資産運用の必要性については理解しているけども、
今まで運用したことがなく何を気をつけなければいけないのか分からない。
とリスクが気になり資産運用に足を踏み出せないことがいるのではないでしょうか。
しかし資産運用は避けては通れません。
今回は、資産運用を行うに際しては何をリスクとして認識しなければいけないか、という点についてわかりやすくお伝えしていきたいと思います。
資産運用のリスク①:元本割れのリスクがある
まず一つ目は誰もが認識している元本割れのリスクです。
確かに元本保証型の投資は定期預金や積立保険、債券投資など様々なものがあります。
しかし元本保証投資は利回りが低く、資金も長期間拘束される、インフレに負ける等、元本保証というメリットを補ってあまりあるデメリットがあります。
貯金1000万円を元本保証で資産運用したいという方は必見!知られざる積立型保険の欠陥についてもお伝えする。
しっかりとインフレに負けないレベルのリターンを出していく為には、元本保証という精神安定剤は捨てる必要があります。
そもそも人生でも同じなのですが、リスクを取らなければリターンを稼ぎ出すことは出来ません。
資産運用におけるリターンの源泉について皆さんは考えられたことがありますでしょうか。
実はリターンの源泉は『価格のぶれ(つまり変動)』なのです。
つまり価格が上方向にぶれればリターンが得られ、下方向にぶれればロスとなるのです。
資産価格が出来うる限り上方にぶれる投資先を選定することに、注力すればよいだけの話なのです。
coffee break 投資におけるリスクとリターンとは
投資信託を選ばれる際などにリスク・リターンの以下の分布をみたことはないでしょうか。
リターンについては皆さん例えば5年間の平均リターンのように、容易に想像がつきますが、結局リスクってなんだろう?
と思われたかたも多いのではないでしょうか。
投資におけるリスクは統計学では標準偏差と言われており、価格のブレ幅を定量的に計測したものです。
リターンは平均的に儲かる可能性で、そこからどれだけのブレ幅があるのかということを示しているのです。
資産運用のリスク②:為替リスク
次に資産運用を行う際にリスクとして認識すべきものとして為替リスクがあります。
特に顕著なのが新興国の債券投資やFXなどです。
特に日本人に好かれているFXですが、FXは確かに金利がトルコリラなどでは
金利がレバレッジを掛ければ、100%以上という破格な金額を受け取ることも可能ですが、肝心なのは元本部分が大幅に毀損する恐れがあることです。
仮にレバレッジを10倍で掛けていた場合は、トルコリラが10%下落しただけで、10%×10倍 = 100%と元本全部を失ってしまうことになります。
トルコリラの値動き等は特に衝撃的なもので、一年間でトルコリラ円レートが、半分程度に下落してしまいました。
FXにしては、かなり保守的にレバレッジを2倍~3倍に設定しても元本を全て溶かしてしまいますね。
『金利が高い=儲かる』という単純な思考によって、大きな資産を一瞬にして溶かして自己破産までした方もいらっしゃいます。
為替リスク特に新興国の為替については注意を払う必要があるでしょう。
一方米ドルやユーロといった安全な先進国通貨については、日本円だけを持つ為替リスクをヘッジするという意味でも有効になってくるでしょう。
日本円だけを保有していたら、来るべき財政破綻懸念の台頭による、日本円の信認が揺らぐことによる日本円暴落。
そこからくるインフレの影響をもろに蒙ってしまうリスクを抱えています。
資産を日本円だけに集中投下している方も、資産分散を真剣に考え始めたほうがよいでしょう。
資産運用のリスク③:流動性リスク
あまり、流動性リスクというものを意識されたことがある方はいないと思います。
流動性リスクというのは買いたい時に買えない、売りたい時に売れないリスクです。
なかなか個人の投資家の株式売買では大きなポーションとはなりづらいです。
しかしファンドなどが大口の取引を執行する際には、流動性リスクは顕在化します。
買いたくても購入できる株式が希望お額に満たない場合や、買い手が見つからず、全てのポーションを売ることが出来ないという事態が発生します。
個人において特に大きな影響を受けるのが不動産の売買に関してです。
保有している不動産の地価が上昇したとしても、買い手が見つからなければ、現金化を行うことが出来ません。
また買いたい物件があったとしても、売り手が売りに出さなければ購入することも出来ませんよね。
不動産のように流動性リスクが高い不動産投資を行う際には確りと売却できるのか、という流動性リスクもしっかりと加味して投資判断を行いましょう。
資産運用のリスク④:資金拘束リスク
最後に気を付けなければいけないのが資金拘束リスクです。
資金拘束リスクってどんなリスク? -元本保証型投資に多いリスク-
資金拘束リスクは主に元本保証型の投資に多く見られます。
例えば、定期預金であれば短いもので1年、長いものでは5年以上の資金が引き出しが出来ない。
つまり資金の拘束がなされます。
更に、保険の積立に関しては定年までの間何十年にもわたって、資金が拘束されるという事態になってしまいます。
資金拘束されることに何の問題があるの??
と疑問に思われた方もいらっしゃるかと思います。
資金拘束がなされるとまず当然のこととして子供の養育費などで資金が欲しくなったときに、引き出せません。
これだけでも十分なデメリットなのですが、最も根本的な問題点が二点あります。
資金拘束リスクの根本的な問題①:インフレが発生しても対処ができない
一点目は資金が拘束している間にお金の価値が減少する『インフレ』のリスクに晒され続けることです。
5年間資金が引き出せない間にお金の価値が驚異的なインフレにさらされた場合。
2分の1、3分の1となってしまう間に金や不動産や外貨建資産を購入することで対策できることがあるにも関わらず、指をくわえて見ているしか出来ないのです。
資金拘束リスクの根本的な問題②:機会損失をこうむっている
資金拘束リスクの根本的な問題の二点目は機会損失です。
資金を拘束されている間に大きな利益を見込める投資先がある場合も、先程と同様に手をこまねいてみているしかないのです。
本当は年率10%で運用できる投資先があるにも関わらず、年率0.3%の定期預金に拘束されてしまっていた場合。
得られる予定だった9.7%の運用益を逃していることになりますからね。
非常に勿体ないことだと思います。
資産運用のリスクのまとめ
資産運用を行う際には主に以下の四つのリスクがあります。
- 元本毀損リスクがある
- 為替リスクを負う商品がある(特に新興国通貨)
- 流動性リスク(金融商品を自由に売買できないリスク)
- 資金拘束リスク
どのリスクも十分に管理ができるレベルのもので、むしろ元本毀損リスクに関してはリターンを得る源泉でもあり、資産運用を行う旨味の裏返しでもあるのです。
しっかりとリスクを認識した上で資産を安定的に増やしていきましょう!