今回はH2を分析していきたいと思います。元素記号が愛称となっていますが水素銘柄に特化しているのでしょうか?
いかにもクリーンエネルギーをテーマにしていることが分かるファンドですね。
面白いファンドですが、じっくり見ていきたいと思います。
テーマファンドなので、タイミングが最も大切になってきますね。
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グローバル水素株式ファンドはどんな投資信託?
概要は以下です。
主として、「グローバル水素株式マザーファンド」を通じて、日本を含む世界の株式(DR(預託証券)を含む。)の中から、今後の成長が期待される水素関連ビジネスを行う企業の株式を中心に投資を行う。原則、為替ヘッジを行わない。
概要
- 単位型・ 追加型:追加型
- 投資対象 地域:内外
- 投資対象資産 (収益の源泉):株式
- 投資対象資産:その他資産 (投資信託証券 (株式 一般))
- 決算頻度:年1回
- 投資対象地域:グローバル (含む日本)
- 投資形態:ファミリー ファンド
- 為替ヘッジ:なし
投資対象は水素関連ビジネスを行う企業の株式に長期投資することになっています。
主として、日本を含む世界の金融商品取引所に上場されている、水素関連ビジネスを行なう企業の株式 に投資を行ない、中長期的な信託財産の成長をめざして運用を行ないます。
運用は日興アセットマネジメントヨーロッパリミテッドが行います。
グローバル水素株式ファンドの組み入れ銘柄
2023年6月末時点で国別の割合は以下になっています。やはりどうしてもアメリカが大きくなりますね。
国・地域名 | 比率 |
アメリカ | 46.60% |
フランス | 11.80% |
オーストラリア | 8.10% |
日本 | 6.80% |
イギリス | 5.60% |
スウェーデン | 5.00% |
中国 | 4.10% |
イタリア | 3.20% |
フィンランド | 2.40% |
デンマーク | 2.30% |
セクター配分は以下の通りになっています。資本財・サービス、エネルギーが上位にあり、水素関連ビジネスならではの並びになっています。
業 種 | 比率 |
資本財・サービス | 57.60% |
エネルギー | 17.60% |
素材 | 16.80% |
情報技術 | 5.00% |
公益事業 | 2.30% |
具体的なポートフォリオは以下です。2023年6月末の構成上位銘柄は以下となります。
No. | 銘 柄 名 | 国・地域名 | 業 種 | 投資カテゴリー | 比率 |
1 | KBR INC | アメリカ | 資本財・サービス | 運ぶ・貯める | 6.80% |
2 | WORLEY LTD | オーストラリア | エネルギー | 運ぶ・貯める | 5.80% |
3 | LINDE PLC | イギリス | 素材 | つくる | 5.60% |
4 | AIR LIQUIDE SA | フランス | 素材 | つくる | 5.00% |
5 | AIR PRODUCTS & CHEMICALS INC | アメリカ | 素材 | つくる | 4.80% |
6 | TECHNIP ENERGIES NV | フランス | エネルギー | つくる | 4.70% |
7 | CHART INDUSTRIES INC | アメリカ | 資本財・サービス | 運ぶ・貯める | 4.00% |
8 | 岩谷産業 | 日本 | エネルギー | つくる | 3.90% |
9 | SHOALS TECHNOLOGIES GROUP -A | アメリカ | 資本財・サービス | つくる | 3.80% |
10 | BLOOM ENERGY CORP- A | アメリカ | 資本財・サービス | 使う | 3.60% |
KBR Incは米国を拠点とするエネルギー、環境、国防、シビルインフラ、産業向けにエンジニアリング、建設、サービスを提供するグローバルエンジニアリングの会社です。
我らが日本の岩谷産業も上位銘柄に入っていますね。下位銘柄から直近の株価上昇で上位に躍り出たものと思います。
2022年10月からの推移は以下となります。基本的には構成は変わりませんが、株価の変動で順位が入れ替わっています。CHART INDUSTRIES INCなどは2022年の突然の暴落で下位に沈んでいますね。プラグパワーもバブル銘柄でしたが、今は上位にいません。
No. | 2023年5月末 | 2023年3月末 | 2022年10月末 |
1 | KBR INC | KBR INC | CHART INDUSTRIES INC |
2 | WORLEY LTD | WORLEY LTD | PLUG POWER INC |
3 | LINDE PLC | LINDE PLC | KBR INC |
4 | AIR LIQUIDE SA | BLOOM ENERGY CORP- A | WORLEY LTD |
5 | AIR PRODUCTS & CHEMICALS INC | PLUG POWER INC | LINDE PLC |
6 | TECHNIP ENERGIES NV | AIR PRODUCTS & CHEMICALS INC | AIR PRODUCTS & CHEMICALS INC |
7 | CHART INDUSTRIES INC | TECHNIP | BLOOM ENERGY CORP- A |
8 | 岩谷産業 | AIR LIQUIDE SA | AIR LIQUIDE SA |
9 | SHOALS TECHNOLOGIES GROUP -A | SCHLUMBERGER LTD | SCHLUMBERGER LTD |
10 | BLOOM ENERGY CORP- A | SHOALS TECHNOLOGIES | CUMMINS INC |
プラグパワーも2021年初期までは大暴騰しましたが、さすがに賞味期限切れですね・・・。
ファンド売買手数料、信託手数料
当然アクティブファンドなので手数料は高めです。
購入時手数料は3.3%(税抜3.0%)、運用管理費用 (信託報酬)は年1.6885%(税抜1.535%)です。
信託財産留保額はありません。
投資信託「H2」の運用実績は?
基準価額チャートは以下の通りとなっています。まだまだ2021年に運用開始した新しいファンドですので情報が少ないです。
2021年の後半から運用開始とまさに2022年初期の暴落をモロに被っているファンドです。
さすがにこの期間に結果を出せとは言えませんね。基準価額は10,800円と異常な円安に助けられ、ギリギリプラスリターンです。
1-3月期 | 4-6月期 | 7-9月期 | 10-12月期 | 1-12月期 | |
---|---|---|---|---|---|
2023年 | 3.20% | 12.84% | -- | -- | -- |
2022年 | 1.15% | -8.93% | -1.92% | 1.03% | -8.72% |
直近1年はどうしても厳しいですね。全世界株式と比べて相対的に見ていきたいと思います。
以下は全世界株式と比較したものが以下となります。
青:グローバル水素株式ファンド
赤:eMAXIS Slim 全世界株式
全世界株式にも劣後しているのでアクティブ投信としては厳しい成績ですね。
→ アクティブ運用型とパッシブ運用型の投資信託のどちらが優れているのか徹底比較!インデックス投資は本当に最強なのか?
掲示板やSNSでの評判・口コミは?
Yahoo掲示板での口コミや評判は以下となります。
水素、きたー!
あと少し下げたら買うかな?w ̄(=∵=) ̄
とーぶん上がらんよ。
まだこれからの分野だからジワジワと上がっていって欲しいね。
皆さんは、短期保有ですか?それとも長期?
自分は、短期で狙いたいかな。と
同じ日興アセットマネジメントのゼロコンでダメージ食らってます。
部分売りしたけど、まだ半分は手放せない状態。
部分売りした分を、こちらに追加予定です。
こちらは、8月に出たばかりなので、今後が楽しみです。宜しくお願い致します。
グリーン捌き切って支店全体が歓喜した翌週に、企画部から「グローバル水素株式ファンド出たから、今回は半分の5億でええから必達な」って言われたおもひで
— だいなも (@Dynm_y) February 8, 2022
今年のNISA枠も投資信託に使う予定だけど、何を買うか具体的に決まらぬ。グローバル水素株式ファンドとかどうなんだろなぁ・・・
— たぬざわ (@Inuthunder) January 5, 2022
> 2位は、日興アセットマネジメントが16日に設定した「グローバル水素株式ファンド(愛称:H2)」で、26億円を集めた
ご当地ファンドがオワコンになったので、次は水素ですか😅 https://t.co/kKAk5PvG03
— Brownie (@browniejp) September 6, 2021
まとめと2023年の今後の見通し
水素関連ビジネスは注目されていますが、一大ブームが2020年に終わってしまいました。水素銘柄ど真ん中のプラグパワーの株価を見ればわかると思いますが一度ブームになり、その後しばらく沈み、そしてまたしばらく経った後にブームになっています。
水素は既に2回ブームになっているので、次のブームがくるのかどうかすらわかりません。基本は二度が最大です。
それ以上のイノベーションが起こるのが普通です。
セクターとしても資本財ですので、景気拡大局面後半で輝くセクターです。景気拡大局面は明らかに終わり、現在株式市場は不況を織り込んでいる最中です。
利上げが終わり、利下げとなり、景気が拡大していく局面で、後半に資本財は伸びますので、今のセクターローテーションから最も遠い場所にいると言っていいでしょう。
つまり、このファンドを買い判断することはしばらくないということです。