「貯金1000万円を出来る限り早く増やしたい。」「高い利回りで大きな資産を築き上げたい。」という方も多いと思います。
今回は20%という運用利回りを継続的に出し、1000万円を大きく増やしていきたいという方に向けて執筆していきたいと思います。
年率20%を『継続的に』出すことの難しさをお伝えすると共に、1000万円を運用する際の考え方についてお伝えしていきたいと思います。
1000万円を年率20%で『継続的に』運用『出来たなら』資産は爆発的に増加
年平均利回り「20%」といえば大した利回りではないと考えられた方もいらっしゃると思うのですが、実際にその利回りで運用できたら、以下のように1000万円は爆発的に増加します。
資産 | |
現在 | 1,000 |
1年目 | 1,200 |
2年目 | 1,440 |
3年目 | 1,728 |
4年目 | 2,074 |
5年目 | 2,488 |
6年目 | 2,986 |
7年目 | 3,583 |
8年目 | 4,300 |
9年目 | 5,160 |
10年目 | 6,192 |
11年目 | 7,430 |
12年目 | 8,916 |
13年目 | 10,699 |
1000万円を継続的に20%で運用できれば9年目に5000万円を超え、13年目には1億円を突破するという驚異的な速度で資産が形成されていきます。
しかし、これはあくまで継続的に年率20%という利回りを達成できた場合の話です。
単年度や数年間年率20%以上のリターンをだすことは可能ですが、十年以上にわたって20%の利回りを出すのは非常に難しいことなのです。
もはや、ほぼ不可能と言ってもよい水準です。
年率20%の運用益を10年以上続けるには世界一の投資家であるウォーレン・バフェット並の投資力が必要
年率20%以上のリターンを継続することが容易ではないことを理解する上で最もわかりやすいのが、ウォーレン・バフェット氏の成績です。
投資の神様である『ウォーレン・バフェット氏』の1965年~2017年の53年間の年平均リターンは、最新のバフェットからの手紙(2019年版)によると20.3%となっています。
バフェットは将棋でいうと羽生善治名人、野球でいうとイチロー、サッカーでいうとメッシのような人です。株式投資の頂点に立つ人が達成できる継続的な運用リターンが20.3%なのです。
バフェットは年率20%ものリターンを半世紀以上も繰り返したことによりForbsの2022年度版で世界長者番付で第5位となっています。
- Elon Musk, $223.8 billion.
- Bernard Arnault & family, $156.5 billion. ...
- Gautam Adani, $131.3 billion. ...
- Jeff Bezos, $126.9 billion. ...
- Warren Buffett, $104.5 billion. ...
1,040億ドルといえば日本円になおすと13兆円というレベルになります。
1位は大躍進したテスラを創業したイーロン・マスク、2位はルイヴイトンのバナード、3位インド Adani Groupの会長兼創設者であるゴータム・アダニ氏、4位はあのAmazonを創業したジェフ・ベゾスと、世界的大企業の創業者又は創業一族で占められています。
一方、バフェットは特に事業を起こしているわけではなく投資会社バークシャー・ハサウェイを通じて運用を行うことで世界的な富豪になっているのです。如何に50年間にわたって年率20%を継続的に出す偉大さが分かると思います。
因みに100万円を年率20.3%で運用し続けた場合、53年後には233億円ということになります。桁が4つも変わっており如何に複利の力が偉大かということが分かります。
因みに偉大なバフェット氏もリーマンショック時の2008年には▲31.8%の大暴落を味わっているので完璧無双というわけではなさそうですね。
年率20%のリターンを出すために、ウェーレン・バフェットが運営しているバークシャー・ハサウェイに投資をするという手法が考えられます。
しかし、ウェーレン・バフェット氏は御年92歳となっており、更に近年の成績は年齢もあってか悪化しています。
直近2011年からのバークシャー・ハサウェイのリターンのリターンはS&P500指数に劣後したものとなっています。
バークシャー | S&P500 | |
2011年 | -4.70% | 2.10% |
2012年 | 16.80% | 16.00% |
2013年 | 32.70% | 32.40% |
2014年 | 27.00% | 13.70% |
2015年 | -12.50% | 1.40% |
2016年 | 23.40% | 12.00% |
2017年 | 21.90% | 21.80% |
2018年 | 2.80% | -4.40% |
2019年 | 11.00% | 31.50% |
年率リターン | 10.90% | 11.98% |
やはり全盛期ほどのリターンをあげるのは難しいのかもしれませんが、バフェットは93歳ですからね。
年率20%を長年継続できる投資先はあるのか?現実世界であり得るのか?
まず平均的なリターンを挙げる指数の中で最も安定して高いリターンを長期間挙げている米国株式市場のリターンは7%程度となっています。高い成績ではありますが、利回り20%には遠く及びません。
アクティブ運用型とパッシブ運用型の投資信託のどちらが優れているのか徹底比較!インデックス投資は本当に最強なのか?
日本の投資先でいうと今一番話題にあがっている『ひふみ投信』ですが、カンブリア宮殿に登場して純資産が急騰したことで風向きが変わりました。
やめたほうがいい?評判だった「ひふみプラス」「ひふみ投信」の時代は終わった?まだ上がる?暴落の理由や今後の見通しを含め徹底評価!
直近5年間だと日経平均にも劣後する成績に終わってしまっています。
青:ひふみ投信
赤:日経平均株価
本来、ファンドマネージャーの藤野英人氏が得意とする小型グロース株投資だけでは運用できなくなってしまいました。
結果としてポートフォリオは大型株中心となりパフォーマンスは日経平均と同様又は劣後したものとなってしまっているのです。
下落リスクを最小限に抑えながら10-15%程度のリターンを継続的に出す投資先(特に20代〜30代はリスク選好が◎)
総じて10年以上、20年以上というレベルで20%以上のリターンを出すのは難しいことがご理解頂けたかと思います。
市場下落時には株価指数、バフェット、ひふみ投信、全て大きな下落を被っています。
資産運用を行う上では下落を出来うる限りさけ、年率10%程度のリターンを継続的に出すことが肝要とされています。
下落を最大限抑えるためには単純に株式投資をおこなっているだけでは不可能です。
☞ 個人投資家が狙うべき利回りはどれくらいが最適?年利10パーセントを超える資産運用方法はあるのかを考察
その為、株式市場とは異なる動きをするオルタナティブ投資が急速に注目を集めています。
☞ オルタナティブ投資登場前夜!ポートフォリオ理論の進展とシステミックリスクの発見。
☞ オルタナティブ資産の種類とおすすめ投資先とは?オルタナティブ投資を実践すべき理由とともにわかりやすく解説する!
オルタナティブ投資は株の値動きと連動しない資産でポートフォリオの安定性を高める投資先として注目を集めています。
オルタナティブ投資を活用して米国の機関投資家は年率10%程度のリターンを継続して20年以上にわたり叩きだしています。
実際、ハーバード大学の基金はポートフォリオの70%をオルタナティブ投資で構成しています。
☞ 資産分散を行い市場平均をオーバーパフォームする投資ポートフォリオを組成する為の考え方
オルタナティブ投資の中でも代表的なものとしてヘッジファンドがあります。実際上記の通り、ハーバード大学もヘッジファンドを一番多く組み入れています。
ヘッジファンドはいかなる市場環境でもリターンをだすことを至上命題として絶対収益型のファンド形態です。
☞ ヘッジファンドとは何者?わかりやすく簡単に解説。私募(プライベート)ファンド・公募ファンド(投資信託)の違いを理解しよう!!
ヘッジファンドはITバブル崩壊で利益を得たところから注目度がたかまり、リーマンショックも軽傷で乗り切ったことで機関投資家から重用されるようになっています。
今までは海外の機関投資家や富裕層のみしか門戸が開かれていませんでしたが、近年では日本でも投資できる環境が整ってきています。
以下で筆者が投資しているファンドを含めてランキング形式でお伝えしていますので参考にしていただければと思います。
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筆者の場合は、もう2023年ということで、すでに10年近くヘッジファンドであるBMキャピタルで運用を続けています。
BMキャピタルは東大卒→一流外資金融で経験を積んだポートフォリオマネジャーがバリュー株投資で非常に堅実で、下落耐性の強い運用を行なっています。
上記でバフェットの運用の複利効果について述べましたが、まさにマイナスを最小限とし、プラスを積み上げ資産を複利で拡大していくスタイルをとっています。以下のバークシャーのように20%のリターンは難しいですが、10%程度のリターンでも複利運用すれば巨大な富を築くことができます。
一発逆転で派手なリターンを求める、2年、3年で資産を爆発的に成長させたいという人には全く向かない投資ですが、堅実に毎年着実に積み上げていく「資産家思考」の方であれば、マッチする運用先だと思います。
概要は以下ですが、詳しくまとめている記事もありますので参考にしてみてください。
今回のまとめ
1000万円を年率20%で運用を続けた場合13年で1億円を達成することができるのですが、年率20%を達成するには非常に難しく10年以上継続するのは至難の業であり現実的ではありません。
通常の投資では難しいですが、オルタナティブ投資の代表格ともいえるヘッジファンドを用いれば、年率10%以上のリターンを下落リスクを抑えながら追求することが出来ます。
その他にも1000万円を運用する際に候補となりうる投資先を狙える利回り毎に、以下に包括的に纏めていいますのでご覧頂ければと思います。
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