どういうわけか、日本人はFXが大好きです。
FXは説明するまでもないかもしれませんが、「Foreign Exchange」が語源の日本で作られた造語で、
「外国通貨」を売買することにより為替差益を狙う「外国為替証拠金取引」のことです。
取引は、簡単にいえば通貨を両替、
円をドルに替えて、円安が進んだタイミングでまた両替をして差益を取るという単純な取引ですね。
しかし、このような為替トレードで稼ぐのは非常に難しいです。
1000万円というのは、資産運用を始めるに当たってキリの良い数字ではありますが、
例えば私も友人に、1000万円の資産運用資金を貯めるために最近FXを始めた、
という人がいますが、正直に申し上げるとおすすめできたものではありません。
インターネットでFXの情報を見ると運用成績を公開している方が多数おり、
夢が広がる世界に見えるのも事実です。
今回はこの状況に対する、
アセットマネジメント会社で為替動向も日々追っていた私の見解を少し解説していきたいと思います。
もくじ
FXで儲けている人はどのくらい日本にはいるのか?
冒頭で日本人はFXが大好きであると触れましたが、
これは根拠なしに私の周りの人々の印象だけで言っている訳ではありません。
世界中のFXトレーダーのうち、実に60%が日本人投資家であるというデータも有名です。
さて、なぜ日本人はFXが好きなのか?
それは「資産運用の知識の欠如」に他なりません。
「手っ取り早く稼げて、夢のあるリターンが見込める」
この言葉に簡単に惑わされてしまうのです。
中にはもちろんFXで大儲けをして有名になられた方もいるでしょう。
しかし、そんな人は一握りであり、
そもそもそのような人は手っ取り早く稼ごうとも思っておらず、
地道に長年経験を積んで、理論を確立した上で利益を積み重ねています。
職人と同様なのです。
FXが流行するのは他の要因もあります。
例えばテレビCMなどでもFX口座開設の宣伝が大々的に実施されていますよね。
個人投資家が口座を開き、利益が出ようと損失が出ようとも、
口座を利用してFX取引をすればそこで売買手数料(両替料)が徴収でき、
取引数が多ければ多いほど、FX口座を提供している会社は大儲けということです。
このような企業戦略も背景にあることから、日本ではFX取引が盛んになっているとも言えるでしょう。
ミセス・ワタナベの実績を見ればFXはそもそも、勝てる市場ではないことがわかる
FXはそもそも個人で勝てる市場ではないのです。
日本では専業主婦の多くの方がFX取引をしているイメージから、
日本のFX投資家は「ミセス・ワタナベ」と称されています。ネーミングが面白いですよね。
そんなミセス・ワタナベの投資家動向は2016年は以下のように報じられていました。
外為どっとコム総合研究所がまとめた投資家動向調査によると、16年1月から12月までの損益状況について約52%の投資家が損失が出たと答えた。3割以上の損失が出た投資家が特に多い。
一方、利益を得たのは約37%にとどまった。英国民投票の読みが外れ、トランプ相場でのドル高に逆張りで挑んだことなどが「敗因」だろう。
アベノミクスが始まった直後の13年には損失を出した投資家が3割程度にとどまっており、16年はここ数年で最も悪い成績だ。
日本のFX個人投資家は「ミセス・ワタナベ」の通称で知られる。6月の英国民投票時には逆張りでポンド買いに賭けた個人も多かった。だが、その後の離脱決定でポンド相場は急落。
金融先物取引業協会によると、損失を出した個人から資金を回収できず、6月には業者に約2億円の未収金が発生した。
2016年は52%の投資家が損失を出しています。
ミセス・ワタナベの2017年はどうだったのでしょう?
2017年は外国為替証拠金取引(FX)を手掛ける個人投資家(通称、ミセス・ワタナベ)の運用成績がようやく上向いた1年だったようだ。
有力FX会社の顧客向け調査で、利益を上げた人の比率は41.6%となり、アベノミクス相場下で最悪だった16年を4.8ポイント上回った。
ただ、細かくみると成績改善は限定的。背景には為替変動が小さかったことがありそうだ。
このため、相場上昇が目立ったビットコインなどの取引がミセス・ワタナベの間で大きく増えている様子も、調査で確認された。
(引用:17年のFX投資家 成績改善も関心は仮想通貨へ? )
2017年は少し上向き、利益を上げた投資家は41.6%です。
FXは本来、為替が「上がるか」「下がるか」の2択を選択し、利ざやを狙います。
つまり50%の確率で当たるものですが、
なんとその50%を下回るレベルでしか利益を上げられていないことがわかると思います。
ではなぜFXは勝てないのか?
FXでミセス・ワタナベ(日本個人投資家)が勝てない理由は、
「情報」「資金力」が欠如しているからです。
そもそも為替市場は戦争です。
為替市場で戦っているのは、銀行の為替トレーダー、そして大物ヘッジファンドです。
銀行は為替市場で為替に関する取引情報が全て入手できます。
どこの誰がいつどの通貨をどれだけ買った、売った、といった情報が全て筒抜けです。
ある意味では合法的インサイダーなので、その流れに身を任せながら、
銀行の持つ潤沢な資金を注ぎ込むだけなのです。
大企業がドルを集めている、有名ヘッジファンドがドルを売っている、
このような情報が入り次第、銀行も同じ動きをするだけなのです。
有名ヘッジファンドはFXの損切りポイントで資金力にものをいわせ、
市場を動かし利益を獲得していきます。
もちろん情報収集にも長けているでしょう。
つまり、銀行や大型ヘッジファンドが市場を支配し、その養分となっているのが個人投資家なのです。
この環境で個人投資家がFXで勝つには、抜け穴を見つけ、独自の理論を構築するしかありませんが、
そう簡単なことではなく、その理論を確立するまでに何年も掛かったりします。
テレビでは天才トレーダーが特集されたりしますが、彼らは極少数の、
日本に一人か二人しかいないレベルの天才と言えるでしょう。
FXはレバレッジを間違えれば破産する
FXの魅力はなんと言っても「レバレッジ」でしょう。
日本の株式投資では信用取引で3倍までレバレッジを掛けられますが、
FXはなんと25倍です。
2019年春には10倍まで上限規制ができるとされますが、
それだけ破産する人が続出していることを暗示していますね。
レバレッジは魅力ですが、取引のプロではないアマチュアの人がレバレッジを使うのは、
市場にカモにされているだけに過ぎないのです。
これは面白い話なのですが、FXで稼げなかった人の特徴として、
メルマガなどを発行して、稼げない理論を稼げる理論として読者を有料で集めてお金集めをしている人も多くいます。
商才は認めますが、不幸な人を増やしてしまうのはよろしくないですね。
まずは1000万円を目指し堅実に1億円と資産を育てるのがおすすめ
資産運用するにしてもある程度の資産がないとあまり意味がありません。
数十万円や100万円程度ではまだまだ本格的に資産運用を行うフェーズではないのです。
1000万円という資産を形成できたら選択肢が飛躍的に広がります。
筆者が投資をしている国内優良投資ファンドのBMキャピタルも1000万円からの投資を受け入れています。
1000万円を構築した後に年率10%程度で着実に資産を育てていくのが現代では効果的かと思います。
1000万円を10年間資産運用!投資先はどこがベストなのか?利回り毎におすすめ投資手法を紹介する。
ヘッジファンドを活用しつつ、堅実かつ、理想的に資産を増やしていきましょう。
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