1000万円という金額は一つの大台ですよね。
1000万円は昨今話題になった老後2000万円問題を解決する折り返し地点ということになります。
1000万円の貯金があれば本格的に資産運用を考え始める頃合いかと思います。
しかし、投資を行って資産を減らしてしまうのは怖いと考えてなかなか足を踏み出せない方も多いのではないでしょうか?
そこで、保守的に元本保証型の投資に乗り出してしまう方も多いかと思います。
本日は1000万円を元本保証で運用する方法を紹介しながら隠された罠についてお伝えしていきたいと思います。
安全なはずの投資が実は危険性を孕んでいることをお伝えしていきたいと思います。
選びがちな定期預金は安直な選択
まず日本人が大好きな定期預金からです。
かつては高かった定期預金利率も現在は低空飛行
60歳以上の日本の黄金時代をご存知の方は定期預金の利率が5%を超える時代を経験しています。
しかし、1995年から定期金利であっても1%を下回る水準で現在は地を這って推移しています。
特に最近はアベノミクスの主要戦略である日銀の金融緩和によって長期金利であっても金利水準は0%近辺となっています。
正直、現在のデフレは政府と日銀がヘリコプターマネーを行わない限り解決しません。
いくら日本円を刷ったところで肝心の需要が民間にはないからです。
資金需要は政府が先導して作らないといけませんが、あろうことか緊縮策をずっと続けています。
今後、日本政府の方針が180度変更しない限りは定期預金金利は地を這い続けることでしょう。
2020年8月現在最高の定期預金金利を提供しているのはSBJ銀行の0.25%です。
たったの0.25%です。例えば1000万円を10年間預け入れたとしましょう。
10年後にはわずか1025万円にしかならないのです。
あまりにも金利が低すぎて複利の力が殆ど活きないという惨状になってしまうのです。
日本人の預金好きは相対的な貧困化を招く
以下は日本と米国と英国の家計資産のポートフォリオを比較したものです。
米国人は現預金は僅か13.7%しかないのに比して、日本人は50%以上を現預金として蓄えています。
日本はいわずとしれた現預金大国なのです。
そして結果として日本の家計金融資産の伸びは欧米に比べて緩やかなものになっています。
元本保証に固執した結果日本人は相対的に貧しくなってきているのです。
2015年-2016年に話題になったトマ・ピケティは著書「21世紀の資本論」で有史以来平均的な資本収益リターンは4%-5%と発表しました。
平均的な成績でも4%-5%のリターンが得られるのに殆ど0%の定期預金に預けていては資産は殆ど増えないのは自明ですよね。
国債は超低利回り。社債はそもそも投資することが困難な状態。
先ほどと同様に日本の金利は地に沈み込んでいます。
個人投資家が投資することができる国債は財務省やネット証券会社で販売されており、年率0.05%という水準になっています。
定期預金と同様に論外の利回りの低さですね。
更に、既発債券が「現在、取扱中の既発債券はありません。」となっていることからわかるとおり、国内企業の社債を購入することはできません。
たまに販売されている楽天グループとソフトバンクグループは2%-4%の利回りを狙うことができますが、業績と財務状況が悪く倒産の可能性もあります。
元本毀損のリスクがある割に低利回りでリスクリワードが決して良いとはいえません。
関連
そもそも日本は社債で資金調達を行う文化がありません。基本的には融資によって資金を調達しているのです。
日本で社債投資をする環境が整うには相当な時間が必要となるでしょう。
米国は社債を発行しており4.5%近い利回りを確保することができます。
そもそも、利回りは低い上で米ドルの為替変動リスクを負うことになります。日本円建でみると為替は10%程度であれば普通に変動するので全く元本保証ではないのです。
以下はドル円の推移です。2022年に152円まで上昇しましたが直近は130円近辺まで下落しています。
ドル円は日米の金利差拡大を背景に上昇してきましたが、以下の2つの要素もあって日米金利差が縮小して急激に押し戻しています。
- 景気後退懸念で米金利の下落
- 日銀の金融政策の修正により日本側の金利の上昇
この流れは今後も継続することが想定されておりドル円は上記の赤線の120円台前半まで押し戻される可能性があります。
円建でみると元本割れとなる可能性も十分あるのです。
貯蓄型の積立型保険は本当に魅力的!?
積立型保険は保険の機能をうけながら元本保証で数十年後に元本以上の金額で返ってくると評判の保険です。
しかし、正直言って合理性を欠いた商品といえます。
利回りは1%程度
以下はソニー生命の積立型保険です。死亡や高度障害を被った時は1000万円を受け取ることができます。
そして、解約した時の返戻金は以下の通りとなります。
途中で解約をすると、元本割れをすることとなります。しかし、30年積立を行なった場合は元本以上を確実に受け取ることができるのです。
保険を受け取りながら、30年間積立を行えば確実に元本以上が返ってくるので人気を博しています。
しかし、冷静に考えてみてください。死亡していないケースをみていましょう。
35年後であれば払込保険料768万9000円に対して最低811万円、最高でも1227万円という結果になっています。
最低保証の場合、35年間積立を続けて僅か5%しか増えません。
最高の結果の場合でも約60%しか上昇していません。年率で計算しなおすと僅か2%の運用利回りでしかありません。
先ほど、「21世紀の資本論」で有史以来平均的な利回りは5%であるとお伝えしました。
年率2%で30年間も運用してしまっては相当な機会損失なのです。
通常の5%の利回りで運用することができれば上記の例だと35年後には2500万円に到達することができるのです。
元本保証に目が眩んで損をしてしまうことは避けた方が賢明といえるでしょう。
解約返戻金が高すぎる
もう一度先ほどの図をみてみましょう。
解約返戻金は少なくとも25年経過しないかぎりは元本割れする結果となっています。
一度契約をしてしまうと解約させない仕組みが構築されているのです。地獄ですね。
ちなみに筆者も2015年に某保険会社の米ドル建の積立保険を契約してしまいました。
金融リテラシーがつき積立保険の機会損失に気づくのに数年かかってしまいました。
我慢の限界がきて5年経過して解約を希望したところ以下の通りの返事が返ってきました。
<2020年7月29日時点 お口座詳細(7月30日調べ)>
▪️ 累積積立金総額 :USD 14,400
▪️ 総口座時価総額 :USD 13,902.50
▪️ 早期解約返戻金 :USD 6,841.35
USD14,400(約150万円)の積立を行なってきたのに、解約した場合戻ってくる金額はUSD6,841(約70万円)しか返ってこないという衝撃的な結果となりました。
一度、契約をしてしまうと取り返しのつかないことになるので気をつけましょう。
保険はあくまで保険。「掛け捨て」で十分
保険が不要であるといっているわけではありません。
不測の事態に備えて保険をかけておけば、いざという時に家族を守ることができます。
保険としての目的を果たすだけならば、掛け捨て保険だけで十分なのです。
掛け捨て保険だけであれば毎月5000円-10,000円程度の金額で十分事足ります。
掛け捨てで保険をかけながら、投資は投資として別枠で考えて実践しましょう。
元本保証に近い株式投資手法で年率5%-10%を狙おう
そもそも資産運用で資産を増やすことを目的としているの元本保証に拘ることがお門ちがいなのです。
資本主義の長い歴史の中で最も高いリターンを出し続けているのは株式です。
株式投資は古今東西、投資の王様なのです。
とはいえ、株式投資は時に暴落を被ることがあり怖くて手が出せないという方も多いのではないでしょうか?
そのような方におすすめなのが実績を残しているプロに任せるという手法です。
通常の株式投資は確かに株価が暴落してもろに影響を受けることがありますが、影響が受けにくい方法で運用しているファンドも存在しています。
実際、筆者の投資している投資ファンドであるBMキャピタルはコロナショックを含めて過去1度も下落することなく安定した運用を積み重ねています。
つまり低リスクで高い利回りを期待することができる投資先ということになります。
以下では、何故BMキャピタルが高いリターンを低いリスクで叩き出せているのかという点についてお伝えしています。
→ ネットネット株への投資だけではない!マルチストラテジー型ヘッジファンド「BMキャピタル」の運用手法とは?
自分で株式投資をすることに拘らずに、実力のあるファンドマネージャーが運営するファンドに任せるという選択肢を検討してみるのが良いでしょう。
以下で詳しくお伝えしていますので参考にしていただければと思います。