本においては1000万円を貯金した時点で、
資産運用に興味を持つ方は不思議なことにとても多いです。
会社で働き、コツコツと1000万円に資産が到達した時に以下の考えを持つ方も多いと思います。
なかなか資産を構築するのは難しい、時間がかかる。
他にもっと早く資産を大きくする方法はないのか?
と考え始める頃なのかもしれません。
私の周りでは「10年スパン」でどれくらいのリターンが得られるのかを気にする人が多いのも、
私にとっては不思議ですが、やはりキリの良い数字でベンチマークを設定したいのかもしれません。
実際に資産運用は早く始めて、複利で長く運用することが最もリターンが大きいことは明白ですが、
今回はあえて10年で利回りはどれくらいを目指すのが適切なのかを紹介していきたいと思います。
もくじ
- 1 1000万円を運用する場合の各利回りでのリターンを把握してみよう
- 2 【要注意】FXはそもそも資産運用ではない
- 3 利回り1%:対象運用先は保険積立
- 4 利回り→3%:対象運用先は米国債・社債(コロナ禍ではその限りではない)
- 5 利回り→5%:対象運用先はREIT(リート)か高配当株
- 6 コラム:21世紀の資本論から見る5%という運用利回りの水準
- 7 利回り→7%:対象運用は米国連動ETF(VTI、VOO)
- 8 コラム:投資信託という選択肢は魅力的?
- 9 利回り→10%:対象運用先はヘッジファンドでポートフォリオを組む
- 10 年率10%以上を狙うのであれば個別株が最有力
- 11 異常に高い利回りを喧伝するファンドや金融商品には要注意
- 12 この記事のまとめ
1000万円を運用する場合の各利回りでのリターンを把握してみよう
世の中には資産運用の方法が多々あります。
いや、あり過ぎるくらいです。
人間は選択肢は多ければ多いほど良いように感じますが、
実は多ければ多いほど迷うことになり、
考えれば考えるほどその決断は誤ったものになってしまう傾向があるのです。
資産運用の投資先を考える際には様々なアプローチがありますが、
まずは各利回りのパーセンテージをシンプルに並べてみる方法です。
自分の人生ではいつまでにいくら必要かを考えて、資産運用計画を立てていきましょう。
【要注意】FXはそもそも資産運用ではない
まず利回りについてお伝えするまえに日本人が大好きなFXについてお伝えしていきましょう。
FXは残念ながら、投資といえる代物ではありません。
投資という限りは全てのパイが大きくなっていき、期待値がプラスでないといけません。
しかし、FXは残念ながら上がるか下がるかをあてるゲームです。
勝つ人と負ける人の比率が理論上同じ数だけ存在するのです。
胴元の証券会社にスプレッドを抜かれているのでカジノでポーカーをしていた方がよいですね。
また、スワップポイントがもらえるから新興国通貨の場合は期待値はプラスと考えている方もいらっしゃると思いますが大間違いです。
スワップポイントはが高い通貨はインフレ率が高いので結果的にレートが下落する傾向にあるのです。
詳しくは以下に記載していますので参考にしていただければと思います。
利回り1%:対象運用先は保険積立
利回り1%で10年複利で運用すると以下の通りに資産が増加します。
5年で約50万円、10年で約105万円のリターンですね。
定期預金は最も高い利回りが見込まれるネット証券の定期金利でも0.3%となっているので、
定期預金よりは若干利回りが高い投資先が投資対象となります。
1%であれば、投資先として考えられるのは保険の積立型で1%程度、今流行りのiDeCoの1%となりますが、
両者とも何十年にもわたって資金の拘束を受けてしまい、その間にインフレが発生してしまえば、
利回り以上の損失を被ってしまうことになります。
まだまだ投資元本が小さいうちからこのように利回りが低く更に資金拘束を受ける資産運用は避けたいところです。
→ 貯金1000万円を元本保証で資産運用したいという方は必見!知られざる積立型保険の欠陥についてもお伝えする。
利回り→3%:対象運用先は米国債・社債(コロナ禍ではその限りではない)
利回り3%で10年複利で運用すると以下の通りです。
5年で約160万円、10年で約340万円のリターンですね。
利回り3%程度であれば米国債が最もしっくりくる投資先です。
米国債は米中央銀行の度重なる利上げによって豪州を抜いて先進国の中で最大の利回り水準を誇っております。
現在楽天証券で取引できる米国債・米社債ですが国債と社債を組み合わせることで3%以上の利回りを確保することができます。
しかし、残念ながら上記は通常時のケースです。
残念ながらコロナショックを受けて大規模な金融緩和を行なっているので米国の長期金利も0%近辺となっています。
結果として直近の米国の国債と社債の金利水準です。
社債であっても1%程度しか取引されておらず、国債に関しては25年債でようやく1.3%という水準です。
コロナショックがおさまり金利が正常化するまで米国債で2%-3%を狙うのは難しいといえるでしょう。
利回り→5%:対象運用先はREIT(リート)か高配当株
利回り5%で10年複利で運用すると以下の通りです。
5年で約280万円、10年で約630万円のリターンですね。
高い分配金利回りが狙えるREIT
平均4%の利回り水準のREIT(リート)の中から高配当銘柄を組み入れれば可能な水準となります。
リートは得られた賃料収入や不動産売却収入の9割を配当することによって法人税を免除できる制度なので、
配当利回りが株式に対して高くなるのです。(⇨J-REITの配当利回りランキング)
ただREIT(リート)は先ほどの積立保険や米国債とは異なります。
そもそも元本自体が大きく変動するので決して元本保証の投資先ではなくミドルリスク・ミドルリターンから、
ハイリスク・ハイリターンの投資先として認識されています。
ディフェンシブ銘柄で高配当株
株式投資でも高配当と言われる銘柄は5%以上の配当利回りを獲得することができます。
最たる例が通信会社のソフトバンクです。(孫社長が運営するソフトバンクグループとは別企業で同社の子会社で2018年末に上場されました)
安定事業から安定したキャッシュフローがもたらされるので配当金は増額基調を維持しています。
配当金 | |
2019/03 | 75円 |
2020/03 | 85円 |
2021/03 | 86円 |
コロナショックを経ても増配をするのは凄いですね。2020年8月末時点の予想配当利回りは5.8%となっています。
安定した業績をコロナショックでもだしており、当期純利益は増加基調を維持しています。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 当期利益 |
---|---|---|---|
2017/03 | 3,483,056 | 678,659 | 441,189 |
2018/03 | 3,547,035 | 641,935 | 412,699 |
2019/03 | 3,746,305 | 719,459 | 430,777 |
2020/03 | 4,861,247 | 911,725 | 473,135 |
2021/03 | 4,900,000 | 920,000 | 485,000 |
株価も安定しており景気に左右されないディフェンシブ銘柄の特徴を示しています。
安定した配当金を獲得するという意味では魅力的な銘柄だとおもいます。
コラム:21世紀の資本論から見る5%という運用利回りの水準
著書『21世紀の資本論』でノーベル経済学賞を受賞したトマ・ピケティは労働による給与の成長率(g)を、
歴史上一貫して資産運用による収益率(=資本収益率r)が上回っていることを示しました。
有名な r > g の不等式ですね。
トマ・ピケティによると有史以来一貫して資本収益率は5%近辺であり、
資産運用を行う上での『平均点』がまさに運用利回り5%であるということができるでしょう。
利回り→7%:対象運用は米国連動ETF(VTI、VOO)
利回り7%で10年複利で運用すると以下の通りです。
5年で約400万円、10年で約970万円のリターンですね。
7%以上の段階になると、自力で株式投資、FXなどでの売買を考える人もいると思います。
しかし、自分で株式投資などをするのは非常に難易度が高く、
専業でトレーダーをやっている人であっても本当に利益を出している人は少ないです。
特にFXに関しては専業でトレーダーをやっている人の勝率が40%程度であるというデータもあり、
とてもじゃありませんが、会社員をやりながらこのような市場に飛び込むのはおすすめできません。
7%以上の水準で資産運用をするのであれば、インデックス運用を行うのであれば米国の株式市場への連動を目指す、
バンガード社が組成しているS&P500指数に連動するETFであるVOOがおすすめできます。
米国の株式市場は1800年代からの200年程度にわたり平均年率7%程度のリターンで成長してきております。
ただ、局所的には今回のコロナショックのように40%近く下落することはあります。
1000万円投資した場合は1時的には400万円の損失を被ることもあるのです。
VOOに一点賭けをするのは投資初心者には危ない橋であると言わざるを得ないでしょう。
コラム:投資信託という選択肢は魅力的?
先ほどS&P500指数に連動するETFの魅力についてお伝えしました。
ここまで読んできて、投資信託は候補に入らないの?と疑問に思われた方も多いと思います。
一言に投資信託といっても大きくわけて二つの種類があります。
一つは先ほどのETFのように指数に連動する成績を目指すインデックス型の投信。
もう一つはインデックスに対してプラスのリターンを出すことを目指すアクティブ型の投資信託です。
インデックス型の投信は手数料も低く、長期的にみたら安定的な成績を出してくれます。
しかし、残念ながらアクティブ型の投信は手数料が高い割に成績は散々な結果となっています。
一度販売すれば年率で手数料が発生する仕組みなので、運用で増やすことが目的ではなく、
投資家に投資をしてもらうことが目的となる手数料型ビジネスになってしまっているのです。
必ずしも劣悪な商品ばかりではありませんが、大半は期待外れの結果しかのこしません。
以下で詳しく記載していますので参考にしていただければと思います、
投資信託は儲からないのはなぜ?本当におすすめの運用先とは。公募ファンドの仕組み/日米の公募投信のコスト比較 / 信託報酬(手数料)とリターンの関係
利回り→10%:対象運用先はヘッジファンドでポートフォリオを組む
利回り10%で10年複利で運用すると以下の通りです。
5年で約610万円、10年で約1,590万円のリターンですね。
よく資産運用を行う方に向けて運用利回り10%が一つの基準とされていることがわかりますね。
10年間単純に年間利益100万円を積み重ねても1000万円の利益にしかなりませんが、
複利で運用を行えば1600万円に増加しますし、更に運用年数が増えれば差は顕著になります。
下落リスクを抑えながら10%以上を狙うのであれば、ここはもうプロに投資を任せることがベストです。
ヘッジファンドは損失を抑えながら、高いリターンを収めることができる投資先として、
欧米の機関投資家や富裕層から注目されている投資先です。
→ 【2020年・国内優良ヘッジファンド】おすすめ投資先ランキング〜リスクを抑え安全・着実に資産を増やせる運用先を紹介〜
私が投資を行っているBMキャピタルは本格的なバリュー株投資を行い過去6年間下落を一度も経験することなく、
手数料後の投資家ベースでの年平均リターンを10%で達成しています。
→ ネットネット株への投資だけではない!マルチストラテジー型ヘッジファンド「BMキャピタル」の運用手法とは?
長期投資におすすめなヘッジファンドであるBMキャピタルについては以下にてまとめていますので参考にしてみてください。
年率10%以上を狙うのであれば個別株が最有力
年率10%以上の利回りを狙うにであれば個別株投資を行う必要があります。
個別株投資の可能性は無限大です。株価が1年で2倍以上になる銘柄は数多く存在します。
大きく株価を伸ばす銘柄の多くは皆さんが知っているような大企業ではなく小型株企業に存在しています。
代表的な例としては「いきなりステーキ」を運営するペッパーフードサービスがあります。
ペッパーフードサービスは1年間で10倍以上になりました。
ただ、上記の株価推移をみていただければ分かる通り、下落する時も勢いよく下落します。
可能性も無限大なのですが、損する可能性も大きいのです。
個別株投資を行うのであれば、しっかり勉強した上で相当な覚悟を持って行わなければいけません。
株式市場はプロが凌ぎを削っている場所であり、中途半端な準備で挑むと大きな損失を被ることになるのです。
余程の自信がない限りは先ほど申し上げたような信頼できるプロに託す方がよいでしょう。
異常に高い利回りを喧伝するファンドや金融商品には要注意
世の中には年率50%以上だったり、月利10%だったり、日利1%というとんでもない水準を喧伝して資金を集めている商品が存在しています。
しかし、これらの商品は殆どの確率で詐欺商品であると断ずることができます。
本当に継続的に上記のような利回りが出せるのであれば、誰でも簡単に億万長者になれます。
あの投資の神様であるバフェットですら長期の運用利回りは20%なのです。(直近10年では10%程度)
20%以上を継続的に出すと喧伝する商品が詐欺的なものであることは怪しいのです。(勿論単年度や短い期間であれば可能性は十分ありますが)
詐欺的な商品は大抵ポンジスキームというスキームを用いています。
新規の投資家から集めた資金を運用することなく、既存の投資家に分配することで暫くは分配金を支払います。
しかし、新規投資家からの資金が既存投資家への分配資金未満となってきたらファンドは資金を持ち逃げして蒸発します。
資産運用に簡単な近道は存在しません。あくまで、堅実な利回りを求めてコツコツと資産を伸ばしていきましょう。
年率10%でも複利の力は偉大ですからね。
この記事のまとめ
それぞれの利回りのシンプルなリターンの金額と、
各利回りに合わせた資産運用先を今回は紹介してきました。
1% | 積立型保険 |
3% | 通常局面での米国債・米社債(コロナ禍では厳しい) 米ドルの為替リスクを負うことになる。 |
5% | REITと高配当株 当然株価変動リスクを負うことになる。 |
7% | 米国株インデックス 時々暴落を被ることと米ドル為替リスクを負う |
10% | 日本の優良ヘッジファンド 下落耐性が強く安定した成績を期待できる |
10%以上 | 個別株投資 無限の可能性と高いリスクがある。周到なる準備必須。 |
あなたの年齢、今後目標にする金額に合わせて、
資産運用先を選んでいけば良いかと思います。
私は最後にお伝えした国内投資ファンドに投資を行い着実に資産を伸ばしています。
資産を着実に増やしながら日々の仕事を充実させ、不安のない老後を目指していきましょう。