類があります。
→ グロース株投資とバリュー株投資の違いとは?どっちが魅力的なのかをデータを用いて比較して考察する。
グロース株投資は長きに渡って成長していくであろう企業をROEやPERなど様々な指標を活用しつつ企業を見極め、株を長期保有します。
バリュー株投資は、すでに価値があるのに割安で放置されている企業を徹底的な財務分析で見つけ出し、投資をしていきます。
バリュー株投資は非常に難易度が高く、ビジネスでも相当な場数を踏んだ経験がないと活用できない手法といえます。
財務諸表だけの読み込みのみならず、ビジネス経験も豊富でないと、まさに机上の空論という投資手法となってしまいます。
巷に存在する自称バリュー株投資家の手法は間違っていたり、大失敗していたりします。
私自身もバリュー株は難易度が高く、手法として活用するのは難しいと考えています。
バリュー株投資は相場の下落にも強く、市況サイクルの中で大きなリターンが見込めることから投資手法としては非常に魅力的です。
バリュー株を手法としているバリュー株ファンドに運用を任せるのが良いでしょう。
資産1000万円で配当金を主眼においた投資は早い
配当金は毎年もらえるので非常に嬉しいですよね。1000万円を配当投資をしてお小遣いを稼ぎたいという方もいらっしゃると思います。
しかし、配当金を出した瞬間に税金を取られ複利効果が毀損します。
複利効果は人類最大の発明ともいわれるほど偉大なものです。例えば1000万円を年率5%と年率10%で運用した場合の資産推移は以下となります。
5%で運用した場合、10年後に1,629万円、20年後に2,653万円となっています。次に10%で運用した場合10年後に2,594万円、20年後に6,727万円となります。
少しでも複利効果を毀損する配当は資産を形成する段階においては避けておいた方が良いでしょう。
配当金投資をするには2億円に到達してからが妥当だと考えています。
→ 純金融資産2億円〜3億円以上あったらサラリーマンもセミリタイア(FIRE)生活可能?何年暮らせる?投資・運用はまだ必要なのかなどの疑問を一挙に解消
高配当投資に隠された罠やデメリットとは?
さらに安易な高配当投資に隠されたデメリットについてお伝えしていきたいと思います。
例えばJ高配当銘柄として有名なJT(日本たばこ産業)について見ていきましょう
同社の1株当たり配当金・配当性向の推移は以下の通りです。
年度 | 1株当たり配当金(円) | 連結配当性向(%) | ||
---|---|---|---|---|
中間 | 期末 | 年間 | ||
2022年度 | 75 | 113(予想) | 188(予想) | 75.0%(予想) |
2021年度 | 65 | 75 | 140 | 73.4% |
2020年度 | 77 | 77 | 154 | 88.1 |
2019年度 | 77 | 77 | 154 | 78.6 |
2018年度 | 75 | 75 | 150 | 69.7 |
2017年度 | 70 | 70 | 140 | 63.9 |
2016年度 | 64 | 66 | 130 | 55.2 |
2015年度 | 54 | 64 | 118 | 53.2 ※ |
2014年度 | 50 | 50 | 100 | 50.1 |
2013年度 | 46 | 50 | 96 | 40.8 |
2012年度 | 30 | 38 | 68 | 37.6 |
出所:https://www.jti.co.jp/investors/finance/yield/index.html
JTの配当利回り=1株あたりの配当金188円÷現在の株価2610円 ×100=7.2%
株式投資の平均リターン5%をぶっちぎって7%を超えてきています。
JTを10年間持って配当を貰えば、平均リターンを凌駕するリターンが獲得できそうです。
しかし、重要なJTの株価をみてみましょう。
過去10年間、株価が低迷を続けています。
理由としてはたばこ自体がすでに斜陽産業であり、日本も喫煙スペースが劇的に減っていることは体感できているのではないでしょうか。
一時は5000円近くあった株価が2500円に50%減です。
高配当をもらっていても配当にかかる税金を考えるとトータルで若干プラスというレベルです。これが高配当株の罠です。
そもそも配当とは成長余地が少なくなってしまった企業が安定的に市場のパイを確実に独占できるように実施する施策であり、大きな成長はそもそも見込めるフェーズではないのです。
企業には成長サイクルが存在しますので、これは致し方ないことです。
個人的意見としては、もうすでに成長期が終わった高配当株銘柄に投資するのではなく成長期の株を見つけてバリュー株もしくはグロース株投資でリターンを獲得していくことをお勧めします。
個別株投資で1000万円を1億円にするのは難易度が高い
まず株式投資と聞いて個人が真っ先に手をつけるのがあろうことか最も難易度が高い個別株投資です。
いきなり経験のない初心者投資家が個別株投資を行うというのは戦場に丸腰で臨むようなものです。
誰もが参入できるものというのは難易度が高くなっていくというのは投資に限らず世の常です。
参入者が多いということは、それだけ熟練のプロや機関投資家などの巧みな参加者が多くいるということです。
初心者投資家は株価が少しあがれば利確し、下落し始めると損切りせず塩漬けをするというプロスペクト理論にどっぷりはまります。
プロスペクト理論により、従来の投資効用理論では説明のつかない投資家の判断行動が現実に即した形で解明された。例えば、投資家は収益よりも損失の方に敏感に反応し、収益が出ている場合は損失回避的な利益確定に走りやすい。一方、損失が出ている場合はそれを取り戻そうとしてより大きなリスクを取るような投資判断を行いやすいとされる。
参照:プロスペクト理論
この心理状態を克服した上で銘柄選択術やチャートをよむテクニックを鍛えていく必要があるのです。
正直1000万円をいきなり個別株投資をおこなったら、あっという間に500万円以下になってしまいます。筆者も投資を始めたころ、200万円をあっという間に半減させました。
特に高学歴で一流企業に勤めているサラリーマンこそが最も危険です。
自分は何でも優秀だとタカをくくり軽い気持ちで個別株投資を行い株式市場から退場していく結果となっています。
→ 相場歴10年を超える筆者が「個別株は難しい?」「個別株は無理ゲー、ギャンブルだからやめとけ」等の意見に思うこととは?悲惨な結果でもうダメとなる前に読んで欲しい。
今後はバリュー株がおすすめだが難易度が高い!プロに任せる選択肢としておすすめなのは?
2020年から2021年は大規模な金融緩和によって金利が低下して日米共にグロース株が大きく株価を伸ばしました。
金利が低下すると将来の利益を現在時点で割り引いた時の価値が大きくなるので、利益の成長性が高い銘柄の株価が上昇していきます。
しかし、2022年にはいってから状況は一変しました。
パンデミックを契機とした大規模な金融緩和と各国政府のばらまきによって欧米を中心に50年ぶりのインフレが発生しました。
結果として金利が上昇しています。以下は米国の10年債の長期金利の推移です。
しかし、2023年に入っても欧米のインフレは依然として高い水準にあります。
米国では依然として7%を超えています。米国のFRB議長のパウエル氏は2023年度も引き続き金利を高い状態でキープすると宣言しています。
そのため、金利が高い状態で相対的に強いバリュー株が魅力的となってきます。
そしてインフレというものは粘着します。現在と同様のインフレが発生した1970年代は10年間にわたって3回のインフレの波が訪れました。
つまり、ここから最悪ここから10年間は金利が高い水準で推移してグロース株にとって厳しい環境が継続する可能性があるのです。
筆者の投資経験からして難しいのはグロース株よりバリュー株です。
グロース株は勢いのある銘柄を選べばいいので基本はチャートが右肩上がりの銘柄にライドオンする戦略が奏功します。
しかし、バリュー株投資は企業の本質的価値と現在の株価の差を考えて投資銘柄を選択する必要があります。
そのため高度な知識と経験が必要になってきます。バリュー株に特化したプロに任せるのが得策です。
プロに任せると聞いて真っ先に思いつくのは投資信託かと思いますが、投資信託は本物のプロによって運営されているわけではありません。
サラリーマンとして入社したサラリーマンファンドマネージャーによって運営されているのです。
そこで筆者が実際に預けているのがヘッジファンドです。ヘッジファンドは株式市場の相場環境に依らずに安定したリターンを目指すファンドです。
以下では筆者が実際に預けているファンドを含めて魅力的なものをランキング形式でお伝えしていますのでご覧いただければと思います。
【2023年・国内和製優良ヘッジファンド】おすすめ投資先ランキング〜リスクを抑え安全・着実に資産を増やせる運用先(投資信託などアクティブファンド含む)を紹介。