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【愛称:H2】日興AMが運用する評判のグローバル水素株式ファンドを徹底評価!運用実績や今後の見通しは?

2022年12月2日

【愛称:H2】資本財・テーマ型で評判のグローバル水素株式ファンドを徹底分析!運用実績や利回りは?

今回はH2を分析していきたいと思います。元素記号が愛称となっていますが水素銘柄に特化しているのでしょうか?

いかにもクリーンエネルギーをテーマにしていることが分かるファンドですね。

 

面白いファンドですが、じっくり見ていきたいと思います。

テーマファンドなので、タイミングが最も大切になってきますね。

関連:

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グローバル水素株式ファンドはどんな投資信託?

概要は以下です。

主として、「グローバル水素株式マザーファンド」を通じて、日本を含む世界の株式(DR(預託証券)を含む。)の中から、今後の成長が期待される水素関連ビジネスを行う企業の株式を中心に投資を行う。原則、為替ヘッジを行わない。

日経新聞

 

概要

  • 単位型・ 追加型:追加型
  • 投資対象 地域:内外
  • 投資対象資産 (収益の源泉):株式
  • 投資対象資産:その他資産 (投資信託証券 (株式 一般))
  • 決算頻度:年1回
  • 投資対象地域:グローバル (含む日本)
  • 投資形態:ファミリー ファンド
  • 為替ヘッジ:なし

 

投資対象は水素関連ビジネスを行う企業の株式に長期投資することになっています。

主として、日本を含む世界の金融商品取引所に上場されている、水素関連ビジネスを行なう企業の株式 に投資を行ない、中長期的な信託財産の成長をめざして運用を行ないます。

運用プロセス

 

運用は日興アセットマネジメントヨーロッパリミテッドが行います。

 

日興アセットマネジメント ヨーロッパ リミテッドについて

 

グローバル水素株式ファンドの組み入れ銘柄

2023年6月末時点で国別の割合は以下になっています。やはりどうしてもアメリカが大きくなりますね。

国・地域名 比率
アメリカ 46.60%
フランス 11.80%
オーストラリア 8.10%
日本 6.80%
イギリス 5.60%
スウェーデン 5.00%
中国 4.10%
イタリア 3.20%
フィンランド 2.40%
デンマーク 2.30%

 

セクター配分は以下の通りになっています。資本財・サービス、エネルギーが上位にあり、水素関連ビジネスならではの並びになっています。

 

業 種 比率
資本財・サービス 57.60%
エネルギー 17.60%
素材 16.80%
情報技術 5.00%
公益事業 2.30%

 

具体的なポートフォリオは以下です。2023年6月末の構成上位銘柄は以下となります。

No. 銘 柄 名 国・地域名 業 種 投資カテゴリー 比率
1 KBR INC アメリカ 資本財・サービス 運ぶ・貯める 6.80%
2 WORLEY LTD オーストラリア エネルギー 運ぶ・貯める 5.80%
3 LINDE PLC イギリス 素材 つくる 5.60%
4 AIR LIQUIDE SA フランス 素材 つくる 5.00%
5 AIR PRODUCTS & CHEMICALS INC アメリカ 素材 つくる 4.80%
6 TECHNIP ENERGIES NV フランス エネルギー つくる 4.70%
7 CHART INDUSTRIES INC アメリカ 資本財・サービス 運ぶ・貯める 4.00%
8 岩谷産業 日本 エネルギー つくる 3.90%
9 SHOALS TECHNOLOGIES GROUP -A アメリカ 資本財・サービス つくる 3.80%
10 BLOOM ENERGY CORP- A アメリカ 資本財・サービス 使う 3.60%

 

KBR Incは米国を拠点とするエネルギー、環境、国防、シビルインフラ、産業向けにエンジニアリング、建設、サービスを提供するグローバルエンジニアリングの会社です。

我らが日本の岩谷産業も上位銘柄に入っていますね。下位銘柄から直近の株価上昇で上位に躍り出たものと思います。

岩谷産業 株価

 

2022年10月からの推移は以下となります。基本的には構成は変わりませんが、株価の変動で順位が入れ替わっています。CHART INDUSTRIES INCなどは2022年の突然の暴落で下位に沈んでいますね。プラグパワーもバブル銘柄でしたが、今は上位にいません。

No. 2023年5月末 2023年3月末 2022年10月末
1 KBR INC KBR INC CHART INDUSTRIES INC
2 WORLEY LTD WORLEY LTD PLUG POWER INC
3 LINDE PLC LINDE PLC KBR INC
4 AIR LIQUIDE SA BLOOM ENERGY CORP- A WORLEY LTD
5 AIR PRODUCTS & CHEMICALS INC PLUG POWER INC LINDE PLC
6 TECHNIP ENERGIES NV AIR PRODUCTS & CHEMICALS INC AIR PRODUCTS & CHEMICALS INC
7 CHART INDUSTRIES INC TECHNIP BLOOM ENERGY CORP- A
8 岩谷産業 AIR LIQUIDE SA AIR LIQUIDE SA
9 SHOALS TECHNOLOGIES GROUP -A SCHLUMBERGER LTD SCHLUMBERGER LTD
10 BLOOM ENERGY CORP- A SHOALS TECHNOLOGIES CUMMINS INC

プラグパワーも2021年初期までは大暴騰しましたが、さすがに賞味期限切れですね・・・。

プラグパワー株価

 

 

ファンド売買手数料、信託手数料

当然アクティブファンドなので手数料は高めです。

購入時手数料は3.3%(税抜3.0%)、運用管理費用 (信託報酬)は年1.6885%(税抜1.535%)です。

信託財産留保額はありません。

 

投資信託「H2」の運用実績は?

基準価額チャートは以下の通りとなっています。まだまだ2021年に運用開始した新しいファンドですので情報が少ないです。

投資信託「H2」の基準価額の推移

 

2021年の後半から運用開始とまさに2022年初期の暴落をモロに被っているファンドです。

さすがにこの期間に結果を出せとは言えませんね。基準価額は10,800円と異常な円安に助けられ、ギリギリプラスリターンです。

1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2023年 3.20% 12.84% -- -- --
2022年 1.15% -8.93% -1.92% 1.03% -8.72%

 

直近1年はどうしても厳しいですね。全世界株式と比べて相対的に見ていきたいと思います。

以下は全世界株式と比較したものが以下となります。

青:グローバル水素株式ファンド
赤:eMAXIS Slim 全世界株式

投資信託「H2」とeMAXIS Slim 全世界株式のチャートの比較

 

全世界株式にも劣後しているのでアクティブ投信としては厳しい成績ですね。

→ アクティブ運用型とパッシブ運用型の投資信託のどちらが優れているのか徹底比較!インデックス投資は本当に最強なのか?

 

掲示板やSNSでの評判・口コミは?

Yahoo掲示板での口コミや評判は以下となります。

 

水素、きたー!

あと少し下げたら買うかな?w ̄(=∵=) ̄

とーぶん上がらんよ。

まだこれからの分野だからジワジワと上がっていって欲しいね。

皆さんは、短期保有ですか?それとも長期?
自分は、短期で狙いたいかな。と
同じ日興アセットマネジメントのゼロコンでダメージ食らってます。
部分売りしたけど、まだ半分は手放せない状態。
部分売りした分を、こちらに追加予定です。
こちらは、8月に出たばかりなので、今後が楽しみです。宜しくお願い致します。

 

まとめと2023年の今後の見通し

水素関連ビジネスは注目されていますが、一大ブームが2020年に終わってしまいました。水素銘柄ど真ん中のプラグパワーの株価を見ればわかると思いますが一度ブームになり、その後しばらく沈み、そしてまたしばらく経った後にブームになっています。

水素は既に2回ブームになっているので、次のブームがくるのかどうかすらわかりません。基本は二度が最大です。

それ以上のイノベーションが起こるのが普通です。

 

Plug Power Incの株価推移

 

セクターとしても資本財ですので、景気拡大局面後半で輝くセクターです。景気拡大局面は明らかに終わり、現在株式市場は不況を織り込んでいる最中です。

利上げが終わり、利下げとなり、景気が拡大していく局面で、後半に資本財は伸びますので、今のセクターローテーションから最も遠い場所にいると言っていいでしょう。

つまり、このファンドを買い判断することはしばらくないということです。

最後に

投資

 

>>>個人的おすすめファンドランキング

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

 

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

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