日本では様々な投資信託が販売されています。今回もテーマ型の投資信託についてお伝えしていきたいと思います。
ご存知の通り日本は少子高齢化が進展しています。
今回は高齢社会に焦点をあててビジネスを行なっている企業に投資を行なっている銘柄に投資をしている投資信託を取り上げたいと思います。
そんな観点から、今回は日本投信である「三井住友・げんきシニアライフ・オープン」を取り上げてみたいと思います。
三井住友・げんきシニアライフ・オープンの特徴とは?
「三井住友・げんきシニアライフ・オープン」は三井住友DSアセットマネジメント株式会社が運用しています。
主要投資対象は、日本の「元気で健康な高齢者関連ビジネス」と、「介護関連ビジネス」に関連する企業です。高齢化社会における成長分野・成長企業等をリサーチ。
風代わりな投信ですよね。日本の少子高齢化社会をトレンドとして捉えた商品になります。
運用プロセスは以下の通りです。
アクティブシニア関連銘柄、ヘルスケア関連銘柄を絞り込みリサーチ、銘柄選定、分析、会議を経てポートフォリオを構築します。
アクティブシニア関連銘柄とは・・・レジャー、外食、スポーツ、健康 商品、不動産・金融商品等、元気で 健康な高齢者に関連したビジネス の銘柄です。
ヘルスケア関連銘柄とは・・・医療機器、医薬品、介護施設・ 用品・サービスなど介護関連 ビジネスの銘柄です。
三井住友・げんきシニアライフ・オープンの所属カテゴリーは「国内小型グロース」となっており、小型株の成長性を期待し銘柄を購入し株価上昇を狙っていくファンドであることがわかりますね。
純資産額は2021年7月31日時点で393.93億円程度となっています。中型ファンドですね。
こんなにも資金が集まるのですね。期待されている証拠だと思います。が、数字が全てですので後でしっかり見ていきましょう。
三井住友・げんきシニアライフ・オープンの組み入れ上位銘柄
三井住友・げんきシニアライフ・オープンのポートフォリオをみていきましょう。以下は7月末のデータです。
まずは業種です。
やはりサービス業が1位、ついで小売業、卸売業です。
ポートフォリオは以下の通りです。
銘柄名 | 東証33業種名 | 比率 |
SHOEI | その他製品 | 3.3% |
EIZO | 電気機器 | 3.3% |
前田工繊 | その他製品 | 3.2% |
カチタス | 不動産業 | 3.1% |
パルグループホールディングス | 小売業 | 3.1% |
KeePer技研 | サービス業 | 3.0% |
物語コーポレーション | 小売業 | 3.0% |
リオン | 電気機器 | 3.0% |
チャーム・ケア・コーポレーション | サービス業 | 2.8% |
カーブスホールディングス | サービス業 | 2.6% |
上位にSHOEI、EIZO、前田工繊が並びます。マイナーな銘柄が並んでおり、小型グロース株ファンドを実感します。
構成銘柄トップのSHOEIは世界トップの高級ヘルメットメーカーです。渋いです。SHOEIブランドはワールドワイドに健在です。
そんなSHOEIの株主は以下の通りとなっています。
株主名 | 持ち株 | |
比率(%) | 株式数 | |
ノーザン・トラスト(AVFC)リ・フィデリティ・ファンズ | 9.13 | 2,452,000 |
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 7.77 | 2,088,000 |
日本カストディ銀行(信託口) | 6.09 | 1,635,000 |
アルク産業 | 5.21 | 1,400,000 |
RBC・IST15PCTノン・レンディング | 3.36 | 902,000 |
昭和電工 | 3.31 | 888,000 |
明和産業 | 2.98 | 800,000 |
ステート・ストリート・バンク&トラスト505001 | 2.96 | 794,000 |
バンク・オブ・ニューヨーク133652 | 2.24 | 602,000 |
CEPLUXスレッドニードル(Lux) | 2.18 | 586,000 |
自社(自己株口) | 0 | 100 |
ノーザン・トラスト(AVFC)リ・フィデリティ・ファンズ、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が上位株主であり、オーナー企業というわけではないですね。
業績は以下です。
近年業績が急上昇していますね。強い企業成長を実現しています。
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 | |
3年平均成長率 | 7.60% | 11.10% | 10.70% | 12.40% |
5年平均成長率 | 6.50% | 8.10% | 8.90% | 10.90% |
10年平均成長率 | 6.80% | 18.10% | 17.10% | 18.00% |
当期純利益の10年平均成長率が18%は非常に高い水準です。
アクティブ型投信として一般的な手数料水準
低位株オープンはアクティブ投信として一般的な水準となっています。
購入手数料:3.3% (税込)
信託手数料:年率1.65%(税込)
購入手数料が若干高いですが、一般的な水準の範囲といえます。
三井住友・げんきシニアライフ・オープンの運用実績
肝心の三井住友・げんきシニアライフ・オープンの運用実績をみていきたいと思います。
以下は設定された2002年以降のチャートとなります。
実際の基準価格と税引前分配金再投資後の基準価格との間に乖離があります。
実際には両者の間に収斂します。(分配金を出した瞬間に20.315%の税金が発生してしまうからです。)
Morning Starのデータとしてみると以下の通りとなります。
年 | 1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) |
トータルリターン | 16.84% | -0.44% | 9.61% | 16.28% |
標準偏差 | 14.37 | 18.51 | 15.84 | 15.44 |
損を出さないことに特化したいので、通年成績も見ていきます。直近は異次元金融緩和で大きなリターンを出した割に、3年リターンは低いですね、マイナスになってしまっています。直近は成績が悪いのではないかとの疑念が生まれます。
1-3月期 | 4-6月期 | 7-9月期 | 10-12月期 | 1-12月期 | |
2021年 | 3.34% | -2.38% | -- | -- | -- |
2020年 | -21.21% | 13.60% | 9.52% | 8.42% | 6.28% |
2019年 | 7.49% | -7.14% | -1.64% | 10.12% | 8.12% |
2018年 | -3.48% | -0.38% | 5.25% | -20.58% | -19.62% |
2017年 | 1.29% | 14.35% | 12.35% | 13.28% | 47.41% |
日経平均とくらべても大きく劣後した成績となってしまっています。
あまり投資妙味があるとはいえませんね。
まとめ
三井住友・げんきシニアライフ・オープンは、近年はマイナスを出してしまう年も頻発しており不安定、想定される最大損失も大きくなってきています。
過去の結果をみて、投資をするかどうかを判断する前に一度立ち止まって考えてみることを推奨します。