1000万円というのは資産運用を考え始める一区切りの数字となります。
節約、貯金を経て獲得した1000万円という金額は、今後の人生の飛躍を感じさせる数字でもありますよね。
何よりも数百万円を投資するよりも1000万円というまとまった資産を複利運用するパワーは凄まじいものがあります。
さて、運用をするにも様々な投資先が存在します。株、FX、保険、定期預金、投資信託、などなど迷ってしまいますよね。
「不労所得」に憧れを持つ人が少なくありませんが、なかなかそんなに甘い話はないというのが現実です。
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「不労所得」と言えば、代表的なのは「不動産投資」ではないでしょうか。
よく不労所得を獲得するためのセミナーなどの広告を見かけますが・・・。実際には不動産投資は事業であることを認識しましょう。
不動産は仕組みもわかりやすいですし、サラリーマンであれば銀行から資金調達が比較的容易です。
しかし昨今ではサブリースの「かぼちゃの馬車」やスルガ銀行の投資家資産データの改ざん、その他事業計画、建物の検査済証、手付金領収書偽装など、国内不動産業界は荒れに荒れています。
→「かぼちゃの馬車」の不正融資問題を契機に「日本版サブプライム」が起きる可能性はあるか?
このような日本の不動産業界で大事な資金1000万円を投入するのは恐怖を感じてしまいます。
私自身も不動産投資は幾度となく検討してきました。
かなりの不動産業界の人たちと話をしましたが、簡単に言えばとっても悪い人がたくさんいる業界であり、初心者は一瞬でカモにされ気づけばお金がなくなる世界です。
勉強がマストであり、これは起業する覚悟でやるくらいが良いかもしれません。
それでは、前置きが長くなってしまいましたが、1000万円を活用して不動産投資を始めた場合の話を今回はしていきたいと思います。
そもそも不動産投資とは?
不動産投資とは、基本的には「家」を購入し、誰かに「貸し」、家賃収入を得ていくことが基本となります。
これはインカムゲインとなり株式投資の配当と同じ考え方です。
シンプルにいうと「買って貸す」というビジネスモデルですね。
購入した物件の「時価」が上がれば値上がり益、つまりキャピタルゲインが見込めます。
この「物件」とはビル一棟などから小さなアパートの1室までを指します。
配当と値上がり益、インカムゲインとキャピタルゲインの両取りが狙える素晴らしい投資であるということです。
ただし、念を押しますが、これは簡単ではありません。物件選びが難しいからです。
家を購入するには、会社員であれば自己資金では難しく、金融機関などからローンを組み、資金を調達し、毎月家賃収入の中から返済をしているのが通常のモデルです。
スルガ銀行が問題を起こして、金融機関はだいぶ引き締めが入り審査も厳しくなりましたが、しっかり事業性のある物件が選べていればちゃんと審査はおります。
不動産に取り組むのであれば、事業として本気で取り組むことをおすすめします。
しっかり事業として成長させることができれば、長期的な安定収入は見込めるでしょう。
その他にも、例えば新興国などの不動産であれば、「時価」が急速に上がっていくので大きなキャピタルゲインを狙えるとし、多くの人が海外不動産にも興味を持つことが多いです。
海外不動産は常に魅力的です。海外不動産は魅力的ですが、現状コロナ感染拡大騒動などもあり海外視察も難しいです(すでにこの時点で凄まじい手間がかかるのですが)。
また、新興国不動産は現地の特殊なコネクションのある、また知見のある業者選びがとても難しいです。
詐欺が横行するのもこの領域でして安全に資産を増やすという考えの人は新興国不動産はやめておきましょう。
サラリーマンに営業がくるマンション投資には要注意!
サラリーマンをしていると頻繁にマンション投資の営業電話がかかってくるのではないでしょうか?
筆者もサラリーマン時代に1週間に1回の割合でマンションの営業がかかってきていました。
そもそも事業の鉄則として、向こうから積極的に営業をかけてくる商品やサービスの魅力は少ないと覚えておいてください。
いい商品やサービスは営業員が必死に営業しなくても顧客を引きつけて売れていくものなのです。
あれだけしつこく営業してくるということは、営業しないと売れない商品であるということが出来るのです。
このような場合に不動産業者と話をするときに気をつけなければならないことがあります。
それは、「表面利回り」の話ではなく最終的な「実質利回り」の話をしなければならないということです。
「表面利回り」は、物件価格に対してどの程度の家賃収入が得られるかという表面的な収益性を表す数値です。
計算式からもわかるように、維持管理費など、マンションの保有にかかるコストを計算に入れていませんので、実質的な利回りとは異なります。「実質利回り」は、マンション経営にかかる経費等を考慮して計算した利回りです。 マンション経営にかかる経費には、購入時の諸費用以外にも固定資産税・都市計画税、管理費・修繕積立金、不動産仲介手数料などがあります。
(引用:表面利回りと実質利回り)
私も一時期不動産投資には興味がありました。
不動産業者さんと話をするときにいつも表面利回りの話ばかりで実質的に自分がどれくらいの利回りで儲けが出るのかがよくわからず自分で計算をしていたものです。
不動産を購入すると「こんな費用もかかるのか」というものが多々出てきます。
不動産取得税、固定資産税、修繕費、仲介手数料などなど。色々差し引くと実質利回りを考えると利回りも3%あれば最高です。
それ以上の物件は、私の両親が多数抱えている不動産の利回りを見ても稀です。(両親からは不動産に手を出すなと言われています・・・笑)
新築物件に関してはキャッシュアウトが毎年発生するような銘柄も多くあります。つまり実質的にマイナスリターンであるということです。
その場合は減価償却費によって税金を節税できるという営業をうけますが、投資の本質を見失ってますよね。
結論からいうと営業員からすすめられるワンルーム投資は辞めておいたほうがよいでしょう。
筆者の同期で投資した人は5年経過して後悔していました。
コラム:都心の賃料に対して物件取得価格の上昇の方が激しく投資妙味は減少している
マンションやワンルーム投資をする際に重要なのが利回りです。
出来る限り低い取得価格で、出来る限り高い賃料を得たいですよね。
ではまず賃料の方を見ていきましょう。以下は2011年からの東京との賃貸マンションの賃料の推移です。だいたいこの10年で10%強しか上昇していません。
一方で、東京のマンション価格の推移は以下となっています。この10年で4540万円から6260万円まで約40%上昇しています。
以下はあくまで首都圏の話であって東京に限定するとさらに高い値上がり率になっています。実際、この10年で2倍になった都心のマンションはざらにあります。
つまりリターンの上昇に比して原価の上昇が急激になっているのです。利回りが下落し続けており、ここから参入するべき水準ではないのです。
資金1000万円で高いリターンを狙うには事業として行う中古リノベーション投資が魅力的
資産1000万円で株式投資よりも高いリターンを狙うなら事業として不動産投資を行う必要があります。
筆者も実際に行なっているのですが中古不動産を安く購入してリノベーションを実施して賃貸としてだして利回り15%を得ている物件があります。
しかし、これは非常に大変なことでした。
足繁く不動産会社に通ってネットにでていない安い物件を紹介してもらえるリレーションシップを構築するところから始まります。
そこから現地でいくらで賃しだすことができるかを仲介会社に電話でヒアリングを行い調査します。
リノベーションを行った上で最終的な原価から考えて十分と思えるリターンを得られると確信したら買い付けをいれます。
買い付けた上でより安いリフォーム会社を選択して、何をリフォームするかを精査して実施してもらいます。
リフォームが完了したら不動産仲介会社に依頼して客付を行ってもらいます。
ここまでの流れを見ていただければわかる通り、投資ではなく事業といえる代物です。
簡単に手をだしてリターンを得られるものではないので、覚悟を持って臨む必要があります。
高いリターンは汗水たらして足と頭で稼がないといけないのです。
資金1000万円あって不労所得を得たいならプロの投資家に任せるのが最も早くて簡単
そもそも「不労所得」と言えば、「自分は働かずにお金を働かせる」ということを指しますよね?
不動産投資は確かに規模が大きくなってくると収益も大きくなり、安定的にお金が入ってきます。
インカムゲインをどんどん増やしつつタイミングよくキャピタルゲインを繰り返すことで、お金はどんどん増えていくかもしれません。
しかし、それには経験も必要ですし、不動産で資産が増えていくのをまずは長年待たなければなりません。
資産を増やすためとは言いつつ、本業の会社員との仕事に加えて、不動産業までやってしまうと心労で倒れてしまいそうです。
そしてその実質利回りが2%や3%など、という話となれば、どう考えても労働の対価としても少なすぎます。
自分が動きすぎなのです。
そして利回りの高い物件を探すには人を介して紹介してもらっていくことで、紹介料、仲介手数料などがかさんでいき、精神疲労は頂点に達していくでしょう。
トラブルも絶えない業界なのでストレスを抱えることもあります。
しかし、不動産に限らず、高い利回りを目指すのであれば高配当株を購入したり、米国のインデックスファンドなどで指数平均の利回り5%程度を目指していくのもありです。
高配当株は正直、成長の止まった企業が実施していく施策ですので、あまりおすすめは個人的にはしません。
インデックスファンドはポートフォリオの一部として持つのをおすすめします。
私がもっとも良いリターンを叩き出しているのがヘッジファンド、つまり「プロの投資家」に運用を任せている部分です。
例えば、私が数千万円預けているヘッジファンドに関しては毎年利回り10%を越え、「複利」でどんどん資産が倍々ゲームのように増えているのです。
守りながら増やす方針で運用しているBMキャピタルは、私のような怖がりな投資家にはうってつけで、信頼して運用を任せています。
ヘッジファンド選びは投資方針によって異なりますので、以下の記事も参考にしてみてください。
【2023年・国内和製優良ヘッジファンド】おすすめ投資先ランキング〜リスクを抑え安全・着実に資産を増やせる運用先(投資信託などアクティブファンド含む)を紹介。
プロに投資を任せる、これは手数料は高いです。
しかし、安心して、時間と共に資産がどんどん増えていき、普段は全くその預け入れている資産を気にせずに生活をしています。
心のストレスもほぼなく、複利で資産が増えていくことで、ある意味では会社での仕事にも集中でき、充実した日々を過ごせています。
例えば私が不動産投資をしていたとしたら、1軒目の家を購入し入居者を入れ、次はどの物件を買おうか?今度の休みにでも見に行こう、その次は?
と思考を巡らせる日々を過ごしていたに違いありません。
もちろん、不動産投資が好きな人は積極的にやるべきでしょう。
しかし、私自身は自分の資産を確実に育てていきながら毎日を充実した日々を過ごすことを目的にしており、
不動産は特に好きでもないので、不動産投資に手を出すことは今後もないでしょう。
目の前の仕事を一生懸命、他社員と切磋琢磨しながら頑張り、その横でプロに資産を増やしてもらう、
これが一番です。