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(大和住銀・日本小型株ファンド)三井住友DSアセットマネジメントが運用で評判の投資信託を評価!JASDAQ・東証二部・マザーズ特化バリューファンドの成績は?

2021年9月3日

(大和住銀・日本小型株ファンド)三井住友DSアセットマネジメントが運用で評判の投資信託を評価!JASDAQ・東証二部・マザーズ特化バリューファンドの成績は?

自分の資産を着実に増やすにあたり、誰もが「とにかく早くお金持ちになりたい」と思って取り組みますよね。

しかし、実はその考え方が資産運用で最も失敗する思考です。世の中には色んな「チャンス」が転がっているように思います。

FX、個別株、レバレッジ商品、もっとひどいのは月利数%と謳う現実離れした金融商品を販売するファンドなど。

 

しかし、世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏がしきりに繰り返す言葉があります。

それは、「ルール1.損をしないこと、ルール2.ルール1を忘れない」というものです。

 

急いで資産を増やそうとすればするほど、資産の増加スピードは下がります。スノーボールとも言われますが、徐々に資産の増加スピードとは上がっていくものなのです。

つまり、巷には数え切れないほどの投資信託、ETFなどファンドがありますが、選び方のコツとしては「損を出さない」「長期でプラスを出している」という実績があるファンドを選ぶべきでありこれが成功の近道です。

とにかくプラスリターンで複利を積み重ねる、これが一番重要なのです。

 

そんな観点から、今回は日本投信である「大和住銀 日本小型株ファンド」を取り上げてみたいと思います。

 

大和住銀 日本小型株ファンドの特徴とは?純資産総額の70%程度を株に資金を入れる国内小型バリューファンド

「大和住銀 日本小型株ファンド」は三井住友DSアセットマネジメント株式会社が運用しています。

主要投資対象は、東証一部銘柄を除く日本の株式(JASDAQ・東証二部・マザーズ等に上場または登録されている株式)です。

 

 

主要投資対象の市場 概 要
JASDAQ 多様な業態・成長段階の企業を対象とし、株式会社東京証券取引所が開設 した市場です。
東証二部 株式会社東京証券取引所が運営し、市場第二部の上場基準に適合し審査で
適当と認められた企業の株式で構成されている市場です。
マザーズ 成長可能性のあるベンチャー企業を対象とし、株式会社東京証券取引所が
開設した市場です。

 

大和住銀 日本小型株ファンドの所属カテゴリーは「国内小型バリュー」となっており、小型株を割安で購入し株価上昇を狙っていくファンドであることがわかりますね。

純資産総額の70%程度を株に資金を入れる方針を取っています。純資産額は2021年7月31日時点で70億円程度となっています。

 

 

大和住銀 日本小型株ファンドの組み入れ上位銘柄

大和住銀 日本小型株ファンドのポートフォリオをみていきましょう。以下は7月末のデータです。

まずは業種別から。

 

サービス業が大きくなっています。次いで卸売業。

◆業種別組入比率(上位10業種)

 

具体的な銘柄は以下の通りです。

 

コード 銘柄 業種 市場 会社概要 組入比率
1 5184 ニチリン ゴム製品 東証二部 独立系自動車ホース大手。2輪車ブレーキホース高シェア。ホンダ主体。熱交換器(IHX)も 4.4%
2 8085 ナラサキ産業 卸売業 東証二部 北海道が地盤。三菱電機代理店業務が柱。農業設備、燃料、建設資材、港湾作業、建機に多角化 3.6%
3 1716 第一カッター興業 建設業 東証一部 ダイヤモンド使用のコンクリート構造物切断・穿孔工事が主力。水圧のウォータージェットも 3.6%
4 5999 イハラサイエンス 金属製品 JASDAQ 産業用継ぎ手最大手、半導体業界向けのクリーンバルブと、一般産業用油圧バルブが2本柱 3.5%
5 7879 ノダ その他製品 東証二部 木質系住宅建材メーカー。繊維板にも強み。健康配慮内装材拡充。子会社で合板。全国に販売網 3.5%
6 4659 エイジス サービス業 JASDAQ 棚卸代行で国内断トツ。地域FC等と連携し全国展開。海外棚卸代行、国内店舗サポート拡大 3.2%
7 3355 クリヤマホールディングス 卸売業 東証二部 ゴム、合成樹脂製ホースを日米欧で展開。運動施設・建設用床材も。子会社で尿素SCR事業 3.1%
8 7932 ニッピ その他製品 JASDAQ ゼラチン、コラーゲン、化粧品等が主力。旧大倉財閥グループ。本社再開発へ。iPS細胞開発 3.1%
9 9639 三協フロンテア サービス業 JASDAQ 仮設ハウスのレンタル、販売でトップ級。仮設より大規模な本建築拡充。中期配当性向35%メド 2.4%
10 9268 オプティマスグループ 卸売業 東証二部 ニュージーランド向け中古自動車輸出。貿易・物流・検査・自動車ローンまで総合的に手がける 2.4%

 

上位にニチリン、ナラサキ産業、第一カッター興業が並びます。非常にマイナーな銘柄が並んでおり、バリュー株ファンドを実感します。

 

構成銘柄トップのニチリンの株主は以下の通りとなっています。

 

株主名 持ち株
比率(%) 株式数
太陽鉱工 22.38 3,217,000
双日 7.96 1,144,000
日本カストディ銀行(信託口) 5.09 732,000
BNPパリバSec(Lux)J.FIMルクスF.UCITS 3.74 537,000
東京センチュリー 3.31 475,000
ステート・ストリート・バンク&トラスト・オムニバス(OM02)505002 2.94 423,000
みずほ銀行 2.6 373,000
日本精化 1.99 286,000
日本カストディ銀行(信託口9) 1.48 213,000
みずほ証券 1.36 195,000
自社(自己株口) 0.78 112,600

 

太陽鉱工と総合商社である双日が上位株主ですね。オーナー企業経営ではないようです。

 

業績は以下です。

通期業績推移

売上高 営業利益 経常利益 当期利益
3年平均成長率 -4.60% -20.30% -19.80% -21.30%
5年平均成長率 0.30% -5.60% -5.30% -6.50%
10年平均成長率 3.60% 9.80% 10.20% 10.50%

 

2020年3月のCOVID-19直撃時よりは、業績は回復基調ですね。

 

 

アクティブ型投信として一般的な手数料水準

大和住銀日本小型株ファンドはアクティブ投信として一般的な水準となっています。

購入手数料:3.3% (税込)
信託手数料:年率1.672%(税込)

購入手数料が若干高いですが、一般的な水準の範囲といえます。

 

 

大和住銀日本小型株ファンドの運用実績

肝心の大和住銀日本小型株ファンドの運用実績をみていきたいと思います。

以下は大和住銀日本小型株ファンドが運用開始となった2010年以降のチャートとなります。

 

基準価額・純資産の推移

 

実際の基準価格(橙色)と税引前分配金再投資後の基準価格(青色)との間に乖離があります。

実際には両者の間に収斂します。(分配金を出した瞬間に20.315%の税金が発生してしまうからです。)

Morning Starのデータとしてみると以下の通りとなります。

 

1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率)
トータルリターン 31.87% -0.47% 12.11% 18.36%
標準偏差 10.87 20.07 17.23 17.35

 

3年でマイナスになっていることに着目します。損を出さないことに特化したファンドを選びたいからです。

 

1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2021年 10.36% -0.54% -- -- --
2020年 -28.10% 18.05% 3.59% 7.90% -5.12%
2019年 6.78% -2.94% 1.47% 14.59% 20.50%
2018年 0.14% -2.62% -3.86% -19.05% -24.11%
2017年 10.53% 5.19% 14.19% 10.62% 46.86%

 

ここ5年で2回もマイナスの年がありますね。厳しいですね。

マイナスを出しているのですでに選択範囲になく、TOPIXとも比べようと思いましたがそれはやめておきます。

 

まとめ

大和住銀日本小型株ファンドは、近年はマイナスを出してしまう年も頻発しており不安定、想定される最大損失も大きくなってきています。

過去の結果をみて、投資をするかどうかを判断する前に一度立ち止まって考えてみることを推奨します。

 

最後に

投資

 

>>>個人的おすすめファンドランキング

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

 

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

 

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

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